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58時限目:さらさら

【さらさら】


さらさら

さらさら

 

■38作目のシングル『さらさら / 僕はきっと旅に出る』に、両A面のシングル曲の片方として収録されています。アルバム『小さな生き物』にも収録されています。

 

比較的、新しい曲なので、個人的ランキングにはまだ反映されていません。でも、この曲はとても好きです。この曲が出るまでの時間や、出た時のことはよく覚えています。

 


■2011年3月11日、東日本大震災がありました。本当に、未曽有の出来事として、今でも自分の中に、深く深く刻まれています。

 

その震災の影響で、スピッツ20周年を記念して作られたDVD『ソラトビデオCOMPLETE 1991-2011』の発売を延期したり、草野さん自身も、心の調子を崩されて(”急性ストレス障害”と発表されていました)、ツアーなどを休まれたりしました。


そんな、草野さんも苦しんだであろう時期が続いて、確か、2013年に入ってすぐ、もしくは2012年の終わり頃だったと記憶しています、その頃、2013年に発売を目標にスピッツがアルバムを作っている、そこから先行してシングルが出る、というニュースが発表されました。きっと、そこまでいくには、色んな苦労だったり、音楽に対する葛藤だったりってのがあったんでしょうね、どこかのラジオでも、少し語っていました。

 

シングル『シロクマ / ビギナー』が発売になったのが2010年9月29日で、そこから、次のシングル(新曲)『さらさら / 僕はきっと旅に出る』が発売されたのが2013年5月15日です、およそ2年半ぶりくらいに発表された新曲でした。

 

新曲が聴けるということに、本当に喜びを感じたことを、今でもよく覚えています。震災とはあまり関係ないですが、この頃の僕も、色んな意味で変化の時を迎えていました。それと相まって、このシングルには思い出がたくさん詰まっています。たくさんの力を、またスピッツからもらいました。

 


■さて、曲の紹介・解釈に移ります。

 

まず、印象的なタイトル【さらさら】という言葉。色々と、どういう意味なんだろうって考えようとしましたが、どうやらあんまり意味はないそうですね。もともと仮タイトルだったものを、そのまま使っているだけだということらしいです。

スピッツには、面白い仮タイトルがたくさんあります、例えば『シャラポワ』とか、笑。そういう特集を、いつかやってみても面白いかもしれませんね。)

 


■僕がこの曲に関して抱いたイメージは、”眠れない夜の、恋人とのメールのやりとり”です。この歌は、男目線でしょうか、何かそんな気がします。

 

もしかしたら、恋人ではなく、想いを寄せている相手なだけかもしれませんし、この時勢、メールではなく、LINEとか、SNSとかかも知れません。

 


色々とフレーズを拾っていくと、

 

”素直になりたくて言葉を探す”…メールに打ち込む文章を探している、という描写。

 

”雨の音だけが 部屋をうめていく”…喋っているんではなくて、メールを打っているので、静かで雨の音がよく聞こえる、という描写。あと、雨の音は、不安の気持ちも表していると思います。

 

”だから眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ”…眠れないから、眠りにつくまで、メールで相手してくれよ。

 

”君の指先の 冷たさを想う”…メールを打っている、君の指の冷たさを思い浮かべている描写。

 

”知らない街から 手紙が届くような”…そのまま、メールのやりとりのことですかね。

 

”結び目はほどけそうでも まだ続くと信じてる”…メールのやりとりが途切れそうでも、まだゆるゆると続いている、という描写でしょうか。

 

などなど。他にも色々ありますが、探してみてください。

 


■震災の後に、初めて発表された曲ということで、その影響を受けていないわけではないと思いますが、この【さらさら】という曲に関しては、個人的にはあまり気になりませんでした。(一方で、片割れの曲【僕はきっと旅に出る】では、色々感じましたが、それはまた別のお話。)

 

まぁ、何でもかんでも、震災と結びつけるのは良くないことですが、あえて言うならば、【さらさら】の中でやり取りしている2人は、震災で離ればなれになったのかもしれません。前提を崩すならば、亡くなった恋人への想いを綴ったものなのかもしれません。

 

【PV】さらさら / スピッツ(こういうシンプルなPVが好き)

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