スピッツ大学

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197時限目:ラズベリー

ラズベリー


ラズベリー

ラズベリー

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されている曲です。

 

個人的ランキング、195曲中51位でした。順位からは、そんなに伝わらないかもしれないので言っておきたいのですが、僕は、この曲が本当に大好きなんです!

 

アルバム『空の飛び方』に関しては、もうかれこれ20年くらい昔、僕が中学生の頃に聴いていたアルバムです。自宅で、高校受験のための勉強をしていた時に、決まってBGMとして流していたのは、スピッツだったり、JUDY AND MARYだったり、B'zだったりしました。その中でも、やっぱりスピッツは特別でした。

 

『空の飛び方』を聴くと、いつも懐かしい気分になります。ただし、当時はあまり周りに、スピッツを僕のように熱心に聴く仲間はあまり居なかったので、こっそり”自分だけ聴いている感”がありました。あぁ、でも一人居ましたね、スピッツ仲間…中学生の時に2人で、バスに乗って、レコードショップにベストアルバムを買いに行ったっけな。

 


■さて、まずは、この曲についてのインタビュー記事が、書籍「スピッツ」に掲載されていましたので、少し抜粋させてもらいます。結構、面白いですよ、笑

 


インタビュアー:じゃあ、例えば”ラズベリー”なんて、これはもうあからさまなセックス・ソングなわけですけども…(後略)。

 

草野さん:俺って昔から女の子のヴォーカリストに曲を書いてみたいっていう願望があって、こういう曲を女の子が歌ってみたら、どうなるんだろうとか思って書いたんですけど。ここまでポップなメロディーなんだから、歌詞はもう結構エグいのいっちゃおう、ってことで。

 

イ:じゃあ、やっぱりこういうワイセツな曲を女の子に歌わせてやろう、というセクハラ的な見地から……。

 

草:いや(笑)、歌わせてやろうとまでは思ってなかったけど、歌うと愉快かなって。こういう可愛いポップなメロディーに……まぐわいの歌という。

 


…おいおいおいおい、これはもう、草野アウトー!ですね、笑。何が”いや(笑)”なんですか!完全に狙ってんじゃねーか!笑。

 

まぁ、もうここを読むだけで分かると思いますが、こういう歌なんですよ、【ラズベリー】という歌はね、もう説明不要じゃないっすか、笑。こういうことをする人なんですよ、草野さんはね。何ていうか…最高じゃないですか!

 


■ということで、歌詞を少し読んでみますよ。まず、出だしがこうです。

 


泥まみれの 汗まみれの 短いスカートが
未開の地平まで僕を戻す
あきらめてた歓びがもう目の前 急いでよ
駆けだしたピンクは魔女の印

 

ここも本当に素敵な歌詞なんですよね。メルヘンと言いますか、ファンタジーと言いますか。

 

ただし、全体的な歌詞の雰囲気や、インタビューの内容から、もうここの部分は、セックスの前の悶々とした気持ち、あるいは、前戯などを表わしているとしか思えなくなってきますよ。”あきらめてた喜びがもう目の前 急いでよ”ですからね、ようやくセックスにこぎつけたぞ!と、そういうことなんでしょうね。

 


2番…極めつけの、こんな歌詞も出てきます。

 


おかしいよと言われてもいい ただ君のヌードを
ちゃんと見るまでは僕は死ねない

 

本当に、切実ですよね、笑。一周回って、清々しい!素敵です!スピッツ歌詞屈指の名言だと思いますが、どうですか。

 

この2行は、まさしく人間の欲求の根元を表しているような、もう格言にしてしまっても良いくらいの歌詞ですよ。そんな歌詞と、僕は中学生の頃に出会ったわけですからね。もう、草野さん、代弁してくれてありがとう!って感じですよ、笑。

 

草野さんの書く詩のテーマとして、”セックスと死”というのは有名ですが、まさにその根源にある思想だと思います。誰だってそうですよ、おかしくはありません、男はいつだって女性の裸が見たいんです…もちろん、健全な方法でですからね!

 


■という流れで、タイトルが”ラズベリー”ですよ。歌詞の中には、サビにそのフレーズが出てきます。

 


チュチュ 君の前で 僕はこぼれそうさ
ずっとワクの外へ  すぐにも
もっと覗きこんで もっと潜り込んで
ねじれた味のラズベリー

 

これだけセックスの描写を、あからさまには感じないような(僕にとってはあからさまにしか読めませんが、傍から読めばっていう意味で)、素敵な歌詞を書けるのは、本当に素晴らしいですよね。深読みすれば、確かにいくらでもセックスなんですけど、ちっともいやらしくは感じませんよね。…いや、それとも逆なのかもしれませんね、あからさまじゃないからこそ、余計に想像が掻き立てられるのかも?

 

とにかく、だからこそ”ラズベリー”についても、明確に書いてないから故、それぞれの想像を加えることができます。まぁ、何となく、いやらしいものを例えたものなのかな、っていう想像にはつなげることはできますけどね。乳首?ク〇〇リス?女性器?もっと広い意味で、そういうものに対する悶々とした気持ちを”ラズベリー”と表しているのか?などなど。

 


■ということで、いかがでしょうか。

 

何度も言うように、僕はこの曲がとても好きなんです。もちろん、歌詞が一番印象に残るんですけど、メロディーもすごいきれいですし、何気にこれ、オーケストラサウンドがふんだんに盛り込まれていて、ロックな曲ではないけれど、豪華なんですよね。

 

ぜひ、女性の方、歌ってみてください!