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106時限目:トンガリ'95

【トンガリ'95】

 

■アルバム『ハチミツ』に収録されている曲です。かわいらしい、割とゆったりとした曲が多い当アルバムの中でも、疾走感あふれるロックな曲です。個人的ランキング、195曲中58位でした。タイトルに、” '95”が付いているのは、アルバム『ハチミツ』の発売に伴い、この曲が世に発表された、1995年を表しているものだと思われます。

 

wikiに書いてある通りですが、【トンガリ'95】は、スピッツのテーマソングであるとのことです。

 


■何番煎じの話かは分かりませんが、この話をしておきます。

 

そもそも、スピッツというバンド名は、ドイツ語で"spitz"と書きますが、草野さんが”sp”と単語が続く表記が好きだったため、"spitz"と名付けたものだそうです(他にも、色んな理由がありそうですが)。そして、”spitz”という単語は、”とがっている”という意味です。

 

また、草野さんが書く詩については、そのテーマを”死とセックス”としています。セックス=性、ということで、全ての命の始まりである”性”は、すなわち”生”であること。そして、命の終わりを意味する”死”。つまり、”死とセックス”は、”生と死”に他ならず、命の始まりから終わりまでを表している、と言っても過言ではありません。

 

草野さんは、自身の書く詩の中で、”丸い物”には”死”のイメージを、”とがってる物”には”性”的なイメージを込めている、という話があるそうです。というより、実際に詩を読んでいて、そう感じる部分も多くあると思います。

 


以上のことから、スピッツや草野さんの中で、”とがっている”というイメージは、重要なものである、ということが分かります。

 

そういうところからも、それを直接的に表した、”トンガリ”という言葉をそのタイトルに含めた、【トンガリ'95】という曲を、スピッツのテーマソングと考えることは、自然なことであると思います。

 


■ということで上述を踏まえて、【トンガリ'95】を紹介していきたいと思います。

 

まず、この曲で印象に残るのは、何といってもサビの部分で、”とがっている”という言葉を連呼しているところだと思います。曲を通して、”とがっている”というフレーズは、全部で16回も連呼されています。

 

この”とがっている”とは何を表しているのでしょうか。何が”とがっている”のでしょうか。

 


まずは、最初から述べていますが、草野さんは”とがっている物”には性的なイメージを込めている、ということで、それをそのまま当てはめてみます。

 

例えば、男性器がとがっている、としてみるとどうでしょうか。男性器が”とがっている”と、16回も連呼しているという、とんでもない変態ソングになってしまいますが…。

 

この解釈で、他の部分を読んでいってみると、Aメロにこんなフレーズが出てきます。

 


プラスチックのカバーを はずしたその後で
短い夢を見てる おかしなフライデー

 


死ぬほど寂しくて 扉をたたいても
繰り返されるテープの 音は消えず


これらの部分でまず僕が想像したのは、若い男子がアダルトビデオを見ている、という光景でした。

 

”プラスチックのカバー”…アダルトビデオが入っている(プラスチック)ケースを開けて、ビデオを取り出す描写か。
”おかしなフライデー”…曜日は、金曜日なのでしょうか。休みの前の日だから、余計に気分も高揚してるんでしょうか、笑
”繰り返されるテープの 音は消えず”…アダルトビデオで見た、イヤーンな光景がいつまでも頭の中に残っている、ということでしょうか。

 

などなど。そして、”とがっている”の連呼ですからねぇ、これだと、あからさまなそういう歌ということになりますね。

 


■あとは、上述のような性的なイメージから離れた解釈を考えると、”とがっている”という言葉は、時に、若者に対して使われることがあります。まぁ、別に若くなくても、使われることがありますが。

 

どういう意味合いでしょうか…個人的には、思春期の若者などによく見られる、反社会的・反抗的な態度と言いますか、触るものはすべて傷つけてやるぞとか、大人は信じないぞとか、そういう文字通り、ツンツンとした態度のことを、”とがっている”ということがあると思っているんですが、どうでしょうか。

 


そういう解釈を、【トンガリ'95】にも当てはめてみると、性的な衝動ももちろんあるのでしょうけど、もっと広い意味で、”とがっている”若者の歌である、と考えることができます。

 

例えば、”プラスチックのカバー”や”繰り返されるテープ”などは、部屋で大音量で流している、CDやカセットテープの音などと考えても、あてはまるかもしれません。

 

”とがっている”若者が、両親に「うるさいわね!そんな不良の聴くような歌を大きな音で流してから!止めなさい!」と言われても、「うるせーな、くそばばぁ!」と聞く耳を持たず、ロックな曲を爆音で流してはしゃいでいる、そんな光景が思い浮かびます。

 

ひょっとしたら、近所迷惑も気にせずに、大音量でエレキギターを弾いていたりするのかもしれません。

 


■まだ色んな解釈ができそうですが、いずれにせよ感じたのは、”若者の衝動の爆発”というものでした。思春期の若者が、行き場のない悶々とした思いを爆発させているような、そんな勢いを感じます。

 

そしてそれは、他でもない、草野さんの心に溜まった衝動なのかもしれませんね。こういう歌を通じて、ロックを通じて、それを爆発させていたのでしょうか。