【運命の人】
17枚目のシングル曲で、アルバム『フェイクファー』にも収録されています。アルバムにはAlbum Versionが入っていて、シングルよりは半音下げになっています。なんでも、シングルの【運命の人】の出来に満足がいかなかったらしく、アルバムで再度レコーディングしたとのことです。
この曲が出た時のこと、何となく覚えています。確か、僕が小6か中1か、そのくらいの頃だったと思いますが、Mステにスピッツが出て、この曲を新曲として披露していました。最初聴いた時、なんかとても楽しい曲だな、と感じたことを覚えています。
色んな音が聴こえてきて、キラキラしている感じがします。草野さんがアコギを弾いていて、エレキギターのも音もクリーンで、それらの組み合わせが心地よいです。
歌の解釈ですが、僕としては、この歌に関してはさすがに、気持ちの良いラブソングであると、素直に感じることができました。
この曲には、個人的に印象に残るフレーズがたくさん出てきます。それらを紹介していきます。
まず、一番のAメロ、Bメロから。
「バスの揺れ方で人生の意味が解かった…」
初っ端の歌詞であるが、本当に印象に残りますね。おそらく、何でもない日常の一コマも、君と生きていくことを大切にしたいな、ということですかね。
「愛はコンビニでも買えるけれど…」
「変な下着に夢がはじけてたたき合って笑う」
これらの下りも、同じようなことを歌っているんじゃないでしょうか。特別なことなどない、何てことのない日々だとしても、くだらないことで笑ったりして、僕たちなりの愛を育てていこうよ、と歌っているように感じます。
「でもさ 君は運命の人だから」
個人的に、一番印象に残ったフレーズです。この「でもさ」が、なんか良いですよね。君は運命の人だ、という重要な告白を、「でもさ」と、さらっと、飾らずに言っちゃう感じ、ほほえましいですよね。どんな会話で、こういうフレーズが使えるんでしょうね、笑。
次、サビの歌詞から。
「あえて無料のユートピアも 汚れた靴で通り過ぎるのさ」
この歌詞も、すごいですよね、どうやったらこんな素敵な歌詞が思いつくのでしょう。無料のユートピア=つまりは世の中のそこら辺にあふれている幸せ、ということですかね。それを、汚れた靴で通り過ぎるんですからね、自分たちの幸せ、自分たちが何を楽しいと思うか、そんなのは自分たちで決めていこうよ、と歌っていると感じます。
「いつかつまづいた時には 横にいるから ふらつきながら…」
こんなプロポーズしてみたいですよね、笑。大好きな人にこんなこと言われたら、きっと嬉しいでしょうね。
最後、もうひとつ。
この歌の中に出てくる印象的なフレーズとして、「神様」という言葉があります。二番のサビなんかは、何度も連呼していますね。
個人的に言わせてもらえば、スピッツの歌の中に出てくる「神様」という存在には、”死”のイメージがつきまといます。そこから僕は、草野さんは「神様」という存在を、”死”の象徴として使っているのではないか、と考えるようになりました。
となると、この【運命の人】に出てくる「神様」はどうなるでしょうか。純粋にラブソングと解釈をしているので、その解釈につなげるとしたら、死ぬまで一緒にいよう、という思いを表す言葉と考えることができます。
まぁ、そうじゃなくても、何となく神頼み的な雰囲気でもありますかね。普段は、神様なんて信じていないくせに、都合のいい時だけ、神様!お願いです!願いを叶えてください!、みたいに言っちゃう軽い感じ。それでもありだと思います。
他にも、印象的なフレーズが出てきますが、その全部に、幸せ、愛を感じますね。素直に、ほほえましいラブソングだと思います。
【運命の人】(ダメだ、見るといっつも笑ってしまう)