スピッツ大学学長が今の気分で本気で選んだ ”割と最近”のスピッツで好きな曲BEST36
■おはこんばんちは、学長のitukamitanijiです。
とても暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?今年2023年の夏は、もうほとんどコロナ禍も抜け、以前の従来通りの休みの過ごし方をされている方も多いのではないでしょうか。
ただ、リアルタイムでこのお盆は台風直撃で大変でしたね。僕が暮らしている広島では、今回はそこまで影響はなかったのですが、各地で被害が出ているようで…ただただ皆さんのご無事を祈るばかりです。
■さて、早速本題に入ります。タイトルの通りですが、ずばり今回の記事では、
スピッツ結成36周年記念
スピッツ大学学長が今の気分で本気で選んだ
”割と最近”のスピッツで好きな曲BEST36
をお届けします。
まず、ここでいう”割と最近”についてですが、以前スピッツ大学ではランキング企画を行ったことがあるのですけど、その時の対象曲としては、インディーズ曲とカバー曲を除いて、デビュー~アルバム『小さな生き物』(シングル曲【雪風】は含める)までの、全ての発表曲とさせていただきました。
そこで、今回はそれ以降に発表された楽曲に絞って、結成36周年にちなんで、好きな曲を36曲選び、ランキングにして発表しようという内容でございます。
よって、今回の対象曲は、
〇アルバム『醒めない』収録曲
〇アルバム『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』に収録されている新曲【ヘビーメロウ】【歌ウサギ】【1987→】
〇アルバム『見っけ』収録曲
〇アルバム『花鳥風月+』に収録されている初出曲【353号線のうた】【死にもの狂いのカゲロウを見ていた】(※バージョンが違うだけの曲は除きました)
〇アルバム『ひみつスタジオ』収録曲
〇42ndシングル カップリング曲【悪役】
〇43rdシングル曲【猫ちぐら】
〇46thシングル カップリング曲【祈りはきっと】【アケホノ】
となります。全48曲が対象で、ここから36曲を絞りランキングを作りました。全然最近じゃないじゃん!というお声があるかもしれませんが、どうかご了承ください。すっかりおじさんなので(?)、アルバム『醒めない』は自分にとってまだ”割と最近”なんですよね笑
でも、ここでいう”割と最近”の曲を、リアルタイムで最近よく聴いていて、”割と最近”の曲の良さを改めて実感しています。それでも、ランキングを作ること自体が野暮なことであるかもしれませんが、まぁ余興だと思っていただいて、「あー分かる分かる!」「えーこの曲こんなに低いの!?何で!プンプン!」と、軽い気持ちで楽しんで頂けると幸いです。
かなり時間がかかりました…何なら、この記事を作りながら、ちょっとした旅行を挟んでますからね、部分的に旅先で書いたりしてます。なるべく短く…と思ってはいたのですが、全然短くならないのがスピッツ大学…グダグダと長くなっているので、適当につまんで読んでいただけたら幸いです。
では、参ります!!!
***
第36位 手鞠
明るい曲調とかわいらしいタイトルの一方で、ところどころ毒っ気のあるような歌詞がちりばめられていて、そのギャップにドキッとする曲です。
が、アルバム『ひみつスタジオ』の収録曲では他の曲の方が印象に残っているので、手鞠さんファンの方には、この順位で申し訳ありません!
第35位 めぐりめぐって
アルバム『ひみつスタジオ』のトリを飾る曲ですが、実際は「ヘーイ!スピッツのライヴへようこそー!」って感じで、1曲目の感じで作った曲だそうです。かなりロックな曲で、この曲が最後にあることで気持ちよくアルバムが終わります。
ちなみに、アルバム『ひみつスタジオ』には表題曲がないのですが、この曲の歌詞の中で、
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秘密のスタジオで じっくり作ったお楽しみ
予想通りにいかないけど それでもっとワクワク
*
という風に、"秘密のスタジオ"という言葉が出てくるので、このアルバムを象徴している曲であると言えるかもしれませんね。
第34位 ヒビスクス
ヒビスクス=ハイビスカスという意味です。何かに追い立てられる感じの、クライマックス感があるロックナンバーです。
個人的な解釈としては、記事を参照していただければと思うのですが、これこそ色々と想像ができそうな曲だと思います。特攻隊の歌?戦争の歌?みたいな解釈が割と広まってるんですかね。
第33位 353号線のうた
元々は、インディーズ時代のとても古い曲ですが、アルバム『花鳥風月+』に未発表曲として収録されました。さすがインディーズ時代の曲、考察が難しい謎曲です。”パーパーパパーパパーパー”がやけに耳に残ります。
インディーズ時代の曲と言えど、【恋のうた】や【ヒバリのこころ】などと並んでこの時期の曲は、パンクロックバンドとして活動していたスピッツが、そこから今のようなギターロックバンドへと変わっていく、その境目にあるような、歴史を感じる曲群です。
第32位 快速
アルバム『見っけ』収録曲です。アルバム『醒めない』でもそういう節はありましたが、特にアルバム『見っけ』には、割と今までのスピッツの音楽に、新しい試みがプラスアルファされたような曲が散見されるようになりました。
【快速】についても、駅でのアナウンスのようなナレーションがイントロで使われていて、それが何か近未来的に聴こえて、今までになかった新しいスピッツを感じます。
第31位 醒めない
アルバム『醒めない』の表題曲です。このアルバム『醒めない』で、スピッツの結成30周年イヤーが始まった感じがして、とてもワクワクしたことを覚えています。
まさに、新しいスピッツのテーマソング…30周年を迎えたスピッツが、それでもまだ"醒めない"ロックに対する気持ちを、派手に高らかに宣言している、スピッツにとってもスピッツファンにとっても、重要な1曲です。
第30位 ときめきpart1
映画「水は海に向かって流れる」の主題歌になった曲です。映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」の時といい、スピッツ×広瀬すずって、何か縁がありますね(そういう狙いとしか思えませんが…)。もう広瀬すず主演で、スピッツMVを作れば良いのに。
にしても、結成36周年を迎えたスピッツですが…何とまだ、こんなに瑞々しい曲を作るなんて、いつまでも若いバンドだなぁとつくづく実感させられるばかりです。
第29位 死にもの狂いのカゲロウを見ていた
まず、タイトルのクセがすごいんじゃ!これぞまさに、スピッツインディーズという感じの曲ですね。
特に、スピッツの初期の頃の曲は、”セックスと死”というテーマが色濃くありましたが、1stアルバム『スピッツ』に通じる、まさにそういうマニアックな世界観を感じる曲です。
第28位 ありがとさん
アルバム『見っけ』収録曲の中であれば、確か発売前にいち早く聴けた曲でした。僕はこの曲を、ラジオで聴いた記憶があります。
歌われている内容は、”亡くなった人”が”残された人”への気持ちを歌っているという設定の曲だそうです。ドスの効いたベースと、鍵盤の音が印象に残る曲です。
第27位 子グマ!子グマ!
親元を離れる子どもか、恋人同士の別れか、友人同士の別れか、色々と想像はできると思いますが、旅立ちの場面に際して、
*
子グマ!子グマ!荒野の子グマ
おいでおいでするやつ 構わず走れ
子グマ!子グマ!逃げろよ子グマ
暗闇抜けて もう少しだ
*
と、スピッツメンバーや亀田さん、Czecho No Republic(チェコ・ノー・リパブリック)というバンドのタカハシマイさんらが、みんなでシンガロングして、旅立つ子グマのジャッキーを応援している、なんとも微笑ましい曲です。
第26位 見っけ
2枚のアルバム『小さな生き物』『醒めない』は、東日本大震災の影響を感じる部分が多くあり、災害によって人々が負った悲しみに寄り添うことだったり、そこからの復興などをテーマとして、"死と再生"の物語を歌ったアルバムでした。
そこを乗り越えて、次のアルバム『見っけ』では、また新たな扉を開けたような、今までのスピッツとは少し違うような曲も多く入っていました。
それを象徴するように、表題曲である1曲目【見っけ】は、新しい扉を開けて、その入り口へと迎え入れてくれるような、キラキラした派手な曲です。この曲で”再会”という言葉が使われていたのも、印象に残りました。
第25位 初夏の日
アルバム『見っけ』に収録されている曲ですが、実際は2005年あたりでもうすでに、ライヴで披露されていた古い曲です。”京都”という地名が出てくる通り、京都公演のライヴで演奏されていたそうです。
古い曲であることと、ゆったりとした草野さんの弾き語りを基調とした曲なだけあって、何か過去にタイムスリップしたような気持ちになる曲です。
第24位 ナサケモノ
情けない獣を略して、”ナサケモノ”なのでしょうか。ペットと飼い主の関係のようにも読めるし、またはアッシー君が頑張っているようにも読むことができます。
何か、ずっとおもちゃをガチャガチャ遊んでいるような音が入っていて、これも一つの新しいスピッツの音楽の形っていう気がしました。
第23位 未来未来
ハードロックな感じでイントロが始まった…かと思いきや、「ハァアアア~~~~~~~」という女性の声に、最初はちょっと笑ってしまいました。
この声の主は、朝倉さやさんという民謡の歌い手の方で、何でも民謡の日本一にも輝いたことがあるのだとか。ちなみに、自身のYouTubeチャンネルでは、スピッツの曲を民謡風にカバーして歌っている動画がいくつか見ることができます。
歌詞の内容は、(草野さんにしては珍しく?)刺激的なことを歌っているなという印象です。「おいおい、今の世の中大丈夫か!?」「おいおい、あなたの人生それで大丈夫か!?」と、警鐘を鳴らしているように、個人的には思いました。
第22位 ブチ
曲名になっている”ブチ(模様)”とは、普通は犬とか猫とかの動物の身体的特徴として使われる言葉だと思うのですが、この曲ではおそらく、身体的な特徴も含めて、人間の個性やクセに対して”ブチ”と表現されているのだと思います。
そういう個性やクセがあるから/あっても、君は君なんだよと、それで良いんだよと、草野節満載で背中を押している曲なんだと思います。
第21位 歌ウサギ
【ときめきpart1】に続き、広瀬すずさん主演の映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」の主題歌になっている曲です。この曲のスペシャルショートムービーでは、映画とは別に広瀬すずさんが主演していて、これもめちゃくちゃ良いです。
ちなみに、僕が広島で行われた3050ライヴに行った際に、この曲が最新曲として披露されたんですけど、この曲のイントロが演奏された瞬間に、おそらく自分の後ろらへんに居たおばさんが、「ひぃっ!」と息を呑んだのが聞こえて、ちょっと面白かったです。この曲を楽しみになさっていたんでしょうね。
第20位 オバケのロックバンド
結成36周年を迎えたスピッツですが、そんな長いバンドの歴史の中で初めて、この曲では草野さんとそれ以外のメンバー…﨑山さん、田村さん、三輪さんを含めた4人全員が、何とボーカルを務めているというサプライズに驚きました。
それでも最初は、コミックソング的というか、ただのお遊び的にしか聴けなかったんですけど、この曲のMVで4人が円形になって向かい合って演奏しているところを見て、ああそうか、4人はずっとこうやって一緒に活動をしてきたんだって思うと、感動に変わってきました。
スピッツを長く聴いてきたファンであればあるほど、この演出には驚くでしょうね。やっぱり、草野さんのボーカルは絶対的なものであるので、まさかそれ以外のメンバーがボーカルを務めるなんて…しかも、こんなに長く活動をしてきたバンドがそれをわざわざするのか!?ってね。
第19位 猫ちぐら
草野さんのラジオ番組「SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記」にて、ある日突然発表された新曲【猫ちぐら】。何と、メンバーが直接会うことなく、リモートでデータをやり取りして、演奏などを繋げて作られた新曲であるようです。素人の自分からしてみると…そんなことできるの!?って感じですけど、それでも、ちゃんとスピッツの曲になっているのは驚きです。
そういう曲が作られた背景があったり、コロナ禍に行われたスピッツのライヴの名前にも”猫ちぐらの夕べ”という風に使われていたりと、まさにコロナ禍のスピッツの活動を象徴した1曲であると言えます。
ちなみに、アルバム『ひみつスタジオ』には、この【猫ちぐら】が収録されていないので、今の所は配信シングルとして、この曲を単独で聴く方法しかありません(よね?)
第18位 こんにちは
この曲が、アルバム『醒めない』の最後に入っていることに、とても大きな意味があるのだと思っています。
2枚のアルバム『小さな生き物』『醒めない』は、いわゆる”死と再生”の物語を歌っているような内容になっているのですが、そのラストを締めくくる【こんにちは】は、どこか懐かしいパンクロックっぽい曲ですが、歌われている内容が”再会”を表わしているので、長く続いた物語が、ここでようやく報われたという感じがして、とても感慨深いものがあります。
第17位 花と虫
【優しいあの子】が朝ドラの主題歌に選ばれたという背景がありますが、どうやらこの【花と虫】の方が、それ以前に朝ドラを意識して作られた曲だったようです。
そういうわけで、僕は【優しいあの子】と【花と虫】を、セットで姉妹ソングとして聴いています。それぞれがそれぞれのアンサーソングになっているような感じです。
ちなみに、【優しいあの子】はランキング外でした、すみません…個人的には、【花と虫】派です!
第16位 グリーン
アルバム『醒めない』は、”モニャモニャ”(ジャケットに映っている、ネバーエンディングストーリーのファルコンのような生き物)の成長の物語ともとれるかと思いますが、この【グリーン】では、そのモニャモニャが緑いっぱいの大地を、自由に駆け回っているイメージですね。
そしてそれは同時に、”死と再生”の物語でいうと”再生”のイメージであり、明るく希望を感じる曲です。
第15位 大好物
映画『劇場版「きのう何食べた?」』の主題歌となった曲です。こう考えてみると、アルバム『ひみつスタジオ』には、映画の主題歌になった曲が、3曲も入っているんですね。
【大好物】も、これまであったようで意外とないような曲ですよね。説明が難しいですけど、これもスピッツの音楽の新しい形であると言えるかもしれません。配信になった当初、その頃の通勤はバスと電車だったんですけど、朝にこの曲を聴きながら出勤して、気持ちを上げていました。
第14位 讃歌
これはまたいつか、アルバム全体の紹介の記事を書くと思うんですけど、個人的にアルバム『ひみつスタジオ』では、1曲目【i-O(修理のうた)】と、12曲目【讃歌】で歌われていることが軸であるとして、アルバム全体を聴いています。
いわゆる、コロナ禍によって変わっていた世の中や、そこからまた少しずつ脱却していく世の中について、思いを馳せることは自分にとって自然なことでした。そういう意味では、1曲目に【i-O(修理のうた)】と12曲目に【讃歌】が入っているあたり、本でいうところの表表紙と裏表紙のように、この作品に1本の軸が通るように感じています。
第13位 ハチの針
先程も紹介したとおり、アルバム『醒めない』は、”モニャモニャ成長記”と捉えることができそうですが、ともすると個人的にこの【ハチの針】は、”モニャモニャ大人になる!の巻”みたいな内容を当てはめています。
まぁ、そういう個人的な考察はさておき…曲調としては、かなりハードロックという感じ、ベースの音とかすごいゴリゴリしてて、めっちゃかっこいい曲です。
第12位 アケホノ
シングル『美しい鰭』のカップリング曲なのですが、その後に発売になったアルバム『ひみつスタジオ』には入っていないので、今のところは、シングルのカップリング曲としてしか聴くことができない特別な曲です。
シングルには、表題曲の【美しい鰭】をはじめ、カップリング曲として【祈りはきっと】【アケホノ】の3曲が収録されているのですが、ダントツで【アケホノ】が好きです。
詳しくは、スピッツ大学の記事を参照していただければと思うのですが、この歌で歌われているのは、例えば、盟友への熱い気持ち…本当に長期に渡って、色々な苦労や困難を共に乗り越えてきた盟友だからこそ、分かち合える熱い気持ちを歌っている、いぶし銀な歌です。超熱い!
第11位 ラジオデイズ
スピッツメンバー、特に草野さんがロックに目覚めたきっかけのひとつとして、”ラジオ”というものがあったということを歌っている曲です。
この記事でも何度も出てきていると思うですが、アルバム『見っけ』には、個人的に”はぐれ狼クロニクル”と呼んでいる、草野さん・スピッツメンバーがロックに目覚め、スピッツとして共に活動をしてきた物語を語っているような曲群があるのですが、とするとこの曲は、その入り口の曲であるといえるかもしれません。
第10位 跳べ
アルバム『ひみつスタジオ』の中であれば、これぞスピッツロックというのが一番似合う曲だと個人的には思います。【i-O(修理のうた)】で、ゆったりとアルバムが始まって、続く【跳べ】のぶち上がりが気持ちいいです。
この曲こそ、コロナ禍からの脱却を歌ったような曲です。”己の物語をこれから始めよう”という風に、コロナ禍の影響で長く止まっていた時計の針を再び動かし始めよう!と、力強く歌われています。
第9位 悪役
第12位の【アケホノ】と同様、シングル『優しいあの子』のカップリング曲であり、未だにアルバムに収録されていないので、この曲もまだシングルのカップリング曲としてしか聴くことができません。
【優しいあの子】が朝ドラの主題歌に選ばれ、それはとても喜ばしいことではありましたが、実際に曲を聴いたとき、もちろん良い曲ではあったのですが…正直物足りませんでした。
そこで、カップリングの【悪役】ですよ!「来たー!!!これだよ、これこれ!」と、飛び跳ねて喜びましたね!
とにかく、イントロからギターがめちゃくちゃかっこいいのなんの、疾走感が半端ないのなんの、そして草野さんお得意(?)の草食系男子が精一杯恋愛頑張る系の歌詞…もう完璧ですね。
何より、【優しいあの子】のカップリング曲のタイトルに"悪役''と名付けるあたり、スピッツやらかしてますね笑。
第8位 はぐれ狼
第7位 ヤマブキ
第6位 まがった僕のしっぽ
第6位~第8位は、正直3曲ともセットで同じ順位という位置づけなので、バラバラにすることは難しく、あえて順位をつけるとしたら、こんな感じになりました。
3曲とも、アルバム『見っけ』に収録されている曲なのですが、そもそも今回の”割と最近”に含まれるオリジナルアルバム3枚の個人的な好みとして、『見っけ』>『ひみつスタジオ』>『醒めない』という感じです。
それで、本当はこの3曲に【花と虫】と【ラジオデイズ】を加えた5曲で、個人的に”はぐれ狼クロニクル”と呼んでいる、アルバム『見っけ』という作品の軸にもなっている物語があるんですけど、そういう意味で、この3曲を繋げてセットで聴いている節があります。
”はぐれ狼クロニクル”とはその実、草野さんやメンバーがロックに出会い、そのロックを一緒に追い求めていく仲間に出会い、これまで冒険してきた物語そのものであり、重要な3曲であるとして、ここに選ばせていただきました。
まぁ、そんなことはどうでもよくて、とにかく最新のスピッツロックといえばこんな感じ!を見事に体現した3曲です。
第5位 みなと
この頃の曲には、まだ東日本大震災の悲しみが残っている印象を受けるのですが、だからこそ歌詞の深みを感じます。
しかし、そういう悲しみや切なさを、曲のタイトルを【みなと】として表現するのは、草野節と言えるでしょう。
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船に乗るわけじゃなく だけど僕は港にいる
知らない人だらけの隙間で 立ち止まる
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そこで暮らしている人、旅立っていく人、その旅立ちを見送る人、旅立った人の帰りをずっと待っている人…それぞれの思惑が錯綜している場所”みなと”…一気にそういう場所・場面に連れて来られ、世界観が広がっていくようなそんな曲です。
第4位 コメット
ドラマの主題歌にもなった曲です。ピアノの旋律と、草野さんのギターボーカルと、もちろんメンバーの演奏と…それらが見事にマッチしていて、とてもきれいな曲です。
この曲も、【みなと】と同様に東日本大震災の影響を感じる曲なのですが、特にこの歌詞は印象に残っています。
*
見えなくなるまで 手を振り続けて
また会うための生き物に
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ここの歌詞は、最初に聴いた時からずっと心に残っていて、今でもその意味を深く考え続けています。人の生き死にが関係しているのか、もう二度と会えない別れなのか、それともまたいつかどこかで再会するのか…そういうことをずっと考えさせらせれる歌詞です。
会いたい人には、別れた瞬間からもう会いたくなって(もう二度と会えないとしても)、だからこそその人に恥じないように生きないとなって、そういう大切な想いを抱かせてくれる曲だと思います。
第3位 i-O(修理のうた)
アルバム『ひみつスタジオ』収録曲であれば、ダントツで好きな曲です。
これはいずれ、アルバム紹介で詳しく書くことになると思うのですが…アルバム『ひみつスタジオ』には、いわゆる表題曲がありません(最後の【めぐりめぐって】という曲の歌詞の中に、一応”秘密のスタジオ”という言葉が出てきますが…)。
表題曲のないアルバムだからこそ、リスナーがどの曲を中心に添えて聴くかによって、アルバムの雰囲気って、ガラッと変わるものだと思っています。
例えば【大好物】や【美しい鰭】などを中心に聴くと、新しいスピッツの雰囲気が感じられ、すごく爽やかなアルバムになる気がしますし、【オバケのロックバンド】や【めぐりめぐって】なんかを中心に聴くと一転、原点回帰的な作品になる気がします。
僕個人的には、【i-O(修理のうた)】(と【讃歌】)を中心に添えて聴くのがしっくりきています。やはりこの時勢的に、コロナ禍による人々の生活の変容だったり、またそこから脱却して変わりつつある、この世の中へ想いを馳せるのは、自分にとっては自然なことでした。
そういう目線でアルバム『ひみつスタジオ』を聴いていった時に、1曲目に【i-O(修理のうた)】を聴くと、それ以降のアルバムの全収録曲に、この【i-O(修理のうた)】がずっと見え隠れしている気がするんです。
まぁ、このアルバムを初めて聴いたのが車の中でしたが、一番最初に聴いた【i-O(修理のうた)】の衝撃が未だに残っているのも、ダントツでこの曲が好きな理由です。
第2位 1987→
文句なしの大名曲です。この記事でいう、”割と最近”の曲の中では、一番古い曲群に属しているわけですが、スピッツの代名詞的な曲ですね。
スピッツが結成30周年を迎えたのは、もう6年前のことになるわけですが…全然色褪せないですね。僕も、スピッツのライヴに初めて参加させていただき、その記憶は今でも色濃く残っています。
*
それは今も続いてる ヒザをすりむいても
醒めたがらない僕の 妄想が尽きるまで
それは今も続いてる 泥にまみれても
美しすぎる君の ハートを汚してる
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まさに、この曲で歌われていることは、スピッツの歴史、生き様そのもの。曲の随所から、スピッツの生き様が溢れてきて、感動の1曲です。
そして何よりもうれしいのが、6年前に30周年を迎えたスピッツが、そこからここまでずっと変わらずに続いてきたということ…もう本当にそれが一番尊くうれしいことです。これからも、スピッツがずっと続いていくことを、ただただ願うばかりです。
第1位 紫の夜を越えて
…まぁこんなこと言うと元も子もないのですが、ベスト3の3曲の選曲や順番も、その時の気分で変わってくると思います。【1987→】という曲も、その曲の歴史的背景もあって相変わらずめちゃくちゃ強いですし、【i-O(修理のうた)】も、最近の曲という補正があるのは仕方ない部分はあります。
ただ、現状で1番特別な曲を選ぶ際に、迷わずまっ先に【紫の夜を越えて】が思い浮かびました。それでも、この曲に関しては、発表された当初からめっちゃ熱心に聴いていたというわけではなく、時間をかけてゆっくり聴いていく中で、この曲の良さを理解していったという感じです。
去年(2022年)に、2つの映像作品『スピッツ コンサート 2020 "猫ちぐらの夕べ"』『SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 "NEW MIKKE"』が発売になり、僕も両作品ともゲットはしたのですが、映像の方はほとんど見ておらず、もっぱら付属されているライヴCDばっかり聴いています。
で、そこに収録されている【紫の夜を越えて】(NEW MIKKEライヴバージョン)…これを車の中で聴きながら帰るのが、特に2022年の自分の日課になっていました。
ライヴバージョンということもあって、イントロが2回繰り返されたり、草野さんのボーカルが違って聴こえたりして、シングルバージョンよりも、何割も増してライヴバージョンが自分にとってはめっちゃ刺さったんです。
仕事から帰る時は、夜の8時とか9時とかになっているんですけど、この【紫の夜を越えて】を流して運転しながら、1日の終わりに想いを馳せながら…今日はどうだったよ?と自分の心と対話しながら帰ってました。何か、労をねぎらい合える、盟友というか戦友というか、そういう感じの曲ですね。
この記事でいう、”割と最近”の曲の中では間違いなく1番よく聴いている曲なので、堂々の第1位とさせていただきました!
<…惜しくも、36位圏外だけど、まだまだ名曲揃い>
ヘビーメロウ
ガラクタ
SJ
モニャモニャ
優しいあの子
ブービー
YM71D
ブランケット
美しい鰭
祈りはきっと
さびしくなかった
Sandie