60時限目:さわって・変わって
【さわって・変わって】
■25作目のシングル曲で、アルバム『三日月ロック』にも収録されています。シングルに関しては、他に、【ガーベラ】と【稲穂】、さらには、【放浪カモメはどこまでも】のLIVEテイクが収録され、すごいボリュームだな、と思った記憶があります。
個人的ランキングは、195曲中87位でした。まぁこんなもんでしょう、中の上といったところでしょうか。一時期ハマって、カラオケでよく歌ってた時期はありますが、改めて聴いてみると、良い曲だと感じました。
ちなみに、タイトルは【さわって・変わって】が正式なんですね。真ん中の区切りは、ただの「・」ですね。”さわって、変わって”でもなく、”さわって変わって”でもなくね。
■ロックチューンには間違いないのだが、例えばイントロとか、間奏とかに、三味線(?)のような音が使われていたり、随所(特にアウトロ)に、シンセサイザー(?)の電子音が聴こえてきたりと、その音を聴いているだけでも、とても多彩で楽しい、とにかく賑やかな曲だという印象です。
サビの”ベイベー”っていうコーラスも印象的ですよね。あれは、一聴すると、女性の声に聞こえますが、どうやら、女性の声を意識した草野さんの声らしいです。
■さて、歌詞の解釈です。
まず、出だしに”天神駅”という地名が出てきます。全国に、”天神”という地名は多数存在していて、僕の住む広島にも、”天神川”という駅があります。その中でも、この歌に出てくる”天神駅”は、おそらく…というか間違いないと思いますが、草野さんの出身である福岡県の天神を指しているのでしょう。
そして、出だしを過ぎて、こんなフレーズが出てきます。
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ぬるい海に溶ける月 からまるタコの足
言葉より確実に俺を生かす
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この歌も、なんとなく解釈が難しいところではありますが、ここを読んで何を思うか…なんか少し、エッチな感じに読み取れませんか?
”ぬるい海”は女性器、”月”は三日月を思い浮かべると男性器、それで”からまるタコの足”ですからね…これはもうベッドの上での行為を表わしているのだと、僕はそう解釈しました。
で、サビは、例えばこんな感じです。
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さわって 変わって 愛も花もない夜を越えて
さわって 変わって 春が忍び寄ってくる心地
優しい風 二人を包め
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とてもきれいな歌詞なんですけど、先ほどの解釈を思うと、ここの歌詞もなんか変な感じに読んじゃいますね。
まぁこの部分は素直に、結ばれたことへの喜びを表していると捉えていいんじゃないでしょうか。”愛”は言葉通りだと思いますが、”花”とか”春”とかも、恋愛においての何かしらの比喩表現として使われることが多いですし。
■あと、ここのフレーズも面白いですね。
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もういいやとか言いたい時に こらえるオロかさで
3連敗のち3連勝して街が光る
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この部分の1行目は、何となく、先ほどのベッドの上での行為に話をつなげられそうです。
そして、2行目はどういう感じかと考えた時に、ここも1行目と同様に、恋愛とかベッドの上での行為における”駆け引き”を表わしているのかな、と思いつきました。ずっと負け続けていたけど、急にいい方向に向かっていった、とそういう感じでしょうか。
あと、どこかで読んで、面白いな、と思ったのが、これが”野球”の話にかかっている、という解釈です。福岡には、「福岡ソフトバンクホークス」という野球チームがあります。そして、スピッツのメンバーが野球が好きなことは、色んな映像で確認できます。スピッツメンバーで野球チームを作っているらしいので、メンバー全員が野球好きなのかもしれません。
そういったことから、大好きな野球チームが、3連敗した後、3連勝して、街中が歓喜に沸いている、という描写なのかもしれません。まぁ、それだと、歌詞としてどうつながっていくのかは難しいですが。ひょっとしたら、先述の解釈とのダブルミーニング的なものなのかもしれません。
(ちなみに、スピッツが作った草野球チームの名前は、”環八ラバーズ”というそうです。これはもともと、アルバム『フェイクファー』に収録されている【ただ春を待つ】という曲の仮タイトルだったらしいです。)
■まぁ、細かい解釈はとにかく、この歌に関しては、”男女がベッドの上で結ばれている歌”というのを、僕の解釈とさせていただきます。
ということで、タイトルの【さわって・変わって】ってどういう意味なんでしょうね。どこに触るんでしょうか。”心”に触る、ということにでもしておきましょうか。僕の、君を想う気持ちを感じてくれよ、という感じですかね。
さわって・変わって / スピッツ