スピッツ大学

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73時限目:スカーレット

【スカーレット】


 

■15作目のシングル曲です。アルバムとしては、『フェイクファー』に収録されています。

 

これは僕の勝手な思い込みですが、【スカーレット】に出てくる”君”の姿を、アルバム『フェイクファー』の、ジャケットの女性に重ねながら聴いています。田島 絵里香(たじま えりか)さんという方らしいですが、【冷たい頬】のジャケットや、【楓】のPVなどにも出られています。美人さんですよねぇ、初めてジャケットを見た時から思っています。

 

個人的ランキング、195曲中85位でした。これぞ、まさに第2期のシングル曲ですね。きれいな曲だな、というのが、いつまでも変わらない印象です。この曲は明るい雰囲気のサビからはじまって、続くAメロがDmというマイナーコードで始まるので、いきなり物寂しく聴こえてきて、ちょっとはっとする瞬間です。

 


■個人的な感覚なんですが、この曲を聴くと何故か、昔やっていた音楽番組「特報!歌の大辞典」を思い出します。懐かしい!と思ってくださる方は、きっとおじさんおばs…。

 

【スカーレット】を聴いて「特報!歌の大辞典」を思い出すという理由ですが、言ってしまえば簡単です。初めて、スピッツの曲が、1位にランクインしている瞬間を見たからです。

 

 

当時のシングルの発売の順番は、【チェリー】→【渚】→【スカーレット】となってますが、どの作品も、オリコンで1位を獲得しています。そして、僕はというと、【チェリー】でスピッツのことを知って、そこから好きになったのですが、1位になった瞬間というものに、【チェリー】や【渚】では立ち会っていないのでした。

 

そこで、【スカーレット】です。上述の「特報!歌の大辞典」で、【スカーレット】がランキング1位を獲得しているのを偶然見かけて、やったぁ!と思ったのをよく覚えています。スピッツの曲では初めてでしたね、【スカーレット】自体もその時が初聴だったと思います。

 


余談ですが、今は、そういう感覚ってないですよねぇ。そういう感覚っていうのは、好きなアーティストの楽曲が、ランキング上位を獲得して、うれしい!って気持ちになるという感覚ですが…僕が歳を食ってしまったからなのかもしれませんが、もう随分前から、オリコンのランキングには何の期待もしていません。わくわくしないですよね、また”なんとか4〇”か、またアニメのよう分からんようなやつか、とかしか思わないですからね。まぁ、かっこいいバンドは、たくさんありますけどね。

 


■シングル曲だけあって、そのPVも良いんです。今回、改めてPVを見直してみましたが、こんなまったりしているPVも良いですよね。曲の雰囲気にも、ぴったりだと思います。

 

ところで、「特報!歌の大辞典」は、結構長い時間PVを見ることができる番組でしたが、確かこれも当番組で放送されていて知った情報なのですが、このPVの1分25秒あたりに出てくる犬が笑っている、という噂(?)が流れて結構話題になりました。

 

確かに見てみると、笑っているだけでなく、首をかしげて愛嬌を振舞いているように見えますね、まるで人間の子どものようです。どうでしょうか↓

 

スカーレット PV (笑う犬は、1:25あたり!)

youtu.be

 


■さて、この曲の解釈についてです。

 

とてもきれいな歌詞で、幸せが溢れているって感じです。男女の幸せな風景が流れています。ということで、それを踏まえての解釈になりますが、僕がこの曲にイメージしたのは、”プロポーズ”です。

 

解釈の一番の根拠になったのは、この歌詞です。

 


誰にも言えずに 夢見ていた
くずれ落ちそうな 言葉さえ
ありのまま すべて ぶつけても
君は微笑むかなぁ…

 

これはそのまま、君はプロポーズを受けて喜んでくれるかなぁ、と悩んでいる男の姿が浮かんできます。

 


サビの歌詞もきれいなんですよね。

 


離さない このまま 時が流れても
ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けていくよ
喜び 悲しみ 心ゆがめても
寒がりな 二人を 暖めて
無邪気なままの熱で

 

これは、男のプロポーズの言葉かも知れませんね。

 

”小さな赤い灯を守り続けていくよ”とは、ささやかだけど、二人で幸せに過ごせるように、君を守っていくよ、という、男性の優しい言葉に聞こえてきます。

 

”喜び 悲しみ 心ゆがめても…”というフレーズも、色んな困難があって、ふさぎ込んでしまうことがあるかもしれないけど、二人で温かい生活を築いていこう、という、これもまた男性の優しさ溢れる言葉ですね。

 


■ということで、肝心なタイトルの【スカーレット】という解釈ですが、”スカーレット”(英語でscarlet)とは色の種類で、日本では”緋色(ひいろ)”と表現されている色です。結構オレンジ色に近い、鮮やかな赤い色というイメージです。温かい感じの色ですね。

 

この歌の中に、”スカーレット”という言葉は一度も出てきませんが、イメージとしては、何か特定のものを”スカーレット”と示しているのではなく、この曲全体を包み込んでいる優しい雰囲気を、”スカーレット”という言葉で表しているのではないでしょうか。

 

この曲のサビに、”無邪気なままの熱”というフレーズが出てきますが、これも雰囲気にあってますよね。ゴォゴォと燃えている炎ではなくて、ゆらゆらとひっそり燃えているろうそくの温かい灯が思い浮かんできます。