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135時限目:ハニーハニー

【ハニーハニー】


ハニーハニー

ハニーハニー

 

■アルバム『惑星のかけら』に収録されている曲です。個人的ランキング、191曲中141位でした。

 

アルバム自体が、グランジ色の強い、歪んだ音色が特徴のアルバムだと評価されますが、そんなアルバムの中だと、割と軽い部類に入るんですかね。でも、曲名のゆるさとは裏腹に、しっかりとハードロックな感じもありますけどね。イントロから、おっ!と思わせるような、重厚なギターサウンドが響いてきます。

 

第一期(個人的な分類では)の曲ではありますが、今年に発売されました、武道館ライブのDVDで、【ハニーハニ―】を演奏・歌唱しているのを見ることができます。これも、いつも言っていることではありますが、昔の曲を今のスピッツでやると、とんでもなく化けますね!

 


■まず、この曲に関して、スピッツには(草野さんの詩には)珍しい、英語歌詞が入っています。サビの歌詞を書いてみると、

 


ハニーハニー It's so brilliant!! ハニーハニー 僕らに
ハニーハニー It's so brilliant!! ハニーハニー 天国が
落ちてくる日まで

 

となっています。”ハニーハニー(honey honey)”もそうですが、それよりも英語歌詞と言えば、”It's so brilliant!!”の方が珍しいですね。この辺りを、草野さんは、「踏み絵を踏むような気持ち」だった、と言っていたらしいです。

 

そういえば、どこかの何かで聴いたラジオ音源で確か(伊集院さんのラジオだったと思います)、草野さんは、サビが英語歌詞になる歌について言及していたのを、微かに覚えています。流行もののように、そんな歌が出回っていることに関して、自分はそんな歌は作らない、というようなことを確かおっしゃっていました。

 

”踏み絵”とは、その辺りのことを指して言ったのかな、と思います、笑。自分が自ら、やらないと言っていたことに足を踏み入れた、ということでしょうかね。色んな可能性を模索した結果でもあるのかもしれないですけどね。

 


■では、この歌は、どんなことを歌った歌なのか、考えてみました。

 

全体的に、歌詞を読んでみて、この歌からはまず、”許されない恋愛”というイメージが浮かんできました。

 

”抜けがらの街で会おうよ”…抜けがら、とは、何となく寝静まった、ひっそりとした街というイメージです。忍んで会っている、という感じですかね。

 

”罪の花をばらまきながら”…罪、という言葉が使われていますからね、その通りですね、罪深いことをしてしまっている、ということでしょう。

 


という風に読んでいくと、2番にこんな歌詞が出てきます。

 


ハニーハニー 本当のことを教えてよ
神の気まぐれ 箱庭の中
ハニーハニー 隠れた力で飛ぼうよ
高く 定めの星より高く

 

神、出ました、笑。ずっと言ってきましたが、草野さんが使う”神”や”神様”という言葉は、”死神”という意味で使われているのではないか説が、自分の中で定着しています。まぁ、死神は言い過ぎかもしれませんが、”死”や”運命”を司る存在として描かれているような気がしています。

 

とすると、ここの表現はどうでしょうか。”神の気まぐれ 箱庭の中”からの、”定めの星より高く”飛ぼうとしている、と。これは、決定づけられた運命や生活から抜け出そう、と読み取ることができそうですね。

 

例えば、不倫や浮気。結婚していて、もう一生を共に生きていこうと約束を交わした相手がいる…何なら、子どもも居たりして、決定づけられた生活が自分にあるという状況です。そんな時に、約束した相手とは別の人と、恋に落ちてしまった…落ちた、というよりここでは、堕ちた、ですかね。しかも、その恋に堕ちた相手も、結婚している人だった、ということにもなれば、余計にドロドロしてきますが…。

 

色んな状況が考えられると思いますが、そんな”許されない恋愛”をイメージしました。

 


■ここから、少し飛躍して考えてみます。先ほども言ったように、神=死神であるとして、この歌に”死”のイメージを付け加えて考えてみました。

 

先ほど書いたサビの中に、”僕らに…天国が落ちてくる日まで”とあり、これも先述しました2番の歌詞にも、”隠れた力で飛ぼうよ…定めの星より高く”とありました。

 

この辺りは、”許されない恋愛”に堕ちた結果の”心中”というものにもつながる表現であるかもしれません。”天国が落ちてくる”なんて、すごい独特な表現ですよね、あくまで天国なんですね。心中して、この世とおさらばして、好きなように愛し合えるあの世を、”天国”と表しているのでしょうか。

 


…まぁ、この辺りは想像が色々とできそうですけどね。Cメロが、少しイヤーンな感じの歌詞だと思ったので、”飛ぼうよ”とかっていう表現も、そっちの方に解釈できるかもしれませんけどね。

 

ただ、とにかく”許されない恋愛”説は、拭えませんね。”ハニーハニー”なんてかわいらしい言葉を使っているくせにね、草野さんったら…もう!いじわる!めっ!