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171時限目:魔法

【魔法】

 

■ミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中191位でした…うーん、正直、完全に「こんな曲あったっけ?」と忘れていた曲です…すみません。何だか、この記事を書くために、久しぶりに聴いた曲でありました。

 


■『オーロラになれなかった人のために』の解説としては、【魔女旅に出る】の記事あたりに、少し詳しく書いたと思いますので、良ければそちらを参照してください↓

 

魔女旅に出る

http://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2017/05/14/143916

 

まぁ、短く説明しておくと、【魔女旅に出る】によって、ロックとオーケストラサウンドの融合というものを試みたスピッツが、それをさらに進めていった作品が、『オーロラになれなかった人のために』というアルバムでした。スピッツにとっては、ミニアルバム(5曲入り)として発売された作品というだけでも珍しいですが、コンセプトが強いため、他の作品とは一線を画して異質なアルバムであるとされています。

 

しかしながら、この”ロックとオーケストラサウンドの融合”というものは、その後のスピッツの楽曲にも時々反映されるようになり、それまでのパンクロック路線から、いわゆる今のスピッツロック路線への移行の素地になったということはあると思います。

 


あと、これはあれから調べていて初めて知ったことですが、このアルバムのタイトルについては、「アラスカの北極圏に住む先住民の『死んだ人はオーロラになる』と言う言い伝えから採ったタイトル」ということだそうですね。

 

じゃあ、”オーロラになれなかった…”とはどういう意味なんでしょう。死に切れなかった、もしくは、死んでしまったけど、うまく成仏することができなかった、つまりはこの世に何らかの未練を残したまま死んでしまった…などという意味を、個人的に考えましたが、どうなんでしょう。

 


■ということで、【魔法】という曲を考えてみます。

 

wikiによると、”序曲としてあとで作られた曲”ということだそうですが、この曲でまず特徴的なのは、長いイントロとアウトロですよね、特にアウトロは、1分30秒くらいあります。両方ともやたらと壮大で、何となく”何処か遠くへ旅立っていく”様子を思い浮かべます…長い旅の始まり、とでも言いますか。

 


じゃあ、それはどんな旅なのか。歌詞を読んでみると、まずはサビで

 


もう離さない 君がすべて
風は冷たいけど

 

と書かれていることから、これは君と僕(歌詞中には、”僕”などの一人称は出てきませんが)の旅である、と考えることができます。”もう離さない”とあるので、恋人同士とか、あるいは夫婦でしょうか、とにかく二人の強い絆を思い浮かべます。”もう”離さない…となっているのが、少し気になるところですけどね…”もう”ということは、かつては離れそうになったことがあるということでしょうか。

 

あと、”風は冷たいけど”などという表現も、単に季節的なことを表しているとは、安直には考えにくく、これは何ていうか”向かい風”的な、二人の旅に障害があるということを表しているのかな、と思いました。

 


あとは、

 


消えてしましそうな 老いぼれの星も
最後の祈りに 耳をすませてる

 

という表現については、”星”や”祈り”と聞くと、ほとんど僕は、自動的に”流れ星”のような、願いを叶えてくれるものの象徴として思い浮かべますが、ここが”老いぼれの星”となっているので、もう星には願いを叶える力は残っていない=二人の願いは叶わない、という流れの解釈になりました。

 


■そういう風に読んでいって、ここの歌詞に行き着きます。

 


あの河越えれば君と二人きり

 

何か、突然”河”が出てきて、ん?って思うんですけどね。僕は、ここの”河”については、”死線”といいますか、”生と死の境界線”のようなものを思い浮かべました、”三途の川”なんていう言葉もありますしね。

 

つまりは、この二人は今まさに、生と死の境界線を越えようとしていると…まぁ普通に考えて、それが”生”→”死”の方向であるとして、二人は命を絶とうとしていると考えることができます。

 


■ということで、まとめてみると…

 

まず、二人の人生を阻む障害がなんであったのか…これに関しては、具体的にはなんであるかは分かりませんが、それが二人にとっては、この世で生きていくことさえをも困難にさせていた、と考えるとします。もう、二人の願いも叶える手立ても残されていなく、後がない状況に陥ってしまった、と。

 

それでも、二人の手は、固く握られて離れないまま、信じられるのは、お互いの存在だけ。もう、この世で生きていくことはできない、二人で死んで、一緒にあの世に行こう…。

 

このような、悲しい解釈になってしまいます。

 


先述の通り、この曲は、『オーロラになれなかった人のために』の序曲として作られたそうなので、”オーロラになれなかった人”とは、この曲の2人のような人を指しているのかもしれません。

 

アラスカの逸話がどんなであるのかは知りませんが、自ら命を絶った人が、オーロラになれるのでしょうか。何となく、自らの人生を全うして死んでいった人が”オーロラ”になる、という感じを想像していたんですが、どうでしょう。

 

まぁ、二人で繋がったまま、あの世に行った、というのは、考えようによっては純愛というか、救いだったのかもしれません。