スピッツ大学

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特講:スピッツの未来を見届けていくことが、僕(ら)の一つの使命だ

SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR

SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THIRTY30FIFTY50"(デラックスエディション-完全数量限定生産盤-)

 

※本記事は、少々この作品のネタバレを含んでおります。まだ発売されて間もないですし、ネタバレを見たくない方は、どうか回れ右をお願いします。

 


■2017年の終わり、スピッツ結成30周年を締めくくるように、スピッツから届けられた素敵な贈り物である。

 

僕は、ぜひとも初回限定生産盤を手に入れたいと思い、事実それを手に入れたわけだが、まず店頭でびっくりしたのは、その大きさと重さ…でかい!重い!店員さんに渡された時、思わず反応してしまって、俺「でかいっすね…」店員さん「…あ、はい(愛想笑い)」的なやり取りがあった、笑。

 

ただし実際は、最初に行った、結構大きめのCDショップには初回限定盤がもうすでに無かった。(通常版は置いてあったので、それを持って店員の所まで行って)俺「あの、すみません…このスピッツのDVDなんですけど、これの…」店員「初回限定盤ですよね?もうないんですよ…」的に、店員さんが食い気味に言うことには、入荷待ちで、業者に問い合わせても中々回してもらえない、ということらしかった。そして、僕と同じように、その日に別のお客様から、結構問い合わせをもらっているとのこと。結構出てるのかな、14000円(DVD盤)もするのに?

 

まぁそういうわけで、今年最後のあいさつにと、広島のレコードショップの総本山タワーレコードに赴き、ようやくこのDVDを手に入れたわけである。

 


■さて。先ほど言ったように、”でかい”初回限定盤。

 

①LIVE本編 DVD or Blu-ray
スピッツ30周年記念 DVD or Blu-ray SPITZ INSIDE DOCUMENTARY「THE HISTORY 1987→」
③LIVE音源 CD(2枚)
④100ページ以上に渡るライヴ写真集

 

という豪華な内容になっている。このうち、②③④が限定盤特典なので、限定盤はでかいし、(DVD盤は)14000円という少々値が張るものになっているのだが、僕はもうおじさんなので、大人買いしたのです(?)

 

ということで、いつも思う…映像作品の内容や感想を話すのは、すごく苦手なんだが、せっかくなので少しずつ内容だったり感想だったりってのを語ります。

 


■まず、特典映像ディスクの内容について。

 

これは、スピッツの30年の活動に大いに関わってきた人たちに、鹿野さんがインタビューするという形で、スピッツの活動を振り返っていくという内容。

 

スピッツ所属の事務所「ロード&スカイ」(現在のスピッツは、分社化された「グラスホッパー」に所属)の社長である高橋信彦さん、スピッツのデビューからのマネージャーの坂口優治さん、スピッツが大きく成長するのを手助けしその黄金期を支えた笹路正徳さん、特にアルバム『ハヤブサ』以降の作品に大きく関わるようになった、プロデューサーの亀田誠治さんやレコ―ディングエンジニアの高山徹さんなど…僕自身も名前だけは知っていたけど、顔は初めてみるという方も居て、皆さん多分そんなに顔を出すような人ではないだろうに、本当に貴重な映像だと思う。

 

インタビューの内容は、デビュー当時の苦悩から、スピッツの黄金期の話、そして最近の話まで、スピッツの歴史を追うように語られているのだが、このインタビューを聴いていて終始思うのが、誰もがずっとスピッツが秘めている才能を認めていて、そしてそれを何とかして、多くの人に届けようと尽力されていたんだな、ということだった。要は、誰もがスピッツを”愛して”いたんだよね。

 

インタビューの最後の方で、鹿野さんが高橋さんに対して、「出会った当初、この30年後っていうのは想像できていましたか?」と問うた際に、高橋さんが「出来るわけないですよね」と言って、それで皆さんで笑ってらっしゃったところとか、もうこの部分に全てが込められているよね。メンバーはもちろん、この方々も非常に感慨深く感じているんだろうなって…でもどんなに想像してもしきれないな、その気持ちは。

 

まぁ、斯く言う僕も、20年以上スピッツを聴き続けることになるとは、あの小学生の頃は思ってなかっただろうね。こんなおじさんになって、まだ同じように【チェリー】とか聴き続けるなんてね。想像できるかい、今目の前にある曲を、20年後も聴き続けているなんて、そして、それがこれからも続いていくことを。

 

まぁ、特典ディスクなので、初回限定盤にしか入っていないが、気になる方は、どうか購入して、実際に見てみてください。

 


■じゃあ、本編ディスクの紹介・感想です。

 

まず、収録されている内容は、神奈川県は横浜アリーナ公演の模様。僕は、広島公演に参加したのだが、それと微妙に曲目が違っているところがあって、そこもすごく楽しめたし、もちろん同じ曲でも、自分が参加した公演を思い出しながら楽しむことができた。

 

そう、今回のDVD鑑賞に当たって、いつもと決定的に違うのが、自分が実際に参加したツアーだった、という点だ。僕は、今回の3050ツアーで初めてスピッツのライヴに参加したんだけど、今までだったら、映像は全く始めてみる光景だったのが、今回に限っては、そうそう、こういう感じだったよなぁ…とか思い出しながら見ることができて、それはそれで楽しかった。

 

そういう感じで、本編のLIVE映像を見るわけだけど、まぁ、スピッツのLIVE DVDというのは、もうすでに何枚も持っているけれど、いつもより特別な気持ちで見ていた。それは、上述のように、自分が初めて参加したLIVEだったからというのもあるんだけど、何より30周年記念LIVEということで、LIVEに実際に参加した時と同様、色んなことを思い出しながら見ていたからだった。

 

ということで、全曲・全編を語るには多いので、印象に残った曲などを抜粋しながら書いてみます。

 


2曲目 【8823】
今回のLIVEで珍しいなと思ったことの一つが、2曲目がこの【8823】だったというところだった。これは勝手なイメージかも知れないけど、従来のLIVEでここら辺の盛り上がりと言えば、【けもの道】だったんだけど、その【けもの道】は終盤に演奏されている。そして、【8823】は終盤…最後の盛り上がりで演奏されることが多いが、それが2曲目に演奏されている。位置的には、それらが逆転しているっていうところに、広島公演でもちょっと意外だったし、僕を含めてお客さんの反応も少し、えっ!?って感じだった。しかし、そんなのは、曲が始まってしまえば関係ないね、田村さんは早速動き回るし、一気に会場のボルテージが上がっていることが、映像からもよく分かる。

 


3曲目 【涙がキラリ☆
今回のLIVEに限ったことではないかもしれないけれど、全体を通して感じたことは、全ての曲がレコードで聴くバージョンよりも、非常にロックでアグレッシブに聴こえてくるということだった。この【涙がキラリ☆】なんかも聴いてみて、特にアグレッシブだよね、ギターの音色なんかが、原曲よりもジャキジャキ鳴っていてさ、こんなにノリノリな曲だったっけなって思った。そういえば、2015年に発売された、アルバム『ハチミツ』のトリビュート盤にて、【涙がキラリ☆】を10-FEETがトリビュートしていたけれど、あのトリビュートも原曲に忠実ではあるんだけど、原曲よりもアグレッシブさが加えられていて、ちょうどそういう感じを思い出した。

 


4曲目 【ヒバリのこころ
これデビュー曲なんだぜ。スピッツ自身も、これまで数えきれないくらいこの曲は歌ってきたはずだろうけど、今でもLIVEでは定番の曲だよね。もうさすがに、メンバーも軽々やっていて、その姿には貫録さえ感じるけど、今だに全然色褪せてなくて、新しく聴こえるのは不思議だよね。”いろんなことがあったけど みんなもとに戻っていく”という歌詞は、何度聴いても震えがくる。スピッツを聴くときだけは、今になっても、いつだって心がゼロに戻っちゃうんです。

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10曲目 【惑星のかけら】
このDVDの中でもそうだし、自分が参加した広島公演でも、一番印象に残っている曲を挙げるとしたら、この【惑星のかけら】を挙げたい。アルバム『惑星のかけら』自体、子どもの頃は苦手だったんだけど、大人になって一気に好きになった作品。その中でも、【惑星のかけら】は、特に好きになった曲だった。子どもの頃の印象は、”君から盗んだスカート 鏡の前で苦笑い”しかなかったんだけど、笑。このLIVE映像も、もうグランジっぽさはあんまり感じないけれど、それでもどこか不気味で怪しくて、でもめちゃくちゃかっこよかった。しかしながら、未だにこの歌詞の世界観を完全に理解するまでには至っていない、というより、きっと永遠に来ないんだろうな、スピッツの歌詞面白すぎでしょ!

 


11曲目 【メモリーズ・カスタム】
ファンにはたまらない、崎ちゃんドラム炸裂タイム。すさまじいタム回しは、このLIVEでもまったく衰えていない。定期的に、このタム回しは映像で見たくなる。ちなみに、広島公演では、この曲の次が【エスカルゴ】だったんだけど、2曲続けて崎ちゃんドラムが炸裂していました。

 


12曲目 【波のり】
で、【メモリーズ・カスタム】からの【波のり】ですよ。これは、会場に居た古くからのスピッツファンの方もびっくりしただろうね。ライヴでは永らくやっていない曲の一つだったそうだけど、まさにレア曲。…にしても、これをDVDに入れるとはね、”僕のペニスケースは人のとはちょっと違うけど”って。しかし、ライヴ映像は、本当に素晴らしい。この曲も、【ヒバリのこころ】や【惑星のかけら】と同様、とても古い曲なんだけど、全然古臭く聴こえないのが不思議なんだよね。

 


16曲目 【夜を駆ける】
広島公演を思い出してみても、この辺りは、少し落ち着いた雰囲気で聴いていた記憶がある。でも、【夜を駆ける】とかは、まさにそういう象徴だと思うけど、スピッツのLIVEは本当に不思議なんだよ、炎はしっかり燃えているんだけど、赤いんじゃくて、青い炎が静かに、でも激しく燃えている感じがする。この曲なんて、激しい曲ではないけれど、でもしっかり激しくて、でも寒気がするくらい震えが来て…ちょっと何言ってるか分かんないけど、とにかく不思議な感覚を味わった瞬間だった。

 


18曲目 【正夢】
まさに、”幸せな時間”という言葉が似合うよね。本当に、幸せな雰囲気に満ち溢れている。本来は、この曲は恋愛がテーマの曲なんだろうけど、スピッツ自身には”おめでとう”と、お客さんには”ありがとう”という気持ちが、心から込められている演奏だと思う。ところどころ差し込まれるメンバーの顔が、本当に感慨深そうに花吹雪を眺めているのを見て、こっちまで胸がぐっとなるよね。ちなみに、この紙吹雪を、僕は5枚持って帰りました、笑。

 


21曲目 【けもの道】
先述したように、【けもの道】は、前半の盛り上がりで演奏される曲だと、僕は勝手に思っていたのだけれど、まさかのこの位置とはね。まぁ、必ずやるだろうなとは思っていた曲だったけど。何度も、それこそ何百回も何千回も聴いてきた曲ではあるんだけど、いつ聴いても胸がスカッとなるよ。それは、これからもきっと変わらないんだろうなぁ。

 


23曲目 【1987→】
本編の最後の曲は、これだろうなって、予想はついていた。だから、この曲のイントロが流れた途端に、あ、LIVE終わっちゃうなぁって思ったことを覚えている。リーダーが”1987→ Tシャツ”一枚で、しかもベースの位置を目いっぱい下げて、一際アグレッシブに演奏しているのは、パンクロックを意識してのことだろうか、笑 崎ちゃんとかも、ほんとに楽しそうにドラムを叩いているし…まぁ全体的に楽しそうに叩いていたけれどね。もう何も言うことはあるまい、何度聴いても、スピッツと自分が過ごしてきた過去と、それがこれらも続いていくという未来を感じることができる、本当に大切な曲のひとつとして心に刻まれた。

 


■その他、どの曲も、本当に自分が参加した広島公演も思い出すけれど、キリがないので、このくらいで。あとは、ご自分の目と耳で、このLIVEの素晴らしさを体験してください。

 


最後の方に、草野さんのMCが少しだけ入っていて、広島公演でも言っていたことだが、「今日は通過点という感じなので…」と言っていた。

 

2017年、1年間かけて、スピッツ結成30周年の祭りがずっと続いていった。レコードや映像作品のリリース、全国ツアーの開催、タワレコカフェなどのちょっと変わったイベントもあったりもした。

 

そのすべてが、スピッツ結成30周年を祝うように、本当に嬉しい出来事ばかりだったので、僕を含めて、スピッツファンにとっては、本当に幸せな1年になったよね。

 

しかし、何が一番嬉しいことかって、何より、これからもスピッツが続いていくということ。【1987→】の”→”に込められた意味は、まぁこれもすでに語ったことなんだけど、過去を懐かしむことではなく、これからも未来に向かっていくこと。早くも、今から次の作品が楽しみだし、行くかどうかは分からないけど、次のLIVEだって楽しみだ。スピッツの未来を見届けていくことが、僕(ら)の一つの使命だ、だから頑張って生きるんだよ。

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