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259時限目:ときめきpart1

ひみつスタジオ (初回限定盤)(SHM-CD+DVD)

 

ときめきpart1

ときめきpart1

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【ときめきpart1】

 

■アルバム『ひみつスタジオ』の11曲目に収録されている曲です。

 

【ときめきpart1】は、同名の漫画が原作である、映画「水は海に向かって流れる」の主題歌になっている曲です。

 

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改めて考えてみると、アルバム『ひみつスタジオ』には、映画の主題歌が3曲も入っているんですね。ちなみに他の2曲は、【大好物】が映画「劇場版『きのう何食べた?』」の主題歌、【美しい鰭】が映画「劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』」の主題歌になっています。3曲も映画主題歌が入っているアルバムは、初めて?part1?

 


■映画「水は海に向かって流れる」の主演は、広瀬すずさんです。ということで振り返ってみますと、広瀬すず関連のスピッツ主題歌と言えば、

 

連続テレビ小説なつぞら」では【優しいあの子】
映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」では【歌ウサギ】
あとはロッテガーナ(チョコレート)のCMで【春の歌】

 

など…他にもあるのでしょうか、分かりませんが…とにかく、これまでにも多くのスピッツ×広瀬すずがあったことが分かると思いますが、今回の作品でもそのタッグが実現しています。

 


■今回の主題歌【ときめきpart1】について、広瀬すずさんがコメントをしていますので、引用させていただきます。

 

広瀬すずさんのコメント>

映画が完成した最初の試写でスピッツさんの主題歌を初めて聞いて、嬉しく、ご縁があるなと思いました。
映画を観たすぐ後でしたので、榊さんの気持ちと曲がとてもリンクしました。

 

大人なんだけど大人じゃない。
子供なんだけど子供でもない。
絶妙なポジションにいる榊さんの中の、からまった糸がほぐれていくような印象を受けました。
榊さんへ「もっとフラットに生きていいんだよ」と言って頂いているようでした。

 

この曲はpart2があるのでしょうか…?(笑)

 

このコメント、めっちゃ好きなんですよね。どこがって言うと、最後の部分…”この曲はpart2があるのでしょうか…?(笑)”というところが、何とも言えないですよね笑。

 

すずさん、こういうことをするバンドなんですスピッツは!やっぱり思う人は思いますよね。part1って何だよ!?part2やpart3があるのかよ!ってね。

 

でも、以前には【三日月ロック その3】というものがありましてね…”その1”と”その2”をスルーされ、いきなり”その3”をぶっこんできた時のもどかしさに比べると、今回は”part1”なので、まだ考察はしやすいので平静は保てます。

 

(※ちなみに、【三日月ロック その3】の”その3”については、似たようなテイストで”その1”と”その2”はあるらしいけど、お蔵入りになっているとかいないとか…)

 


■一方で、草野さんもこの映画に主題歌を提供したことに際してコメントを寄せています。

 

草野マサムネスピッツ)のコメント>

世の中ポジティブシンキングだけでは乗り切れないよなぁ、そんなことを考えさせられる、心に残るというより“心に引っかかる”お話です。
それでもやっぱり障壁を乗り越えて、出会いの「ときめき」を大事にしたい。なのであえてポジティブな曲を作ってみました。
元気なイメージの広瀬すずさんが今回は翳りのある役というのも楽しみです。

 

僕は、漫画も映画も見たわけではないのであらすじをざっと見たのですが、かなり一筋縄ではいかない物語という印象です。ネタバレにならない程度に、ざっくり言うと…

 

高校への通学のために、高校生の直達はOLの榊さんが暮らすシェアハウスで一緒に暮らし始めるのですが、2人の過去にはある因縁があったようです。そんな中でも、直達の方は榊さんに淡い想いを抱きつつ、2人は過去の因縁にも向き合っていくという…”恋愛”と”過去の因縁へ向き合っていくこと”が物語の柱になっているような物語のようです。

 

この映画の中で、榊さんを演じたのが広瀬すずさんのようなのですが、あらすじの通り、榊さんには”翳り”(かげり)というか、一筋縄ではいかないようなちょっとした”秘密”があって、そのことも意識しつつ、それでも高校生の直達との出会いによって、気持ちが変化していったという様子を、草野さんは歌にしたのだろうことを読み取ることができます。

 


■という風に、上述のことを思いながら歌詞を読んでいくと、割と素直に内容をなぞることができます。例えば、出だしの歌詞

 


会うたびに苦しくて でもまた会いたくなるよ
ラクリはわかってんだ 素直になれないだけさ

 

まぁ、ここの歌詞だけ読むと、榊さんの心情でも直達の心情でも、どちらでも成り立つような気はしますが、続く歌詞を読むと、

 


泥まみれ 君が投げたボール 素手で受け止めて

 

という風になっているのですが、何より”泥まみれ”という言葉からは、不器用で無邪気な感じを受け取ることができ、どちらかというと、やはり直達の純粋な気持ちを表していると捉えられるので、”君”という言葉には、直達が当てはまりそうです。

 

そして、”君が投げたボール”という言葉については、【運命の人】の歌詞を思い出しました。

 


晴れて望み通り投げたボールが 向こう岸に届いた
いつも もらいあくびした後で 涙目 茜空

 

両曲とも、相手へ自分の気持ちを届けることを、”ボール”を投げることに例えているという印象です。そこに、【ときめきpart1】では、先述しましたが”泥まみれ”という言葉がくっついている通り、不器用でも一生懸命に、自分の気持ちを榊さんに伝えようとしてる、若き直達の姿が浮かび上がってきます。

 

そして、”素手で受け止めて”というところも、また良い表現ですよね。”泥まみれ”になっても懸命に伝えようと頑張っている直達の気持ちを、榊さんは”素手で”…つまり、心を開いてありのまま受け止めようとしていることが読み取れます。

 


■一方、2番の歌詞では、

 


嫌われるのはヤだな いつしか無口になって
誰も気に留めないような 隙間にじっと隠れてた

 

この辺りは、榊さんがこれまで、過去の因縁に縛られて苦しんでいたことがうかがえる表現ですね。ただし、続く歌詞でも、

 


だけど恋して 後悔は少しもない 光を感じた

 

とあるように(でもどうなんですかね、榊さんはちゃんと直達に恋心を抱いたんですかね?)、直達との出会いによって、榊さんの気持ちが変わっていったことを読み取ることができます。

 


■そして、サビの歌詞、

 


ときめいてる 初めて? 怖いくらい
幸せはいつだって 届かないものだと
塗りつぶした小さい夢を ちゃんと描くため
白いページ わくわく開いてく

 

そもそも、”ときめき”という言葉がまたにくい表現なんですよね。心が躍るような、キラッと光っているような、恋愛などでもたらされる気持ちの変化を”ときめき”という言葉で表現しています。

 

そして、タイトルの【ときめきpart1】の”part1”については、”ときめいてる 初めて?”という表現がある通り、そのままこの”ときめき”が初めてであることを指して”part1”としているのだと思われます。

 

果たして、”part2”や”part3”はあるのでしょうか…まぁ、2人が付き合うことになるのであれば、一緒に過ごしていく時間が長くなれば、またこれから何度もときめくんじゃないでしょうかね?それは、2人のみが知るまた別のお話ということで…。

 

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