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165時限目:僕はジェット

【僕はジェット】

 

僕はジェット

僕はジェット

  • provided courtesy of iTunes

 

 

スペシャルアルバム『色色衣』に収録されています。個人的ランキング、195曲中129位でした。

 

『色色衣』に入っている曲は、当時の新しいシングル曲と、カップリング曲が主ですが(『99ep』曲も入っていますね)、【僕はジェット】のみ、インディーズの頃から存在している古い曲なんです。アルバムのクレジットには、”Previously Unreleased Track”と表記されていますが、これは”未発表曲”という意味です。

 


■上記のことについて、もう少し詳しく書いてみます。ちなみに、『色色衣リリース記念特別座談会』とwikiの情報を主に引用し、まとめていきます。

 


まず、この曲の存在が一番最初に出てくるのが、1989年4月に発表されたカセットテープ『ハッピー・デイ』の収録曲としてです。『ハッピー・デイ』に収録された曲は4曲…曲順に【僕はジェット】【晴れの日はプカプカプー】【クモ少年が走る】【ハッピー・デイ】となっています。

 

この収録曲のうち、【僕はジェット】【晴れの日はプカプカプー】は、それぞれ、アルバム『色色衣』の収録曲、映像作品『THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA”日本武道館』のライヴ映像、として聴ける状態にあります。後者2曲は、メジャーデビュー後、音源化はされていません…いつか聴けると良いですね。

 

カセットテープに関しては、現在2000本くらい出回っているそうです。何でもリーダー(田村さん)が、自宅でダビングをひたすら繰り返して作ったんだそうです。2000本とは恐ろしい…僕は、いつだったか学校の作業で、10数本のテープをダビングしたことがありますが、それでもヒーヒー言ってましたよ、笑。

 

ちなみに、カセットテープ『ハッピー・デイ』に関しては(というより、スピッツのインディーズ作品全般)、しばしばオークションサイトなどで、高値で取引されているみたいですが…とにかく貴重なものですね。

 


■この曲の『色色衣』収録音源は、上記の【僕はジェット】とは別で、1989年9月に改めて、デモテープとしてちゃんと録音された音源だそうです。

 

まぁ正確には、その音源をさらに、ポリドールからのデビュー決定直後に、プロモーション用のデモCDとして、【ヒバリのこころ】とともにミックスし直した音源が、『色色衣』に収録されているようです。

 


ちなみに、1989年レコーディングについては、『色色衣リリース記念特別座談会』にて、”ポリドールに騙された?”という記述がありました…まぁ、もちろん、誇張表現でしょうけどね、笑。

 

読んでみたところ、要するに、デビュー前のスピッツを、ポリドールが手厚くもてなしたということらしいです…良いスタジオでのレコーディング、有名なエンジニアのバックアップ、そして”竜宮城に行ったかのような”と評されている、豪華な食事など、笑。

 

田村さん曰く、「メシは付いてくるわ、合宿でレコーディングできて、、メジャーでデビューするってこういうことなのかって。」ときて、「と思っていたのに、1st~3rdアルバムまで痛い目に遭ってるからね。」ということだそうです、笑。

 


まぁ、こんな風に話せるようになって良かったですね、そこで活動を辞めてしまっていたら、今のスピッツはもちろんありませんからね。長い長い活動の賜物ですね、本当に!

 


■では、この曲はどんなことを歌っているのか、考えてみます。

 

そもそも、出だしの歌詞が”ボロボロになる前に死にたい”ですからね。小気味のいいイントロで曲がはじまったかと思えば、いきなり何てことを歌ってるんだってね、笑。

 

僕は、この歌に関して、”死とセックス”の相反する2つの解釈を考えました。どちらがしっくりくるか、あるいは、どちらもしっくり来ないか、まぁ皆さん個人個人で見極めてみてください。

 


■一つ目の解釈、”自慰行為”バージョン、笑。

 

要するに、これは”ジェット”という言葉に、男性器や射精を当てはめた解釈になるわけですが…どうでしょうか。歌詞としては、

 


君のこと考えて僕は
銀のボディ震わせながら
終わりのない空をにらんでる

 

この辺りが怪しいかと…でもここくらいですかね、”そういう”想像ができる部分は。”君のことを考えて”からの、”ボディ震わせながら”ですからね…これはもう、君のことを考えながら、自慰行為をし、絶頂に達して悶絶していると…うーん、笑。

 


あとは、そういうイメージをした上で、サビを読んでみると、

 


ジェット!ジェット!ジェット!いつだって
ジェット!ジェット!ジェット!ほらね
僕はすぐに飛び立てるさ
どこにいてもね

 

という感じですからね。もう、そういう風にしか聴こえなくなりますよ、笑。”僕はすぐに飛び立てるさ”で、射精でしょうか?などなど…。

 


■二つ目の解釈、”飛び降り自殺”バージョン。これは、割と素直に読んでみる感じになりますかね、こっちの方が当てはまるかも?

 

これは、先ほども言いましたが、出だしが”ボロボロになる前に死にたい”ですからね…そうか、こいつは死にたがっているのか、と歌詞を読み始めるわけです。

 

”ジェット”という言葉ですが、”ジェット機”という言葉などで使われる通り、とても速いイメージですよね。それを、人生に例えているとしたらどうでしょうか。先ほどの”ボロボロになる前に死にたい”とは、何ていうか、長いけど細い人生よりも、短くでも太い人生を送って、燃え尽きるように死にたい、という願望の表れなのかもしれません。

 

あとは、これは書籍「スピッツ」にありましたが、当時の草野さんの死生観として(今は分かりませんが)、”元気に生きていこう!よりもフワッと死んでいこう…”という言葉がありました。これも何となく、”ボロボロになる前に死にたい”に繋がるかもしれません。

 


■そういう風に、この歌詞を読んでみると…

 


銀のボディ震わせながら
終わりのない空をにらんでる

 

まさに、飛び降りようとしている瞬間でしょうか。

 



ひざこぞうの傷痕がかわいい
地図にない境界も消せない

 

”ひざこぞう”云々はよく分かりませんが、”境界”とは、生と死の境界ということでしょうか。

 

こう考えると、サビも全く別の読み方ができますよね。”僕はすぐに飛び立てるさ”ですからね、飛び降りて、無理矢理その境界線を越えようとしているのかもしれませんね。