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152時限目:船乗り

【船乗り】

 

■シングル『遥か』のカップリング曲であり、スペシャルアルバム『色色衣』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中50位でした。何ていうか、重厚で渋い曲ですよね。名カップリング曲のひとつだと思っています。

 


■【船乗り】という曲の誕生の話を、書籍や「色色衣座談会」などをたどりつつまとめてみます。

 


まず、マイアミショック(バンドの意向とは別に、ベストアルバムが発売になったという出来事)以前、つまり『フェイクファー』『花鳥風月』が発売になった後、スピッツは音作りを試行錯誤していました。具体的には、『フェイクファー』は、書籍の中で「音が暗く、沈んでいるように感じた」「音の迫力もあまりない」などの感想を、メンバー全員がそれぞれ語っていますが、それを解消するためでした。

 

そういうわけで、音作りを試行錯誤していく中で、レコーディングやミックスをアメリカで行う、という試みが成されました。

 

【船乗り】という曲も、その試みで生まれた曲で、どうやらレコーディングは日本で、ミックスをアメリカで行った曲であるらしいです。通常、レコーディングは、まず楽器ごとに分けて録ります…ギター、ベース、ドラム、ボーカルなど。そして、それらを合わせて、一つの音源にすることを、ミックスダウンという風に言うわけです。要は、それらを別々の地で行ったということですね。

 

実際、その試みは功を奏して、メンバーも満足いく出来になったようです。素人耳で聴いても分かりますよね、『フェイクファー』と比べると、一気に音の迫力が増しているところはね。

 


まぁ、そういう試みの最中に、”マイアミショック”が起こりますが、そういう試行錯誤、アメリカでの経験が、後のスピッツの再生、アルバム『ハヤブサ』発売へと繋がっていくわけですね。

 


■そんな、”日本生まれ・アメリカ育ちの曲”、とでも言っておきましょうか、【船乗り】とは、じゃあどういう事を歌っているのか、考えてみます。

 

まぁ、大きなくくりとしては、”俺”と”君”の恋愛関係を歌っている歌だと思うんですけど、個人的に僕はもっと大胆に考えて、”結婚式”の風景を思い浮かべました。まさかの”ウェディングソング説”は、どうですかね?

 

よく、結婚することに対して、”二人の新たな門出”みたいなことが言われますよね。この門出のことを、”船出”と例えているのかな、という印象を受けました。”船乗り”という言葉は、まさに今漕ぎ出そうとしている、二人の船の舵を取る男性の決意を表わした言葉なのではないでしょうか。

 


歌詞をなぞってみると、例えば

 


大事な日忘れないで すぐに終わりがあってもね
並んで怖いほど 胸が高鳴り容赦なく

 

遠いところまで君を連れていく
風に尋いてくれ

 

という部分。”大事な日”とは、まさに、結婚の日(結婚記念日)のことでしょうか。”忘れないで”と言いつつも、”すぐに終わりがあってもね”と言ってしまうのが、草野らしさなんでしょうか。そういう結婚の幸せが、愛の誓いが、いつまでも続くとは限らないけど…ということなんでしょうかね、笑。

 

あとは、”遠いところまで君を連れていく”という言葉ですよね。二人で同じ船に乗って、新しい生活へと船出をするわけですけど、男の方が言ったんでしょうね、「俺についてこい!必ず幸せにするから!」とね。そういう男らしさを感じる言葉でありつつ、ここでもまた、”風に尋いてくれ”と歌っていますね。「いや…でも、未来は分からないけどね…」とでも付け加えているんでしょうか、笑。

 


■他、気になる歌詞を引っ張ってみると…

 

”ネイビーの雲赤い空 渡る鳥も一緒に歌う”…この辺は何でしょうね、カラフルで賑やかな感じで、祝われている感がしますね。

 

”始まりのときめき 本当に俺は生まれていた”…面白いですよね、こういう表現も。結婚を喜び、自分が生きていることを感じている、という感じですか。

 

”幼いフリをして あんな言葉もいいかもね”…これは、結婚の誓いの言葉でしょうか。まだまだ若くて未熟だけど、誓った言葉は嘘じゃない、ってことなんでしょうか。

 

などなど。その気になれば、また色々と読み取ることができますけどね。

 


■まぁ、別に”結婚”に限定しなくても、単純に”デート風景”とかを思い浮かべてみても良いんじゃないですかね。

 

実は僕も、最初のイメージは”デート”だったんですけどね。”胸が高鳴り容赦なく”って、内心はめちゃくちゃドキドキしているんだけど、”遠いところまで君を連れてゆく”と強がって、頑張ってエスコートしようとしている男性の姿を思い浮かべました。

 

そうすると、”船乗り”とは何でしょうか、デートの舵を取るように頑張る、と考えても良いですが、一番単純なのは、池でボートを借りてオールを漕ぐ、という風景でしょうか。色々と、想像はつきませんね!