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185時限目:メモリーズ

【メモリーズ】

 


この記事は、【メモリーズ】と【メモリーズ・カスタム】両曲の紹介のつもりで書かせていただきました。
それで、記事のタイトルをどうしようかなと思ったんですが、書いてみた結果、全体的に【メモリーズ】に触れている部分が圧倒的に多くなったので、記事のタイトルは、【メモリーズ】にさせていただきます。ご了承を。


メモリーズ

メモリーズ

 



■まず、【メモリーズ】という曲が、【放浪カモメはどこまでも】とともに、両A面収録の22作目のシングルとして発売されました。その後、スペシャルアルバム『色色衣』に収録されました。

 

さらに、【メモリーズ】は、アルバム『ハヤブサ』のプロデューサーの石田ショーキチさんにより、新しいメロディーと歌詞(”大サビ”という位置づけ)が加えられ再アレンジされ、【メモリーズ・カスタム】が作られました。この【メモリーズ・カスタム】の方は、アルバム『ハヤブサ』に収録されました。

 

…というより、アルバム『ハヤブサ』に収録する用に、【メモリーズ・カスタム】が作られた、ということだそうです。
(どこで読んだか忘れましたが、アルバム『ハヤブサ』に収録するには、【メモリーズ】は合わないと、確か判断したんじゃなかったですっけ?それで、アルバムに似合うようにアレンジしたとか…定かではありませんので、情報求ム!)

 


■【メモリーズ】と【メモリーズ・カスタム】の相違点としては、

 


〇イントロ
【メモリーズ】にはギターのイントロがあるのに対し、【メモリーズ・カスタム】にはイントロが無く、ノイジーな音が最初に鳴ったあとに、すぐに曲がはじまります。

 


〇大サビ
先述した通り、【メモリーズ・カスタム】には、【メモリーズ】には無い大サビが付け加えられています。その部分の歌詞だけ載せておきますと、

 


嵐が過ぎて 知ってしまった 追いかけた物の正体
もう一度 忘れてしまおう ちょっと無理しても
明日を描いて 幾つも描いて

 

この部分が加えられ、アレンジし直されています。

 


〇全体的に…
一番顕著で印象的なのは、【メモリーズ・カスタム】はドラムがとても激しくなっています。Aメロから、もうこれでもかっていうくらい、ドカドカと手数の多いドラムの音が鳴っています。そして、極めつけは大サビです。大サビの終盤で、崎山さんの、もうどうなってるのか分からない程の、高速のタム回しが炸裂しております。

 

その他、【メモリーズ】は鍵盤の音が目立って聴こえていますが、【メモリーズ・カスタム】ではその代わりに、ギターやドラムの音が目立って聴こえ、ロックな曲をさらに引き立てています。全体的に、音が歪んでいるのが、【メモリーズ・カスタム】の特徴ですかね。

 


■上述のような曲のアレンジなどの理由があって、ライヴで演奏されるのは、【メモリーズ】よりも、【メモリーズ・カスタム】が多いです…というより、もう【メモリーズ・カスタム】しか演奏していませんよね。いつも、すごく盛り上がっている印象です。ライヴDVDなどでも、その演奏を見ることができますが、ほんとすごいんですよ、特に崎山さんのドラムプレイは必見です!

 

ということで、僕の中では【メモリーズ】は、【メモリーズ・カスタム】として馴染んでいます。

 


■僕が高校生の頃、シングル『メモリーズ / 放浪カモメはどこまでも』が発売になり、リアルタイムで購入して聴いていたんですけど、ただでさえ【放浪カモメはどこまでも】がすごくロックな曲であったのに、【メモリーズ】は同じロックな曲でも、またちょっと路線が違っていました。

 

僕の中でずっとスピッツは、当たり前と言えば当たり前ですが、メロディーと歌詞がきれいな歌を作るバンド、というイメージでした。それまでの作品…ここでいう”それまで”とは、アルバム『フェイクファー』やスペシャルアルバム『花鳥風月』あたりまでですが、ほとんどの曲と言って良いほど、メロディーと歌詞が心地よかったのです。

 

そこへきて、【メモリーズ】ですが…Aメロには、メロディーの抑揚は無く、従来の心地よさという意味では、それはあまり感じられませんでした。サビもサビで、同じメロディーの繰り返しでした。歌詞に関しても、意味が分からない…という感じとも少し違っていて、何て表現したらいいんだろう、意味はあんまり無いんだろうなっていう感じでした。


そういう部分に違和感を感じて、【メモリーズ】は最初は好きになれませんでした。

 


■でもね、やっぱり不思議なんですよね。これがまた、徐々に好きになっていくんですよ。

 

当時、この【メモリーズ】は、僕の仲間内でもブーム…と言えば大げさになりますが、ちょっと話題になったんです。この曲の中に、”右手に小銭ジャラジャラ”という部分があるんですが、この部分を、ある友だちが”替え歌”して歌ってたんです。…何だったかな、”焼肉食べに長州長州”だったかな(”長州”じゃなかったかもしれませんが、地元にあった焼肉屋の名前が入ります)。そういうフレーズを、メロディーに合わせて歌ってたんですよ、笑。

 

僕は、何でかツボにはまって、頭から離れなくなって一緒に歌ってたんです。そこだけを延々ですよ、今となっては、何が楽しかったんだろうっていうね、笑。

 


でも、その時に感じたんだと思います。そうか、ここのメロディーって、こんなに耳に馴染むんだなぁって。スピッツの作る(草野さんの作る)メロディーって、そういうところありますよね、気付いたら耳に馴染んでいるというか、ふと頭の中を流れてるというか。

 

その時くらいからですかね、一気に【メモリーズ】だったり、この後に発売になるアルバム『ハヤブサ』などを好きになることができたのはね。すんなりと受け入れ始めて、大好きになったんです。違和感だったものが、スピッツらしさに変わるなんて、すごく不思議ですね。

 


■個人的なエピソードはこれくらいにしておいて、じゃあ『色色衣座談会』に少し書かれている、【メモリーズ】の情報をまとめてみます。僕なりに要約させてもらうと…

 

まず、スピッツにとって、アルバム『ハチミツ』は一つの壁だったそうです。これは、スピッツも、また、プロデューサーの笹路さんやエンジニアの宮田さんも一番ノリに乗っていた、という理由をひとつ上げています。

 

しかし、これ以降、スピッツは曲作りに悩むことになるわけです。具体的には、音に迫力を出したいのにそれができない、と感じていたようです。その一つの原因として、草野さんは自分の声が変わってきているから?と、自分の声のせいだと思うようになるわけです。

 

そこへきて、【メモリーズ】は、草野さんの声が目いっぱい歪められています。それについては、”聴く人が一番驚いたのは…”という風に書かれていました(僕もその一人ですね、笑)。

 

でも、草野さんはこれに対して、「助けられた」と表現しています。そして当時、インターネットの某掲示板にて高評価されているのを見て、「シメタな」とも思ったそうです。


要は、ミックスやアレンジに可能性を発見したというのもあると思いますが、自分の声でも、迫力のある曲を作ることができるいうことに気がついて(見つけることができて)、ふっ切れたんでしょうか。この辺りから、まぁマイアミショックなども起因となり、スピッツは新たなロックバンドとして、生まれ変わるわけです。

 


■ああ、長いですね。

 

この曲は、歌詞の解釈はやめときましょう。あとは、君の耳で確かめてくれ!

 

しかしまぁ、結局全体的に思うことは、遊んでいるな、って感じですね。ところどころで韻を踏んでいたり、言葉のリズム重視で作っている感が強いので、僕はこの曲の歌詞こそ、あまり意味を考えながら聴いたことがありません。そういう楽しみ方も、ありなんでしょうね。

 

もちろん、最後にMVは貼っておきます。曲同様、かなり謎で、遊んでいるMVですね。三輪さん、なんつー頭してるんだよってね、笑。ちなみに僕は、全草野正宗の中でも、このMVの草野正宗が一番イケメンだと思うんですけど、どうですか?

 

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