スピッツ大学

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159時限目:ホタル

【ホタル】


ホタル

ホタル

 

■21作目のシングル曲で、アルバム『ハヤブサ』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中23位でした。すごく好きな曲なので、ランキング上位で良かったです、ちょっと意外でしたけどね。

 

この曲(シングル)も印象に残っていますよ、買った時の状況とか…高校生でしたけどね。学校の帰りに買って、ウキウキしながら帰った覚えがあります。そして、学校でもスピッツ好きの友だちが居て、こっそり貸したりとかしてました。

 

何よりまずね、このシングルは、ジャケットがとても印象に残ってるんです。自転車が空中に浮かんでいるような…というよりは、自転車が空から落ちてきている感じですけど、何かずっと気になるジャケットなんですよね。気になる方は、調べて確かめてみてください。

 


あと、このシングルは、スピッツで初めてマキシシングルとして発売になったシングルだったんですよね。シングルなのに、でかっ!と思った記憶が微かにありますが。

 

その辺り、一応解説をしておくと…

 

シングルは、初期は直径が8cmが主流でした。おじさんおばさんは、よく覚えていますよね、笑。長方形のパッケージが懐かしいですよね。今じゃ、プラスティックのケースに入っているのは当たり前ですけど、昔のは、わざわざケースを買って入れないといけなかったですからね。

 

アルバムは、今と同じで、ずっと直径が12cmで続いていますが、シングルの方は、ある時から直径12cmが主流になり始めました。スピッツでは、それがシングル『ホタル』が始まりだった、ということです。

 


■ということで、あまりこれというエピソードは見つけられなかったので、早速曲の紹介に移ります。

 

まず、初めて聴いた時から、本当にきれいな曲だと思っていますよ。特に、歌詞がね、本当に美しいんです。一筋縄ではいかないところもあるかもしれませんが、大きな括りとしては、ラブソングなんですかね。

 


特にお気に入りの歌詞が、この部分です、紹介しておきます。

 


甘い言葉 耳に溶かして
僕のすべてを汚して欲しい
正しいものはこれじゃなくても
忘れたくない 鮮やかで短い幻

 

これ、どうですか!色んなストーリーを想像できるかと思いますが、言葉の選び方がすごいですよね。

 

キーワードは、”甘い言葉”、”汚して欲しい”、”正しいものはこれじゃなくても”あたりですか。この辺をつなげてみると、やはり一筋縄ではいかない恋愛が浮かび上がってきます。例えば、本来は好きになってはいけない相手に対して、想いを寄せてしまったとすると、不倫や浮気などが想像できますし、例えば、そういう商売をしている相手を好きになってしまったとすると、体を売る女性との恋愛なども想像できます。

 

”正しいものはこれじゃなくても”からの”汚して欲しい”ですからね、正しくないと分かってはいるものの、自分の気持ちは止められずに、ズブズブとはまっていくという感じでしょうか。

 


■そして、そういう恋愛でも、この男にとっては、希望の光になっていることが読みとれます。

 


闇の途中で やっと気づいた
すぐに消えそうで 悲しいほどささやかな光

 

タイトルの”ホタル”は、ここの部分を表しているのだと思います。もちろん、昆虫の蛍(ホタル)のことですね。ホタルの寿命は、1~2週間であると考えられています、本当に短いですね。その短い人生を、自ら光りながら全うしていく、ということを選んだとは、何とも感慨深いものを感じますね。

 

そういう、儚くも美しいホタルの光を、真っ暗な人生を歩んできた”僕”に、希望をもたらした”君”の笑顔に例えたのでしょう。

 


■しかしながら、それは許される相手ではなかった、好きになってはいけない相手だった、ということで、こんな歌詞が出てきます。

 


生まれて死ぬまでのノルマから
紙のような 翼ではばたき
どこか遠いところまで

 

”生まれて死ぬまでのノルマ”とはなんでしょうか。”翼で羽ばたき”という言葉も気になるところです。

 

これを、単に”生きていくこと”と訳すとすると、叶わない恋愛への辛さから、自ら命を絶ってしまうというような想像ができます。

 

”人の道を踏み外さないこと”、つまり”正しい恋愛をすること”と捉えると、そこからの逃亡ということで、駆け落ちだったり、突き詰めていけば、相手との心中などという想像もできますね。

 

それは、悲しいと思うべきか、それとも美しいと思うべきか…純情と言うべきか、不純と言うべきか…。

 


■ということで、最後に【ホタル】のMVを載せておきます。

 

youtu.be

 

このMVも、独特ではありますよね。炭鉱のような場所で歌うスピッツのメンバーは皆、作業着を着て、すすけて真っ黒な顔をしています。歌ってないで働けよ!って感じですけどね、笑。炭鉱内が崩れているような描写も見られて、ますます、歌ってる場合かよ、とか思ったりしましたが…。

 

曲とのつながりを考えてみるとすると、まさしくこの炭鉱は、男が迷い込んだ暗闇を表しているのでしょうか。そして、MVの最後では、炭鉱から外の世界へと男が脱出する描写がありますが、これもそのまま、自身の暗闇からの脱出と考えることができそうです。