スピッツ大学

ステイホームしながら通える大学です!

96時限目:冷たい頬

【冷たい頬】


冷たい頬

冷たい頬

 

■18作目のシングル曲です。アルバムとしては、『フェイクファー』に収録されています。

 

個人的ランキング、195曲中79位でした。当時のスピッツのシングル曲は、どれも本当に名曲ばかりでしたね…まぁ今もなんですけど。それでもやっぱり、この時期のスピッツのシングル曲は印象に残っています。この【冷たい頬】も、今でも人気の高い曲だと思います、僕も大好きです。

 

最初のギターのアルペジオが、本当に聴いていて気持ちが良いですよね。僕もその昔、ここを上手に弾きたくて練習した覚えがあります、懐かしいです。あと、間奏のベースソロもいいですよね。

 

まさに、これぞ第二期のスピッツと言うべき曲だと思います。

 


■この【冷たい頬】という曲ですが、ある解釈がほとんど定着している感じです。まぁ、いつものごとく、解釈は人それぞれと言ってきますが、その解釈にも、いかんなく触れていきたいと思います。

 


まず、何と言っても印象的なのは、そのものずばり、タイトルにもなっている”冷たい頬”というフレーズです。このフレーズが出てくる部分を抜き出してみると、出だしの歌詞に、こうあります。

 


「あなたのことを 深く愛せるかしら」
子供みたいな 光で僕を染める
風に吹かれた君の 冷たい頬に
ふれてみた 小さな午後

 

そのまま深く考えずに読んでみると、例えば、こんな解釈になります。

 

君(恋人)が僕に対する気持ちを吐露している場面…「私、あなたのこと深く愛せるのかな(愛せているのかな)」と。それに対して、”大丈夫だよ”という言葉の代わりに、僕が君の頬を優しく撫でる。

 

頬が冷たいのは、例えば、彼女は涙を流して泣いている、とも考えられるかもしれません。プロポーズや告白をされた後か、ケンカをした後なのか、色々と状況は考えれるかもしれませんが、とにかく、励ましたり、安心させたりする意味で、君の頬に僕が触れている、という解釈です。

 


■ここでポイントとなるのは、”冷たい頬”というフレーズの解釈の仕方です。

 

頬が冷たくなる状況というのを考えた時に、思いつくこととしては、”その人が死んでいる”状況、あるいは、”病に伏しており弱っている”状況などといったものを考えることができます。

 

この歌の解釈を考えた時に、いつも話題になるのは、そんな話でした。つまり、彼女は死んだのではないか、もしくは、病に伏しているのではないか、という考え方です。


そんな風に考えると、この歌の解釈ががらりと変わってきます。

 

例えば、出だしの「あなたのことを 深く愛せるかしら」という言葉は、自分の命が長くないことを察している彼女が、不安な気持ちから発した言葉であると考えるとどうでしょうか。そんな弱り切っている彼女の、もう温度も感じられないくらい冷たくなってしまった頬に、僕が励ますように優しく触れると。

 

もしくは、もう彼女は死んでしまっている、と考えることができそうです。これだと僕は、彼女の遺体(頬)に触れて、彼女のことを思い出している、という解釈になります。

 

いずれにせよ、悲しい歌になってしまいますね。

 


■その他、この解釈で、色んなフレーズの意味を深読みしてみると、

 


あきらめかけた 楽しい架空の日々に
一度きりなら 届きそうな気がしてた

 

彼女は病に伏しているので、普通の恋人同士のような毎日を過ごすことは難しいけれど、それでも、彼女の病気が良くなって、普通の生活を送れると信じていた。しかし、このフレーズに、”一度きりなら 届きそうな気がしてた”と続いてきます。”気がしてた”ですからねぇ…結局は叶わなかった、と考えられるのではないでしょうか。

 



ふざけ過ぎて 恋が 幻でも
構わないと いつしか 思っていた
壊れながら 君を 追いかけてく
近づいても 遠くても 知っていた

 

これがサビですが、上述の解釈につなげると、ここも悲しいフレーズのような気がしますよね。”幻”、”壊れながら”など、死んでしまった彼女のことを忘れることができずに、彼女の幻をいつまでも追い続けているような、僕の悲しい姿が浮かんできます。

 


などなど。他にも、そういう解釈につながりそうな部分は多々ありますが、とりあえずこの辺りでやめておきます。

 


■そして、もうひとつ気になるのが、最後のAメロです。ここに、急に”シロツメクサ”という言葉が出てきます。

 

シロツメクサとは、いわずもがな植物の名前ですよね。別名は、クローバー、よく四葉のクローバーを見つけると幸せになる、というやつですよね。

 

”さよなら僕の かわいいシロツメクサ”という風に歌の中には出てきますが、シロツメクサを幸せの象徴とするのならば、その幸せに別れを告げていると。そして、ここでいう幸せとは、おそらく彼女と過ごせる日々のことだと思うので、それが叶わなくなった、ということで、これもやはり彼女の死を示唆している、と考えることができます。

 


で、この”シロツメクサ”についてなんですが、この植物の花言葉は、「幸福」「約束」「私のものになって」などの幸せなものに並んで、実は”復讐”というものがあります。

 

これらの花言葉を無理やりつなげると、「私のものにならなければ、復讐をしてやる」というものになりかねません。このように考えると、僕が君を殺した、という解釈も成り立つことになります。

 

”壊れながら 君を 追いかけてく”…これが、実はストーカーを意味しているのではないか、という解釈もあります。復讐や嫉妬、独占欲から、僕が君をストーカーして、ついに殺めてしまう。死んでしまった彼女の頬に触れて、やっと2人一緒になれたね、と…こんな解釈に持っていけそうですが、どうでしょうか。

 


■ということで、幸せだけどちょっと元気がない彼女を励ます解釈、彼女が病に伏しているか、もしくは彼女が死んでしまっている解釈、僕が君のストーカーであるという解釈…あなたはどれに思えますか、もしくは、どれとも違う解釈を持っていますか。

 

冷たい頬 PV(卓球を楽しむスピッツメンバー!)

youtu.be