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155時限目:ベビーフェイス

【ベビーフェイス】


ベビーフェイス

ベビーフェイス

 

■シングル『空も飛べるはず』のカップリング曲であり、アルバム『空の飛び方』にも収録されています。

 

アルバム『空の飛び方』に収録されている方は、Album Versionであり、wikiによると、「ホーンセクションを加えたアレンジで録り直したアルバムバージョンであり、テンポも少し速めてある」とのことですが、僕自身は、カップリングバージョンの方は聴いたことはなく、Album Versionの方を聴いてきました。

 

個人的ランキング、195曲中63位でした。ほう…そうですか、結構上位に入ったなという印象です。もちろん、好きな曲ではありますけどね。

 


■さて、早速曲の解釈・紹介に入りたいと思います。

 

この曲は確か、草野さんが「奥さんが亡くなった友人のために作った歌」だったと思うのですが、どうですかね?友人本人が亡くなったのではなくて、その奥さんだったと思うんですけど…もしかしたら、友人の恋人だったかも?家族の誰かだったかも?何せ、情報を探したんですけど、ちょっと見当たらなくて、でも、結構知られてる話だったと記憶してるんですが…。

 

まぁとにかく、「友人の身内が亡くなったことを書いた歌」としておきましょうか。そういう状況になってしまった友人を、草野さんが励ますため、慰めるため、作った曲だということです。

 


しかしながら、曲調はすごく明るくて、パレードでもしているかのように、ファンファーレも鳴っていて、派手な曲になっています。タイトルも【ベビーフェイス】ということで、言い方は悪いかもしれないですが、とてもじゃないけど、「友人の身内の死」を歌っているような感じには聴こえないです。

 

ただ、歌詞を読んでいくと、なるほど、確かにそういう曲なのかなと思えてきます。

 


■例えば、それが一番表れている部分だと、

 


こわがらないで 歩き出せそっと
星になったあいつも 空から見てる

 

ここの”星になったあいつ”という言葉は、”星になる”という表現は普通、死を表わすことが多いですので、ここの部分はやはり故人を表しているのでしょうね。

 

それでも、”こわがらないで 歩き出せそっと”と、友人が大切な人の死を乗り越えられるように、慰めているのを読み取ることができます。”空から見てる”という言葉も…うーん、何かうまく言えないですけどね、胸がぎゅっとなります。

 



華やかなパレードが 遠くなる日には
ありのままの世界に 包まれるだろう

 

ここも一見すると、”華やかな…”というのが浮いていますよね。ただし、上述の歌の解釈から、ここの”パレード”は、”葬式”を表しているのかな、と解釈しています。

 

となると、葬式が終って”ありのままの世界”が訪れる、とは何でしょうか。この”ありのまま”っていう言葉が、また何か残酷ですよね。それは、”大切な人が居なくなった世界”であり、それでもそんなことお構いなしに”変わらず流れていく世界”ということでもありますからね。

 


■あとは、この曲のタイトル”ベビーフェイス”という言葉に関してです。曲の中では、

 


Bye bye べビーフェイス
涙をふいて 生まれ変わるよ Yeah…
Bye bye べビーフェイス
今日から明日へ かすかな炎を絶やさないでいて

 

という風に出てきています。”ベビーフェイス”とは、英語では”Babyface”と書きます。意味としては、”童顔”とか”赤ちゃんのようなあどけない顔”というのがありますが…うーん、どちらとしてもしっくりきませんね。まぁ、精神的な意味合いでも使われているのかもしれません。

 

”涙をふいて 生まれ変わるよ”というフレーズは、”生まれ変わる”という言葉は、亡くなった人へ向けた言葉(となると、輪廻転生のような解釈)とも、大切な人を亡くした友人へむけた言葉(となると、大切な人の死を乗り越えるという解釈)とも取ることができると思います。

 


■あとは、前提を崩すようならば、本当に”ベビー(フェイス)”なのかもしれませんね。例えば、「身近な人を亡くした子どもについて歌った歌」という感じです。

 

まだ、”死”の概念すらはっきりと理解していないような子どもが、身近な人の”死”に触れるわけです、お父さんやお母さん、おじいさんおばあさんかもしれません。何か分からないけど、周りの人が悲しんでいて、子ども心にそれを少しずつ理解していくわけですよね。

 

死んだ人にはもう会えない、いつかは人は死んでしまうものだ、それならばいつか自分も…という具合にです。そういう、死生観を少しずつ育てながら、子どもから大人へと成長していくわけです。肉体的にはもちろん、精神的に、”ベビーフェイス”にさよならをしてくわけです。