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スピッツ大学

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130時限目:裸のままで

スピッツ全曲研究セミナー

【裸のままで】

 

■6枚目のシングル曲であり、アルバム『Crispy!』にも収録されている曲、というより、アルバム『Crispy!』からの先行シングルという位置づけらしいですね。個人的ランキング、195曲中73位でした。

 

6枚目のシングル曲ということですが、シングル曲をここまで続けて聴いてみれば、これまでとこの曲の雰囲気の違いには、容易に気が付くと思います。簡単に言うと、とても陽気でキャッチーだな、という印象を持つと思います、僕もそうでした。4枚目のシングル曲【惑星のかけら】とかと比べてみると…大分違いますね。

 

この曲を世に送り出すことに関しては、草野さんの、あるいは、スピッツメンバーの、今までとはちょっと違った想いが込められています(そうであると思います。)

 


■まず、シングル『ヒバリのこころ』とアルバム『スピッツ』でメジャーデビューしたスピッツでしたが、そもそもスピッツというバンドは、最初っからコアな方向を突き進むバンドで、おそらく、「売れよう!」という気持ちをメンバーが持っていなかったのだと思います。全く持っていなかったわけではないでしょうけど、そんなにこだわってはいなかったのだと思います。

 

それでも、デビューして活動をしていく中で、そろそろ何か成果を出さなければならない、という想いをメンバーが持つようになります。

 

そんな時期に、発表された作品が、シングル『裸のままで』やアルバム『Crispy!』でした。この時期の曲の特徴は、ホーンやストリングスなどを多用した明るい曲が多くなっています。歌詞もそれまでと比べると、明るくなっている…ような気がします…いや、でも相変わらず、そこはコアではあるかな。

 


■シングル『裸のままで』や、アルバム『Crispy!』は、非常に売れ線を意識した作品でありました。そして、草野さんの自信作でもありました。「ミリオンいく!」とさえ豪語していたそうです。並々ならぬ力を、これらに注ぎ込み、多大な期待を込めていたのでしょう。

 

しかしながら、これらがまた、これまでと同様にオリコンチャートに入ることはありませんでした。自信作として発表した作品だったはずが日の目を見ず、草野さんは相当なショックを受けてしまいます。

 

それでも、『Crispy!』収録曲で、後にシングルカットされる『君が思い出になる前に』がオリコンチャートに入り、そこからスピッツの名前が世に広がっていった、ということを考えると、この頃の活動は身を結んだ、ということにはなりますね。

 


■上述のようなことを、書籍『スピッツ』の中で、もっと草野さん風にしゃべっているところがありましたので、少し紹介しておきます。以下、語り手は、全て草野さんです。

 


…だから、もう『君を愛してる』って言葉は意味を持ってないって考えてもいいと思うんですよ。なんか『ポパイに載ってたからこの服を着てみよう』っていうような感じの。みんなが歌っているから一度ぐらいは歌ってみようっていう(笑)。

 


その服を着ることによってみんなと同じように見られちゃうっていう恐れがあったという。だけど、今はそういう服を着たって別に自分は自分だって思えるから。

 

色々、気持ちの変化があったんだということが分かる語りですね、笑。流行ものは嫌いだったけど、売れ線を狙うために使ってみようか、という感じでしょうか。

 


■それでは、この曲はどんなことを歌っているのか、考えてみます。

 

タイトル、【裸のままで】です。もうここから何か、エッチな歌なんじゃないか、という印象を受けますね、どうなんでしょうか。

 

僕の印象では、そういうエッチな側面はあるだろうとは思いますが、先に喋った事柄から、草野さんの決意表明的な側面もあるのではないか、とも思いました。

 


部分的に歌詞を読んでみます。

 


ひとりの夜くちびる噛んで 氷の部屋を飛び出したのさ
人は誰もが寂しがりやのサルだって 今わかったよ

 

これが出だしの歌詞です。読んでその通りのイメージが浮かびます。一人で過ごして物寂しい夜に、その寂しさに耐えきれずに、部屋を飛び出した、ということですね。歌詞を読んでみて分かることですが、この歌には”二人”というフレーズが出てきますので、部屋を飛び出して、誰かに会いに行く、ということだと想像できると思います。

 



そして時は ゆっくり流れ出す
二人ここにいる 裸のままで
どんなに遠く 離れていたって 君を見つめてる
ほら 早く! 早く! 気づいておくれよ

 

これがサビの歌詞です。ここに、タイトルにも使われています、”裸のままで”というフレーズが出てきますね。”二人ここにいる 裸のままで”ですからね、裸の男女が一緒にいる、とイメージするのが自然ですね。そこから、SEX中だったり、SEX後にイチャイチャしているところなどを想像しますね。

 


ただ、ここの男女は、どういう関係にあるのでしょうか。”どんなに遠く 離れていたって 君を見つめてる”というフレーズもありますが、ピロートークっぽくも聴こえますね、ベッドの上で口説いている感じです。

 

ただ、”ほら 早く! 早く! 気づいておくれよ”ですからね。あっちは、男の気持ちに気づいていなくて、気付いてほしい!と思っている、と考えるならば、相手は例えば、そういう商売をしている女…ということにもなるかもしれませんね。

 

悶々とした気持ちが収まらずに、”そういうサービス”をしてくれる店にやってきた、と。女の方は、仕事なので、相手をする男には恋愛感情などを持つことはありませんが、男の方はわがままに、自分だけを見てくれよ!と思っていると、そういう感じでしょうか、笑。

 


■まぁ、相手の解釈はさておき、エッチな解釈をするとするならば、上述のようになりますかね。

 

ただ、先に述べたように、この曲には、草野さんの決意表明的な側面もあるのではないか、とも思っています。この曲は、草野さんが売れ線を意識して作った曲だ、と説明しました。”君を愛してる”なんて、いつもは使わないような、ポピュラーなフレーズを使ったりして、要するにちょっと方向性を変えて、無理したわけですね。

 

そういう気持ちが、”裸のままで”という言葉に含まれている、と考えるとどうでしょうか。”裸”というものは、要するに”精神的に”という意味合いで、ゼロからまた始めてみよう、という気持ちを込めたのかもしれません。

 

まぁでもそうなると、”二人ここにいる”というフレーズに矛盾が生じてきますかね、相手がいると考えると、やっぱりエッチなのでしょうか、笑。



■あとは、おまけとして、これが心中の歌である、という解釈もあります。そう考えると、死因はクスリですかね。”そして時は ゆっくり流れ出す”とか、”地下道に響く神の声を 麻酔銃片手に追いかけた”などから、前者は、クスリを飲んで朦朧としているところ、後者は、度々出てきます、”草野さんの書く詩の神様は、死を象徴している”説にも由来していますね。

 

そう考えると、またちょっと歌詞も色々と別の読み方ができそうですか、長くなりそうなので、自由研究として置いておきます。”そういうつもりで”歌詞を読んでみる、というのも、また面白いですよ。

 

裸のままで MV

https://youtu.be/JnSryjy5eNw

 

MVも、とてもカラフルで、ユーモアが効いたものになっていますね、色々カオスですけど、笑。スピッツなりの、これらも売れ線ねらいなのでしょうか。