スピッツ大学

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42時限目:君は太陽

君は太陽


君は太陽

君は太陽

 

■35作目のシングル曲、オリジナルアルバムとしては、『とげまる』に収録されている曲です。映画『ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~』の主題歌としてこの曲は使われ、スピッツの曲としては、初めてのアニメタイアップになっています。

 

アニメタイアップ初めてとは、何となく意外な気もしますけどね。スピッツの曲ってアニメに似合いそうな、楽しい曲だったり、景色が浮かぶようなきれいな曲って多い気がするので。

 

いつだったか、確かこの曲がまもなく発売になる、あるいは発売されてすぐだったか、そういう時分に、この曲をLIVEで披露している映像を見かけたことがあります。そのLIVEの中で、草野さんがこの曲のタイトルについて、こんな風に述べていました。

 

「新曲のタイトルなんですが、君”が”太陽、ではなくて、君”の”太陽、でもなくて、【君は太陽】です」

 

うろ覚えなので、正確な発言とは違っているとは思いますが、内容として、自分が付けたタイトルが覚えにくい、間違えやすいということを、自虐的にネタにして、こんなMCをしていたのを覚えています。草野さんらしいと言えばらしいですね。

 


■底抜けに明るい、ギターロックだという感じの曲です。アルバムでいうと、『ハヤブサ』でロックな一面を覚醒させ、それを『さざなみCD』辺りまでで磨き上げていって、そして『とげまる』では、そこからまた新しい方へ進化していった、という感じです。

 

この【君は太陽】も、良い意味で聴きやすく、万人受けする気がします。それだけに、少し物足りなさが残る、という古くからのファンも見かけたりしました。それはそれ、これはこれ、というのが僕の感想です。古いスピッツも良いし、新しいスピッツも良いね、と、両方いけちゃう口です。

 


■曲の感想・解釈です。

 

全体的に聴いてみても、この曲に込められたメッセージは分かりやすいと思います。この曲からは、何かを諦めようかと迷っている人が、”君”という存在によって勇気や元気を取り戻し、前に進もうとしている、そんなイメージが浮かんできます。

 


一番の歌詞の、個人的なポイントを順を追って抜粋していくと、

 


「あきらめた」つぶやいてみるけど
あきらめられないことがあったり

 

心の弱い部分を直視しなければならない時が来て、迷いが生じて、まさにくじけそうになっている場面なのでしょう。それでも、あきらめられない、あきらめたくない、という気持ちはまだ残っていて、「あきらめる」と「あきらめない」の狭間を行ったり来たりしているというイメージです。

 


でも 見すかされていたんだね
なぜか 君はくちびるをへの字にしてる

 

そんなくじけそうな自分のことを、”君”は口をへの字にして見ている、「らしくないよ、諦めるなんて」とでも言いたげに、あるいは実際に言ったのかもしれませんが。

 


あふれだしそうな よくわかんない気持ち
背中をぐっと押す手のひら

 

よくわかんない気持ち、というのも、また草野さんらしいですね。まだ完ぺきに迷いが消えたわけではなくて、色んな思いが混じりあってあふれてくる。だけど、”君”という存在が、”君”の言葉が、僕の背中を押してくれた。前に進む勇気を取り戻させてくれた、という瞬間の描写なのでしょう。

 


そして、この君のことを”太陽”と例えたのが、タイトルの【君は太陽】の由来になっていると察することができます。僕が絶望の”暗闇”に陥った時、君はその暗闇から僕を救い出してくれた”光”だ、と。

 

2番に関しても、同じような流れになっていま。つまり、あきらめようかと迷っている描写→君という存在によって勇気を取り戻していく描写という、1番と同じような流れを、言葉を変えて歌っているような印象です。

 


■気になる点があるとすれば、この歌を、恋愛を絡めて解釈するかしないか、の問題が残ります。でもまぁ、これは蛇足ですね。問題というほどではなく、単純にどちらでもよい、というイメージです。

 

2番やCメロの歌詞なんかは特に、僕の君に対する恋愛感情を感じさせる表現があります。恋愛を絡める解釈にするとすると、僕が諦めようとしているのは、君への想いだということになります。ともすると、”君はくちびるを への字にしてる”という表現は、面白いですね、自分への想いを諦めようとしている相手を励ましている、ということになりますね。「私のこと好きなんでしょ?諦めないでよ」みたいな感じで。

 

いずれにせよ言えることは、僕にとって、君は太陽、特別な存在だということです。どうしても、歌詞の中で、僕と君という登場人物が出てくると、それに無意識に男と女を当てはめてしまいます。そもそも別に、男と男、でも成り立ちますんでね。ただ、この場合は、恋愛を絡めるとちょっと…という感じですが。

 

【PV】君は太陽 / スピッツ

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