147時限目:ビギナー
【ビギナー】
■37作目のシングル曲として、両A面シングル『シロクマ / ビギナー』として発売されました。アルバムとしては、『とげまる』に収録されています。
【ビギナー】に関しては、シングル『シロクマ / ビギナー』として発売される前に、デジタルシングルとして(いわゆる、ネットでダウンロード販売)発売になりました。僕は、楽曲などをインターネットで買うなんてこと、反対だったんですけど、CMで聴いた時に本当にいい曲だなぁって思って、初めて”曲をダウンロードする”ということを試みた曲でした。
この、”曲をダウンロードする”という行為について、草野さんがとある動画で少し語っていますので、紹介しておきます。(ちなみに語っているのは、『小さな生き物』発売時なので、【ビギナー】を直接解説したものにはなっていないですが…)
*
最近さ、曲をダウンロードで聴いてくれるような人も多くなったんですけども、それだと例えば、なんて言うの、CDのブックレットに、こーゆーところで録りましたよ、とか、こーゆーミュージシャンに参加してもらいましたよ、とかいうのが解説があったりするんですけど、そういうのまで、中々目を通してもらえないのは、残念な気がするんですけど…
*
と語っておられました。肯定も否定もしていないのだとは思いますが、草野さんの、”曲をダウンロードする”という行為についての考え方の一つなのでしょう。
■個人的ランキング、195曲中26位でした。僕は、この曲が本当に好きなんですよ。
先述の通り、これはCMで使われていた曲で…詳しく言うと、『ゆうちょ銀行』TVCMソングでしたが、それで聴いて、すごく短い間でしたが、本当に印象に残りました。ちなみに、こんなCMです(6分07秒あたりから)↓
今聴いても、ジーンときます。
この曲が発売になった頃は、僕の中でも、特に仕事関係で色々と苦しんでいた時でした。もうすでにその仕事は辞めてしまっているので、”前の仕事”と表現しますが、前の仕事をやっていた時期の中でも、一番つらい時期だったと思い出します。
何がつらかったの、と具体的に言われても、うまく説明できる自信はないけれど、上司に一人鬼のように怖い人が居たり、仕事場はまるで釜の中に入っているのではないかと思うほど、暑くて劣悪な環境だったし、色々苦しかったんです。
そんな中でも、”同じ船に乗った仲間”的な、結束感とも少し違うような…そうだな、あれは鎖に繋がれて、自分が逃げればみんな海に落ちてしまうぞ的な、使命感・連帯責任感でもって繋がれた、妙な仲間たちとともに、何とか頑張っていました。だから、辞めなかったのは、まさに”同じ苦しみを共にしている仲間がいるから”が理由になっていましたね。
そういうのを一気に思い出します、この曲を聴くとね。
■ということで、この曲に対する思いや解釈を語ろうかと思うのですが…今日は、少し趣向を変えてみます。
実は、【ビギナー】という曲を、まさにダウンロードして聴いた時に語った記事が、手元に残っておりました。その記事を書いたのは、2010年07月16日…現在(2016年11月)からさかのぼって、実に6年前の記事になりますが、より生に近い記事だろう、ということで、いつもの記事の代わりに載せてみます。言葉などがかなりざっくりとしていますが、手直しなど(ほとんど)無しで載せますので、そこはご愛嬌ということでお願いします。
***
<2010年07月16日 記事タイトル:ビギナー。>
今日初めて、携帯電話でCDを買った。
CDっても、ケースに入ってる見慣れたあれではなく、ダウンロード式のいわゆる配信限定ってやつ。
大体だ、CDっつーのはな、発売を待ちに待って、いざその日が来て自分の足でショップに行って、感動的に出会わくちゃいかん。そしてやっぱし、パッケージとか、歌詞カードとか、そーゆーのを眺めるのも大事なんだ。全部でCDであり「歌」ですから。
でも、まぁいーや。
買ったのは、スピッツの「ビギナー」という曲。
スピッツ先生がやられていることには間違いはありませんので、配信限定でも何でも、今回は特例で認めることにする、はいはい自分勝手。
ある日、CMで流れてて、一発でビビっときた。スピッツの新曲じゃん!ってなったけど、配信限定だと知って、がっくりきた。
アルバムで聴ける日を待とうと思ったけど、いや、どーしても今、全通しで聴きたい、ということで、思い切ってダウンロードに踏み切った。
懸念してた通り、全然買った気しねーな。
415円、加湿器…いやいや、歌詞付き。どう考えても、携帯でダウンロード中とか表示されて、メーターがグイーーーーーンってなるだけで415円のCDって、すげぇ騙されてる感じがした。
曲は、最高に良いです。今回のは、久々来たって感じ。
やっぱしね、草野正宗の書く詩は、ほんとに綺麗…だと思わない?日本一綺麗な詩に、日本一綺麗な声、最強の組み合わせだと思う、俺的に。
*
同じこと叫ぶ 理想家の覚悟
つまづいた後のすり傷の痛み
懲りずに憧れ 練り上げた嘘が
いつかは形を持つと信じている
*
この辺が、神懸ってると思う。全体を見ても、ひとつひとつ特別な言葉じゃなく、その辺にあるような簡単な言葉を繋いでるだけなのに、読むとすごく不思議な感じがするところに、この人の詩のすごさがある。
タイトルどおり、beginner…初心者っていう言葉どおり、この歌は、初心者、何か新しいことに踏み出した人に対して、優しくも厳しく、背中を押すような歌になっている。
ただ、単に「初心者」ってわけじゃなくて、そういう気持ち、最初に持っていた気持ち…夢とか希望とか恋愛とか、そーゆーものをいつまでも捨てれずに生きているような人も指しているんじゃないかなって、歌を聴いてて思ったんだ。
ぶちいい曲じゃけ、全員、買え!
***
■少し補足をさせてもらいます。
当時、新卒者に対する説明会にて、スピーチを任されたことがありました。一応は、同期のメンバーの中だと、頭はずいぶんと良い方だったので、任されたのだと思います。
そういうことがあって、”ビギナー”という言葉を聞くと、何となく新入社員というものも思い浮かべます。
ということで、ぶちいい曲じゃけ、全員、聴け!笑