スピッツ大学

ステイホームしながら通える大学です!

134時限目:花の写真

【花の写真】


花の写真

花の写真

 

■シングル『つぐみ』のカップリング曲であり、アルバムとしては『とげまる』に収録されています。個人的ランキングでは、195曲中163位でした。この記事を書くに当たって、久しぶりにちゃんと聴いたかもしれません…。

 

何ていうんでしょうか、こういう曲調、カントリー調?カントリーロック?田舎の農道を走りながら、軽トラの荷台に乗って弾き語るような、そんな牧歌的な雰囲気ですね…まぁ、そんなこと、したことないんですけどね、笑。

 

wikiの情報をそのまま抜粋すると、”ペダルスチール&マンドリンが使われ佐橋佳幸が参加している”とのことです。ペダルスチールという楽器は、初めて知りましたが、マンドリンと同様に弦楽器ではあるんですけど、ピアノみたいに台の上において演奏する弦楽器、琴とかに近いんですかね。 

 


■曲の解釈について語ってみます。

 

個人的には、こんな明るい曲調なのに、悲しくて寂しい歌だな、っていう印象をこの曲にはずっと持っていました。

 

これはいつものことですが、僕は一曲一曲について、物語を想像してみるんです。それは、その曲その曲の”僕”や(曲にとっては”俺”や”私”)、”君”が主人公の物語ですね。聴き手である僕らにとってはフィクションでも、その曲の登場人物たちにとっては、日常の物語なわけです。

 

それで、この曲についても、歌詞を読んで色々と物語を想像してみるんです。僕なりにこの曲の物語を想像したとき、何か胸がジーンとして涙が出そうになってくるんです。

 


■まず何と言っても、この曲を象徴しているものは、タイトルにもなっていますが、”花の写真”ですね。

 

歌詞にも出てきますが、二人をつないでいるのは、”花の写真”ということになります。実際の花ではなくて、あくまでその”写真”なんですよね。これに関しての解釈は、色々想像できると思います。

 


例えば、単純にカメラが趣味で、その趣味が高じて知り合ったカップルだとかね、笑。だとしたら、非常にほほえましい関係ですね。

 

自然に、付き合っているカップルを当てはめてしまうんですけど、単純にカメラ仲間でも当てはまるかもしれませんね。”遠くの君に 届きますように”というフレーズがあるように、全国に散らばるカメラ仲間のひとりに、「こんなきれいな花の写真とれたんだよ!見てよ!」みたいな感じで、”どうでもいいような文そえて”届ける、そんなイメージです。

 


■ただ、やっぱり先述の通り、この曲に漂う、何とも言えない悲しく寂しい雰囲気を払拭できません。

 

あくまで、二人をつないでいるものは、実物の花ではなくて、”花の写真”なわけで、そこから、君が実物の花を見に行くことができない状況、というのを想像しました。この辺りは、もうどんな風に想像するかどうかですが、例えば僕は、”君は病気で入院している”という物語を想像しました。そういうつもりで聴いてみると、この歌は切ないんです。

 



いつかは終わりがくることも 認めたくないけど分かってる
大げさにはしゃいでいても 鼻がツンとくる

 


こんなことしか できないけど
泣きそうな君が 笑いますように

 

曲調が明るいだけに、この辺りの歌詞が、何とも…僕の空元気といいますか、本当は君が病気で悲しいはずなのに、それを見せちゃいけない、君の前では明るく振舞わないと、という風に頑張っている姿が思い浮かんできます。

 


病院から出られない君を少しでも元気づけようと、街で撮影した、”花の写真”やきれいな風景の写真を持って、毎日のように病院に駆けつけるというイメージです。

 

”遠くの君に”とか、”どうでもいいような文添えて”とかいうフレーズがありますので、直接届けるのではなくて、自分が暮らしているところと、彼女がいるところに距離があって、手紙に写真を同封している、という解釈の方が自然かもしれません。

 

”靴擦れの痛みも気にしない”というフレーズも、何とも言えないですね…君を励ましたい一心で、歩き回って、健気に頑張っている姿を想像すると、胸がジーンとなりますね。

 

 

まぁ別に、病院云々の話は、個人的な想像ですからね。遠距離恋愛中の恋人や、遠く離れた友達とか、大事な人を元気づけようと”花の写真”を送っている、という解釈でもいいですけどね。よりドラマチックに物語を想像してみよう、とするのは、自分のクセではありますね。

 


■あと、これも個人的な解釈になるんですけど、僕はこの曲と、アルバム『ハチミツ』に収録されている【あじさい通り】という曲が、繋がっているように思えるのです、どうでしょうか。

 

あじさい通り】という曲も、落ち込んでいる”あの娘”を、何とか元気づけようと頑張る男の子の歌なんです。花を届けようとしている場面が伺えるフレーズがあったり、雨の描写も出てきたりと、共通点が多いです。

 

同じ場面を歌っているのか、それとも続きを歌っているのか、あるいは、やっぱり全く関係ないのか。まぁ、その辺は、聴いてみて確かめてみてください。