スピッツ大学

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66時限目:シュラフ

シュラフ

 

■アルバム『惑星のかけら』に収録されている曲です。

 

個人的ランキング、195曲中160位でした。グランジ色の強い作品と評されることが多いアルバムの中でも、これぞ奇曲と呼ぶにふさわしい、異質な印象を受ける曲です。今もそうですが、特にこの曲を聴きたての頃は、少しとっつきにくい感じは、正直ありました。

 

グランジ特有の退廃的なサウンドには違いないと思いますが、随所に聴こえるフルートの音(僕は最初、尺八かと思いました…というより、本当にそうなのかもしれませんが、クレジットにはfluteと書かれていましたので)によって、時に和風に聴こえてきます。和とグランジ、という珍しい組み合わせですね。

 


■何度も言うように、これぞスピッツの奇曲です。ふわふわ漂っていて、夢でも見ているような心地になります。その感じは、歌詞にも表れています。とりあえず、出だしの歌詞を載せてみると、こんな感じです。

 


疲れ果てた 何もかも滅びて
ダークブルーの世界からこぼれた
不思議のシュラフで運ばれて
不思議のシュラフで運ばれて

 

何と言っても耳に残るのは、何度も出てくる”不思議のシュラフで運ばれて”というフレーズです。最後も、”不思議のシュラフで運ばれて…”というフレーズの繰り返しで終わりに向かっていきます。フルートの音と、でたらめに弾いているようにも感じるオルガンの音とともに、フレーズの通り、何処か知らない場所に連れていかれるような感覚にとらわれます。

 

歌詞の解釈ですが…はっきり言って謎です。今までも謎だなぁって思っていましたが、今回改めて何度聴いてみても、やっぱり謎です。”謎”という言葉で片付けること自体が、この曲には一番ふさわしいかもしれません。しかし、それではこのブログの存在意義がなくなってしまうので、またあれこれ妄想してみようかと思います。

 


■まず、タイトルにもなっている”シュラフ”という言葉…これの本来の意味は”寝袋”です。バンド名の”spitz”と同様、ドイツ語らしいですね、”Schlafsack”(シュラフザック)と書くそうです。キャンプで野宿などをするのに使う寝具ですね、僕も包まってみたことがありますが、見た目よりも、結構温かいんです。

 

この”シュラフ”という言葉が、曲中では何を表すのか、具体的には、”不思議のシュラフで運ばれて”とは、何を表すのか、この辺りが気になるところです。

 


■その意味通り、シュラフを寝袋と訳して…そこからもう少し飛躍して、”寝床”と訳してみるとどうでしょうか。寝床と言えば、例えばベッドの中とか、布団の中とか、そういう場所が思い浮かびますが、では、そこから”運ばれる”場所とは何処か。

 

おそらく、肉体的に運ばれるわけではなくて、そこに居ながらにして、精神的に運ばれていくという意味であると思います。

 

具体的には、例えば、”夢”です。さっき感じた、夢の中を漂っている、というイメージそのままに、夢と現実の間を、フラフラと精神が漂って”夢”に運ばれていく様子を歌ったものだという解釈です。

 

出だしの、”疲れ果てた”とは、疲れて寝床に入ったというイメージ、続く”ダークブルーの世界からこぼれた”とは、目をつむって視界が真っ暗になった状態から、あるいは真っ暗な部屋から、夢の世界へと旅立つ、というイメージをそれぞれ浮かべました。

 


それと、これは何処かで読んだ解釈ですが、もっと性的にこれを捉えて、”自慰行為”の果てに、絶頂に達する描写だという解釈もありました。それも、面白い解釈ですね。

 


シュラフを、本来の意味通りに捉えずに解釈してみるとどうか…と考えていた時に、”シュラフ”という言葉の意味を調べたページに、こんなことが書かれていたのがヒントになりました。以下、抜粋しています。

 


シュラフには大きく分けて、封筒型とマミー型の2種類がある。マミー型は、ある程度身体のラインに合わせることで、軽量/コンパクト化と保温性を両立させたタイプ。ちなみにマミーとはミイラのことだ。

 

この文の、”ミイラ”という言葉にひっかかりました。ミイラとはつまり、”死体”なわけですが、考えてみると、死体を収めるための”遺体収納袋”は”寝袋”の形状をしていますね。

 

ということで、ここから、”不思議のシュラフで運ばれて”というフレーズは、袋に収納されて運ばれている死体、という解釈に繋がります。あるいは、収容されている死体の精神が、あの世へと昇天していく様子であるかもしれません。フワフワと漂っている歌の感じを考慮すると、後者の方がイメージには合いますが。

 


まぁ、いずれにしても、奇妙で不思議な曲ですね。