スピッツ大学

入学試験無し!授業料無料!ただし学歴には書けません!

スピッツ大学へようこそ!

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<2020年5月 記>
スピッツ大学へようこそ!
一応、アルバム『見っけ』までの全曲の紹介の記事を書き終えましたので、一旦休止しています。しばらくは、時々不定期で、何かしらの記事を書いて載せる程度になると思いますが、よろしくお願い致します。

 

しばらく、こっちでの更新が主になると思います。相変わらず不定期ですが、よろしくお願いします。スピッツとか関係なく色々書くブログで、ゆるくやってます↓

itukamitaniji.hatenablog.jp

 


スピッツ大学 沿革(2020年更新)

https://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/1000/01/01/000000

 


スピッツ大学 学長紹介(2020年更新)

https://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2016/06/20/215848

 


スピッツ全曲研究セミナー

https://itukamitaniji.hatenablog.com/archive/category/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%84%E5%85%A8%E6%9B%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC

 


スピッツ全アルバム研究セミナー

https://itukamitaniji.hatenablog.com/archive/category/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%84%E5%85%A8%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC

 


スピッツ大学校歌

https://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/1000/01/04/000000

再びスピッツ大学の一旦休止に際して +おまけ

■どうも、お久しぶりです。キャラを忘れた頃に、学長のitukamitanijiでございます。現在、リアルタイムで(2020年の)ゴールデンウィーク真っただ中でございます。

 

まさに、未曽有の出来事…新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、僕の(リアルな)仕事にも多大な影響が出ていまして、今年のGWは、その全ての休日・祝日を休んでおり、通算5連休という”慣れない”連続休暇を、若干持て余し気味に過ごしています。

 

普段からも、十分出不精な僕なのですが、まぁこういう世間状況なので、どこかへ出かけるということは、ほとんど皆無になりました。

 

とにかく今は、自分にできることを精一杯やるだけだと腹をくくり、いつか元の生活が戻ってくるだろうことを思って、自分の勉強の時間だったり、仕事の形態を変えつつも少しずつ準備を進めたり、もちろん趣味の時間に当てたりして、日々過ごしているところです。

 


■趣味と言えば、このスピッツ大学…仰々しい名前ですが、つまりはブログですね。家から一歩も出ずに楽しめる趣味のひとつとしては、こういう文章を書いたり、本を読んだりすることって、場所を選ばない良い趣味だなとつくづく思います。

 

で、GW中はかなり時間があったので、ちょっとだけ頑張って、連続で記事を更新させていただきました。

 


「30-DAY SONG CHALLENGE(前編 / 後編)」

 

記事でも触れている通り、30のテーマに沿った曲を紹介していくという、海外発信の企画(?)なのですが、ここはスピッツ大学ということで、スピッツ縛りでやってみました。

 

…が、いくつかはスピッツでどうしても縛ることができなくて、個人的には、何か中途半端な企画になってしまったなぁと、記事を書きながら思ってましたね苦笑。

 


「243時限目:ブランケット」と「アルバム講義:16th Album『見っけ』」

 

一応、この2つの記事で以って、アルバム『見っけ』関連の記事は終わりでございます。アルバムが発売になったのが、2019年10月9日のことだったので、およそ7ヶ月かけて記事を書いていったということになるわけですね。

 

割と忙しい日々を過ごしていたので、不定期に書いていったのですが、あまり急いで書き過ぎるのも、何かもったいないなぁ…と思いつつ書いていたので、まぁこれはこれでちょうど良かったのかな、とも思っています。

 


■ということで、”再び”なんですが…

 

現時点における、スピッツの”全曲”と”全アルバム”の研究が終わりました。なので、スピッツ大学は、また再び長い休止期間に入ります。まぁ、また3年後くらいには、スピッツは新しいアルバムを発表してくれるはずですし、その間も、ひょっとしたら新曲を発表するかもしれません。その時には、また必ず記事を書きたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

まぁ新曲のリリースなどがなくても、何か思い出したように、時々は何か企画を立てて、記事を書いたりしようと思っていますが、やっぱり1曲1曲の考察をすることが好きで、それに重きを置いてやってきた以上、(今さら無理やり)企画を考えてあれこれ書いていくのも微妙に思うので、ここで休止と言わせていただきます。

 


動画なんかも、これまでは時々作ったりしてたんですけど、去年なんかは結局ひとつもできなかったですね。

 

でも実は去年、とある企画で動画を作ってたんですよ。結構時間がかかる企画でして…まぁ言ってしまえば、スピッツソートというものを、新しく作ってくださった方が居られて、それに挑戦した模様を動画にしようと計画してたんです。

 

ちなみに、新しいスピッツソートは、こちらでございます↓ 僕がコメント残しているのは、見なかったことにしてください笑

 

スピッツソート

http://arc.hiv/sort/items/3953

 

しかしですね…何故か録画して編集していた動画ファイルが、途中で消えてしまったんです。僕が、何らかスマホの操作を誤ったんでしょうね、無くなっちゃったんです。そこから、未だに動き始めることができていません…苦笑。


実は、もうすぐスピッツ大学も、通算500万PVに到達するんですよ。なので、何かやりたいな、とか思いつつも、もうネタもないですし、手をこまねいているところです。まぁ、件のソートの動画をもう一回やるのもいいし(というより、絶対どこかでやらないといけないですね…)、他にも何か面白そうな企画がございましたら、コメントなどで教えてください。

 


■まぁとにかく、また全曲書き切ることができました。

 

これも一重に、スピッツ大学にたくさんの人が勉強しに来てくださった…記事を読んでくださったおかげです。全然記事を書かない時期が長く続いても、たくさんの人が見て下さっていて、毎度のことながら、そういうことはモチベーションになっていました。完全な自己満足ですけどね。

 

本当にありがとうございました。これからも、よろしくお願いします!

 

itukamitaniji 記

 

 

***

 

■ということで、あいさつはこれくらいなのですが、せっかくなのでもう少し書いてみようと思います。やはり、今の状況に触れないわけにもいかないですね。

 

今回の事態については、さすがに僕自身も結構大きな影響を受けていて、疲れちゃっているのは事実です。その中でも、冒頭で書いたとおり、今できることをやっている、という段階なのです。

 

で、色々考えた結果…こういう時期だからこそ聴きたい(個人的に力をもらっている)スピッツの曲を紹介してみようかなと思います。一応、3曲用意しました。もう何度も語った(かもしれない)話の焼き増しなのですが、予めご了承を。

 


【スピカ】

スピカ

スピカ

  • provided courtesy of iTunes

 

高校受験の時に、この曲を聴きながら勉強をしていたのを覚えています。なので、付き合いとしては、もうかれこれ20年くらいになるんです。

 

ここスピッツ大学で、長きに渡ってランキング企画を行っていたんですけど、そこで1位に選ばれたのがこの曲でした。ちなみにシングルでは、【楓】と両A面なのですが、こちらが1位になったというところも、意外でしたが、どこかスピッツファンらしいなと思いました。

 

【スピカ】には、個人的にもすごく好きな歌詞がたくさん出てきます。

 


この坂道も そろそろピークで
バカらしい嘘も消え去りそうです
やがて来る 大好きな季節を思い描いてたら

 


夢のはじまり まだ少し甘い味です
割れ物は手に持って 運べばいいでしょう

 

そして、極めつけのこんな歌詞

 


幸せは途切れながらも 続くのです

 

こういう妙に納得しちゃうような、すごい良いことを、急にすんなりと歌っちゃうあたり、にくいなぁと思います。

 

youtu.be

 


【こんにちは】

こんにちは

こんにちは

  • provided courtesy of iTunes

 

最近またハマっているのが、【こんにちは】という曲です。アルバム『醒めない』の最後に入っています。

 

この曲の背景には、未だ東日本大震災があって、アルバム『醒めない』はそこから立ち直っていくことを、”再生”という物語で表現したアルバムでした(もちろん、それだけではないんでしょうけど)。

 

その最後を飾る、【こんにちは】という曲は、ようやくたどり着いた”再会”の場面がこの曲では描かれています。

 


また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね
ひとまず出た言葉は「こんにちは」
近づくそのスマイルも憎らしく

 


心に生えた足でどこまでも
歩いて行けるんだと気がついて
こんな日のために僕は歩いてる
おもろくて脆い星の背中を

 

まさに、今の状況が終わった後の日々に、希望を抱かせるような歌詞になっていて、とても励まされるなと思います。

 

個人的に、後半の”心に生えた足で…”という部分の歌詞が好きなんです。今ちょうど、テレビで”リモート〇〇”の特集みたいなことをやってるのを観てますが、やっぱり本当の意味での”再会”っていうのは、実際に会えた時ですよね。

 

実際に外に出て、人に会って、話をしたりすることって、”物理的”に会っているだけではなくて、”心”の触れ合いだと思うんです。だから、やっぱりそういうことができるようになったら、この緊急事態も終わったなぁって、本当に思うんじゃないかなって思ってます。

 


【僕はきっと旅に出る】

僕はきっと旅に出る

僕はきっと旅に出る

  • provided courtesy of iTunes

 

やっぱりこの曲ですね、何回このスピッツ大学で推してるんだってね、笑 普段からも、何度も励まされているんですが、今の状況になってから、また余計に感慨深く聴いているところです。

 


僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど
初夏の虫のように 刹那の命はずませ
小さな雲のすき間に ひとつだけ星が光る
たぶんそれは叶うよ 願い続けてれば
愚かだろうか? 想像じゃなくなるそん時まで

 

この歌に草野さんが・スピッツが込めた想いは、当時草野さんがラジオでも語っていましたが、「旅にまだ出られない状況の歌、でも旅に出たいなぁっていう、そういうときの心境」というものでした。

 

もちろん、この当時では、現在2020年の”コロナ危機”が起こることなんて想像だにできませんが、それでも【僕はきっと旅に出る】という歌で歌われていることは、いつの時代の色んな状況に通じるような普遍的なものであり、だからこそ時を越えて、今また響いてくるんだと思います。

 

あの時も同じ気持ちでしたが、今はまだ”旅に出る準備期間”なんですよね。だから、今はとにかくできることをやっている段階です。いつかまた、元通りに戻ったときのことを思って、少しずつ準備を進めていきましょう。

 

もちろん、どうか皆様も、健康第一でお過ごしください。

 

youtu.be

アルバム講義:16th Album『見っけ』

見っけ(初回限定盤)(SHM-CD+DVD付)

16th Album『見っけ』
発売日:2019年10月9日

 


■収録曲(→の先より、各曲の紹介へと飛べます)

 

01. 見っけ
→ 232時限目:見っけ

 

02. 優しいあの子
→ 230時限目:優しいあの子 - スピッツ大学

 

03. ありがとさん
→ 233時限目:ありがとさん - スピッツ大学

 

04. ラジオデイズ
→ 234時限目:ラジオデイズ - スピッツ大学

 

05. 花と虫
→ 235時限目:花と虫 - スピッツ大学

 

06. ブービー
→ 236時限目:ブービー - スピッツ大学

 

07. 快速
→ 237時限目:快速 - スピッツ大学

 

08. YM71D
→ 238時限目:YM71D - スピッツ大学

 

09. はぐれ狼
→ 239時限目:はぐれ狼 - スピッツ大学

 

10. まがった僕のしっぽ
→ 240時限目:まがった僕のしっぽ - スピッツ大学

 

11. 初夏の日
→ 241時限目:初夏の日 - スピッツ大学

 

12. ヤマブキ
→ 242時限目:ヤマブキ - スピッツ大学

 

BONUS TRACK
13. ブランケット
→ 243時限目:ブランケット - スピッツ大学

 


■前作『醒めない』から3年2ヶ月を経て、今作『見っけ』は発売されました。スピッツのオリジナルアルバムの発売周期としては、およそ3年というのが知られているので、割とその通りになりましたね。

 

2017年、スピッツは結成30周年を迎えました。前作『醒めない』は、その幕開けを飾る作品で、そこから30周年イヤーが本格的に始まりました。

 

30周年記念のライヴツアー…通称”3050ライヴ”が開催、シングルコレクションの発売、そして早くも30周年ライヴツアーの映像作品の発売など、それらの全てが、僕らスピッツファンにとっては嬉しいものでした。

 

しかし、何より嬉しいことは、当たり前ですが、まだこれからも”スピッツが続いていく→→→→→”ということだったはずです。僕も、初めてライヴに参加したのですが、そこで草野さんは、「30年やってきましたが、まだ通過点です。これからも面白い歌を作っていきますので、よろしくお願いします」という風に、声高らかに宣言していたことが、何より嬉しく覚えています。

 

30周年が過ぎていき、じゃあ30年経った後の、その先のスピッツは、一体どんな”面白い歌”を発表するのだろう…と、先述の”スピッツ3年周期法則”に則り、2019年に入った頃から、何となくソワソワしていたのを覚えています。

 


■まず動きがあったのは、2019年の2月頃のこと。スピッツの新曲【優しいあの子】が、NHK連続テレビ小説(通称:朝ドラ)「なつぞら」の主題歌に選ばれたことが発表されました。

 

なつぞら」は、朝ドラでも記念すべき通算100作目であるらしく、その朝ドラの主題歌をスピッツが担当するということに、とても自然のことのように、ピッタリだな!と思ったことを覚えています。

 

そして、2019年4月1日。世の中的には、新しい元号”令和”が発表された日としても記念すべき日でしたが、その日に「なつぞら」が始まり、同時に【優しいあの子】も解禁されました。ちなみに、2019年4月1日は、僕個人的にも新しい環境での仕事を始めた日だったので、色々と噛みしめながら仕事をスタートさせたことを覚えています。

 

【優しいあの子】を初めて聴いた時に、タイトル通りに優しい、スピッツらしい曲だと思ったことを覚えています。しかし、程なく発売されたシングル『優しいあの子』では、僕は完全にカップリングの【悪役】派です!

 


■そして、またそこから程なくして、アルバム『見っけ』の情報が少しずつ解禁されていきました。

 

いち早く、アルバム発売前にラジオで解禁された【ラジオデイズ】と、MVまで解禁になった【ありがとさん】、ファンクラブ会員限定ライヴですでに披露されていた【ヤマブキ】(【悪役】未収録は残念!)、古くからあって未発表曲だった【初夏の日】、そして、NTTのテレビCMソングに選ばれた表題曲の【見っけ】など。

 

ヘンテコなアルバムタイトルと、ヘンテコな曲名がそこに並んでいていましたね…いつも通り笑。

 


さて、そのヘンテコなアルバムタイトル『見っけ』についてですが、インタビュー記事によると、最初は「人と違う自分、人と違うあなたを認めたい」という気持ちを込めた「まがった僕のしっぽ」というタイトルが候補に挙がりつつも、

 


草野さん「…でもアルバムタイトルとしてはちょっと長いから、やっぱり『見っけ』かなと。………ユリイカって言葉あるじゃないですか、あれ『見っけ』って意味なんですよ。発見した、私は見つけた!っていうような意味でアルキメデスが叫んだ言葉らしいんだけど…」

 

ということだそうです。”ユリイカ”としても(した方が?)十分かっこいいと思うんですけどね、あくまで日本語にこだわりたいということで、”見っけ”というタイトルが採用されたそうです。


では、そもそも、この”見っけ”という言葉や作品には、どんな意味が込められているのか。作品の情報を雑誌やネットで集めつつ、実際に作品を聴いていく中で、個人的には2つの意味を受け取りました。その辺りを紹介しつつ、アルバム『見っけ』がどんなアルバムだったのかを、書いてみます。

 

 

 

①また新たなロックを”見っけ”た、新しいスピッツの始まり

 

■アルバム『見っけ』を初めて一通り聴いた時のことを思い返すと、最初に抱いた印象は、「新しい!」でした。もちろん、初めて聴く曲がほとんどだったので、新しいと感じることは当然なんですけど、それを差し置いても、曲の展開だったり、歌詞の感じなどが、これまでのスピッツになく新しいと感じたところがたくさんありました。

 

例えば、特に【花と虫】【はぐれ狼】【まがった僕のしっぽ】などで顕著に感じたのは、1曲1曲の物語性が強いというところでした。

 

前作『醒めない』も、確かにコンセプトとして”死と再生”という物語があったんですけど、それよりもより具体的だなと思ったんです。



まずは、【花と虫】。

 

これは、何となく【優しいあの子】との対比になっているような気がしています。


”故郷”に残った…あるいは”故郷”に戻ってきた者と、その故郷を離れ、”都会”で生活をしている者が居て、【優しいあの子】は”故郷”→”都会”という方向で歌われている歌に対して、【花と虫】は”都会”→”故郷”という方向で歌われている歌だという印象です。

 


■そして、個人的には、この辺りがこのアルバムの核になっているんだろうと感じ、”はぐれ狼クロニクル”と勝手に呼んでいる物語があります。

 

具体的には、【はぐれ狼】と【まがった僕のしっぽ】の2曲については、完全にひとつながりで聴いています。つまり、両曲とも”はぐれ狼”が主人公だという印象です。何なら、【ヤマブキ】も繋げて、”はぐれ狼クロニクル”として聴いています。

 

群れからはぐれるように生きていた”はぐれ狼”が、”暗いうちに街から逃げた”ところから始まって、そこから旅を続けてたどり着いたのが、”(ロック)大陸の隅っこにある街”だった。そして、”はぐれ狼”として生きていく決意を胸に、”崖の上”で孤高に咲く”ヤマブキ”に憧れを抱き、さらに高みを目指して"よじ登っていく"という物語です。

 

そう考えると、【ラジオデイズ】は、”はぐれ狼”がロックに目覚めるところと考えることもできそうです。

 

さらに言うと、”はぐれ狼クロニクル”は、そのままスピッツや草野さんの物語として読むこともできそうです…というより、インタビューなどを読むほど、ほとんどそうなんだろうなって思えてきます。

 


■他に、”新しい”と感じたところについては、曲の展開に驚いたところもたくさんありました。

 

【ラジオデイズ】では、間奏で草野さんがラジオでしゃべっているような音源が差し込まれていたり、【快速】では、イントロで近未来的な駅のアナウンスのようなエフェクトがなされていたり、【見っけ】や【ヤマブキ】でもプログラミングやキーボードの音が印象的でした。

 

極めつけは、【まがった僕のしっぽ】のCメロの展開ですよね。当曲は、そこまでも、結構今までのスピッツで聴いたことのないような、昔話を語るような曲調で進んでいくんですが、Cメロで一転、悪魔的でハードロックな曲調に変わるのです。

 

30年以上長く活動してきたバンドなのに、歌詞の雰囲気にも曲の展開にも、”新しい”ことに挑戦していくのは、本当にすごいなって思ったんですけど、何よりすごいのは、それでも”スピッツスピッツ”だと思わせてくれるところだと思います。

 

 

 

②”死と再生”を乗り越えた先の、”見っけ”の物語

 

■前オリジナルアルバムの『醒めない』と、前々オリジナルアルバム『小さな生き物』で綴られていたのが、”死と再生”の物語という風に言われています。少し振り返ってみると…

 

14th Album 『小さな生き物』
「未だ、震災の傷跡が残る人々の心をなぐさめる作品。いつかまた旅に出る準備段階」

 

15th Album『醒めない』
「”死と再生”の物語。前作の”いつか旅に出る準備段階”から続く、今作は”旅に出て少しずつ心を取り戻していく”=”再生”の物語」

 

つまり、アルバム『小さな生き物』は、”死”から”再生”に向かっていくその準備段階、アルバム『醒めない』は、どちらかというと”再生”の内容が強い物語、と個人的には考えています。

 

そうすると、16th Album『見っけ』については、”死と再生”の次の物語と考えることができるかもしれません。”死と再生”というのは、どちらかというと、過去の物を元通りにする、失った時間や自分を取り戻す、などの意味合いが強いような気がしますよね。ではその次は…?

 

というと、また新しい出会い、新しい自分の発見などに繋がっていくのではないでしょうか。そして、それを”見っけ”の物語として紡いだのではないでしょうか。

 


■こっちの”見っけ”に関しては、表題曲であり1曲目を飾っている、【見っけ】という曲そのものから、特に感じ取ったことでした。

 

【見っけ】の歌詞には、いきなり”再会”という言葉が出てきます。

 


再会へ!消えそうな 道を辿りたい
すぐに準備しよう
人間になんないで 繰り返す物語
ついに場外へ

 

思い返してみると、アルバム『小さな生き物』~アルバム『醒めない』については、『醒めない』の最後の曲【こんにちは】で、ようやく再会にたどり着いたような感じでした。それを考えると、1曲目で”再会”という言葉が出てくるアルバム『見っけ』は、それだけで特別な感じがしました。

 

ただ、上述の歌詞の後半2行について考えてみると、ひょっとしたら、”死後”に再会ということも考えられなくもないです。例えば、僕自身が【見っけ】の記事で書いたのを引用すると…

 


死して肉体は滅びてもなお、その魂は、誰か大切な人との”再会”を願い続けていた。その想いだけをずっと留めたまま、色んな生き物に生まれ変わりながら、ずっとずっとその大切な人を探していた。そして、そういう物語が報われてゴールへと…ついに大切な人との再会を果たす。だから、もう生まれ変わる必要がなくなった、と。

 

こういう風に考えると、言い方は悪いかもしれませんが、全ての死が、全ての魂が報われる結末…つまり、”死と再生”の物語の終わりにたどり着いたのではないかな、って感じたんです。

 

そして、そこから新しい出会いの物語…”見っけ”の物語が始まった、と。

 

改めて、アルバム『見っけ』の曲には、出会いだったり、新しくどこかにたどり着くような曲が多い気がします。

 

【ラジオデイズ】では、ラジオをきっかけにたくさんの音楽に(草野さんが)出会ったことを、【花と虫】では、故郷を離れて新しい場所で生きていく姿が描かれていたり、【快速】でも、自分がいるところから何処かへ向かっている姿が描かれていたりします。

 

先程紹介した、”はぐれ狼クロニクル”に関してもそうですね。草野さんがロックに出会い、スピッツのメンバーに出会い、唯一無二のスピッツロックを確立していく流れを描いているように読めます。

 


■と、色々なことを書いてきましたが、このアルバム『見っけ』で以って、スピッツはまた新しい時代に突入したんじゃないかな、と思うんです。

 

個人的な分け方として、アルバム『とげまる』からは、スピッツは”第四期”であると考えていたんですが、このアルバム『見っけ』で、”第五期”に突入したのかとさえ思うのです。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

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個人的にツボな、スピッツと音尾さんのコラボ…いつ見ても笑ってしまう笑

243時限目:ブランケット

【ブランケット】

 

■アルバム『見っけ』の、初回限定盤、アナログ盤、デラックスエディション Spitzbergen会員限定盤にのみ、ボーナストラックとして収録されています。これはあれですね、アルバム『小さな生き物』のデラックスエディション盤などにボーナストラックとして、【エスペランサ】が収録されたのと同じ感じですかね。

 

【ブランケット】に関しては、元々は2017年に発売になった、平井堅さんのベストアルバム『Ken Hirai Singles Best Collection 歌バカ2』に付属している、Special Disc『歌バカだけに』に入っている、平井堅さんが歌っているバージョンが先のようです。

 

Special Disc『歌バカだけに』は、敬愛するミュージシャンに書き下ろしてもらった曲を、平井堅さんが歌うという趣旨で作られたディスクだそうですが、そのディスクの収録曲の一曲が、スピッツ草野正宗さんが書き下ろした【ブランケット】だったようです。

 

で、今回のアルバム『見っけ』にて、スピッツがその【ブランケット】をセルフカバーした、というのが流れのようです。

 


平井堅バージョンの【ブランケット】は、バンドサウンドではなくて、電子音っていうんですかね、エレクトロニカサウンドで、割と明るく聴こえてきます。ここのアプローチまで、草野さんのアイデアだったのでしょうか?ちなみに、少し聴くことができますが、こんな感じです↓

 

youtu.be

(※4:13あたりから【ブランケット】)

 

一方、スピッツバージョンの【ブランケット】ですが、さすが、バンドサウンドとして生まれ変わってますね。ただ、歌詞の雰囲気とも相まって、明るいという感じではなく、どこか重苦しく寂しい感じで、退廃的にさえ聴こえてくるのは、平井堅バージョンとは異なるような気がします。

 

この曲がアルバム『見っけ』の”ボーナストラック”になっていることについて考えてみるんですけど、まぁ元々は平井堅さんに提供された曲で、それをセルフカバーしたので、そこで線引きしたということはもちろんあると思うんですけど、そうでなくてもアルバム『見っけ』に入れるには、雰囲気は合わない感じはします。

 

先程言った通り、寂しく退廃的な感じは、アルバム『見っけ』では感じることはありませんでした。まぁ、あるとすれば【ブービー】がありましたが、何となく種類は異なるような気がします。そういうところもあって、アルバムの中では、あくまでボーナストラックとしたのかなと思っています。

 


■では、歌詞を読んで、印象に残った部分を繋げていってみます。

 


わかってんだ みんなが言うような 幸せ
そんなもんは 手に入る時 しぼんでく

 

まず、出だしがこんな感じです。ここからもう、すでに恵まれたような物語は想像し難いですよね。”僕”が、幸せを掴むことへの諦めの気持ちを持っているという描写に読み取れるような気がします。

 

しかも、”手に入る時 しぼんでく”ですからね。何ていうか、幸せに届きそうなところまで、届く寸前まで到達して、期待させておいてからそれが打ち砕かれたような物語も想像できそうです。

 

さらに、最初に”わかってんだ”という強い言葉で始まっているところから、そういうことをすでに経験したことがあるとか、そうでなくでも、これまで生きてきた世の中を鑑みると、そういうものだろうという、どこか達観したような心情も読み取ることができます。

 



人間は 飛べるもんだとか 思ってた
ゆらゆらと 君の街まで 行けるはず

 


色のある明日 もしも来るのなら
定めを外れて 落ちていこう

 


ありがとう 心がまとまり
ついに僕は 姿を変える

 

続いて、Aメロ、サビ、Bメロに出てくる歌詞を、それぞれ抜き出して載せてみました。これらを繋げて読んでみると…。

 

まず、最初の2行については、”人間は 飛べるもんだとか 思ってた”の部分がひっかかります。ここは、出だしのところからのつながりなので、”飛べるもんだと…”=幸せに届くような気がしていた、と訳すこともできるかもしれませんが、”君の街まで…”という描写とつなげると、もしかしたら”飛び降り自殺”などの、自ら命を絶った描写とも考えられるかもしれません。

 

次の2行については、”定めを外れて 落ちていこう”という表現があからさまに読めます。先ほどの、”飛べるもんだとか 思ってた”という表現ともつながり、結局人間は飛ぶことができないから、落ちていくだけなので、これもそのまま”飛び降り自殺”を想像させます。

 

しかもここには、”定めを外れて”という言葉がくっついているので、”定め”というものを、”この世で生きていくという運命”というものに置き換えて考えると、そこから”外れて”しまうので、つまりこれも”死”を意味するのではないかと考えることができそうです。

 

で、そこから最後の2行に繋がっていくわけですが、ここには”ついに僕は 姿を変える”という言葉があります。ここに関しては、タイトルにもなっていますが、”ブランケット”という言葉が出てくるサビの歌詞に繋がっていきます。

 



わがままな望み 今カタチを持って
それだけのために生きていこう
気付かれなくても こごえそうな君を
優しく包める ブランケットに

 

これがサビの歌詞ですが、”姿を変える”=”こごえそうな君を 優しく包める ブランケットに”と読むことができるかもしれません。”カタチ”という、カタカナ表現もひっかかりますね。

 


■まず、この歌詞でいう”僕”にとっての”幸せ”とは、”君”という存在がこの歌詞には出てくるので、”君”と過ごす時間だったり、”君”への気持ちの成就と考えることができます。

 

ただ、冒頭にあるように、”僕”はもう、現世ではその幸せを掴むことができなくなってしまった、あるいは、幸せを掴むことを諦めてしまいました。

 

そこで、”僕”は命を絶つ決意をします。現世でこの想いが叶わないのなら、命を絶ち、姿を変えて”君”の側に居ようとしたんですね。つまり、ここが”ブランケット”の下りだと思っています。

 

死んでいく者が生きている者に向けて、少しでも安心させるために、「僕が死んでも、星になって君をずっと見守ってるからね」などという言葉をかけるシーンがありますよね。ああいう感じのことを、この歌の”僕”はまさに実行しようとしたのではないでしょうか。

 

”ブランケット”とは比喩表現であるとして、つまりは、”君”がこごえそうなとき…つらく苦しい時に、それを少しでもなぐさめてあげられるような存在になって、ずっと見守っているよ、ということだと思います。

 


■…という風に、こんな物語を想像していたんですけど、それと同時に、アルバム『見っけ』の中の、とある曲のこともダブって考えていたんです。

 

それは、【ありがとさん】という曲です。【ありがとさん】は、いわゆる”死者目線”で書かれた歌詞だと、雑誌で草野さんが語っていました。そして、【ありがとさん】には、こんな歌詞が出てきます。

 


いつか常識的な形を失ったら
そん時は化けてでも届けよう ありがとさん

 

【ありがとさん】は、自ら命を絶つという感じでは読めないので、両曲が同じ物語であるとは考えていませんが、【ブランケット】の”僕”とは、心情的には同じなのではないかと思ったんです。つまり、”死してもなお君を見守っている”という心情です。そういうものを、両曲とも描写しているのではないか、と想像しています。

ほぼスピッツ縛りで「30-DAY SONG CHALLENGE」をやってみた! 後編

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■今回の記事は…

 

ほぼスピッツ縛りで
30-DAY SONG CHALLENGEを
やってみた!

 

の、後編の記事になります。後編に関しては、ますますスピッツ縛りでやるのが難しくなってしまっており、”ほぼ”感がかなり増していますが、予めご了承ください。

前編 →  https://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2020/04/26/231203

 

では、さっそく参ります!

 

 

 

Day16 お気に入りの名曲

スピッツならば全曲です!

 


Day17 カラオケで誰かとデュエットしたくなる曲
【ヘチマの花】

ヘチマの花

ヘチマの花

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(僕が)デュエットしたい、というより、(草野さんが)デュエットしている曲を選ぼうと思った時、真っ先に思い浮かんだのが、この【ヘチマの花】という曲でした。熱心なスピッツファンでない限り、あんまり聴いたことのある人は少ないかもしれませんが、この曲では珍しく、草野さんと、寺本りえ子さんという方のデュエットが聴けます。草野さんのボーカルは唯一無二のものであるため、スピッツの曲には草野ボーカルのみで十分なのですが、だからこそ、こういう草野さん以外のボーカルが引き立っている曲は稀有だと思うんです。

 

 

Day18 生まれ年の曲(番外編)
1984 / andymori

1984

1984

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生まれた年(である1984年をタイトルにした)の曲です。発表されたのは、2010年であり、同年2月3日に発売になったアルバム『ファンファーレと熱狂』に収録されています。

 

話がそれますが、僕はandymoriに対して特別な思い出がありまして…あれは、andymoriのアルバム『革命』が発売になってすぐのことだったから、2011年のことですね。まさに、その発売してすぐの『革命』をウォークマンで聴きながら、仕事帰りにご飯を食べようと、独りで駅を歩いていたんです。

 

するとですね、何と…駅にandymoriのメンバーお三方が立ってるのを発見したのです!ちなみに、この時にはもう新メンバーになっていたので、小山田壮平さんと、藤原寛さんと岡山健二さんが居ました。どうやら、マネージャーの方が新幹線のチケットを買っているのを待っているらしく、普通に3人が立っていたんです。小山田さんは何故か、小さなギター(ウクレレ?)をポロンポロンと鳴らしながら待っていました。

 

しばらく遠くから眺めた後、思い切って近づいて行って、お三方に話しかけたのです。

 

「すみません、andymoriの方たちですよね!ファンです!ちょうど今『革命』を聴いていました(ウォークマンを指さしながら)。」

 

とこういう感じで話かけたんです。そしたら、ありがとう!って言っていただいて、お三方と握手をして、少しだけしゃべったんです。ちなみに、僕と壮平さんは同い年なので、「壮平さん!僕、壮平さんと同い年なんです!」と言うと、「おぉー、1984!」と言って、また握手してくれました。

 

いやぁ、すごい良い人たちでしたが、全然普通の人でしたね。当たり前ですけど、普通にロックスターも生きてるんだなってことを感じました。ちなみにその年は、夏フェスとワンマンで2回もandymoriのライヴを見ることができた、まさにandymoriイヤーになりました。

 

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Day19 人生について考えさせられる曲
【ハネモノ】

ハネモノ

ハネモノ

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直感で、【ハネモノ】を選ばせていただきました。数年前、インフルエンザに罹ってしまい、数日間仕事を休むことを余儀なくされたことがありました。その時に、何故かハマって聴いていたのが、【ハネモノ】でした。スピッツの曲は面白いもので、”特定の曲にハマる”ことってよくありますよね。この曲もそうでした。この曲は結構考えさせる曲だなって思ってます。

 


ささやいて ときめいて
街を渡る 羽のような
思い通りの生き物に変わる

 

命が果てて成仏していくところか、はたまた、生まれてきた個体に命が宿る瞬間などを思わせるような歌詞であると思います。”街を渡る 羽のような”という歌詞からは、映画「フォレストガンプ」を思い浮かべました。何となく、ひらひらと風に漂う羽のように、様々な状況に翻弄されながら生きている人の人生みたいなものを描写しているのかな、と思っています。

 

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Day20 自分にとってたくさんの意味がある曲
【僕はきっと旅に出る】

 

似たようなテーマがDay30に出てきますので、そこでまとめて語っています。

 

 

Day21 曲名に人の名前がついている好きな曲
【アカネ】

アカネ

アカネ

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まぁ正確には、人の名前になり得るようなタイトルがついている曲ですかね。アカネという名前ってきれいで好きなんです。漢字で書くと”茜”が一般的でしょうか、他にも”朱音”とか、平仮名で”あかね”も日本的な感じで好きです。何ていうか、やっぱり日本人なので、日本的な名前って好きなんです、スピッツの曲名だったら、”楓”とか”いろは”とか、”渚”や”若葉”なんかも良いですね。ああ、あと一つ忘れちゃいけないのが、”正宗”でしょうか、カタカナだと”マサムネ”ですね。カッコいい名前だと思います。

 

 

Day22 前向きになれる曲
【けもの道】

けもの道

けもの道

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もう考える余地もなく、【けもの道】を選びました。もう何度も、この曲には励まされて、力をもらってきました。


この話も何度かさせていただいているのですが、草野さんの書く詩のテーマや特徴として、どこかに「がんばらない精神」を感じることがあるんです。これは想像も含めますが、草野さん自身が、いわゆるみんなが歌っている流行りの応援歌みたいなものを、そこまで重要視していない、ということが背景にあると思っています。

 

それでも、草野さんが誰かの頑張りを応援していないはずはないし、窮地に立たされた時に、日本や世界を憂い、それでも頑張っていこうと思っていないはずも当然ありません。しかし、それをあからさまにではなく、ちょっと分かりにくい感じに置き換えて歌ってきたってのはあると思うんです。まぁ、それがスピッツ歌詞の魅力であると思うんですけど。

 

しかし、そういうことを思いながら、この【けもの道】という曲を聴くと驚くんです。この歌ではしっかりと、”あきめないで”とか”怖がらないで”などという言葉や、アウトロでは”フレーフレーフレー”という、エールが聴こえてくるからです。まさしく、この歌は”応援歌”なんです。この歌が収録されているアルバムが生まれた時代背景には、アメリ同時多発テロがあるとされていますが、こういう歌詞を使わないといけない理由があって、だからこそ生まれるべくして生まれた、紛れもない応援歌であると思っています。

 

 

Day23 全人類が聴くべきだと思う曲

そんな曲はありません!みんなが好きな曲を聴くべきです!

 

 

Day24 解散してほしくなかったバンドの曲(番外編)

 

JUDY AND MARY

ステキなうた

ステキなうた

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andymori

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カフカ

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NICO Touches the Walls

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Day25 早くに亡くなったアーティストの好きな曲(番外編)
【茜色の夕日 / フジファブリック志村正彦)】

茜色の夕日

茜色の夕日

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フジファブリックは、ほとんど聴いたことは無いんですけど、やっぱり色んなことを考えると、早くに亡くなったアーティストと聞いて真っ先に思う浮かべるのは、志村さんかなと思います。それだけ、衝撃的だったと思います。

 

しかし、フジファブリックというバンドのすごい所は、今でもまだバンドが続いているというところだと思います。ギターボーカルというと、いわゆるそのバンドの顔じゃないですか。それを失うということは、もはや、そのバンドがそのバンドのままで存続するこはできないということと、ほとんど同義だと思うんです。でも、それでも、バンドが続いているということは、志村さんのことを、メンバーが愛して、ファンが愛して、そしてその魂を残していくという強い意志を感じます。

 

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Day26 恋をしたくなる曲
【恋のはじまり】

恋のはじまり

恋のはじまり

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恋をしたくなる、というより、恋に落ちたということを表している表現の歌詞という目線で選んでみました。これに関しては、本当に秀逸なのがたくさんあって、【恋は夕暮れ】とか【ありふれた人生】とか【魔法のコトバ】などもあったのですが、選考の結果、【恋のはじまり】のここの部分を紹介します。

 


それは恋のはじまり そして闇の終り
花屋のぞいたりして
それは恋のはじまり おかしな生き物
明日は晴れるだろう

 

ここの”花屋のぞいたりして”という表現が好きなんです。普段は、花なんて興味ないだろうに、恋に落ちたことで何となく優しい気持ちになって、花屋に入っちゃうんでしょうね笑

 

 

Day27 胸が張り裂けるような気分になる曲
【夜を駆ける】

夜を駆ける

夜を駆ける

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胸が”張り裂ける”という感覚を、スピッツで感じたことはないですかね。なのでテーマとは違うんですけど、ライヴで聴いた曲で、胸がつまるような感覚になった曲としては、【夜を駆ける】があります。何か映画でも見ているような、美しくも悲しい、そういう想いに浸れる曲だと思います。

 

 

Day28 歌声が好きなアーティスト(番外編)

スピッツ草野マサムネ)はもちろんなので、それ以外で紹介してみると…

 

藍坊主(hozzy)

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NICO Touches the Walls(光村龍哉

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peridots(タカハシコウキ)

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秦基博

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Salyu

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Day29 子供の頃から覚えている曲
【フェイクファー】

フェイクファー

フェイクファー

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これに関してもたくさんあるんですけど、子供の頃から覚えていて、かつ、一番印象に残っている曲という感じで考えると、真っ先に【フェイクファー】という曲が思い浮かびました。

 

アルバムでいうと、『インディゴ地平線』『フェイクファー』『花鳥風月』の3作品は、僕が小学生~中学生の頃に、カセットテープに吹き込んで、兄から譲り受けたカセットウォークマンで、もう何回も何回も繰り返し聴いた作品たちなんですけど、その中でも特に、アルバム『フェイクファー』は特別な作品でした。

 

アルバムの収録曲には、割と温かい感じの曲も多く入っていて、別に暗いという雰囲気は感じないのですが、アルバムの最後に表題曲である【フェイクファー】という曲が入っていることに、子どもの頃は、特別な想い…というか、恐怖を感じていたんです。

 

楽曲【フェイクファー】には、”たとえ全てがウソであっても”、”分かち合う物は何もない”、”偽りの海”などという歌詞が出てきて、これまでの温かいアルバムの雰囲気が、全部”フェイク”=”偽物”でした、と、極端に考えるとそういう風に歌われているような気がして、何か怖かったんです。

 

それでも、何かこの曲の魅力というか魔力というか、そういうものに憑りつかれてしまって、子供ながら、この曲だけをずっと繰り返し聴いていた、ということがありました。何とも言えない、”余韻”に浸ることが好きだったんです。

 

 

Day30 自分自身をあらわす曲
【僕はきっと旅に出る】

僕はきっと旅に出る

僕はきっと旅に出る

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自分自身を表す…というよりは、自分の気持ちや状況に、驚くほどシンクロしたというか、寄り添ってくれた曲です。東日本大震災の時(僕は、直接の被害を受けた人間ではないけれど)、そして、コロナウィルスの影響による今回の自粛生活…それによって、普段の生活を追われることを余儀なくされた方々に優しく寄り添ってくれる曲だと思います。

 

何より個人的には、仕事を辞めて、次の仕事に就くために、孤独で、何か申し訳ない気持ちで生活を送っていた頃に、この曲を聴いて頑張っていました。

 

タイトルからも分かるように、今すぐ旅に出ることではなくて、いつかまたきっと旅に出られるよ、ということを歌ってくれて、何となく焦っていた自分の気持ちが落ちついたことがたくさんありました。

 


僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど
初夏の虫のように 刹那の命はずませ
小さな雲のすき間に ひとつだけ星が光る
たぶんそれは叶うよ 願い続けてれば
愚かだろうか? 想像じゃなくなるそん時まで

 

こういうことを歌ってくれているのは、他でもない、同じ苦しみを分かち合おうとする、草野さんの優しさや強さなんだと思います。本当に、草野さんの・スピッツの音楽に出会って良かったと、心底思うのです。

 

この曲に関しては、まさにリアルタイムで、また力をもらっています。今は、また”旅に出る準備段階”なんだとして、自分のできることをやろうと、頑張っている今日この頃です。

 

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ほぼスピッツ縛りで「30-DAY SONG CHALLENGE」をやってみた! 前編

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ツイッターを見ていましたら、著名なブロガーの方が、”30-DAY SONG CHALLENGE”なるものをやっているのを見つけました。

 

正式なルールなどは、よく分からないんですけど、おそらく30日という期間の中で、お題に合った曲を1日ずつ紹介していく…という企画なんですかね?元々は、英語でかかれたものが先にあったようなので、海外(アメリカ?)発祥の企画なんですかね?

 

まぁとにかく、色んなお題に沿って曲を30曲セレクトしようと、そういう企画でございます。で、そのお題というのが、冒頭の画像になります。

 

そして、ここはスピッツ大学…それならば、僕はスピッツに絞ってやってみようじゃないか!…と思ったのですが、何曲かはスピッツで選ぶことができないお題がありました。


ということで、今回の企画は…

 

ほぼスピッツ縛りで
30-DAY SONG CHALLENGEを
やってみた!

 

結構長くなりそうなので、とりあえずこの記事は、その前編です。

後編 → https://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2020/05/02/143851

 

では、さっそく参ります!

 


Day1 曲名に色の名前がついた好きな曲
【水色の街】 

水色の街

水色の街

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スピッツには、”長い長い物語の一部を切り取った”ような曲ってたくさんあると思っています。【水色の街】に出てくる主人公たちは、どんな出会いがあったのか、2人でどのように過ごしてきたのか、(あるいは、どのように別れたのか)などの物語が、本当はあると思うんですが、この歌で語られているのは、主人公たちにとっては、ほんの一部に過ぎない。だからこそ、色んな物語を想像できる、そういう曲(のひとつ)だと思います。

 

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Day2 曲名に数字が入っている好きな曲
【1987→】

1987→

1987→

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スピッツの結成年は1987年なのですが、ずばりそれをタイトルに冠して作られた、30周年の節目ソングです。長く活動をしてきて、それなりのキャリアや地位を築いてきたはずのスピッツですが、それでも30周年で歌われている内容としては、”ヒーローを引き立てる役さ きっとザコキャラのままだろう”などという、一見すると謙虚すぎる言葉…しかし、これこそがまさにスピッツを形容するにふさわしい表現なんだと思います。

 

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Day3 夏を思い出させる曲
【プール】

プール

プール

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スピッツの夏曲と言えば、【渚】や【夏の魔物】などもあると思いますが、個人的に、【プール】を選ばせていただきました。この曲は、個人的には性的な方向へと解釈をしたんですけど…まぁ、それでも普段に聴く時には、そんなに気にして聴いてはいません。独特の浮遊感というか、そのまま消えていってしまいそうな白昼夢を見ている感じが怪しくて、それがクセになってしまう、そんな名曲です。

 

 

 

Day4 忘れたい人を思い出させる曲
【猫になりたい】

猫になりたい

猫になりたい

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さすがにもう、”忘れたい”という感覚はないですけれど…まぁ思い出させる曲ではありますかね。

 

大学生の時にやっていたアルバイトの先輩たちとカラオケに行った時に、女性の先輩の一人が、いきなりスピッツの【猫になりたい】を入れて歌い始めたんです。僕が【猫になりたい】という曲を知っていることはもちろん、スピッツ好きだということすらも、まだ話したことなかった頃だったので、ただ単にその人が好きな歌を入れて歌ったんでしょうけど、これには驚きました。そしてそのまま、その人に恋に落ちてしまって、そこから長い長い物語が始まるわけですが…まぁその辺は割愛ということで。おじさんにも、そういう思い出があったわけです笑。

 

 

Day5 大音量で聴きたくなる曲
【放浪カモメはどこまでも】

放浪カモメはどこまでも

放浪カモメはどこまでも

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大音量で聴きたい、スピッツのロックってのは、ほんとにたくさんあると思います。その中でも、一番”大音量で聴きたい”に合っている曲を考えた結果、【放浪カモメはどこまでも】を選びました。マイアミショックによって、再びロックバンドとして再始動をしたスピッツが、その鬱憤を晴らすように発表したのが、この曲でした。個人的には、大学の時なんかは、酔っぱらってグダグダな状態の時に、もう音程なんてろくに取れないくせに、暴れ回って歌ってましたね。

 

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Day6 踊りたくなる曲
【エンドロールには早すぎる】

エンドロールには早すぎる

エンドロールには早すぎる

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アルバム『小さな生き物』の撮り下ろしライヴDVDにて、【エンドロールは早すぎる】のライヴ映像では、ミラーボールが回っていたので、完全にそのイメージです。

 

 

Day7 ドライブで聴きたい曲
青い車

青い車

青い車

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まぁ、小細工なしで、やっぱりスピッツの車ソングと言えば、【青い車】ですね。曲の解釈としては、正しい・正しくないは置いておくとして、スピッツの曲の中でも、共通の解釈が広まっている曲の一つとして有名だと思います。具体的に言えば、”心中自殺”という、何とも不吉な解釈なのですが…。それでも、ただ単に聴く時は、そういうのは気にせずに、ただ単に爽やかで疾走感のある曲として聴いています…先程”夏を思い出させる曲”を紹介しましたが、この【青い車】も、”君の青い車で 海へ行こう”という歌詞が、夏を思わせるかもしれません。

 

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Day8 ドラッグかお酒について書かれている曲
【不死身のビーナス】

不死身のビーナス

不死身のビーナス

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ドラッグ…と言えば、何か響きは良くないですが、お酒を思い浮かべると、”ビール”という言葉が出てくる曲が、スピッツでは2曲あるんです。そのうちの1曲である、【不死身のビーナス】を選びました。もう1曲は…分かりますか?この曲の記憶もかなり古いもので、僕が中学生の頃にはもう聴いてました。”最低の君を忘れない”という言葉が、子ども心に印象に残っていていました。当時は、あんまり意味は分からなかったですけど、今は少し分かる…のかなぁ。

 

 

Day9 幸せな気分になる曲
【夕陽が笑う、君も笑う】

夕陽が笑う、君も笑う

夕陽が笑う、君も笑う

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スピッツの曲には、一見すると幸せそうに見えて、どこか寂しかったり、何か怪しかったりして、「し、信じていいのか?」ってなる曲があったりすると思うんです。その点、【夕陽が笑う、君も笑う】という曲は、何か手放しで信じてもいいんじゃないか、と思えるような、多幸感を感じる曲だと思います。

 

 

Day10 悲しい気分になる曲
【コスモス】

コスモス

コスモス

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草野さんの書く詩のテーマとしては、古くから”セックスと死”というものがあります。そのテーマの一端である”死”については、それを匂わすような歌というものはたくさんあるのですが、この【コスモス】という歌に関しては…これは、スピッツの歌においては珍しいことなのかもしれませんが…明確に”君が生きてたなら”という歌詞が出てくるので、疑いようもない”死”があるのです。ちなみに、この歌はジャン・ポール・ベルモントという俳優が出た映画にインスパイヤされて作った歌であるそうですね。

 

 

Day11 決して飽きることのない曲

スピッツならば、全曲です。

 

 

Day12 プレティーン(9~12歳)の頃の曲
【チェリー】

チェリー

チェリー

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 もう何度も話したエピソードなのですが、まさしく、僕がスピッツに出会ったきっかけの曲が、【チェリー】なのです。僕が小学生の時、帰りの会で”クラスの歌”を歌うというコーナーがあったんです。そこで歌う歌は、僕たちが自由に決めて良かったので、当時の流行の歌が並んだんですけど、ある時期の帰りの歌の1曲に、スピッツの【チェリー】が選ばれて、みんなで歌ってたんです。子ども心に、良い曲だなって思ったことを覚えています。歌詞は少し難しく、理解できない部分もあったんですけど、断片的に理解できるところを何となく繋ぎ合わせて、”卒業”や”恋愛”などの歌として聴いていました。

 

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Day13 70年代の好きな曲(番外編)
【Daydream Believer / The Monkees

Daydream Believer

Daydream Believer

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調べてみると、この曲は1967年に発表された曲だそうですね。まぁ、きっと70年代でも愛されていたと思いますし、”ほぼ70年代”の名曲ということにしておきましょう。これ、子どもの頃からずっと思っていたんですけど、男性が歌っているとは思えませんよね。明るい曲調や、MVの陽気な雰囲気に反して、何か切なくなるのは何ででしょう。

 

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Day14 結婚式で流したい曲
【運命の人】

運命の人

運命の人

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…まぁ、機会があれば。入場で流したいよね。

 

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Day15 好きなカバー曲
【田舎の生活 / LOST IN TIME

田舎の生活

田舎の生活

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※音源は、原曲バージョンです。 

 

基本的に、スピッツは唯一無二のバンドであるし、僕がスピッツを長く聴いてきたから、なおさらカバー曲には違和感を感じざるを得ないのですが、LOST IN TIMEの【田舎の生活】に関しては、原曲よりもカバー曲の方が好きになってしまった、例外中の例外の曲です。

 

原曲【田舎の生活】は、そんなアルバムの中でもさらに異質な曲であり、ほとんどバンドサウンドは聴こえてこず、アコギやマリンバやグロッケンの音が表立って聴こえてきます。

 

一方で、LOST IN TIMEカバーの【田舎の生活】は、原曲とは違って、アディショナルサウンドを排除して、ロックサウンドを前面に押し出したカバーになっています。それがね、またかっこよくて、どこか切ないんですよね。原曲からは、”死”の雰囲気が漂っていて、ただただ悲しい感じがするのですが、ロストカバーについては、何ていうか上京物語みたいな感じで、前向きな別れに聴こえてくるのです。

242時限目:ヤマブキ

【ヤマブキ】

ヤマブキ

ヤマブキ

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■アルバム『見っけ』の12曲目に収録されている曲です。

 

アルバム『見っけ』の初回限定盤などには、13曲目に【ブランケット】という曲が収録されていますが、あくまでBONUS TRACKという位置づけなので、この【ヤマブキ】が、実質アルバムのトリを飾る曲になっています。

 

この曲は、アルバム発売前のライヴで、すでに演奏されていた曲だったらしいですね。調べてみると、2018年に行われた、ファンクラブ会員限定のライヴイベント「GO!GO!SCANDINAVIA VOL.7」において披露したという記録が残っていました。

 

同ライヴでは、これもまた発表前だった【悪役】も披露されています。ちなみに【悪役】は、シングル『優しいあの子』のカップリングに収録されていますが、アルバムには収録されていません。超名曲なんですけど、残念です!

 


■アルバム『見っけ』のプロデューサーは亀田誠治さんなのですが、【ヤマブキ】に関しては、スピッツのセルフプロデュースになっています。アルバムのクレジットによると、プロデュースはスピッツ、編曲はスピッツとクジヒロコになっています。この曲のキーボードも、クージーが演奏しています。

 

セルフプロデュースについては、音楽雑誌「MUSICA」でもメンバーがたくさん語っていますが、少し紹介してみます。

 


三輪さん「今回のアルバムの中では、この曲だけセルフ(プロデュース)なんだけど、メンバー全員サウンドに関しても凄く満足が行ってて。この感覚を次のレコーディングで忘れないようにしたいなっていう曲でもある。だからこの曲が最後に来るのは意味があるなって思います」

 


田村さん「何を基準にジャッジしていいかわからなくなるから、それで困ってどんよりしちゃうというか。各々の基準ってわかってるようでわかってないから。できないことを求めてもしょうがないじゃん」

 


崎山さん「だから演奏しても、終わった後みんな黙ってるみたいな感じで。結構いい出来だなと思っても、その一言すら言い出せない(笑)」

 

ちなみに、セルフプロデュースではジャッジができないという話に関しては、古くは1枚目のアルバム『スピッツ』の頃からあったようです。

 

書籍「旅の途中」では、プロデューサーを含めて、曲に対してのジャッジの基準を持っておらず、テイク数だけが重なっていったため、エンジニアが怒ってしまった、というエピソードが書かれていました。

 

時が経った今でも、「4人だけでやるとレコーディングの雰囲気が暗くなる」という風に語られています。そこに、亀田さんが良い盛り上げ役として入ることで、スピッツメンバーも気持ちが乗るようですね。これも、スピッツらしさといえばらしさなんですかね笑。

 


■では、この曲について考えてみます。

 

曲調は、明るさが突き抜けている感じの曲です。特に、サビの高音で突き抜ける感じは、とても清々しい気持ちになります。

 

初めて通してアルバムを聴いた時、この分かりやすく明るい曲調がすぐに好きになりました。個人的にですが、サビは、オールディーズの名曲で【恋のダウンタウン】という曲(オリジナルの歌手は、ぺトゥラ・クラーク…という人だというのを今回初めて知りました)を思い出しました。

 

最近のスピッツのアルバムのトリを飾る曲は…例えば、前作『醒めない』だと【こんにちは】、前々作『小さな生き物』だと【僕はきっと旅に出る】など、ひとつ明るさが飛び抜けている曲が定番になっているような気がします。

 


あと、曲調についてもう一つ思うことは、何となく1曲目の【見っけ】と曲調…というより、曲の感じが似ているような気がしています。

 

突き抜けた明るさを【見っけ】でも感じましたし、何ていうかキラキラしている感じ…おそらくプログラミングやキーボードのサウンドがそう感じさせているのだと思いますが、そういう部分の雰囲気が両曲で似ていると感じました。ここら辺がおそらく、スピッツの最新のロックミュージックの形なのかなと思っています。

 


■歌詞を読んでいってみます。

 


似たような身なり 似たような能力
群れの中から 抜け出したのさ
監視カメラよけながら
夜の泥に染まって走れば 遠くに見えてきた

 

まず、これが出だしの歌詞になりますが、1行目の”似たような…”という言葉については、真っ先に【1987→】という曲を思い出しました。同じ言葉が用いられて、下記のように歌われていました。

 


らしくない自分になりたい 不思議な歌を作りたい
似たような犬が狼ぶって 鳴らし始めた音

 

精神的には、同じようなことを歌っていると思っています。要するに、”似たような”ものに成り下がって、埋もれたくない、埋もれてたまるものか!という精神を表しており、ひいては、それはスピッツや草野さんの思想に通じるものがあるのだと思っています。

 

2行目の”群れの中から 抜け出したのさ”という表現についても、同アルバムの【はぐれ狼】や【まがった僕のしっぽ】にも通じる部分があるとも思っています。つまり、【まがった僕のしっぽ】がそうであったように、【ヤマブキ】という曲もまた、【はぐれ狼】からはじまる、いわゆる”はぐれ狼クロニクル”の一部であるような気がしています。

 


あと、印象的な”監視カメラ”という表現については、草野さんがインタビューの中でも少し語っていますが、この曲に込められた想いというのは、”同調圧力に対するアンチテーゼ”であり、ともすれば”監視カメラ”は、同調圧力を象徴しているようなものとして使われているのでしょう。

 

みんな同じように行動しているか、他人と違うことをしていないか、それを見張る存在の象徴としての”監視カメラ”を…これまた草野さんらしい表現だと思うんですけど、それに対抗する手段として、”よけながら”という表現になっているんですよね。もう少し過激に、”壊しながら”とか”撃ち落しながら”とかいう表現もできるはずだろうけど、そこを”よけながら”としているところが、草野さんらしくて僕は好きなんですよね。

 



田植えの季節過ぎれば
雨がいろいろ消してくれそうで へへへと笑ってみた

 

ここの”田植えの季節”という言葉については、草野さんが雑誌で少し語っていますが、「なるべく他の人が使わない言葉を使いたい」という気持ちの上で、

 


草野さん「名古屋とか大阪に移動する時に田園を通るんですよ」

 

草野さん「…だから、『あ、田植えが始まった!』とか、『稲刈りもうすぐかな』とか、そういう稲作の1年を普段から感じやすいので。なので、自分としてみれば突拍子もないところから持ってきた言葉ではなくて、案外日常だったりするんですよね」

 

という風に語っています。まぁ、【ヤマブキ】という言葉自体も、本来はロックとはかけ離れた言葉であるんだろうけど、草野さんという人は、自然や景色の移り変わりだったり、生き物だったり、そういうものを貴く思う気持ちを持っておられるので、草野さんにとってはこれも日常的な言葉だったんでしょうね。

 

2行目の、”へへへと笑ってみた”という表現も…意味はよく分からないけど、好きです…へへへ。

 


■あとは、タイトルにもなっている”ヤマブキ”という言葉については、

 


あれはヤマブキ 届かない崖の上の方で
ハングリー剥がされても よじ登っていけ

 

サビの歌詞ですが、タイトルにもなっている”ヤマブキ”という言葉が出てきています。

 

”ヤマブキ”という言葉を聞いて個人的に思い浮かんだのは、色の名前と植物の名前でした。色については、そのものずばり”山吹色”というのがありますが、この曲では、後者の植物の名前として使われているのだと思います。

 

この”ヤマブキ”という言葉や曲に込められた意味として、先述で少し触れましたが、雑誌で草野さんが語っているような部分があります。

 


草野さん「…昔よりもさらに同調圧力というか、浮かないように注意して生きていかなきゃいけないような世の中になってきてるような気がしてて。それに対するアンチテーゼみたいなものは昔よりさらに曲に込めたいなと思っちゃうんですよね。」

 

雑誌の中で、「ヤマブキって、実は結構群れて咲くんですけどね」とも語られていますが(ちなみに、もともとは”ヤマユリ”という言葉だったとも語られていました)、歌詞の中では”届かない崖の上の方で”という言葉とセットで歌われています。

 

雑誌で語っている通り、”ヤマブキ”という植物が群れて咲く植物ならば、”崖の上”という場所は、その群れから離れて咲いていることの象徴であり、この辺りの表現も、この記事でずっと語っている通り、同調圧力への対抗や、はぐれ者精神の表れであると考えることができます。

 

あるいは、”届かない”や”ハングリー”という言葉からは、スピッツはその高みへと登って行くんだという、まだまだロックミュージックを追究していくという想いも表していると感じます。

 

何かこういう、まだまだ目指す場所があるんだ!と歌われている歌で、アルバムを締めくくっているところが良いですよね。

 


ちなみに、”山吹(ヤマブキ)”の花言葉は、「気品」「崇高」「金運」など。

 

この曲に似合う花言葉としては、「崇高」でしょうか。「金運」という花言葉については、谷底に落とした金貨がヤマブキの花になったという言い伝えにちなんでいるようです。

241時限目:初夏の日

【初夏の日】

初夏の日

初夏の日

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■アルバム『見っけ』の11曲目に収録されている曲です。

 

まず、この曲…最新アルバムに入っていながら、実はかなり古くからあった、いわば”幻の未発表曲”として知られていた曲です。もちろん、CDやライヴDVDなどで音源化されたことはなく、ライヴでのみ披露されてきた曲のようです。僕自身も、このアルバムで初めて聴きました。

 

上述の話は、何となく知っていたので、アルバム『見っけ』の収録曲が発表になって、”初夏の日”というタイトルを見つけてからすぐに、「これは確か未発表だった曲だ!ここで収録されるのか!」と驚いたのです。

 


■この辺りを、ネットや雑誌などで、もう少しだけ詳しく調べてみました。

 

まず、ネットの情報をさかのぼって調べてみると、この曲が初めて披露されたのは、2005年4月28日に京都会館第一ホールにて行われた、SPITZ JAMBOREE TOUR ”あまったれ2005”でのことだったようですね(合ってますか?)

 

2005年というと、現在(2020年)からさかのぼると、実におよそ15年前になるんですね。スピッツがリリースしたシングルやアルバムで近い作品を上げるとすると、11枚目のアルバム『スーベニア』が2005年1月12日発売、そこからシングルカットされたシングル『春の歌/テクテク』が同年4月20日発売、って感じです。

 

なので、SPITZ JAMBOREE TOUR ”あまったれ2005”は、アルバム『スーベニア』のリリースツアーだったのでしょう。そのライヴツアーの京都公演にて、初めて【初夏の日】は披露されました。その時は、アンコールで弾き語りでの披露だったようです。

 


先に、【初夏の日】の出だしの歌詞を紹介しておくと、

 


いつか 冴えわたる初夏の日
君と二人京都へ 鼻うたをからませて

 

という感じなのですが、”京都”という具体的な地名が出てきています。この曲はどうやら、草野さんが京都をイメージして作った曲であるようです。そのことについて、音楽雑誌「MUSICA」にて少し話をしています。

 


草野さん「これはね、ずっと京都でライヴやる時にはやってた曲なんです。京都のライヴを体調不良で延期してしまったことがあって、その振替公演の時に<京都>っていう言葉が歌詞に入った曲を作っていこうと思って作った曲。そこから京都でライヴをやる時にはこれをアンコールで演奏するのがお約束に…(以下略)」

 

スピッツにとって、特別な曲だったんですね。ちなみに、似たような曲としては、埼玉県大宮市をイメージして作られた曲で、【大宮サンセット】という曲もあります。

 


■そういうわけで、最新のアルバムに古い曲が入っているわけですが…何かすごい不思議な感覚なんです。

 

この曲にまつわる過去の話を色々と知ったことが一番のきっかけなんですか、何かこの曲を聴いているときだけ、アルバム『見っけ』から切り離されて、タイムマシンで過去に戻っているような感じがするんです。過去に、この曲をライヴで聴いた思い出があるとか、そういうこともないくせにですけどね苦笑。

 

15年前と言えども、もうその頃のスピッツも十分にキャリアを積んでいたはずだし、個人的には第三期と呼んでいる、いわゆるロックンロールに立ち返って活動をしていたので、初期のマニアックな世界観というものはありませんが、それでも15年という月日で、こんなにも詞の世界観って変わるものなのかということがよく分かる1曲だと思います。

 

ただ、懐かしさは何となく感じるものの、古い・古くさいという感じはありません。スピッツが・草野さんが、あるいは、プロデューサーの亀田さんが、この曲をアレンジして、懐かしさを残しつつも、新しく生まれ変わらせたのでしょう。

 


■それらのことを踏まえて、【初夏の日】の歌詞考察をしてみます。

 

まず個人的には、【初夏の日】の歌詞を読んで思い出したのは、アルバム『ハチミツ』に入っている【君と暮らせたら】という曲でした。

 

【君と暮らせたら】という曲は、歌詞は終始、僕と君が幸せに過ごしているような感じで進んでいくんですが、結局それらはすべて夢でした!という風に、いわゆる”夢落ち”を表しているような曲なんですけど、それに近いことを、【初夏の日】では感じました。

 

 

まずは、先程も紹介した出だしを含めて、Aメロの歌詞をかいつまんで紹介してみます。

 


いつか 冴えわたる初夏の日
君と二人京都へ 鼻うたをからませて
遠くで はしゃぐ子供の声
朱色の合言葉が 首筋をくすぐる

 


汗が ここちよい初夏の日
白い湖畔のステージへ つぶつぶを踏みしめて
黄昏れて ベランダにやってくる
風に頬なでられる 甘い匂いがする

 

まず、この辺りだけを読むと、どうでしょうか。それこそ、僕が君と二人で京都を訪れてデートをしている描写に読むことができそうです。

 

ただし、そう単純にはいかないのが、やはり気になる”いつか…”という言葉で歌詞が始まっている点です。そこだけを拾っても、僕は大きく2つの物語が想像できると思うんです。

 

1つは、”いつか君と京都に行ってみたいなぁ”という、僕の未来の願望を表しているという物語です。この解釈に立ってみれば、この歌で語られている物語は全て、君と京都を訪れているという状況を、あくまで”妄想”しているということになります。

 

で、もう1つは、”昔、君と京都に行ったなぁ”という、過去の思い出を振り返っているという物語です。この解釈に立てば、当然この歌で語られている物語は全て、過去の思い出を表しているということになります。

 


■そういうことを思いながら、サビの歌詞を読んでみると、こんな感じです。

 


そんな夢を見てるだけさ 昨日も今日も明日も
時が流れるのは しょうがないな
でも君がくれた力 心にふりかけて
ぬるま湯の外まで 泳ぎつづける

 

たった4行ながら、色んなことが詰め込まれてるなって思うんですよね。

 

まずは、出だしの”そんな夢を見てるだけさ”という表現。”そんな夢”というのはまさしく、Aメロで歌われている、君と京都を訪れている描写を指しているのだと思われますが、とするとやはりこの歌は、君と京都を訪れている”妄想”をしていると考えることができそうです。

 

しかし、”昨日も今日も明日も”や”時が流れるのは”などを読むと、どうなんですかね、過去に君と京都を訪れたことがあって、そこから時が流れたなぁと思い出している描写とも考えられそうです。

 


あとは、印象に残る”ぬるま湯”と”泳ぎつづける”という言葉についてです。

 

”ぬるま湯”というと、その言葉通り”温かく”も”冷たく”もない、その中間の状況ですよね。つまり、その温かさが残っている状況…ここでは言い換えると、温かさが残っていた過去の状況を思い出していると考えられるかもしれません。

 

温かさ=君と一緒に過ごした日々を象徴している言葉だとすると、君が居なくなって”冷たく”なってしまった日々の中に、少しでも君の”温かさ”を思い出そうとしていることを、”ぬるま湯”と表現しているのかなぁと思ったんですよね。

 

そして、”ぬるま湯の外へ 泳ぎつづける”とあるので、そういう君といた日々を思いつつも、そこから少しずつ離れ(ようとし)ている、あるいは、離れていかないといけない、ということを表しているのだと思います。


そう考えると、先述した”いつか…”の解釈については、個人的には後者の、過去の思い出を振り返っているパターンを当てはめています。

 

とすると、果たして君とはどういう形で別れたのでしょうか。ただ単に恋人関係を解消しただけなのか、それとも死別なのか、どうなんでしょうね。

スピッツ大学セレクト スペシャルアルバム『春の歌』

スピッツ大学セレクト
スペシャルアルバム『春の歌』


01.青春生き残りゲーム
02.センチメンタル
03.優しいあの子
04.スピカ
05.ただ春を待つ
06.チェリー
07.謝々!
08.僕はきっと旅に出る
09.小さな生き物
10.魔法のコトバ
11.けもの道
12.春の歌



■皆様、お元気でしょうか。


コロナウィルスにより、世間的に大変な日々が続いていますね。仕事に大いに影響が及んでしまっている方、あるいは、いつも通りの変わらない日々を過ごせている方、人により様々かと思います。


僕は、完全に前者でございます。イレギュラーにイレギュラーが重なりまくっており、今はただ、今しかできない仕事をコツコツやっている毎日です。


皆様も、どうか体に気をつけて頑張ってください。



■さて。


気休めですが、冒頭のような遊びをしておりました。まんまですが、春をテーマにして、スピッツの歌をセレクトして、スペシャルアルバムを妄想していました。自画自賛ですが、めっちゃいいアルバムができました。


当記事は、ただそれを紹介したいがための記事でございます…。


ということで、以下、選考理由などを少しだけ語ってみます。



01.青春生き残りゲーム

青春生き残りゲーム

青春生き残りゲーム

「何気にすごい好きな曲です。この曲には圧倒的な"1曲目感"があります。ちなみに、GOING UNDER GROUNDという、これも大好きなバンドが自身のイベントの名前に、同じ名前を使ったことがあるそうです。」



02.センチメンタル

センチメンタル

センチメンタル

「春というより、ちょっとエッチな曲ですけどね。"おとぎの国も 桃色に染まる頃"という歌詞が、初体験を思わせますねぇ…ムフフ。」



03.優しいあの子

優しいあの子

優しいあの子

「最近の曲だと、やっぱりこれが春っぽいですかね。でも厳密には、冬の歌なんですかね?」



04.スピカ

スピカ

スピカ

「何度も語っていますが、個人的には"受験ソング"です。高校受験の時に、"この坂道もそろそろピークで"というフレーズに励まされていました。なお、このフレーズは汎用性大です。」



05.ただ春を待つ

ただ春を待つ

ただ春を待つ

「問 スピッツの歌で、タイトルに"春"という漢字が使われている歌は全部で4曲はあります。全て答えよ」



06.チェリー

チェリー

チェリー

「僕がスピッツと出会った曲です。僕が小学生の頃でした、かれこれ25年くらい前の話です。そこから、スピッツとの長い付き合いが続いているわけですから、感慨深いです。」



07.謝々!

謝々!

謝々!

「個人的には、出産おめでとうソングとして聴いています。公式(?)では、笹路さんありがとうソングか?何気に、両A面のシングル曲なんですよね。」



08.僕はきっと旅に出る

僕はきっと旅に出る

僕はきっと旅に出る

「学長号泣ソングです。今でも、心が緩んでるときはやばいかもしれません。今の時世にぴったりな一曲だと思います。」



09.小さな生き物

小さな生き物

小さな生き物

「これも、今の時世にあってますよね。今だからこそ、助け合わないと…って思わせてくれるような気がします。」



10.魔法のコトバ

魔法のコトバ

魔法のコトバ

「シングル曲で春っぽい曲って何がありますかね?【春の歌】はもちろんなんですが、このアルバムに入ってない曲だったら、【正夢】とか【若葉】とかも、春っぽいですかね。」



11.けもの道

けもの道

けもの道

「春っぽいというより、ただ個人的に一番好きな曲だからって理由もあります。まぁ、圧倒的な応援歌感はありますね。フレーフレーフレー」



12.春の歌

春の歌

春の歌

「やはり、大トリを飾る曲に、これ以外が思い浮かびませんでした!"春の歌 愛も希望もつくりはじめる"ってね、すごい勇気をもらう曲です。タイトルの潔さも良いんです。」

240時限目:まがった僕のしっぽ

【まがった僕のしっぽ】

まがった僕のしっぽ

まがった僕のしっぽ

  • provided courtesy of iTunes

 

■アルバム『見っけ』の10曲目に収録されている曲です。

 

また同じようなことを書きますが、アルバム『見っけ』の収録曲の中で核となる曲としては、個人的には【はぐれ狼】と【まがった僕のしっぽ】の2曲を考えています。

 

『見っけ』の収録曲には、物語性がとても強い曲が多く入っており、特に【はぐれ狼】と【まがった僕のしっぽ】(あとは【花と虫】や【快速】なんかも)で顕著だなと思っていました。

 

そして、【はぐれ狼】と【まがった僕のしっぽ】については、物語としてもつながりを感じますし、精神的に歌われていることに関しても、両曲で似たようなことを感じるんですよね。しかも、2曲が続けてアルバムに収録されているので、なおさらこの2曲をつなげて聴いています。

 


■アルバム『見っけ』を購入して、最初に一通り聴いた時に、先述の通り、物語性が強い曲が多いということを感じたのと、もう一つ、”曲の展開が新しい”と感じるところが多くありました。

 

もちろん、新しいアルバムに収録されている新しい曲ばかりなので、新しいと感じることは当然なんですけど…それでも、この『見っけ』というアルバムでスピッツはまた新しい扉を開けたな!と感じました。

 

それは一言で言うと、”衝撃”でした。前作『醒めない』や、前々作『小さな生き物』では、感じることのなかった”衝撃”でした。例えば、個人的な分類として、アルバム『とげまる』からは、スピッツの活動を”第四期”と呼んでいるんですけど、『小さな生き物』や『醒めない』は、そこから地続きで聴いていました。しかし、『見っけ』は、またそこからポーンと跳んでいるような、新しい時代の幕開けを感じたんです。

 

…とまぁ、この辺りは話し出すとキリがなさそうなので、またいつかアルバム『見っけ』全体の記事を、改めて書きたいと思います。

 


■そういうわけで、【まがった僕のしっぽ】ですよ。まさに、衝撃でした。

 

そもそも、曲の始まりからフルートの音がしたかと思ったら…表現が難しいのですが、個人的には、昔話でも語っているような感じの曲調っていうんですかね…吟遊詩人が出てきて、昔の英雄譚でも歌い始めたかのような、壮大な感じの曲調です。(ちなみに、ロマサガの吟遊詩人をイメージしています笑)

 

場末のパブみたいなところに、年老いたミュージシャンが現れて、酔っぱらった客に、「よう、何か1曲やってくれねーか」とでも言われて歌い始める。そして、意味深にマスターが言う…「あそこで歌っているやつらは、スピッツという昔は名の知れたバンドだったんだ、今じゃ誰も覚えてねーけどよ」と。

 

みたいな感じを、本気で想像してます笑。

 


そういう風に、どちらかというと、ゆったりと物語を語るように曲がしばらく続いていき、ここまででも十分今までのスピッツにないような曲調で驚くのですが、本当に驚くのはCメロに入るところからです。

 

今までのゆったりとした曲調が一転…急にヘビメタやハードロックを思わせるような、ちょっと不穏で悪魔的な激しい曲調に変わります。

 

こういうのをプログレプログレッシブ・ロック)って言うんですかね、the pillowsの【Smile】やPeople In The Boxの楽曲なんかを想像させるような、1曲の中で大胆に曲の様子を変える感じ、こういうのはスピッツにはほとんど無かったはずです。

 

そして、そのまま激しい曲調で最後までいくのかと思いきや、また最後ゆったりとした曲調に戻るところもすごいところだと思います。すごいものを聴かされてるんだなって、ただただ衝撃でした。

 


■では、ここで音楽雑誌「MUSICA」のインタビューの様子を引用しつつ、紹介してみます。

 


草野さん「…プログレっぽい曲は前から作りたいなと思ってたし、途中でテンポチェンジとかリズムパターンが変わる曲ってあんまりチャレンジしてなかったんで。実は『醒めない』の時に”子グマ!子グマ!”とこの曲と候補が両方あったんですよ。でもそういう曲が2曲入るのもどうかなってことで、その時は”子グマ!子グマ!”を活かしたんですけど、自分の中でこのアイディアを捨て切れなくて、今回またチャレンジできたという」

 

この辺りが、この曲の展開について話が及んだ部分ですが、先述で紹介した通り、プログレだとかテンポチェンジなどの言葉が出てきて、メンバーが話をしていました。

 

【まがった僕のしっぽ】は、アルバム『醒めない』の時にも、候補としてあった曲だったんですね。何となく、『醒めない』に入っていても似合ったような気がしますが、似たような【子グマ!子グマ!】に取って代わられたようですね。

 



草野さん「…”まがった僕のしっぽ”っていう言葉も結構気に入ってたからね。醒めない状態、ロックの熱から未だに醒めないよっていうところから、『人と違う自分、人と違うあなたを認めたい』っていう気持ちを込めた『まがった僕のしっぽ』って言葉にするのもいいなとか考えたんですけど、でもアルバムタイトルとしてはちょっと長いから…」

 

と答えているように、何でもこの”まがった僕のしっぽ”という言葉は、アルバムタイトルの候補にもなっていたようですね。

 

ここの『人と違う自分、人と違うあなたを認めたい』という言葉は、何ともスピッツ・草野さんらしい考え方だなと思いました。例えば、アルバム『醒めない』の収録曲であれば【ブチ】とかね、そういう”人とは違う部分”を肯定・応援するような歌を、スピッツはこれまでも歌ってきたような気がします。

 

そして、それはそのまま、スピッツや草野さん自身に通じる精神だと思っています。だから、”まがった僕のしっぽ”や、すでに紹介した”はぐれ狼”という言葉などについて、紛れもなくスピッツを表している言葉だなと感じたところであったし、このアルバムの核になる部分だと思ったんです。

 


■では、【まがった僕のしっぽ】の歌詞について、少し読んでみたいと思います。

 

まず、僕の想像ではもう完全に、”はぐれ狼”と”まがった僕のしっぽ”は物語自体が繋がっていると…つまりは、主人公が同一であるとして聴いていますので、それを前提として読んでくださいね。

 



大陸のすみっこにある街は 全て初めてなのに
子供の頃に嗅いだ 甘い匂いがくすぐる

 

まずは出だしの部分です。ここは、(歌詞にもなっていますが)”暗いうちに街から逃げた”【はぐれ狼】が、別の街にたどり着いたという描写なのかなと思いました。

 

そうして辿り着いた街については、”大陸のすみっこにある街”と表現されていますが、”大陸”と聞いて真っ先に思い出すものがありますね…もうスピッツファンにとってはお馴染みになりましたが…そう”ロック大陸”です。初めてこの言葉が登場したのは、楽曲【醒めない】でした。

 


まだまだ醒めない アタマん中で ロック大陸の物語が
最初ガーンとなったあのメモリーに 今も温められてる
さらに育てるつもり

 

という感じです。さらにそこから、自身のラジオ番組を”Spitz草野マサムネのロック大陸漫遊記”と名付けました。”ロック大陸”という言葉は、もちろん造語ですが、”ロック(ンロール)”という言葉が使われている通り、草野さんのロックに対する想いが込められた言葉だというとは分かります。

 

そういう”大陸”にある街に、”はぐれ狼”がついに辿り着いたところが、この【まがった僕のしっぽ】の冒頭のシーンなのだと想像しています。つまりここは、ロックとの出会いだったり、ロックの新たな魅力を再発見した場面を表しているのかなと思いました。

 

”子供の頃に嗅いだ 甘い匂いがくすぐる”という表現からは、小さな頃からロックを聴いてきて、その気持ちがずっと醒めないで続いてきたということを感じ取ることができます。【ラジオデイズ】の、草野さんと”ラジオ”の関係にも繋がりますね。

 



だけどまがった僕の しっぽが本音語るんだ
旅することでやっとこさ 自分になれる
うち捨てられた船に つぎはぎした帆を立てて
今岸を離れていくよ

 

ここがサビの部分ですが、”まがった僕のしっぽ”という言葉が出てくる部分を載せてみました。

 

先程の草野さんのインタビューをさらに引用させていただくならば、”まがった僕のしっぽ”とは、”人と違う自分、人と違うあなた”を象徴している言葉だと考えることができそうです。

 

”まがった”という言葉は、まぁ言葉通りですが、一筋縄ではいかない性格などを表わすこともありますよね、まがった考え方とか、性格がねじまがっているだとか。

 

”まがった僕の しっぽが本音語るんだ”とは、つまり、そういう人とは違う部分こそが自分らしさなんだと認め、誇りを持っているということを表しているという感じですかね。

 

あとは、”今岸を離れていくよ”という部分についても、実にスピッツらしい言葉だと思いました。この辺りも、実はインタビューでは大いに語られているのですが、”離れる”や”外へ出ていく”というニュアンスの言葉は、スピッツの歌詞にはよく出てくる表現ではあります。

 


あとは、プログレッシブに激しい曲調に変わる部分では、その曲調と同じく、歌詞も激しいものに変わります。印象に残った部分を紹介してみると、

 


波は荒くても この先を知りたいのさ
たわけもんと呼ばれた 魂で漕いでいくのさ

 


誤解で飛びかう石に 砕かれるかもしんないけど

 


勝ち上がるためだけに マシュマロ我慢するような
せまい籠の中から お花畑嗤うような
そんなヤツにはなりたくない

 

こんな感じです。”マシュマロ”の下りが面白いですよね。曲調はめいっぱい激しいのに、”マシュマロ”という言葉が浮いて聴こえます。

 

全体的に、どの部分からも反骨精神やひねくれ者精神みたいなものを感じますが、それはそのまま、”ロック”の定義へと繋がり、さらには、スピッツそのものを表していると言えるのではないでしょうか。