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スピッツ大学

入学資格無し!入学試験無し!入学金無し!

特講:アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”

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図、左:MUSICA 右:アルバム『醒めない』

 

■ついに出たねー、スピッツの15thアルバム『醒めない』が!ついでにセットで、MUSICAも買ってしまった。アルバムを通しで何度も聴きながら(リアルタイムで現在は、ラジオでSOLを聴いている)、この記事を書いているところ。

 

収録曲の個々の詳しい解釈や紹介は、きっとまだずいぶん後になると思うけど、アルバムの全体的な感想などを、熱が”醒(冷)めない”うちに書いておこうと思います。アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”だね、笑。

 (アルバム『醒めない』に収録されている曲は、”スピッツ全曲研究セミナー”にて紹介するつもりだけど、そこのルール上、それ以前のスピッツの曲を紹介し終わってからになるので、まだ当分あとになりそうです!)

 

※これより先、少しばかり、アルバム『醒めない』とMUSICAのネタバレを含むので、それでも良いと思う方は、読み進めてくださいね!

 

 

 


■通して聴いてみて、真っ先感じたことは、「とにかく明るいアルバム」だなということだった。スクールオブロックでも”最近の中でも元気なアルバム”と、MUSICAでも”明るい”という言葉で紹介されていた。

 

アルバムのタイトル、そしてそのアルバムの表題曲『醒めない』が表わしていることは、これも色んなところで言われているし、実際に聴いてみても感じることだけど、ロックに出会った頃の初期衝動から、未だに醒めていない、ということなんだと思う。

 

MUSICAでも、”楽しい”だとか、”自分がやりたいことができている”と、メンバーがしきりにそう言っているのが印象的で、本当にこのアルバムに関しては(いつもそうであるとは思うけど)楽しみながら作ったんだろうな、というのが、聴いていても感じることができた。楽しみながら作られた作品は、聴いてもやっぱりそれが伝わってくるんだよね。

 


■音的な印象としては、元気、明るい、そんな形容が似合うと思うけど、精神的な部分では、どういうものを感じ取ることができるだろうか。

 

通しで聴いてみて、このアルバムの中には、別れ・旅立ちの場面と、出会い・再会の場面があることに気が付く。ちょっと書いてみようか。

 


君ともう一度 会うために作った歌さ
今日も歌う 錆びた港で 【みなと】

 

幸せになってな ただ幸せになってな
あの日の涙が ネタになるくらいに 【子グマ!子グマ!】

 

見えなくなるまで 手を振り続けて
また会うための生き物に 【コメット】

 

戻らない 僕はもう戻らない
時巡って違うモンスターに なれるなら 【ヒビスクス】

 

また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね 【こんにちは】

 

正確には、【こんにちは】以外は、別れや旅立ちの場面を思い浮かべる。で、最後の曲である【こんにちは】で、出会いにつながっていくっていう感じかな。

 


というところで、またMUSICAの話になっちゃいますけど、その辺をこういう風に表現していた。結構、このアルバムの核心をついていると思う。

 


草:…そういう一貫したストーリーがあるアルバムを作ったら面白いんじゃないかってなんとなく思って。…結果的にそこまでにはなってないんですけど、再生の物語みたいなものを匂わせるコンセプトで作っていっていいかもって思ったところはありましたね。(中略)今回は全体的に『死と再生』みたいなコンセプトを貫けているかな。

 

草野さんの詩のテーマで、ずっと言われてきたのが、「死とセックス」というものである。死、とは、人生の終わりを意味しており、セックス(性)とは、つまり性=生として、人生の根元や始まりを意味しており、つまり「死とセックス」で、人生の始まりから終わりを表しているのだという…もう、このブログでも何度しゃべったっけなぁ、笑。

 

そして、今回のアルバムのテーマは、「死と再生」ですか。やっぱり、東日本大震災という未曽有の出来事の影響が大きいんだと思う。前作『小さな生き物』から特にそうだけど、スピッツの曲から”再生”というイメージを感じるようになってきた。

 

「死とセックス」だと、生まれてから死ぬまで…極端に言うと、死んだら終わりなんだという考え方だ。ただ、ずっと世界は世界のまま続いていくわけで、大切な人や物を失くしても、残された人の人生は続いていくわけでね。ということで、終わりは終わりじゃない、ということを、あの出来事から、これは草野さんだけではなく、誰もが感じたことだったと思う。

 


…とまぁ、大げさに言っちゃったけど、要は、前作『小さな生き物』が、旅に出る準備期間だとするならば、今作『醒めない』は、旅立ち、その道中、そして再会、という一連のストーリー、これらを総じて「再生」と表現しているのだと思う。

 

何て言うか、いつか誰かと別れなければならない時が来て、それは死別だったり、恋愛関係の終わりだったり、あるいはお互いに夢を追いかけるために、など様々な別れの形はある。全部が全部そうではないけれど、「また会おうな」って別れて、いつか再会できるときを想いながら、お互いの時間を一生懸命に過ごしていく。成長した自分…いや、決してそうでなくても、一生懸命に生きてきた自分を、お互い見せ合うために、そんな日が来ることを想いながら。

 

個人的に、このアルバムから感じ取った想いは、こういう感じかなぁ。また、長く聴いていくと、変わっていくと思うけど。 

 

 

■あと、上述のような話を象徴しているのが、”もにゃもにゃ”ですね、笑。曲名にもなっているけど、ジャケットに写っている、ネバーエンディングストーリーに出てくる聖獣ファルコン(分からない人は調べて見よう!)に似た生き物の名前が、もにゃもにゃであるらしい。

 

ジャケットには、子もにゃもにゃも写っていて、その子もにゃもにゃが、こんなにでかくなるまでずっと一緒にいた、ということで、もにゃもにゃはつまり、スピッツがこれまで音楽活動に費やしてきた時間であり、ずっと一筋に続けてきたロックに対する気持ちである…みたいなことも、MUSICAに書かれてたので、良かったら読んでみてください。

 

何より、来年でスピッツは30周年を迎えるわけだし、このアルバムも、メンバー全員が40代最後の作品であるらしい(これには、ただただびっくり!)。

 

そういう意味でも、新たな気持ちと、これまでと変わらない気持ちを持って進んでいこう、スピッツとしての「再生」の決意も込めた作品なんだと思う。

 

 

■ということで、原点回帰でもあり、新しい扉でもあるアルバム『醒めない』。どんどん聴きこんで、その身に、耳に、心になじませましょう。

 

今のところのお気に入りの曲は、アルバム曲に絞ると、【コメット】【ハチの針】【こんにちは】あたりかな。

 

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