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84時限目:タイムトラベラー

【タイムトラベラー】


タイムトラベラー

タイムトラベラー

 

■アルバム『Crispy!』に収録されている曲です。

 

個人的ランキング、195曲中70位でした。ランキングではそうでもありませんが、僕はこの曲のことがとても好きなんです。アルバム『Crispy!』の中でも、飛びぬけて、この曲が好きなんですよ。

 

スピッツの曲でイントロが好きな曲ランキング」みたいなのがあったとしたら、多分この曲は、ランキング上位に入ると思います。イントロのワクワク感が半端ないです。流れるようなギターのアルペジオのフレーズが、一度聴いただけで耳に残ると思います。本当に素晴らしいんです。

 


■タイトル【タイムトラベラー】、英語で"time traveler"と書き、まぁ”時間をかける人”とでも訳しておきましょうか。(直訳は、”時間を旅する人”です)

 

この言葉を聞いて、僕はいつも、実在したタイムトラベラーとして有名な、ある一枚の写真が思い浮かんでくるんです。その写真は貼りませんが、興味ある方は調べてみてください。”実在したタイムトラベラー”と、グーグル検索にでもかければ、一番最初に出てくるリンク先に必ずあると思います。

 

その時代に明らかにそぐわない格好(サングラスをかけて、手には携帯カメラでも持っているような人)が、群衆の中に紛れて立っている写真です。この写真だけ、僕は何だか不思議だなぁ、と思うんですが、やっぱりトリックか真相があるんでしょうか。

 


■ということで、この曲に関しての解釈です。もちろん、上述の写真の話などは、関係がありませんが、この曲に関しては、ちょっと面白い解釈ができるんです。

 

まず、wikiの情報によると、この曲のテーマを”母性”だとしています。確かに、この曲の歌詞には、”ママ”という言葉が出てきます。スピッツの曲に関しては、珍しいことなんでしょうか。ただ、これからの解釈が、”母性”に当たるかは自信がありません。

 


まず、出だしの歌詞から。

 


薄暗い屋根裏で 見つけたその扉
ほほえむ静かに 埃をはらったらすぐに
誰だかわかるはず

 

僕はここの表現を、屋根裏で、色んな写真が収められているアルバムの表紙を開いた、と解釈しました。”その扉”と読むと、文字通り、部屋などに入る扉を思い浮かべますが、ここは全体を読んでの解釈上、そういう解釈になりました。

 

長いこと開いていなかったので、表紙に埃が積もっている、古いアルバム。その埃を手で払う、ふーっと息をかけると、積もっていた埃が舞い上がって咳込む、みたいなイメージですね。その表紙に今、手をかけるところから歌詞がはじまります。

 


同じように、”時代のすき間”とか”鳥居を抜ければ”とか”過去の国”などのフレーズも、上述のことを表しているのだと思います。

 

古いアルバムを開く描写の仕方で、これらの言葉選びはとても面白いですよね。よく、こんな表現の仕方ができますよ、本当に。

 


■じゃあ、この人は何か目的があって、古いアルバムを見に来たのでしょうか。そのヒントになりそうなのは、サビのこの部分です。

 


さぁ 僕が産まれる前の
さぁ 君と似ていたママに 答えをきくために

 

この辺り、色々と意味深なんですよね。普通に考えると、アルバムを見る時って、何か思い出を振り返りたい時ですよね。その人の心境としては、何かに行き詰まっていたり、そういう過去の思い出にすがりたい時とか、まぁ、親戚や家族で集まった時のノリみたいなのもありますが、そういう時に人はアルバムを見るものだと思っています。

 

しかし、どうでしょう、ここの表現は。”答えをきくために”と…この人は、何か答えを欲しているのでしょう。アルバムの写真を見ることによって、得られる答えとはなんなのでしょうか。

 

そこへきて、”僕が産まれる前の 君と似ていたママに”という表現です。色んな人の解釈を見たり、自分の解釈だったりってのを合わせて説明してみます。

 


■あくまで、例えば、の話ですからね。話半分に読んでください。

 

まず、ここに書いてある”君”というのは、現在付き合っている恋人であると。まだ結婚はしていないとは思います。その”君”に、”似ていたママ”という表現がくっついています。

 

このアルバムを開いている人物(男性)は、ある時こう思うわけです…恋人である君は、自分の母親にそっくりだ、と。顔がそっくりなのか、しぐさや雰囲気がそっくりなのかは分かりませんが、とにかくそう思うわけです。

 

そして、その思いは、あるひとつの疑問を作り出します…ひょっとしたら、君は僕の母親の”実の子ども”なんじゃないか、と。つまり、僕らは、血のつながった”姉弟”なのではないか、と。

 

ちなみに、”姉弟”になっている根拠は、”僕が産まれる前の”という表現です。僕が産まれる前に、もうすでに君が産まれてた、という解釈なので、間柄としては、僕から見て”姉”に当たるということになります。

 

もしかしたら母親は、意図的にアルバムを僕に見せてなかったのかもしれません。そうして、何の事情があるかは分かりませんが、姉がいることをずっと隠していたのです。しかし、運命のいたずらか、僕と君は出会ってしまうわけです。そして、姉弟であることを知らずに、恋に落ちてしまうわけです。

 

そこで、上述のことが起こるわけです。君は姉なのか、僕は実の姉と付き合っているのか。もしかしたら、結婚を考えているのかもしれません、そうすると、姉弟では結婚はできないので、どうしようか、となります。

 

ということで、僕はその答えを探すために、屋根裏で古いアルバムを開いているわけです。何処かに、母親と君が一緒に写っている写真があるのではないか、とアルバムをめくっているわけです。

 


■2番だと、サビじゃない部分でも、例えば、”よじれた歴史から 消せないあの街で”という表現なども、何か考える部分ではあります。

 

”あの街”とは、僕がかつて住んでいた場所でしょうか、そこで何かがあったのでしょう。例えば、僕と君が離ればなれになった出来事などです。この解釈だと、僕は一応、生き別れた姉がいることを知っていたってことになりますね。

 


■という物語です。どうですか、結構おもしろいですよね。

 

まぁ、他にも色々と解釈はできそうです。君は、ただの友達かも知れませんし、女でなく男であるかもしれません。

 

そして、この歌のテーマは”母性”であるそうです。どこに”母性”を感じますかね。何か事情があって隠していたのは、母親の子を想う気持ちからでしょうか。

 

あなたは、どんな物語が想像できますか。少し、ミステリーな一曲ですね、真相はいかに!?