スピッツ大学

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119時限目:涙

【涙】

 

■ミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』に収録されています。個人的ランキング、195曲中190位でした…もう完全に記憶にない曲でした…すみません。聴き直しても、ピンときませんでした…。

 

今回聴き直してみて、やはり『オーロラ…』の曲は、スピッツの全曲の中でも異質だと、改めて思いました。

 

そもそもこの曲は、メンバーの演奏が入っていないですからね。歌詞カードのクレジットによると、チェンバロ、ストリングス(弦楽器隊)、ハープ、と書かれていました。これに、もちろん草野さんのボーカルが加わるわけですが、何となく、おしゃれで大人の雰囲気の漂う"LIVE BAR(ライブ・バー)"の隅っこで、演奏・歌唱しているようなイメージが浮かびました、見てみたいですけどね。

 


■これもまた、不思議な歌ですよね、”生”のイメージも浮かびますし、逆に”死”のイメージも浮かんでくるんです。どっちの方向に向いて、この曲を聴けばいいのか迷いどころではあるんですが、それらはあくまで独立しているのではなく、表裏一体で存在しているものだとも思います。

 


まず、”生”の方向に向いて、聴いてみます。

 

そうすると、この曲はまさに、”赤ん坊が生まれる瞬間”というイメージが湧いてきました。例えば、この辺りの歌詞、

 


壁に描いた緑色のドアをあけて
広がる 時の海

 


そして君はすぐに歩きはじめるだろう
放たれた魂で

 

”ドアを開けて”、”すぐに歩きはじめるだろう”などの表現から、赤ん坊が生まれて、その長い人生がはじまっていくような、そんな光景が浮かんできます。ドアの色が、なぜ”緑色”なのかは分かりませんが。”時の海”なんかも、こっちの世界(これから生きていく現実の世界)と捉えることができるかもしれません。

 


あとは、”君”に誰を当てはめるか、ですかね。

 


選ばれて君は女神になる
誰にも悟られず

 

という表現がありますが、”女神”という言葉が気になるところです。

 

まず、”君”に”赤ん坊”を当てはめるとすると、たくさんの遺伝子の中から、”君”が選ばれて生まれてきたんだよ、という意味につなげられる、と思います。生まれてきた子どもが、女の子だったのでしょうか、子どものことを”私の女神”とか”私の天使”とかって言いますもんね。

 

あとは、”君”に”母親”を当てはめることもできると思います。そうすると、”女神”という言葉自体が、”母親”になるという意味にそのままつなげることができると思います。

 


■”死”の方向に向いて、聴いてみます。

 

そうすると、たちまちこの曲のイメージが、”死んで成仏する”というイメージに変わります。

 

まず、歌詞の中に、”月のライト”という言葉が出てきます。これは何度もしゃべってきましたが、”月”という言葉を、草野さんは”死”の象徴として使っている、という節を時々感じることがあります。(【月に帰る】や【新月】や【空も飛べるはず】など。)

 

”月のライト”という、独特の表現にはなっていますが、何らかの”死”の象徴にはなっているとは感じます。

 


そうすると、”君”に当てはまるのは、”死んで成仏しようとしている人”になりますかね。

 

日本は仏教の国なので、死んだ人は”仏”になるという信仰がメジャーではあります。(だから”成仏”というんでしょうけど…)。歌詞では”女神”と、”神”にはなっていますが、おんなじようなイメージをしてみるとどうでしょうか。

 


■という、真逆の2パターンの解釈を書いてみましたが、先述したように、これらの解釈は、真逆でありながら、表裏一体でセットの解釈と考えることもできそうです。輪廻転生、生まれ変わり、そうでなくても、もっと基本的なこと…人は生まれて、いつか死んでしまう、と。そんな、人間の根源を感じることができる曲だと思います。