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216時限目:醒めない

【醒めない】

 

醒めない

醒めない

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■15枚目のアルバム『醒めない』の1曲目を飾る、ご覧の通り、アルバムの表題曲になっています。

 

2017年(厳密には7月17日)に、結成30周年を迎えたスピッツですが、そんな30周年イヤー目前の2016年に発売されたアルバム『醒めない』、その表題曲というんだから、スピッツの30年分の気持ちが詰め込まれていると言っても過言ではない、記念すべき楽曲です。

 

僕が、生まれて初めて行くことになった、2017年に行われたスピッツ結成30周年のライヴツアー、通称”3050ツアー”においても、1曲目に演奏されたのが、この【醒めない】でした。すでに、新スピッツテーマソングとして、すっかり定着した曲になっています。

 

そういえば、いつだったか、当時のMステのスペシャルにおいても、スピッツが出演して、この【醒めない】を演奏しました。スピッツが、こういう時にアルバム曲を歌うのって、珍しいですよね(と言うより、初めて?)

 


■さて。

 

当時、アルバム『醒めない』の発売に先立って、表題曲【醒めない】のMVがいち早く解禁になったんでしたよね。僕は最初、朝の仕事場でそれに気づいて、思わずトイレの個室に駆け込んで、少しだけMVを見たんです。【1987→】の時も、確かそうでした、笑。

 


先に、MVを貼っておきます。

 

youtu.be

 

何ていうか、僕は昔のことを知らない(生で見たことがない)けれど、スピッツがその昔、ライヴハウスで演奏していた頃のライヴシーンを、そのまま映したような映像になっています。

 

あぁ、4人だけの演奏をしっかり堪能できる、僕が好きな感じのシンプルなMVだなぁ…とか思っていたら、1番の途中から、スピーカーの後ろから、アニメーションのキャラクターにデフォルメされた小さなスピッツメンバーが飛び出してきて、そのままスピーカーの上で演奏をし始めるという、意外な展開に、笑。

 

しかも、そのキャラメンバーが、ラーメンズ片桐仁スタイルの三輪さん、ハンチング帽子スタイルの田村さん、ランボースタイルの崎山さんという、これは意図的に昔のメンバーのスタイルを模したものにデフォルメされており、どこか懐かしく、クスッとくる感じになっています。

 

そして、草野さんに関しても同様に、短髪でジーンズスタイルという、これはブルーハーツ甲本ヒロトスタイルでしょうか。ギターも握らず、歌いながらピョンピョン飛び跳ねる様は、まさにリンダリンダジャンプを彷彿させますね、笑。

 


この辺りのことは、【醒めない】の歌詞にも表れています。

 


カリスマの服真似た 忘れてしまいたい青い日々
でもね 復活しようぜ 恥じらい燃やしてく

 

結成して、アマチュアで活躍していた頃のスピッツは、元々パンクロックバンドでした(を目指していました)。まさに、このMVにおけるキャラメンバーは、その頃のメンバーを具現化したものだと言えますね。

 

このMVの最後において、全員が黒い革ジャン姿のスピッツが演奏するシーンが映りますが、もしもスピッツがパンクロックバンド路線のまま、活動を続けていたとしたら、今でもこんな姿のスピッツが見られたんでしょうか。

 


■ところで。

 

2018年の年始より、草野さんがパーソナリティーを務めるレギュラーラジオ番組が始まりました。

 

毎週、草野さんが選曲した、少々マニアックなロックナンバーをまとめて聴くことができ、毎回欠かさず聞いているという方も多いのではないでしょうか。僕も、録音+生で聴くことを、今はほぼ毎回欠かさず続けています(録音は続けていくか微妙です…)。

 


そして、そのラジオ番組の名前が「Spitz草野マサムネのロック大陸漫遊記」というのですが、まさにこの”ロック大陸”という言葉も、楽曲【醒めない】の歌詞から取られたものなのです。

 


まだまだ醒めない アタマん中で ロック大陸の物語が
最初ガーンとなったあのメモリーに 今も温められてる
さらに育てるつもり

 

こんな風に、サビの歌詞に、”ロック大陸”という言葉が出てきています。ラジオの中でも、たくさんのロックナンバーを紹介することを、草野さんは、「ロック大陸を冒険していく中で知った、イカしたロックナンバーを紹介」みたいな感じ(設定?)で語っています。

 

事あるごとに、この番組の中のテーマソング的に【醒めない】が流れていますが、こういうところも、【醒めない】が、スピッツにとって記念すべき曲であることを示していますよね。

 


■それから、MUSICAのインタビュー記事を少し紹介してみます。

 

この【醒めない】という曲は、どうやらアルバム収録曲の中でも、一番最後のセッションで生まれたそうで、その辺りの話が少し載っています。

 


草野「タイトル『醒めない』でいこうってことになったので、そのテーマ曲を作りたくなって。あんまりタイトルから作ることってないんですけど……っていうか初めてかもしれない、タイトルありきで曲作ったのは」

 


崎山「リズム録る時にはもう、”醒めない”が1曲目って決まってたから、その気持ちで演奏しましたね…」
三輪「そういうこともあんまりないからね。『これが1曲目になるよ』って言ってレコーディングしたのは初めてじゃない?」

 

タイトルを予め決めた状態で曲を作ったことがないとか、曲順を決めた上でレコーディングしたことないとか、意外な感じもしますが、そういうものなんですかね。

 


いつかまた、アルバム紹介の時にでも、詳しく書いてみたいと思っているんですけど、アルバム『醒めない』は、「死と再生」という一貫した物語を設定して作ろうとしたアルバムだったのですが、【醒めない】は、スピッツのパーソナルな部分を歌っている曲で、この曲は、一貫した物語から少し外れたところにあると思っていました。

 

だから、何ていうか、本の表表紙みたいな感じの曲でしょうか。記事の中で草野さんが、「この時はもうコンセプト関係ねぇってなっちゃってたから」って言っていたので、何か腑に落ちました、笑。

 


■とにかく、何と言っても、この曲を一番象徴しているのは、この曲のタイトルにもなっています”醒めない”という言葉でしょう。”冷めない”ではなく、”醒めない”になっているだけでも、何か全然印象が違いますよね。

 

色んなところで、色んな言葉に置き換えられ語られてはいますが、この言葉に込められた想いは、要するに「ロックバンドとしてスピッツが結成され、30年も長きにわたって活動し続けてきたスピッツが(草野さんが)、未だにロックを追及していく気持ちを”醒めない”で持ち続けている」ということです。

 


先程も紹介しましたが、サビにおいて、こんな風に歌われています。

 


まだまだ醒めない アタマん中で ロック大陸の物語が
最初ガーンとなったあのメモリーに 今も温められてる
さらに育てるつもり

 


任せろ 醒めないままで君に 切なくて楽しい時をあげたい
もっと膜の外へ なんか未知の色探して
さらに解き明かすつもり

 

”最初ガーンとなったあのメモリー”とか、”なんか未知の色探して”とか、面白い表現ですよね。30年も経つのに(メンバーがロックに出会ってからだと、さらに長い月日が流れていますが)、初めてロックに出会った衝撃を今でも忘れずに、そして、今もまだ新しいロックを追い求めていく、スピッツの(草野さんの)姿を高らかに歌っています。

 


■あとは、これも先ほど紹介した、

 


カリスマの服真似た 忘れてしまいたい青い日々
でもね 復活しようぜ 恥じらい燃やしてく

 

なんかも面白いですよね。たいていの場合、何事も始まりは、誰かへの憧れだったり、そこからの物真似なわけで、そこから少しずつ、自分なりにオリジナリティを加えていくわけですよね。その始まりの日々というのは、人によっては、忘れてしまいたくなるほど、恥ずかしいものなのかもしれません。

 

しかし、30周年を前にして、スピッツは(草野さんは)あえてここで、”復活しようぜ 恥じらい燃やしてく”と、つまり、原点に帰ろうと歌っているのです。それは、この曲やMVにも表れていますし、後に発表される【1987→】なんかもそうですよね。

 



見知らぬ人が大切な人になり
相性悪い占いも余計に盛り上がる秘密の実
運命を突き破り もぎ取れ

 

この部分も好きなんですけどね、笑。”見知らぬ人が大切な人になり”とか、時間経過とともに、恋愛っぽくも読めますが、”秘密の実”とか”もぎ取れ”とか、そういうちょっとエッチな感じを入れてくところも、しっかり忘れてませんね、笑。

 


■ということで。

 

結成30周年イヤー突入に向けて、スピッツが”原点”に返りつつも、紛れもなく”今のスピッツ”を歌った新曲【醒めない】です。

 

あなたには、長く醒めずに追い続けている夢や目標などがありますかね?この曲は紛れもなく、30年も醒めずにロックを追い続け、今もなおそれが”通過点だ!”と言って、ロックのけもの道を走り続ける、男たちの魂の歌です!


最後にもう一度、MVを載せておきます。

youtu.be