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【ネタバレ注意】『優しいスピッツ a secret session in Obihiro』ライヴレポート

※注意※

 

セットリストやMCの内容にガンガン触れていきますので、全編ネタバレ注意です!

 

この放送をすでに観終わっていて、内容を振り返ったり感想を共有したい方
放送は観ていないけど(観る予定があるなし関わらず)、どんな内容だったかをを知りたい方

 

などに向けた記事です。ネタバレを避けたい方は、ここで回れ右をしてください!

 

 

 

 

www.wowow.co.jp

 

『優しいスピッツ a secret session in Obihiro』
1/29(土)夜8:00 WOWOWプライム

 

<セットリスト>

01.つぐみ
02.冷たい頬
03.ハヤテ
04.今
05.Holiday
06.空も飛べるはず
07.漣
08.優しいあの子
09.夕焼け
10.雪風
11.大好物
12.未来コオロギ
13.ガーベラ
14.名前をつけてやる
15.運命の人

 

 

 

01.つぐみ

1曲目は【つぐみ】。個人的に面白かったのは、この曲が始まる前に、テッちゃんがギターを鳴らしているんですけど、まさにその時に弾いてるフレーズが、【つぐみ】のイントロのフレーズで、「あ、これは1曲目【つぐみ】かな?」って思ったらしっかり【つぐみ】でした笑

 

で、この日にライヴをおこなっている場所と、【つぐみ】のMVが撮影されている場所のロケーションがすごく似ていて、最初同じ場所かな?って思って調べてみたんですけど…結局違う場所だったんですけど、でも本当に雰囲気が似ていて、だからこそ1曲目にぴったりだなと思いました。

 

【つぐみ】のアウトロで、今回のオリジナルライヴの名前「優しいスピッツ a secret session in Obihiro」が画面中央に映し出されます。ライヴというより、映画的な演出ですね。

 

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MC

 

リーダーがペットボトルの蓋を落とす音が会場に響いて、それを見て崎ちゃんが笑うという微笑ましい一幕がありつつ、草野さんが「本番の方が、崎ちゃんのドラムの音が大きい気がする」とコメント。

 

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02.冷たい頬

1曲目に続き、優しい曲が続きます。セットリストを先に載せていますが、この辺りで、「優しいスピッツ」というライヴタイトル通り、今回のライヴでは比較的優しい曲を中心にやるのかなと、個人的に予感しました。

 

それにしても、草野さんのボーカルは全然変わらないですねー。【冷たい頬】なんてのは、もう何年前の曲ですか、僕なんかはもうかれこれ20年以上も前にリアルタイムで聴いていた曲だけど、その頃から彼のボーカルは、本当に変わっていないです。

 

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MC

 

リーダーがおもむろに口を開き、「次の曲って久々?」と草野さんに話しかける。それに対して、「ライヴではやってないね。10年以上…20年以上」と草野さんが答えました。一体、何の曲なんだと、期待が広がります。

 

続けて草野さんが、ギターをジャンジャンと鳴らしながら、「ここ、生音でも音が響くね」とコメント。

 

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03.ハヤテ

手元に持っているいくつかの映像作品を調べてみると、『ジャンボリーデラックス LIVE CHRONICLE 1991-2000』に収録されている、1997年3月23日にNHKホールにて行われた「JAMBOREE TOUR '96-'97」のライヴ映像の中に、【ハヤテ】を演奏している映像がありました。これがもしも最後なのであれば、草野さんの言っている通り、20年以上も演奏をしていないことになりますね。

 

何か、【冷たい頬】といい、この【ハヤテ】といい、アルバムでいうと『インディゴ地平線』や『フェイクファー』辺りの曲って、自分がスピッツを好きになりはじめの頃の曲なので、いつ聴いても懐かしい気持ちでいっぱいになって、何かジーンときちゃいます。

 

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04.今

今回のセットリストの中では、一番ロックだと感じた曲。この【今】で始まるアルバム『ハヤブサ』は、当時自分の中でも衝撃を受けたことを覚えています。しかもこの後に、【放浪カモメはどこまでも】と【いろは】が控えているのは、恐るべし。

 

そんな、ただでさえロックな【今】ですが、ライヴアレンジになると、またそこからさらにロックに聴こえました。

 

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MC

 

草野さん「【今】も、久しぶり。つか今日、久しぶりな曲多いな」
テッちゃん「久しぶりな曲な上に、寒いからね。その感じが。ブラウン管じゃないんだよね、今は」

 

という風に、全然繋がっていないトーク笑 さらに、「ブラウン越しって若い子分かるの?」「チャンネルはそのままは分かるか」「チャンネルは回すって言うよね」など、ゆるく昭和なトークが続きます笑

 

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05.Holiday

アルバム『ハヤブサ』収録曲が続きます。曲もさることながら、隣の部屋から、スピッツがライヴしているところをドア越しに覗き見ているような映し方だったり、スピッツメンバーを上から見下ろしているような映し方だったりと、普通のライヴ会場では出来ないようなライヴの映し方が、とても凝っていて面白いですね。

 

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MC

 

テッちゃんがおもむろに、「次の曲も、何十年もやってないね」と言ったことに対して少し苦笑いした草野さんが、「実はね、影武者が演奏してるから」という風に答える。

 

さらにテッちゃんが、「目つぶっても弾けるよ」と言うと、草野さんが「目つぶっては弾けんじゃない?」と応えるが、リーダーが「テツヤ分かんないもん」(サングラスをかけているから、本当につむってるか分からない笑)とツッコんだ。

 

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06.空も飛べるはず

そして演奏されたのは、【空も飛べるはず】…ワ―、ナンジュウネンモヤッテナイキョクダー、ビックリダー。もうこの辺の曲は、圧倒的な安心感に包まれます。

 

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MC

 

テッちゃんの「今、鼻の頭冷たいねー」と言う言葉に対して、「ほんとだー」と言いながら、自分の鼻の頭を触るおじさんたち笑 かなり会場は寒かったんですかね。

 

で、ここまでこの記事で書いている様子から分かる通り、このライヴでは1曲1曲の間が非常にゆるく、毎曲間ごとにMCが入る構成になっています。MC…というより、無観客だからお客さんに向かって…って感じではなくて、メンバーが普段話しているように、ゆるく話をしている感じですね。

 

そういう構成のライヴについて、ここで少し話題になって、草野さんが「昔やろうとしたけど、けっこう微妙だった」と語った。

 

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07.漣

7曲目は、何と【漣】。個人的には、【けもの道】は不動で1番好きな曲なんですけど、【漣】もそれと同じくらい好きな曲なので、聴けて嬉しかったです。今回のセットリストの中だと、一番うれしかったですね。というのも、【けもの道】は、もうライヴの定番曲って感じがするんですけど、【漣】ってあんまりしてないイメージなんですよね。

 

相変わらず、力強くもやっぱり綺麗な曲ですね。クージーのフルートや、テッちゃんのギターの音がめっちゃ美しい。あと、アルバム曲はフェイドアウトで終わるところが、ライヴアレンジされている終わり方もかっこよかったです。

 

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MC

 

「こうやって、やっと帯広に来れたなって感じだね」と草野さんが話し始めます。MIKKEのホールツアーで来る予定だったがそれが叶わなくなったことに触れ、今回無観客とは言え、帯広でツアーができたことに喜びと感謝をメンバーが語ります。

 

【優しいあの子】の曲を作るときに、取材旅行と称して、十勝・帯広を訪れたことを草野さんが語ります。車で曲をイメージしながら走り、インスピレーションを与えてくれた場所だったんだとか。

 

それから、会場になっている建物にも触れて話をしています。何でも、100年以上も前に建てられた建物のようで、音響をあんまり考えて作られているわけではない場所で演奏をすることに対して、「音のまわり方が違うことに、最初は違和感を感じたがそれが楽しくなってきた」と語りつつも、「アマチュアの頃に学園祭などで回った体育館を思い出した」と懐かしく話していた。

 

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08.優しいあの子

 

ということで、MCの流れから【優しいあの子】です。ライヴのタイトルにもなっている”優しいスピッツ”という言葉を、まさに体現しているような曲だなと改めて実感できます。いわば、このライヴの主題歌といったところでしょうか。

 

この曲を、北海道の帯広で演奏することには、とても大きな意味があるんだろうなって感じますね。

 

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09.夕焼け

これもあんまりライヴでやっているイメージのない曲ですね、名カップリング曲のひとるである【夕焼け】です。照明の演出がとてもにくいですね。

 

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10.雪風

次は【雪風】です。個人的には北海道といえば、【優しいあの子】というより、ミスターどうでしょうこと鈴井貴之や、そこから水曜どうでしょうなどが思い浮かぶ【雪風】ですかね笑。

 

【優しいあの子】は北海道を舞台とした朝ドラの主題歌、【雪風】はスピッツでは珍しく冬の歌、という風に…【夕焼け】については、別に北海道や雪にはちなんでいませんが(むしろ夏や秋って感じ?)、ここの流れ…【優しいあの子】→【夕焼け】→【雪風】という3曲の流れは、個人的にめっちゃ好きです。

 

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MC

 

テッちゃんが、ギターの練習をしている様子が流れますが、その曲が明らかに次の曲【大好物】のギターフレーズだとすぐに分かります。1曲目の【つぐみ】同様、公式のネタバレですね笑 それについてリーダーが「めちゃくちゃ練習してるじゃん」と言って、笑うメンバー一同でした

 

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11.大好物

現在のスピッツの最新曲【大好物】です。まだ、【大好物】をライヴで聴くことは新鮮…とか思っていたら、後述の通りライヴなどの人前で演奏するのは初めてだったんですね。

 

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MC

 

その【大好物】について、リハやレコーディングなどを除いて、人前でちゃんと演奏するのは初めてだからぎこちない、と語る草野さん。そこにテッちゃんが、「でも、意外とこれもそうだけど、【夜を駆ける】とかも弾きやすいよね」と、いきなり【夜を駆ける】を持ち出して話します。リーダーに、「突然【夜を駆ける】?」とつっこまれるが、どうやらテッちゃんは、【紫の夜を越えて】と言いたかったらしい。

 

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12.未来コオロギ

選曲も意外で面白かったんだけど、この曲が始まると、わざと画面の両端に黒い帯が出てきて、真ん中にこの曲の映像を映すという、これも映画的で面白い演出が施されています。

 

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MC

 

「意外とアウトロが緊張するね」「あとちょっとってところで」「ノーミスできたからここで間違えそう」「9回の裏だね」「野球以外で9回以外ないよね」「ソフトボールって7回だっけ」…というゆるいトーク

 

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13.ガーベラ

最初のノイズで、次の曲がまた分かってしまう【ガーベラ】です。テッちゃんが座ってギターを演奏しています。そういえば、このライヴが始まった頃は、建物の外が明るかったんだけど、いつの間にか外が暗くなっています。これは自然に時間が流れたのか?それとも少し時間を置いたのか?いずれにせよ、【ガーベラ】に似合う演出ですね。

 

で、この曲も途中まで、前曲の演出(画面両端に黒帯)が続いているんですけど、この曲の2番のサビから、映像が徐々に横に広がっていって黒帯がなくなっていく演出は、この【ガーベラ】という曲が持つ、夜空の壮大な広がりを感じさせる雰囲気に合っている演出だなと思いました。

 

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MC

 

テッちゃんの「山は越えたね」という言葉に意を介さず、草野さんが「(建物について)何角形なの?」という一言に、建物が何角形なのかを確かめ出すおっさんたちが面白いです笑

 

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14.名前をつけてやる

今回のライヴでやった曲の中では、一番古い曲になる【名前をつけてやる】です。こういう古い曲を新しいライヴでやってくれると、古い曲だからもちろんレア感もあるんだけど、その古い曲を最新のスピッツがやってくれて、アレンジが違っていたりして、何か2重の意味で楽しめます。

 

【名前をつけてやる】なんかも、2枚目のアルバムの表題曲なので、相当古い曲ではあるんだけど、最新のスピッツがやってくれると、また新しい曲として生まれ変わった感じ…極端に言うと、昔のスピッツを今のスピッツがカヴァーしている感じがして面白いなぁ…とは思うけど、草野さんのボーカルだけは変わっているようで全然変わっていないので、そこは圧倒的に安心できるところですね。

 

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MC

 

ラスト曲前の最後のMCです。このライヴを振り返って総括するみたいにメンバーが話をしています。

 

まず、今回ライヴを行った場所について話が及びます。長くバンドを続けてきて、最近は、ライヴをやる場所やリハをやる場所が大体同じ場所であり、変わったところでライヴ演奏をすることがないので、今回のライヴでちょっと変わった場所でライヴができたことに、幸せだと草野さんが語っています。

 

ちなみに、今回ライヴを行った場所は、双葉幼稚園という…なんと幼稚園だったんですね。正確には、旧双葉幼稚園園舎であり、1911年に幼稚園として誕生したが、2013年に100回目の卒園式を迎えたあと、その歴史に幕を下ろしたそうです。

 

また、選曲については、お客さんと一緒に盛り上がるような曲ではなく、メロディーを聴かせるような感じの曲が多いと語っているように、まぁセットリストを眺めると明らかですよね。その中でも、【優しいあの子】と【雪風】は絶対にやりたいと思っていたようです。

 

個人的にも、【優しいあの子】と【雪風】あたりはこのライヴのメインテーマになっている”優しい”だったり、北海道でライヴを行うということを象徴している2曲だと感じています。

 

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15.運命の人

最後は【運命の人】です。やっぱり、ライヴバージョンの【運命の人】は良いですよね。この曲が最後になることで、非常に多幸感に満ちたまま、ライヴが終わっていく感じがします。

 


■総評

 

草野さん自身も語っているように、ノリノリになるというよりは、ゆったりとメロディーや歌詞を聴ける曲が多かったなという印象です。

 

特に聴けて嬉しかった曲としては、【大好物】と【漣】でした。特に、【漣】にはやられました、イントロが始まった瞬間、「うぉ!来たー!」って、もう言葉通り飛び上がりました。やっぱり、【漣】は超名曲です、もちろんクージーの演奏込みで。

 

で、今回のライヴは、松居大悟さんという、一応”映画監督”という肩書きで載っていますが、MVを撮影したり、ドラマや舞台なんか演出のみならず主演なんかもされているようですが、そういう人が監督をしているようです。

 

なので、上述しましたが、ライヴのタイトルが入るタイミングだったり、映像自体の演出だったり、そういう映画的に感じる部分があったんだと、合点がいきました。スピッツのライヴとして、もちろんいつも通り楽しめるんですけど、それプラス、いつもとのライヴとは違った楽しみ方もできる映像だったと思います。

 


■はい、という感じですね。

 

早いもので、今年はスピッツは、結成して35周年を迎えるわけです。ここ何作かのスピッツのオリジナルアルバム発売の周期は3年なんですけど、それを照らし合わせると、今年2021年はそのアルバム発売の年に当たるので、ひょっとしたら新しいアルバム来る?という感じです。

 

まぁ、とにかく結成35周年ですからね、何かしら面白いことをやってくれそうですね。とても期待が膨らむ1年です!頑張って、一生懸命に日々を過ごしながら、待ちましょう!