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スピッツ大学

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125時限目:ニノウデの世界

スピッツ全曲研究セミナー

【ニノウデの世界】

■アルバム『スピッツ』に収録されている曲です。後に、シングル『夏の魔物』のカップリング曲として、リカットされたそうです。

 

個人的ランキング、195曲中182位でした。うーん、インパクトには残っているんですけど、何でこんなに低かったのか…よく分かりませんね。

 

まさに、初期の謎曲ですね。一生懸命曲を聴いて、詩を読んで、考えてみるのですが、ほんとによく分かりません!まぁ…分からないなりにも、頑張って書いてみます。

 


■まず、書籍『スピッツ』にて、この【ニノウデの世界】という曲や、アルバム『スピッツ』のことについて語られていましたので、紹介してみます。

 

インタビュアーに、【ニノウデの世界】について触れられたときに、草野さんが答えた内容です。きっと、この曲単体の話ではなくて、アルバム全体、というとり、自身の制作活動そのものについての考え方の話なんだと思います。

 



草野:そういう漠然としたイメージを持った詞っていうのを持ってきて、それを各メンバーが聴いて各楽器でそのイメージを膨らましていくみたいな。

 

草野:(中略)言葉っていうのも全然関係ないようなとこからポッと入れたりとか、全然その曲のタイトルとつながらないような言葉とかをたくさん入れて、それで結局タイトルの言葉っていうのは出てこなかったにしてもそのタイトルをイメージさせるデッカいイメージみたいなのが構築されたらなっていう…。

 

この辺り、特に2つ目の語りなんかは、もう草野さんの詩の世界観の核心をついていますよね。最近(2016年現在)の曲は、割と具体的なイメージが膨らんでくる曲も多いような気がしますが、初期のスピッツの曲は、まさにこの語りにあるような曲が多い気がします。

 

言葉としてはバラバラで、突拍子もないところから、意味の分からない言葉がポンと投げられて、それでも全体を読んでみると、よく分からないけど、何となく一つの世界にまとまっている、あの不思議な感じ…”分かった気になっちゃう”と”全然わかっていない”という気持ちが、同時に存在している感じが、不思議で心地よくてそわそわするんですよね。

 

そういう意味で言うと、この【ニノウデの世界】という曲は、まさに初期のスピッツを象徴する、非常に大事な大事な一曲であると考えられます。

 


■ということで、この曲を色々と考えてみたいと思います。

 

まず、タイトルの【ニノウデの世界】ですよ、もうここから謎なんですよ、笑。”ニノウデ”とは、”二の腕”をカタカナ表記したものなのは間違いないんでしょうけど、そもそも何でカタカナ?っていう感じです。まぁ、確かに”二の腕の世界”じゃあ、何か雰囲気も出なくて、カッコ悪いですけどね。

 

スピッツの曲、草野さんが書く詩の中に、時々、漢字で書けるのに、わざわざカタカナで書いている言葉が出てきます。僕はその理由を、”きっと本来の意味とは違う意味合いでこの言葉を使っているよ!”という印であると、事あるごとに言っています。

 

ということは、この”ニノウデ”も、本来の”二の腕”という言葉の意味合いで使われていない…のでしょうか?うーん…zzz

 


僕のイメージでは、そのまま”二の腕”と考えてみると、腕で抱き締められている感じ、または、腕枕されて寝転がっている感じ、この二つの光景が思い浮かんできました。そういう2人だけの空間や時間を、”ニノウデの世界”と表わしているのではないでしょうか。

 


■僕は、この歌からはまず、”性”のイメージを受け取りました。

 

”性”のイメージ…というより”生”の方が近いですが…例えば、赤ちゃんがこの世に”生”を受けて、生まれてくる場面、というのが思い浮かんできたのです。

 


一番の歌詞は、

 


冷たくて柔らかな
二人でカギかけた小さな世界

 


タンタタンタン それは僕を乗せて飛んでった
タンタタンタン それは僕を乗せて飛んでった

 

などからは、何となく神秘的なイメージを受け取ったんですが…具体的には、受精の瞬間が思い浮かんだんです。そういう、赤ちゃんが”出来上がる”までの精神的な世界の話をしているのではないか、と思いました。

 

”カギかけた世界”…受精卵のこと?もしくは、”そういう行為”をしていた、ということを表わしているか?

 

”飛んでいった”…この歌の中に、”飛んでいった”という歌詞が出てきますが、物理的に飛んでいった、というわけではなく、宗教的な話っぽくなりますが、自分という”魂”が呼ばれて、”あの世”的な場所から飛んできて、受精卵に宿っていくような、そんなイメージです。

 



窓から顔を出して
笑ってばかりいたら こうなった

 

タンタタンタン そして僕はすぐに落っこちた
タンタタンタン そして僕はすぐに落っこちた

 

この辺りは、お母さんの体から生まれ出てくるようなイメージですね。”窓”とは女性器でしょうか?笑っているのは、何故かよくわからないですが…。”落っこちた”とは、まさに生まれる瞬間でしょうか。

 


■というのが、僕の解釈なんですが、色々調べて見ると、この歌に”死”のイメージを見出した例もあるようです。それは、Cメロに

 


思い出してはここで ひとり
煙の声だけ吸い込みながら

 

という歌詞がありますが、ここが”練炭自殺”を表してるのだと。ともすると、最初の”カギかけた世界”が、そのまま”密閉された部屋”となり、その部屋の中で、炭を焚いたのでしょうか。

 


■とにかく、不思議な曲ですよね。”タンタタタン”も謎ですし、最期の”石の僕は空を切り取った”も、よく分かりません。

 

うーん、【ニノウデの世界】、全く以って不思議な曲です。これが、メジャーデビューアルバムの一曲目とはね、笑。あいさつ代わりにしては、コアすぎる世界観ですね!でも、それが不思議とクセになってくる…?