スピッツ大学

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31時限目:オケラ

【オケラ】


オケラ

オケラ

 

シングル『君は太陽』のカップリング曲であり、アルバム『おるたな』にも収録されてします。これぞ、ロックって感じがしますよね、スピッツが、確かにロックバンドだと示している曲のうちの1曲だと思います。

 

まず、タイトルの【オケラ】についてですが、童謡『手のひらを太陽に』に出てくる、”みんなみんな生きている”例えとして出てくる生き物ですね。昆虫なんですけど、案外実物を見たことがそんなにない…僕はどうだろ、あったっけな、ちっちゃい頃見たことあるような気がしますが…そんなに美しい姿の昆虫ではないです。(オケラのファンの方がおられましたら、申し訳ないです)

 

wikipediaの情報を参考にすると、正式名称は『ケラ』だそうですね。日本で呼ばれている『おけら』は俗称だそうです。ちなみに、ケラを漢字で書くと、”螻蛄”だそうです、難しいですね。どうやら、コオロギの仲間だそうですが、その中でも、穴を掘って地中で生活することに特化した昆虫です。どおりで、あまり見かけないんですかね。

 

ちなみに、【オケラ】と聞いて、僕はMOTHER3というゲームを思い出しますが…知らない人は結構です。

 


曲の感想・解説です。

 

まず、タイトル【オケラ】ということなんですが、出だしが「もっと自由になって 蛾になってオケラになって」という風に始まります。オケラの他に、もう一種類、蛾、という、これもオケラと同様、あまり美しくない生き物が出てきます(蛾のファンの方がおられましたら、申し訳ないです)。並べてある以上、何か意味はあるのでしょうか。

 


サビの歌詞を載せると、こんな感じです。

 


本当に必要かどうか そぎ落としていって
残っていったものは 身体だけ
苦しみ乗り越えて 新たな場所へ
月のあかりで 生き延びる

 

何か、良くも悪くも、”信念”を感じる歌詞だと思いました。何となく、すごくワイルドな生き方をしている人が思い浮かびます。ということで、そう思って色々読んでいくと、ある共通項が見出されるフレーズがいくつかあることに気づきます。

 

具体的には、これらです。

 

”君が出そうなカード めくり続けてる”

トランプを使った賭博のことかなって思って、例えば、ブラックジャックとか、ポーカーとか、そういうものが浮かびました。

 

”前金でっていうんで あきらめかけてた”

「前金で、〇円払ってもらいましょか!?」みたいな、任侠映画(?)に出てくる、ヤクザの取り立てが思い浮かびました。

 

”短めにバット持って 期待裏切って”

何か、賭け事に挑戦して、慎重になったが、結局は駄目だった、というイメージ。(バットを短く持つ、ということは、一般的にはホームランのような大きな当たりよりも、次につなげるヒットを狙う、ということですので)


これらをつなげると、この歌に出てくる人は、賭け事、ギャンブルにはまっていて、借金もあるのでしょうか、その日その日暮らしをしている、という人物像が浮かんできます。ワイルドと言えばワイルドですが、まぁ褒められたもんじゃないです。

 

ちなみに、所持金がない状態のことを、「おけら」というそうです。この辺からも、ひょっとしたら、上述のようなイメージにつなげられるかもしれませんね。

 


ただ、こういう解釈に固めても良いですが、僕としてはその後、もうちょっと解釈を広げてみました。

 

この歌詞の人物像を、「何かに無謀にも挑戦し続けている人」と解釈してみるとどうでしょうか。最初に書きましたが、オケラも蛾も、あまり美しい生き物とは言えません、むしろ虫嫌いの人からすれば忌み嫌われる存在だと思います。(オケラ、蛾のファンの方、あるいは昆虫愛好家の方がおられましたら、もうしわk…ってくだりはもういいか)

 

それでも、オケラになること、蛾になることを、”自由になって”と草野さんは歌っています。外見なんて関係ない、自分の思う道を進んでいくような、そういう強い気持ちをもつ人、というイメージにもつながります。

 

自由で自分の道を信じて進んでいくことと、醜くて忌み嫌われることは、ひょっとしたら、紙一重なんでしょうか。この歌は、そういうことを歌っているのかもしれません。