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109時限目:どんどどん

【どんどどん】

 

■アルバム『とげまる』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中127位の曲です。

 

個人的な意見ですけど、スピッツの活動は、今のところ四つの時期に分けることができる、と思っています。それぞれの時期をオリジナルアルバムで区切ると、第一期は『スピッツ』~『Crispy!』、第二期は『空の飛び方』~『フェイクファー』、第三期は『ハヤブサ』~『さざなみCD』になると、個人的には思っています。

 

そして、【どんどどん】が収録されているアルバム『とげまる』からは、第四期に突入したと思っています。

 


■僕の考える、第四期の特徴のひとつは、第二期のスピッツの音楽と、第三期のスピッツの音楽が、上手く混ざりはじめた、というものです。第四期の楽曲を聴いていると、何となく懐かしい気分になることが多いんですよね。原点回帰というか、そう意識してのことでしょうか。

 


その一方で、これまでは決して聴くことはなかった感じの曲も多く出てきます。曲の”振れ幅”もさらに広がったって感じでしょうか。ロシアっぽい曲があったり、ダンサブルな曲があったりです。

 

この【どんどどん】に関しては、まさにまた新しい扉を開けたって感じですよね。メロディーも歌詞も、完全に遊んでてね、もちろん良い意味でですけど。第三期には決して聴くことはなかった曲です。

 

初めて聴いた時は、実はなかなかこの曲はなじみませんでした。しかし、やっぱりスピッツは不思議ですよね、だんだんとそれも”スピッツらしさ”になっていくんですから。今は完全に、【どんどどん】もスピッツらしさと思ってます。

 


■それでは、【どんどどん】についてです。

 

【どんどどん】って…タイトルから、もう遊んでますよね。おそらくドラムの音をそのままタイトルにしたんでしょう。イントロから、”ドンドドンドドド・ドンドドンドドド…”と鳴っている音ですね。

 

そして、そのままそのドラムのリズムに合わせて、ずっと一定の音程で歌が続きます。この曲の特徴は、何と言ってもAメロですよね。ボーカルの声も、何か古いスピーカーから聴こえてくるようなエフェクトを効かせて…こういうエフェクトなんていうんだろ、分かんないですけど、それがまた面白いですよね。

 


Aメロは、歌詞も面白いです。読んだ限りでは、あんまり意味は無いように思えますが、どうでしょうか、もう遊んでるとしか思えないですけど。要所要所で、韻を踏んでるのも特徴的ですよね、”トゥナイ(ト)”、”つらい”、”くさい”、”くらい”など。

 

どこかで見たのは、この時期の話ではないかもしれませんが、草野さんはある時、ラップっぽい曲を作ろうとしてたらしいですね。それで、デモテープを作ってみたらしいですけど、「無いわ、笑」ってなったそうです。そういう歌を作りたいという思いの名残が残っていたのかもしれませんね。

 

フレーズそのものも面白いですよね、”インド製で最新のハイテク”とか”薄く切った食パンで感謝状”とか。意味はよく分からないですけど、歌ってみると、リズムが妙に良いんですよ、そのままラップ調にしてもいいくらいね、笑。

 


■そんな遊びに満ちた曲ですが、サビになると途端に、メロディアックで、歌詞も意味ありげなものに変わります。Aメロで遊んで、サビで本気出した感じでしょうか。

 


かわいい君が笑ってる 悩みの時が明ける
やわらかな綿の上 初めての懐かしさ
終わらないで 終わらないで

 


優しい君が呼んでいる ひとつだけに従おう
流れ星を追い越して そのスピード感じてる
終わらないで 終わらないで

 

色々想像できますけどね。ラブソング的にも、ちょっとイヤーンな感じにも、ファンに向けた歌詞にも思えたりします。まぁ、こういう曖昧なところも、草野さんの書く詩らしいですけどね。

 


■さて、この曲には、MVがあります。しかしながら、YouTubeスピッツ公式チャンネルを調べても、見つけることはできませんでした。当MVは、20周年記念に発売された、全MVを収録した映像作品『ソラトビデオCOMPLETE』で見ることができます。

 

すごく凝った作りになってて、面白いんです。ロトスコープっていう技術を使っているらしいです。要は、メンバーの演奏している動きを、そのままアニメーションに映し変えているるって感じです。

 

そして、このMVの随所には、サブリミナル的に、スピッツのライヴ風景や、アルバムジャケットなどが映り込みます。ここから、アルバム『とげまる』や、この【どんどどん】という曲が、20周年の集大成的な作品になってるんじゃないかな、と思えてきます。

 

クリエイティブな大人たちが本気で遊ぶと、こんな楽曲や映像ができあがるんですね。