スピッツ大学

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34時限目:俺の赤い星

【俺の赤い星】

 

アルバム『ハヤブサ』に収録の曲です。イントロもなく、いきなり草野さんのボーカルで始まって、ドキッとします。

 

スピッツの曲で、歌詞の中の一人称が”俺”で表されている曲は、ワイルドな曲だと思っています。…と言って、他に何がありますかね、【俺の赤い星】【俺のすべて】【旅人】【バニーガール】…あら、案外思いつかないもんです。

 


さて、この【俺の赤い星】なんですが、聴くといっつも思い出す漫画があるんです。それは、”北斗の拳”です。もう知らない人も多くなってきそうな、ちょっと古い漫画です。

 

漫画の内容の話は置いといて、この”北斗の拳”と【俺の赤い星】の個人的な類似点ですが、”北斗の拳”の中には、”死兆星”なるものが出てきます。名前の通り、星の名前なんですが、この星は”見えた者は死んでしまう”という不吉な星なのです。

 

北斗七星の横に、寄り添うように光る星なのですが、通常は見えない、というのが、漫画の中の設定です。しかし、もしもそこに光る”死兆星”が見えた暁にはもう大変、「おい、お前死兆星が見えてるのか?そいつぁやばいだろー」とこういう展開です。

 

ただ、”死兆星”を見ても死ななかったキャラクターも居ますが、まぁ不吉な運命を背負った星だということです。ちなみに、”死兆星”は蒼い恒星です、色の部分では、タイトルとは異なっていますね。

 

(今回調べてみて、”死兆星”の話は実在した(?)ことを初めて知りました。何でも、古代の徴兵時の視力検査に使われていた星だそうです。この星が見える=視力が良い=徴兵される=戦争で死ぬ、という、何となく、風が吹けば、桶屋が儲かるシステムですが…。他にも、逆に見えると長生きするとか、色んな逸話があるそうです。)

 


曲の話に戻ります。

 

この曲の中では、男が”赤い星”を探している描写が繰り返し出てきます。この星が、もしも”死兆星”だとしたら、この男は死にたがっているということに繋がります。出だしの歌詞を見てみると、

 


一度だけ現れる 誰にでも時が来れば
あくびするフリをして 空を見た

 

となっていますが、”誰にでも時が来れば”という表現が、人はいつか死ぬ運命だということを示唆しているように思えます。

 


ただ…こんなピンポイントで”死兆星”のことを書くだろうか、という疑問もあります。

 

ということで、別の解釈としては、例えば、探している星は、”自分の願いを叶えてくれる星”である、というのがあります。

 

しかし、いずれにせよ、この歌からは、あまり希望は感じられないです。”死兆星”ならば、死にたがっているわけですが、”願いを叶えてくれる星”だとしても、結局は見つけられてないんですからね、男は救われていないことになります。願いが叶わないのならば、救われない人生ならば、いっそのこと死んでしまおう、と、結局は”死兆星”と同じような結末をたどることになりそうです。

 


他、気になるフレーズとしては、

 

「他人のジャマにならぬように生きてきた」…生きてきた、と過去形ですからね、もうそんな生き方はうんざりだ、と思っているのかもしれません。

 

「プロペラをまわす夜の果て すぐに撃ち落されるとしても」…この描写を読むと、なんか”願いを叶えてくれる星”を探している解釈の方が当てはまるような気がします。すぐに撃ち落される=そんなもんはねーよ、探すだけ無駄だって、みたいな感じですかね…。

 

「よく似た石 百種類」…空に輝く無数の星のことでしょうか。しかし、やはりその中に、【俺の赤い星】はないようです。

 


その他、【俺の赤い星】で、女性のことを表している、という解釈をどこかで見かけました。つまり、この男性は、運命の人を探していんですね。それもありかもしれません。

 

まぁ、いずれの解釈にしたって、何となく物悲しい歌だと思います。赤い星を探して、フラフラと街を彷徨っている男の姿が浮かんできます。