【夏が終わる】
■アルバム『Crispy!』に収録されている曲で、後に、シングル『君が思い出になる前に』がアルバムからリカットされ、そのカップリングにも収録されました。
個人的ランキング、195曲中56位でした。『Crispy!』の中でも、とても好きな曲ですが、ランキングをつけてみると、全曲を通じても、改めてこの曲が好きだってことを再確認しました。
季節的なことを考えれば、そのタイトル通り、”夏の終わり”にこの曲を紹介するのが良かったのかもしれませんが、あいうえお順という、ここのブログの全曲紹介ルールがあるので、まぁこれも宿命ですね…夏のはじまり(この記事を書いている現在)というこの時期に、紹介するという運びになりました、笑。
■wikiによると、AOR的なサウンドが特徴で、「これまでにスピッツになかった新鮮な曲」と語られていたそうです。AORとは、元々の意味合いは違うそうですが、日本で流行ったAORの解釈は、「大人向けのロック」だそうです。
そのAORという言葉通り、ムーディーな曲ですよね。なんか80年代~90年代くらいのおしゃれなBARで流れているような感じです…まぁそんな場所行ったことないですけど。ロックというより、昭和の歌謡曲に近いような気がします。
この時期のスピッツの曲の特徴でもある、ホーンやストリングスを多用して、ゆったりとしているけど、音色豊かで賑やかな雰囲気になっています。
■では、曲の解釈についてです。
と言っても、あんまり気の利いたことを書けそうにありません。この曲は、雰囲気を楽しむ曲だと思っていますので。
この曲に関しては、そのタイトル通り、”夏の終わりに訪れる切なさ”を歌った曲だと思っていて、あんまり裏を読もうともしてないんですが、どうでしょうか。割と素直に聴いています。
しかし、その”夏の終わりの切なさ”を、草野さん節全開で書くと、こういうことになるんですね。ただただ、独特な表現に感嘆するばかりです。
”彼はもう 涼しげな 襟もとをすりぬける”
”鎖骨からこぼれた そのパワーで”
”キツネみたい 君の目は強くて”
そしてサビの、
*
またひとつ夏が終わる 音も立てずに
暑すぎた夏が終わる 音も立てずに
深く潜ってたのに
*
なんかもね、本当にきれいな表現だと思います。
誰もが一度は経験あるとは思いますが、夏っていうのは、良い意味でも、悪い意味でも、人の”羽目”を外させるというか、テンションを上げさせるというか、そういうものだと思います。
そういう、夏の暑さを、自分の中にまだ残したまま、終わっていく寂しさ…夏が終わって畳まれ始める海の家とかね、寂しいじゃないですか…まぁ、そういう経験はないですけどね、笑。
”深く潜ってたのに”…夏という名の幻に隠れていたけど、その季節が過ぎ去って現実に帰っていくような感じですかね。
■しかしながら、これもwikiによる情報ですが、歌詞の中には、「暑すぎた夏」というフレーズが出てきますが、実際この曲を作った年は、記録的な冷夏だったそうです。
そんな、夏の切なさを感じさせる【夏の終わり】。毎年、夏が終わる時期には、聴きたくなる曲ですね!