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126時限目:猫になりたい

【猫になりたい】


猫になりたい

猫になりたい

 

■シングル『青い車』のカップリング曲であり、後に、スペシャルアルバム『花鳥風月』に収録されました。個人的ランキング、195曲中5位でした。もう文句なし、スピッツ屈指の超名曲と言っても良いでしょう!古い曲ではありますが、スピッツファンには(それほどファンでない方にも?)、今でも特に人気の高い一曲だと思います。

 

この曲を僕が初めて聴いたのは、もうかれこれ20年くらい前ですよ、中学生の時です。アルバム『インディゴ地平線』『フェイクファー』『花鳥風月』をカセットテープに吹き込んで、飽きもせず何度も聴いたものです。だから、これらのアルバムの曲は、いつ聴いても懐かしい気持ちになります。

 

その収録曲の中でも、【猫になりたい】は、当時からもう自分にとって特別な曲でした。大人っぽくて、中学生の自分にはちょっと早かったのかもしれませんけどね。

 


■この曲は、トリビュートアルバム『一期一会』で、つじあやのさんがカバーしていますが、女性が歌うのもまた良いんですよ。

 

大学生の時、カラオケに行って、バイト先の女の先輩が突然、この【猫になりたい】を選曲して歌い始めたんです。「え!まじで!猫になりたい、知ってるんですか!?」と、テンションが上がったことがありました。そして、そのまま恋に落ちていたのです、笑。

 

まぁとにかく、【猫になりたい】に限らず、女性の方が歌うスピッツの曲って良いですよね。スピッツ曲の女性カバー、好きです。スピッツをカバーする女性の方、好きです。

 


■さて。色々とこの曲の情報を載せていきます。

 

まず、この曲は上述の通り、シングル『青い車』のカップリング曲になっているのですが、もともと【猫になりたい】をA面にする予定だったらしく、その名残りが残っているのか、シングル『青い車』のジャケットが、”猫”をモチーフに作られたものになっています。しかし…↓

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B00005FN4R

 

どうでしょう…猫???というより、ビンの上に、たわしを乗っけて、耳やひげをつけて、”猫っぽい”置物を作っている、という何ともシュールな絵面ですね、笑。

 

まぁ、それだけ準備周到だったわけですから、【猫になりたい】は、とにかくA面にしたかったほど、スピッツにとっては大事な曲だったのでしょう。A面でも面白かったでしょうけど、カップリング曲になったことで、名カップリング曲の一つとして、なおさら愛される結果になりましたね。

 


■あと、これは今回調べていて初めて知ったことですが、BS-iにて放送されていた、「恋する日曜日」という恋愛オムニバスドラマで、この【猫になりたい】という曲をモチーフにした一話が放送されたそうです。

 

タイトルは、ずばり「猫」だそうです。主演は、若かりし頃の前田亜季さんです…好きです。

 

 

ちなみに、「恋する日曜日」では、スピッツの【魚】をモチーフに作られた一話もあります。こちらの主演は黒川芽衣さんです…すごく好きです。

 


■ということで、ようやく曲自体の紹介をしましょう。

 

この歌に皆さんは、どんなイメージを持っていますか?名曲名曲と言われながらも、実はその辺りが、はっきりしないんですよね。というより、皆さんが、色んなイメージを膨らませていることだと思います。

 

そこで僕は今回、2つの解釈を書かせていただきます。

 


まず、一つ目の解釈。詞を素直に読んでみます。

 

”猫”というのは、どういう生き物か…気まぐれなクセに、甘えん坊の構ってちゃん、といったところでしょうか、笑。とすると、この歌の主人公(おそらく男)は、タイトルにもなっているように、”猫になりたい”と言っているわけなので、自分が猫になって、上手に(彼女に)甘えたい、構ってほしい、という願望を吐露しているわけですね。

 


猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

 

例えば、彼女とアパートの部屋に2人でいる(歌詞中の、”霊園のそばの このアパート”ですかね)。そして夜になって、男性の方は帰らなくちゃいけない、と。しかしながら、男性の方は、帰りたくない、もっと女性と一緒に居たい…願わくば、”猫”になって、いつまでも君の腕の中に包まっていたいと思っている、と、そういう感じでしょうか。

 

あるいは、もともと一緒に過ごすことは叶わなかった夜、離れて過ごす男女。そんな一人で過ごすのが寂しい夜に、君に会いたいなー、という願いを吐露している、というのも考えられるのかもしれません。(”ここに居たいよ”と、矛盾するかな?)

 


■二つ目の解釈。既出の解釈なのでしょうか。(こっちが有力か?)

 

ずばり言うと、これが”ストーカー”の歌である、という解釈なんです。ちょっとひねくれてますかね…。

 


まずは、この出だしのフレーズです。

 


灯りを消したまま話を続けたら
ガラスの向こう側で星がひとつ消えた

 

ここは、いかにもって感じがしますよね。この男は、歌詞に出てきている、”霊園の側のアパート”に住んでいる、と考えられますが、ここの歌詞の意味は、自分の部屋の灯りを消して、女性のいる部屋を観察している、と読み取れます。

 

”話を続けたら”とあるので、嫌がらせの電話でもしているのかも知れません。そして、”星がひとつ消えた”とは、彼女の部屋の電気が消えた、それを見届けるまで、彼女の部屋を観察していた、ということでしょうか。

 


他にも、少し挙げてみますと、

 

”砕けるその時は”…色々考えられますが、例えば、警察に捕まる時とかでしょうか。死ぬ時、と訳すのは、ちょっと考えにくいですかね。

 

”暖かい幻”…この流れだと、当然、彼女と一緒に居る、という妄想でしょうね。

 

”砂ぼこりにまみれて歩く 街は季節を嫌ってる”…この辺りからは何となく、男の暗い生活を思い浮かべました。季節とは、そのまま、男のことを表しているとかって考えてみました。何となく、時間に置いてけぼりにされた、悲しい人物像を感じます。

 


あとは、すでに載せましたがもう一度、サビの部分。

 


猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

 

ここは、解釈自体は、一つ目の解釈と結局は同じになると思います。実際に、彼女が猫を飼っているのかは分かりませんが、猫になって、彼女の側に居たい、という想いを表わしているのでしょう。

 

”消えないようにキズつけてあげる”…こっちの解釈だと、何とも意味深な表現になりますよね。

 


■長くなりましたが、最後に。

 

この曲を書いたのは、他でもない草野さんです。作詞をする以上、自分の姿を歌詞に投影することは、何ら不自然ではないのですが、特にこの詞では、特に一つ目の解釈で、草野さんの姿を思い浮かべました。(二つ目の解釈だと、ちょっと問題あるので、一つ目の解釈に当てはめました)

 

どんよりしたアパートで、ひとり詞を書いている。(当時付き合っていた)彼女に会いたい、と思いながらも、一人で歌詞を綴っている。音楽活動も忙しくなってきた頃なのかもしれません、少し忙しさを感じつつ、彼女も思い浮かべながら、”猫”よ、お前は自由気ままでいいよな、俺もお前みたいに気ままに過ごしてみたいよ、という想いを持ったのかもしれませんね。

 


あー、長いね!でも、【猫になりたい】がどんなに名曲か、それを伝えるには、どんなに綴っても足りませんね。ぜひ、自分の耳で(聴いたことのない人は)確かめてください。