143時限目:ババロア
【ババロア】
■アルバム『三日月ロック』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中153位でした。
この曲もまた、独特ですよね。テクノっぽいと言いますか、ディスコ調と言いますか。そういう意味では、スピッツっぽくない曲だと言えるかもしれません。
wikiの情報によると、「スピッツ初のダンスビート。全編にわたってドラムが打ち込みで作成されている。」とありましたが、同時に、「随所で崎山の生ドラムも入っている」とのことです。打ち込みで入っているドラムの音が、「ドゥ、ドゥ、ドゥ、ドゥ…」って腹に響くのが、心地よいと同時に、何となくくすぐったい感じがします。
■さて、またまた難解な曲にぶち当たってしまいましたが、色々と考えてみたいと思います。
まず、曲とのつながりはさておき、”ババロア”って何だろう、って思うんですけど、何となくお菓子の種類?という程度の解釈しか持っていなかったので、そこから調べてみました。
意味としては、”牛乳・砂糖・卵・ゼラチンなどを混ぜ、型に流して冷やし固めた菓子”だそうです。何ていうか、ムースとかプリンとかに近い感じの、滑らかなお菓子っていうのをイメージしています。
”ババロア”という言葉は本来、”バヴァロワ”と書き、「バイエルンの」を意味する形容詞である、ともwikiにありました。
うーん、どちらにせよ、曲とのつながりは見えてこないですね、笑。
■タイトルはともかく、どういう曲なのか、考えてみます。
冒頭で述べたように、この曲はドラムが打ち込みで、規則正しく鳴っていますが、それが何となく、切迫感というか、何か焦らせるように胸に響いてくるんです。うまく言葉にはできないですけど、何か急かしているような感じがするんです。
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驚いて欲しいだけの 見えすいた空振り
ナイーブで雑なドラマ
もっと不様なやり方で 宇宙の肌に触れる
ババロア 会いに行くから
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サビはこんな感じですが、最後の部分に”会いに行くから”とあります。この辺りが、先ほどの急かされているイメージに繋がっているのかもしれません。つまり、”急いでいる”、”焦っている”のは、僕が君に会いに行く、という場面に当てはめることができるかもしれません。
全体的に歌詞を呼んだ感じでは、夜でしょうか。離れた場所に居て、ふとしたことから、君に会いたくなって、僕は急いで君の元へと向かっている、そういうイメージです。
”驚いてほしいだけの…”というフレーズも出てきますが、これは、急に会いに行ってびっくりさせたい、という男の気持ちの表れかもしれません。
そして、ここに”ババロア”という言葉が出てきていますが…よく分かりませんね。そういえば、アルバム『三日月ロック』に、【ガーベラ】という歌がありますが、その歌でも、相手に呼びかける感じで、”ガーベラ…”と歌われています。何なんでしょうね、草野さんなりの、女性に対する独特なあだ名なんでしょうか、笑。それだと、何となく柔らかい感じの女性が思い浮かびます。
■さて、この”会いに行く”というところを、色々と深読みしてみると、歌詞の中に、色々と考えさせられる表現があることに気がつきます。
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もっと不様なやり方で 宇宙の肌に触れる
ババロア 会いに行くから
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着地する日まで 暖かい嘘も捨てないでいる
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君がいた夏の日から止まらないメロディ
まっすぐに咲いた白い花
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まずこの辺り、”不様なやり方”、”着地”、”君がいた夏の日”などの表現を(多少無理矢理)つなげて考えてみると、死んだ君に会うために、飛び降り自殺して、あの世まで会いに行く、という解釈につなげることができませんか?
”着地する日まで 暖かい嘘も捨てないでいる”って表現、死のイメージがつきまとうとしても、僕ここすごく好きな歌詞なんですよね。
■あとは、先述しましたが、サビの歌詞、もう一度書いてみますが、
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驚いて欲しいだけの 見えすいた空振り
ナイーブで雑なドラマ
もっと不様なやり方で 宇宙の肌に触れる
ババロア 会いに行くから
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ここがひょっとしたら、自慰行為の描写なのかなっていう想像もしました。”見え透いた空振り”とかは、いかにもって感じがしますし、”宇宙の肌に触れる”なんかも意味深に思えてきます。
だから、この場合は、会いに行くといっても、夢の中だったり、妄想の中だったりっていうことになると思います。
■で、ババロアって、結局なんでしょうね。なんなのでしょうね、考えてみましょうね!おしまい!笑