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142時限目:バニーガール

【バニーガール】

 

■シングル『チェリー』のカップリング曲にして、アルバム『インディゴ地平線』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中38位でした。

 

【チェリー】に関して言えば、もう説明が要らないほど有名な曲ですが、そのカップリング曲である【バニーガール】も、隠れた名曲ですよね…まぁスピッツファンにとっては、別に隠れてはないですけどね。

 

でも何か、この曲に出会ったことに、すごく得したと感じた記憶があります。自分だけが知っているような秘密…本当は全然そんなことないのにね、スピッツのカップリング曲に、とても魅力を感じ始めたきっかけでもありました。今でも、本当に大好きな曲です、気持ちがスカッとロックナンバーですね。

 


■この曲について、色々と話してみます。

 

まず、草野さんがどこかでしゃべった(?)ことによると、この曲は「欽ちゃんの仮装大賞」を見ていて思いついた(作った)曲だということです。

 

「欽ちゃんの仮装大賞」、今の若い人はご存じですかね?ま、まさかの、おっさんおばさんだけしかもう知らない?最近もやってるようですけどね、あんまり見なくなりましたね、昔は見ていた記憶があるんですが。

 

で、草野さんがこの番組を見て思いついた、というところですが、そのものずばり、アシスタントの女性が、番組内で”バニーガール”に扮しているんです。そのバニーガールを見て、曲とどう繋がっているかは分かりませんが、草野さんは【バニーガール】という曲を思いついたんだそうです。

 

 

■続いて、書籍「スピッツ」には、こんな風に書かれていました。語っているのは、草野さんです。

 


他の人達との一番大きい違い、すごいポップであることは否定できないんだけど、その違いはすごいポップなものの中にある変態性みたいな部分なんで、そういうものを大事に守るという(笑)

 

だから、今回も”チェリー”1曲だったら変態度が足りないと思って”バニーガール”って曲を入れるとか(笑)…

 

これはもう…何て言ったらいいか、笑。僕もこれまで、スピッツの曲に対して散々、変態、変態と言ってきたんですけど、そこには多少の申し訳なさと言いますか、少しは自重しよう的な考え方はあったんですよね。でも、ここを読んだ限りでは、もう遠慮する必要はないのかな、笑。

 


■ということで、上述のことを…どう踏まえたらいいのか分かりませんが…曲の解釈をしてみたいと思います。

 


これも結構な謎曲だと思うんですよ。まずね、出だしがこんな感じです。

 


寒そうなバニーガール 風が吹いた
意地悪されて 震えていた
恋は恋は 何故かわがままに
光のシャワーを 闇に向けた

 

歌詞を読んだ限りでは、恋愛のもつれみたいなものがあって、ちょっと落ち込んでいる女性の姿がイメージできます。

 


しかしですよ、この後にこう続きます。

 


俺もまたここで続けられそうさ
そんな気がした曇りの日

 

唐突な”俺”の出現です。しかも、”ここで続けられそうさ”ですからね、どこがどうつながっているんでしょうか。例えば、単純に考えてみると、”俺”は落ち込んでいる女性に恋に落ちた、とかでしょうか。

 

2番では、”名も知らぬ君に 気に入られようと”というフレーズも出てきますので、落ち込んでいる女性を励ましたい、という気持ちから、自分の存在や気持ちに気付いてほしい、弱っている君の側に居たい、と頑張っている”俺”の姿を想像しました。

 


■つづいて、2番にこんな歌詞があります。

 


「いいなぁ いいなぁ」と人をうらやんで
青いカプセルを 噛み砕いた

 

ここの”青いカプセル”については、薬を飲んで命を絶とうとしている、という解釈もあるようです。”青”が”青酸カリ”の隠語になっているとか、色んな派生はあるようですが、とにかく自殺を図っている解釈があります。そうなると、今度は”俺”との関係性がまた謎になってきますが…。

 


■あとは、サビですね。

 


Only youの合図で 回り始める
君と落ちてく ゴミ袋で受け止めて

 

ここの歌詞は、”落ちてく”とありますが、ここも先ほどの自殺云々の解釈につなげて、飛び降り自殺や、薬で朦朧としている解釈があります。あとは、SEXをして、快楽に堕ちていくという解釈もありだと個人的には思います。"君と…"という言葉がかかっているので、自殺にしろ、性的な表現にしろ、二人で落ちていく、という意味合いに取ることができるかもしれません。

 


そして、”ゴミ袋で受け止めて”という独特な言い回しに関してですが、これも書籍「スピッツ」の中で、”受け止める”という言葉に関して、ちょっと触れられている部分がありました。インタビュアーが「今回、すごくびっくりしたのは、”受け止める”という歌詞がたくさん入ってるんですよね(アルバム『インディゴ地平線』に対して)」としゃべっています。

 

それに対して、草野さんは、「あぁ、”受け止める”多いんだあ。逃げないように(笑)。無意識、無意識。」と語っています。ここの、”逃げないように”という言葉が、ちょっと引っかかります。

 

意味はよく分からないですが、君がどこにもいかないように、という”俺”の気持ちを表しているのでしょうか。

 


■ちょっと解釈が散らかったので、まとめてみます。

 

”バニーガール”という言葉から、草野さんは、例えば、都会に住むある女性のストーリーを想像したのかもしれません。”寒そうな”という言葉から、細々と暮らしているような、そんな様子を受けました。

 

そこに、”俺”の出現です。これは、草野さんが”バニーガール”に対して思ったことを具現化したものであり、想像の物語に出現させた”バニーガール”の相手
だということになります。

 

もしかしたら、この(勝手な)想像で、草野さんは”バニーガール”を救おうとしたのではないでしょうか。この”バニーガール”は、恋愛でうまくいってないかもしれない、周りから意地悪をされているかもしれない、と、わざと不遇な生活を想像したのです。その上で、でも大丈夫だよ、”俺”はここにいるから、と。

 

感受性の強い草野さんのことだから、「欽ちゃんの仮装大賞」なんて派手な番組で、ひとり立ちつくす”バニーガール”にさえ、自分の姿を重ねたのかもしれません。俺も頑張るから、君も頑張ってね、という風にね。