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177時限目:三日月ロック その3

【三日月ロック その3】


三日月ロック その3

三日月ロック その3

 

■シングル『スターゲイザー』のカップリング曲であり、後にカップリング曲・カバー曲集であるスペシャルアルバム『おるたな』にも収録されました。

 

個人的ランキング、195曲中55位でした。一方、スピッツ大学で行っているスピッツランキングの途中結果において、(第2回の時点では)堂々の12位に輝きました。ここだけではなくて、どこのスピッツランキングを見ても、人気のある曲だというイメージです。まさに、名カップリング曲と言っても良いでしょう。

 


■まず、この特徴的なタイトルですよ。”三日月ロック”というタイトルも、十分特徴的であると言えますが、さらに”その3”ですからね。

 

スピッツは、2002年9月11日にアルバム『三日月ロック』を発表しました。このアルバム名は、wikiなどを参考にすると、どうやらレコ―ディングを行っていたスタジオの一つ、「CRESCENTE STUDIO」が由来になっているらしいですね。CRESCENTE(クレセント)とは、日本語に訳すと”三日月”となり、それだけではインパクトに欠けるということで、それに”ロック”という言葉を付け足して、”三日月ロック”という造語をアルバム名にしたということだそうです。

 


ところで、スピッツのアルバムには多くの場合、表題曲があるのが通常です。つまり、アルバム名と同名の曲が、アルバム自体の収録曲に含まれているということです。個人的には、スピッツのアルバム表題曲には、特に名曲が多いなと思っています。【フェイクファー】【インディゴ地平線】【漣】【醒めない】など、どれも名曲ですよね。

 

それを踏まえて改めて見てみると、上述の例外として、このアルバム『三日月ロック』には表題曲がありません。(個人的に、【けもの道】が表題曲に位置付けられると思っているんですが、どうですかね)


そして、時が経ち、2004年1月21日に、シングル『スターゲイザー』が発売になりましたが、そのカップリング曲に『三日月ロック その3』が収録されました。アルバム発売から、およそ1年と半年後のことです。珍しいですよね、”その3”は付いていますが、かつて発表したアルバムのタイトルを曲名に冠して、新曲として改めて発表するなんてね。

 

この曲に関しては、まさに「アルバム『三日月ロック』に表題曲が無かったため」作られたんだそうです。ただし、楽曲”三日月ロック”は、同タイトルで3パターン作られたそうですが、そのうち”その3”を音源化し、”その1”と”その2”は、現時点まで(多分、今後も永遠に…)未発表のままになっています。ライブで短く演奏したことはあるそうですね。

 

まぁとりあえず、こういうちょっと変わった経緯で、【三日月ロック その3】は生まれ発表されました。それがこんなに人気曲になるんですからね、驚きです。

 


■あとは、アルバム『三日月ロック』という作品については、例えば、書籍「旅の途中」などによると、このような表記があります。

 


音楽は贅沢な楽しみかもしれない。それでも、心の中にある不安をなくすことはできなくても、和らげることができるんじゃないだろうか。
(中略)
そんな思いで作った「ハネモノ」を出発点にして、そこから本格的に『三日月ロック』の制作がスタートした。

 

これは、例えば大きな出来事としては、「9・11同時多発テロ」などを受けてのことです。そして、偶然か必然か、アルバム『三日月ロック』の発売は、テロのちょうど1年後となりました。

 

悲しみに包まれた世界に対して、草野さんは、一旦は音楽をやること・歌っていくことに無力さを感じたものの、カルピスのタイアップ曲となった【ハネモノ】の制作を通じて、少しずつ上述のような前向きな気持ちになったということです。

 


…何か、僕はこうやって書籍を読んで、それを引用して、分かった気になることしかできないですけど、感慨深いですよね。

 


■ということで、長くなりましたが、【三日月ロック その3】の話をしないとですよね、笑。

 


しかし、歌詞を読んだ限り…どうですかね、長々と書いてきたような想いが、直接歌詞に反映されているんですかね。例えば、

 


いいことも やなことも 時が経てば
忘れると言いながら じっと手を見る

 

などの歌詞は、確かに先述の想いが詰まっているなという感じですけど、全体的に読んでみても、そんなに繋げて考える必要はないのかな、という印象です。

 


一方で、例えば、

 


色あせないドキドキは 形だけ変わっていくのだ
次いつ会えるかな

 


泣き止んだ邪悪な心で ただ君を想う

 

など、誰かのことを想ったり、その誰かと会えることを望んでいるという描写が出てきます。こういうときは、恋人だったり、好意を寄せている異性を想っているのではないか、という風に、どうしても自然と想像が及びます。

 

”泣き止んだ邪悪な心”というのも、面白い表現ですよね。意味は、どういうことでしょうか。泣くと余計な想いは全部洗い流されて、残ったのは君を想う心だけだった、といったところでしょうか。それは、むしろ純粋で素直な心のような気もしますが、それを邪悪と表現するのも、何か意図があるんでしょうかね。

 


■と読んでいくと、”三日月”というフレーズが、サビに表れます。

 


すぐに暖めて 冷やされて 三日月 夜は続く

 


いつか跳ねたいな 二人して 三日月 夜は続く

 

この2つのフレーズはどちらとも、先ほどの”泣き止んだ邪悪な心で ただ君を想う”に繋がっていきます。こう読んでいくと、”三日月”という言葉が、何か唐突に出てきている印象です。

 

例えば、素直に読むと、君を想いながら、夜にひとり寂しく三日月を見上げて、たそがれているというイメージができます。

 


あとは、いつも通り、ちょっと想像を歪ませて…三日月=男性器として考えてみました。とがっているものには、草野さんのことだ…と、どうしても”卑猥なモノ”を想像しようとしてしまうのは、もう僕の頭もバグって…いやいや、良いか悪いか、深読みしてしまうんですけどね。

 

じゃあ、三日月=男性器だとすると、君のことを想いながら、男性がしていることとは…ひとつしかありませんよね、笑。そう考えると、”いつか跳ねたいな 二人して”という表現も…ですよね、ご想像にお任せします、笑。

 


■まぁ、ぶっとんだ想像はさておき、とにかく名曲です!シングル集が発売され、この頃スピッツに興味を持って、聴いてみようかな、と思っている方も居られるかもしれませんが、ぜひカップリング曲もチェックしてみてください。まとめて聴くならば、アルバム『花鳥風月』『色色衣』『おるたな』をお勧めします!