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49時限目:恋のうた

【恋のうた】


恋のうた

恋のうた

 

■アルバム『名前をつけてやる』に収録されている曲です。インディーズの頃からあった曲らしくて、かなり古い曲なんですね。

 

個人的ランキング、195曲中168位でした…うん、改めて聴いてみると、良い曲だって思うんですけど(どの曲も大抵そうですが)、順位が上がらなかったのには…とある一つの理由があるんです。

 


簡潔に述べると、この歌が好きな友達が居て、昔その友達がよく歌っていたんですが、それがあんまりうまくなかった…要はオンチだった、という理由です。この曲を聴くたびに、その何とも言えない歌声が思い出され、微妙な気分になるんです、笑。

 

でも、良いか悪いかは別にして、こういうことって僕にとってよくあります。歌っているアーティストよりも、その歌を好んで歌っていた友達や、昔こういう状況の時によく聴いていたなって、そういう思い出の方が先行してしまう感じ。良い思い出や、友達のプレイが素晴らしかったら、良い方にその歌に補正がかかりますし、逆だったら…極端な話、聴くのもつらくなるほどになることがあります。

 

歌っていうのは、成長する生き物なんですね、その人の思い出や人生とともに。聴くときの状況によって、解釈の仕方や感じることが変わるのは、きっとそのせいです。どんな成長をするか、それはその人次第、ということですね。不思議なものです。

 


ウィキペディアの情報にもあるように、この曲は、スピッツがパンクロックから転向するきっかけになった曲らしいです。

 

何かのテレビ番組だと思うんですが(某動画で拝見しました)、26周年企画のクイズで、スピッツに質問して、メンバーの回答が全員一致するか、みたいな、まぁよくある企画があったんですけど、その中の一問が、「スピッツのターニングポイントになった曲は?」でした。

 

そこで、草野さんとリーダーが、【恋のうた】を挙げていました。二人が言うには、

 

「それまで、パンクロック路線でやっていたのを、歌謡曲っぽい曲を作った結果が【恋のうた】。今のスピッツの路線に近い物になった(草野談)」
「インディーズの頃に、とあるライブハウスで『ブルーハーツコピーバンドみたい』と言われ、この歌を作った(リーダー談)」

 

だそうです。本当にブルーハーツが好きだったんですねー、笑。今のスピッツで、その頃のパンクロックな曲を聴いてみたい気もしますけどね。でも、結果的に路線変更は、大成功だったんですね。

 

ちなみに、先ほどの、ターニングポイントになった曲の回答として、崎山さんは、デビューシングルの【ヒバリのこころ】を、三輪さんは、大ヒットを記録した【ロビンソン】を挙げていました。

 


■曲についてです。

 

DVDに収録されているLIVE映像では、草野さんが、ギターを持たずに、マラカス…ではなくて、シェーカーというそうですね…を振りながら歌っている、そんな珍しい光景が見られます。

 

上述に記したように、歌謡曲っぽい、ゆったりとした曲調が印象的です。今では、こういう曲もスピッツっぽいと感じられますが、当時のパンクロックバンドとしてのスピッツからしたら、相当な路線変更だったんでしょうね。ブルーハーツから歌謡曲ですからねぇ。

 


歌詞については、素直に読んでしまえば、タイトルの通り、君に恋をして、君のことを想っている僕の心情を歌っている内容と捉えることができます。

 


きのうよりも あしたよりも
今の君が恋しいから

 


君と出会えたことを僕
ずっと大事にしたいから
僕がこの世に生まれて来たワケに
したいから

 

など、素敵なフレーズですね。君のことを、心の底から想ってのことでしょう。

 


■ひとつ、この歌詞の中で、気になるフレーズがあります。それはこんなフレーズです。

 


ミルク色の 細い道を
ふり返ることなく歩いてる

 

ここのフレーズを読んで、何を表しているんだろう?って思いました。ここでは、3パターンの解釈を記しておきます。

 

①深読みせずに、素直に読む
要は、読み流すってことです。道歩いてんだな、って。上述のように、素直に”恋のうた”として、この歌を聴いて、完結させればよいわけです。

 

②ミルク色=精子
僕が考え付いたのは、変態的なこんな解釈でした。つまり、ミルク色の細い道で男性器から発射される精子を思い浮かべたのです。僕が君のことを思い浮かべながら、自慰行為に及んでいるのか、あるいは実際に君と交わっている、という解釈です。

 

③天の川
なるほどな、と思ったのが、ネットのどこかで見かけた解釈です。ミルク色の細い道=天の川、という解釈です。天の川は、英語で”milky way”と言います。そのまま訳すと、乳白色の道、と歌詞に当てはまりますね。

 

この解釈を進めると、”僕、あるいは君は亡くなっている”と、つなげることができるのです。歌詞の中に、

 


だけどここに 浮かんでいる
君の頭の上にいる

 


悲しいこと 飛び散るとき
僕のところに来てほしい

 

などのフレーズから、亡くなっているのは僕でしょうか。そうすると、この歌は、死んだ僕が、あの世から君を見守りながら、君に宛てた”恋のうた”ということになりますね。

 


まぁ、色んな解釈がありますが、共通するキーワードは、やはり”恋”ということになりますね。

 


■ちなみに。

 

この【恋のうた】を、これも僕の大好きな、andymoriというバンドがカバーしており、公式のチャンネルでもそれを見ることができます。スピッツandymoriは、なかなか相性がいいと思います。よいカバーだと思いますけどねぇ、どうでしょうか。

 

【恋のうた】 andymoriカバー
https://youtu.be/et4w_tXeKE8