スピッツ大学

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139時限目:遥か

【遥か】

 

■23作目のシングル曲であり、アルバム『三日月ロック』にも収録されています。アルバム収録の方は、”album mix”としてリミックスされています。僕はシングルもアルバムも持っているので聴き比べられますが、wikiにも書いてある通り、イントロのギターの入りの部分が少し違っていたり、オルガンの音色が違っていたり、ベースの音は全体的に大分違って聞こえますね。どちらかというと、アルバムの方が全体的に明るく聴こえるような気がします。

 

この曲は、「Love Story」というドラマの主題歌でした。ドラマの内容自体は覚えていませんが(特に見てなかったので)、ドラマに使われていたことだけは、何か覚えています。

 

個人的ランキング、195曲中49位でした。良いですよね、この曲好きです。カラオケなどで歌うには、すごくきついですけどね。

 


■あまり、特筆すべきネタを見つけることはできなかったので、今回は早いとこ、曲の解釈・紹介に入ろうと思います。

 

この曲については、よく語られている解釈として、”自殺説”(や”心中説”)などがあります。まず、その解釈で話を進めてみるとすると、

 



すぐに飛べそうな気がした背中
夢から醒めない翼

 

これがサビの歌詞ですが、ここを”死”を想いながら読んでみると、例えば、人間なので飛べるはずはないので、実際は飛び降りている・落ちている描写である、と考えることができますね。

 

”夢から醒めない翼”とは、何か幻想に憑りつかれていて、その幻想を追いかけるあまり、現実との違いに気づかされ、嫌気がさし、”死”を選んでしまう、という感じでしょうか。

 



思い出からツギハギした 悲しいダイアリー
カギもかけず 旅立つのは 少し怖いけど

 

このあたりも、カギもかけずに旅立つのは、死ぬつもりだから、もう戻ってくる必要がないからだ、だとかっていう解釈もありました。

 


■じゃあ、何でこの人、つまり”僕”は、こんなに気が病んでいるのか、ということになりますが、全体的に読んでみると、恋愛関係のもつれ的な感じを読み取ることができます。

 



君と巡り合って もう一度サナギになった
嘘と本当の狭間で 消えかけた僕が

 

この辺りの歌詞は、結構この歌の核にもなるようなところだと思います。”サナギ”っていう言葉をどのように考えるかですが、例えば、殻に閉じこもってしまう、心を閉ざしてしまう、と考えることができます。

 

君に巡り合って”サナギ”になる、ですからね。マイナスな物語を想像してみると、例えば、浮気や不倫とかね、とにかく、信じていたのに悪い形で出会ってしまった、と。自分を裏切られたような気持ちになってしまって、それを”サナギ”と表現しているのかもしれません。そしてそれが、”死”に繋がってしまったのです。

 


■という具合に、”自殺説”を考えることはできますが、これだけ書いておいてなんですが、個人的に言わせてもらうと、この曲からは、僕はあんまり”死”のイメージは受け取っていないんですね。

 

スピッツの曲(草野さんが書く詩)において、”飛ぶ”という言葉には、言葉通りの”飛ぶ”という意味合いよりは、何となく精神的に”飛ぶ”…実際には飛んではいないけれども、それに似た心地になっている、という意味合いで使われることが多いような気がします。もちろん、それが”死”に直結することもありますが、この歌に関しては、そうじゃないことを思いました。

 

よく、すごく気持ちいい体験をしたり、おいしいものを食べたりした時、「あぁ…天にも昇る気持ちだぁ…」みたいな感じですね、笑。だから、この曲に関しても、君に出会ってよかった、日々に希望を感じることができるようになった、ということを、”飛べそうな気がした”などという言葉で表しているのだということです。

 


■単純に考えて、やはりここの歌詞、

 


君と巡り合って もう一度サナギになった
嘘と本当の狭間で 消えかけた僕が

 

ここは素直に、消えかけていた僕…これは、日々の生活を楽しめていない、あまり充実した生活を過ごすことができない状態にあったと考えられますが、それが君に出会って、恋におちて、希望を感じることができた、と解釈することができます。

 

”サナギ”というのは、胸に秘めた恋心を表わしているのだと思います。誰にも触れさせたくない、密かに秘めた自分の気持ちを大切に育てていく、いつか羽ばたく(つまり、相手にその気持ちを伝える、告白する)その日まで…こんな風に考えると、この歌に出てくる”飛ぶ”という言葉の意味が、がらりと変わってきますよね。

 



丘の上に立って 大きく風を吸い込んで
今 心から言えるよ ニオイそうな I love you

 


崩れそうな未来を 裸足で駆け抜けるような
そんな裏ワザも無いけど 明日にはきっと…

 

この辺りも、独特できれいな表現ですよね。マイナスなイメージというより、僕は希望を感じるんですけど、どうでしょうか。特に、前者の歌詞なんか、どうなんでしょうね、告白をすることを決意した場面か、それとも告白の練習でもしているんでしょうかね。

 


■全く逆の解釈を紹介してみましたが、ひょっとしたら、これらの解釈は、紙一重なのかもしれませんね。”生”の裏返しは”死”であり、”希望”の裏返しは”絶望”ですからね。

 

僕が目指す”遥かな場所”にあるのは、絶望でしょうか、あるいは、希望でしょうか。

 


遥か MV

https://youtu.be/QLJxdkl5wJI


そして、謎のMVです。通称”わらしべ長者MV"または”無限ループMV”と、僕は勝手に今名付けました、笑。リンゴを持った女性が、スピッツメンバーと物々交換していきます。

 

リンゴ → カンテラ(崎ちゃん)→ 鳥かご(テッちゃん)→ 金ぴかの腕時計(リーダー)→ ロバ(マサムネさん)、という順番です。ただし、最後のロバは結局はニセモノ(?)で、結局手元にはリンゴが帰ってきます。そして、女性はブチ切れて、窓にリンゴをなげつけます。何にも反応しないスピッツメンバーがシュールですね。

 

そして、物語は最初にループすると、そういうMVになっています。輪廻転生とか、結局は自分の持っているもの(自分らしさ)は取り替えられない、というコメント欄のコメントに、なんだか妙に納得しました。