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69時限目:新月

新月

 

■アルバム『とげまる』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲156位でした。ちょっと、順位が振るわなかったですが、またいつものごとく、改めて聴いてみると、いい曲だとは感じることができます。

 

この曲には、PVがあるのですが、残念ながら、公式のチャンネルにもそれを確認することができませんでしたので、今回はPVのアップは無しですが、この曲のPVは、DVD『ソラトビデオCOMPLETE 1991-2011』に収録されていますので、見たい方は、そちらを確認するといいかと思います。僕自身は、この記事を書きながら、そのDVDに収録されているPVを見ています。

 

ただ、どんなPVか、口頭で説明だけしておくと、まずとても渋いPVです。白黒の映像…というより、真っ暗な空間に、メンバー全員が黒いレザージャケットを着て演奏・歌唱していて、暗闇にメンバーが浮かんでいるような映像です。その演奏風景に、時折、白いベールのようなドレスをまとったダンサーが踊っている映像が差し込まれてきます。(ダンサーの名前は、池田美佳というそうです。)

 


■この曲は、本当に美しい曲です。それは、美しさを通り越えて、怖いほどですね。イントロが長めで、ピアノの旋律がとても美しく響いています。それが、何となく、壊れ物に触るような儚さを演出しています。

 

こんな感じの曲、スピッツには珍しいと思います。バラードだけど、なんかバラードっぽくない感じ。草野さんやメンバーは、この曲について、シューゲイザーっぽい歌を作りたかった、と言っていますが、どうなんでしょうね。

 


シューゲイザーとは、説明が難しいので、wikiを引用させていただくとします。

 


フィードバック・ノイズやエフェクターなどを複雑に用いた深いディストーションをかけたギターサウンド、ミニマルなリフの繰り返し、ポップで甘いメロディーを際立たせた浮遊感のあるサウンド、囁くように歌い上げるボーカルなどがシューゲイザーの一般的特徴として挙げられる

 

特徴は、轟音で響くギター音と、ポップなメロディーを、抑え目にささやくように歌っているボーカル、という感じでしょうか。フワフワと浮かんでいる心地になる曲ですね。そう言われると、確かに【新月】という曲は、浮遊感が感じられるので、シューゲイザーっぽいと言えるんですかね。

 


■曲の解釈です。

 

何度も言っていますが、草野さんは、丸いものに”死”をイメージしているらしい、ということです。丸い物と言えば、例えば、”月”がありますね。”月”が出てくる歌って、結構スピッツの歌、つまりは、草野さんの書く詩に多いと思いますが、どうでしょうか。そして、個人的には、その”月”が出てくる歌はほとんど、”死”の気配を感じます。

 

そういうことを踏まえて、この【新月】という歌を読み解いていきます。

 


まず、タイトルから【新月】ですからね。”月”という言葉が、もろに使われています。ちなみに、”新月”とは、見えない状況の月のことですね。月が出ていないのではなく、月と太陽が重なっているため、つまり月の真裏に太陽があるために、光が当たっている面が見えない、ということです。

 

まぁ、原理はともかく、月が見えていない状態、ということです。これと、先述の草野さんの月に対する解釈をふまえると、【新月】で、”死が見えない状態”あるいは”死が霞んでいる状態”と考えることができます。

 


■”死が見えない”あるいは”死が霞んでいる”とは、どういうことか。

 

単純に考えると、死に対する恐れが消えている、という感じでしょうか。死を覚悟した、だとか、死を決意した、とも解釈できるかもしれません。

 


ここで、歌詞を読んでみると、

 


明日には会える そう信じてる あなたに あなたに
変わってみせよう 孤独を食べて 開拓者に 開拓者に

 


明日には会える そう信じてる あなたに あなたに
止まっていろと 誰かが叫ぶ 真中に真中に

 

などのフレーズが出てきます。前者と後者に共通する歌詞は、明日には会える、というフレーズですが、先述の解釈とつなげると、ここの表現はひょっとすると、死んで(おそらくは、自殺して)あの世に居る君に会いに行く、ということなのかもしれません。

 

後者には、”止まっていろと 誰かが叫ぶ”とありますが、これは、自ら命を絶とうとしている人を、止めようとしている、説得の言葉なのかもしれません。

 


しかし、”それでも 僕は逆らっていける”と歌詞は続いていくので、死ぬ決意は揺るがないようです。

 


■という解釈はどうでしょうか。他にも、ストーカーっぽい解釈もできそうだなとも思いました。とにかく、怪しい感じが漂ってきます。

 

まぁ、明るい感じではないです。孤独で悲しい歌のであるという印象です。