【まもるさん】
■34作目のシングル『若葉』のカップリング曲であり、スペシャルアルバム『おるたな』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中166位でした。
何と言っても、まずこのタイトルですよね、こんなヘンテコなタイトルをつけようとするなんて、やっぱり並みのセンスではないですよ、ほんと。…あ、感心していますからね、笑。でも、こんなにかわいらしいタイトルでありながらも、ギターの音が印象的な、いかにもギターロックっていう感じで、そのギャップがまたスピッツらしいと思います。
■【まもるさん】については、そんなにネタというか情報というか、そういうのは得られませんでしたが、一応、インタビューにて少し語っているのを見つけることはできました。
(http://www.pia.co.jp/interview/7/ からの引用)
まず、タイトルについては、
*
草野さん「ま、一応“守る人”で“まもるさん”ってだけで、そんなに大した意味はないんです」
*
だそうです。歌詞を読んでみてもそう感じますが、やはり”まもる”は、何かを・何から”守る”という意味であるということですね。
あとは、スピッツのカップリング曲は、色んな事を試すことができる場所であるとして、
*
田村さん「『まもるさん』も、トラディショナルな楽器が入ってるけど、(プロデューサーの)亀田誠治さんと話し合いながら、真面目さと遊びのさじ加減を楽しみながらアレンジを形にしていった曲なんですよ」
*
ということだそうです。その言葉通り、トランペットの(ような?)音が鳴っていたり、ひずんだギターの音が入っていたり、色んな音が聴こえてきますね。
■ということで、この【まもるさん】という曲の解釈をしてみたいと思います。まぁ…タイトルで、出落ち感は半端ないですが、笑。
先述の通り、”守る人”=”まもるさん”ということになりますが、じゃあ、何を・何から守るのか、ということですよね。これは、サビの歌詞を読んでみると、
*
僕にも出来る 僕だけに出来る
君を陰ながら守ります
*
となっていることから、守ろうとしているのは、他でもない”君”である、ということですね。
じゃあどう守るのか、君と僕の関係性はどうか、というところですよね。守る、と言っても、色々ありますからね。
例えば、マネージャー的な立場って言うんでしょうか。仕事だったら裏方的な、そういう風に、主役である君を守って、立てようとしているというのがはありますよね。
例えば、ボディーガードとかもありますね。これは、いかにもって感じですけど、命を守るわけですからね。
…という風に色々考えていきますが、まぁこれはきっと、恋愛絡みの歌詞であるのかな、とは思っています。一番単純な考え方としては、好きな人を守りたい、ということですよね。歌詞の中では、
*
僕にも出来る 僕だけに出来る
君を陰ながら守ります
どんな役回りも いただけるなら
疲れ果てるまで 演じてみるかな
*
という部分がありますが、何て健気なんでしょうね。”陰ながら”となっているところも、何ていうか遠くから見守っている的な、そんな関係性をイメージさせられます。恋人を守る、という感じじゃなくて、片思い中の相手を守っている(つもりである)という状況ですかね。”守る”というか、”見守る”という感じが近いですね。
■ただ、そう一筋縄でいくのかな?という歌詞もちらほら出てきています。少し挙げてみると、
*
いけないことだとわかっているけど
幾度も逃げている バレずに生きている
*
*
ダマしのテクだけ小慣れてて
鋭い指摘にも笑っていたけど
心はふるえてる 臆病仕立ての
*
そして、極めつけの
*
僕にも出来る 僕だけに出来る
君を困らせてよろこばす
*
などというフレーズもあります。
まず考えたのは、好きだからこそ、その女の子にちょっかいを出したくなる、そういう男の子の心理はありますね。子どもの頃とか、そういうのを経験した人も多いのではないでしょうか。本当は好きなのに、素直になれずに、逆の行動をとってしまうと…でもまぁ、これはまだ、かわいらしいとは思いますけどね。
あとは、少しひねくれて考えてみると、君が困るような状況を意図的に作り出したのは実は僕自身で、それを何食わぬ顔で助ける側に回るという、要は全ては自作自演だというシナリオも考えました。人間関係は、思いの他、ドロドロしているものです、一番力になってくれている人が、実は一番の敵だった、何てこともあるかもしれませんよ。
さぁ、まもるさんの正体は如何に?