スピッツ大学

ステイホームしながら通える大学です!

レコ発記念演奏会 スピッツカバー#3 : コメット

いつも通り、腕前の方はご愛嬌を、ということで。

 

アルバム『醒めない』発売記念&

スピッツ結成29周年記念&

スピッツ大学1周年記念&

スピッツ大学50万PV突破記念

せっかくだから

新しいアルバムから一曲(色んな意味で)やっちゃおうカバー

 

youtu.be

 

…弦も替えないといけないけど、それより根本的に、ギターも買い換えたいなぁ…。このギター、実はもうかれこれ15年前に、(今は亡き)父親に買ってもらったものなのです。ギターの腕は一向にうまくならないまま、”ミーコのギター”並みに手垢まみれのギターになっちゃいました、笑。フレットもすり減っちゃって、バレーコードなど(特に6弦)がビリビリ鳴るし。少しでもごまかすために、常時、半音下げチューニングにして(BUMPを練習することもあるので)、1フレットにカポタストをつけてますが、これもギターにはあんまりよくないことなんですよね。動画では見えないですけど、色々ぶつけてきたので、ボディに穴が開いてますからね。

特講:アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”

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図、左:MUSICA 右:アルバム『醒めない』

 

■ついに出たねー、スピッツの15thアルバム『醒めない』が!ついでにセットで、MUSICAも買ってしまった。アルバムを通しで何度も聴きながら(リアルタイムで現在は、ラジオでSOLを聴いている)、この記事を書いているところ。

 

収録曲の個々の詳しい解釈や紹介は、きっとまだずいぶん後になると思うけど、アルバムの全体的な感想などを、熱が”醒(冷)めない”うちに書いておこうと思います。アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”だね、笑。

 (アルバム『醒めない』に収録されている曲は、”スピッツ全曲研究セミナー”にて紹介するつもりだけど、そこのルール上、それ以前のスピッツの曲を紹介し終わってからになるので、まだ当分あとになりそうです!)

 

※これより先、少しばかり、アルバム『醒めない』とMUSICAのネタバレを含むので、それでも良いと思う方は、読み進めてくださいね!

 

 

 


■通して聴いてみて、真っ先感じたことは、「とにかく明るいアルバム」だなということだった。スクールオブロックでも”最近の中でも元気なアルバム”と、MUSICAでも”明るい”という言葉で紹介されていた。

 

アルバムのタイトル、そしてそのアルバムの表題曲『醒めない』が表わしていることは、これも色んなところで言われているし、実際に聴いてみても感じることだけど、ロックに出会った頃の初期衝動から、未だに醒めていない、ということなんだと思う。

 

MUSICAでも、”楽しい”だとか、”自分がやりたいことができている”と、メンバーがしきりにそう言っているのが印象的で、本当にこのアルバムに関しては(いつもそうであるとは思うけど)楽しみながら作ったんだろうな、というのが、聴いていても感じることができた。楽しみながら作られた作品は、聴いてもやっぱりそれが伝わってくるんだよね。

 


■音的な印象としては、元気、明るい、そんな形容が似合うと思うけど、精神的な部分では、どういうものを感じ取ることができるだろうか。

 

通しで聴いてみて、このアルバムの中には、別れ・旅立ちの場面と、出会い・再会の場面があることに気が付く。ちょっと書いてみようか。

 


君ともう一度 会うために作った歌さ
今日も歌う 錆びた港で 【みなと】

 

幸せになってな ただ幸せになってな
あの日の涙が ネタになるくらいに 【子グマ!子グマ!】

 

見えなくなるまで 手を振り続けて
また会うための生き物に 【コメット】

 

戻らない 僕はもう戻らない
時巡って違うモンスターに なれるなら 【ヒビスクス】

 

また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね 【こんにちは】

 

正確には、【こんにちは】以外は、別れや旅立ちの場面を思い浮かべる。で、最後の曲である【こんにちは】で、出会いにつながっていくっていう感じかな。

 


というところで、またMUSICAの話になっちゃいますけど、その辺をこういう風に表現していた。結構、このアルバムの核心をついていると思う。

 


草:…そういう一貫したストーリーがあるアルバムを作ったら面白いんじゃないかってなんとなく思って。…結果的にそこまでにはなってないんですけど、再生の物語みたいなものを匂わせるコンセプトで作っていっていいかもって思ったところはありましたね。(中略)今回は全体的に『死と再生』みたいなコンセプトを貫けているかな。

 

草野さんの詩のテーマで、ずっと言われてきたのが、「死とセックス」というものである。死、とは、人生の終わりを意味しており、セックス(性)とは、つまり性=生として、人生の根元や始まりを意味しており、つまり「死とセックス」で、人生の始まりから終わりを表しているのだという…もう、このブログでも何度しゃべったっけなぁ、笑。

 

そして、今回のアルバムのテーマは、「死と再生」ですか。やっぱり、東日本大震災という未曽有の出来事の影響が大きいんだと思う。前作『小さな生き物』から特にそうだけど、スピッツの曲から”再生”というイメージを感じるようになってきた。

 

「死とセックス」だと、生まれてから死ぬまで…極端に言うと、死んだら終わりなんだという考え方だ。ただ、ずっと世界は世界のまま続いていくわけで、大切な人や物を失くしても、残された人の人生は続いていくわけでね。ということで、終わりは終わりじゃない、ということを、あの出来事から、これは草野さんだけではなく、誰もが感じたことだったと思う。

 


…とまぁ、大げさに言っちゃったけど、要は、前作『小さな生き物』が、旅に出る準備期間だとするならば、今作『醒めない』は、旅立ち、その道中、そして再会、という一連のストーリー、これらを総じて「再生」と表現しているのだと思う。

 

何て言うか、いつか誰かと別れなければならない時が来て、それは死別だったり、恋愛関係の終わりだったり、あるいはお互いに夢を追いかけるために、など様々な別れの形はある。全部が全部そうではないけれど、「また会おうな」って別れて、いつか再会できるときを想いながら、お互いの時間を一生懸命に過ごしていく。成長した自分…いや、決してそうでなくても、一生懸命に生きてきた自分を、お互い見せ合うために、そんな日が来ることを想いながら。

 

個人的に、このアルバムから感じ取った想いは、こういう感じかなぁ。また、長く聴いていくと、変わっていくと思うけど。 

 

 

■あと、上述のような話を象徴しているのが、”もにゃもにゃ”ですね、笑。曲名にもなっているけど、ジャケットに写っている、ネバーエンディングストーリーに出てくる聖獣ファルコン(分からない人は調べて見よう!)に似た生き物の名前が、もにゃもにゃであるらしい。

 

ジャケットには、子もにゃもにゃも写っていて、その子もにゃもにゃが、こんなにでかくなるまでずっと一緒にいた、ということで、もにゃもにゃはつまり、スピッツがこれまで音楽活動に費やしてきた時間であり、ずっと一筋に続けてきたロックに対する気持ちである…みたいなことも、MUSICAに書かれてたので、良かったら読んでみてください。

 

何より、来年でスピッツは30周年を迎えるわけだし、このアルバムも、メンバー全員が40代最後の作品であるらしい(これには、ただただびっくり!)。

 

そういう意味でも、新たな気持ちと、これまでと変わらない気持ちを持って進んでいこう、スピッツとしての「再生」の決意も込めた作品なんだと思う。

 

 

■ということで、原点回帰でもあり、新しい扉でもあるアルバム『醒めない』。どんどん聴きこんで、その身に、耳に、心になじませましょう。

 

今のところのお気に入りの曲は、アルバム曲に絞ると、【コメット】【ハチの針】【こんにちは】あたりかな。

 

youtu.be

スピッツ大学ランキング企画 途中結果について

■どうも、itukamitanijiです。今日は、タイトル通りなのですが、少し(になればいいですが)話をさせていただきます。

 

そんな話は聞かん!という方が居られましたら、3つの結論だけを聞いて、下のURLより、ランキング途中結果に飛んでください。

 


一、途中結果を、目標の1000人を4分の1ずつに分けて、250人,500人,750人,そして最終目標の1000人まで、区切って紹介していきます。

 

二、これからランキングに票を投じたい、と思っている人で、まだ投じていない方が居られましたら、票を投じた後、途中結果を見ていただきたい、と思っています。よろしくお願いします。

 

三、この記事に票を投じるのはやめてください、ちゃんとランキング企画用の記事のコメント欄に、ルールを守って投じてください。

 

第一回 ランキング途中経過
→ http://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2016/07/25/233059

 


■一、について

 

兼ねてより、ランキングの途中結果を公表することについて、色々と考えあぐねいておりました。理由は単純、「途中結果を公表することで、最終結果を発表する意義を失うのではないか」というものです。正直いうと、ある程度の票が集まれば、ある程度のランキングは固まってしまうのではないか、と思っています。特に、上位に関しては、そうなると思っています。

 

しかし、あまりお待たせするのは、申し訳ないかもな、とも思うようになりました。最初の方に、票を投じてくれた方は、7~8ヶ月前も前になるからです。

 

ということで、まぁ、いっか、何度も途中結果は公表すればいいか、という考え方にシフトチェンジしました。正確には、250人にはまだ至っていませんが、今回は最初ということで、お試しも兼ねて、もうやっちゃいます。

 

なお、今回は途中結果、ということで、記事にさくっとランキングを載せるだけに留めておきます。いつか、動画なんかも作って、しゃべったりしたいと思います。

 


■二、について

 

途中結果ということで、まだまだ票は募集中です。ここは、まだ企画終わりではありません。目標の1000人まで、予定通り、続けるつもりです。

 

そこで、これは僕のお願いなのですが、もしも、まだこれからランキングに票を投じたい、と思っている方がおられましたら、ぜひとも票を投じた後に途中結果を見ることをおすすめします。

 

理由は、2つの懸念からです。「先にランキングを見ると、それにより、投じようと考えている曲がぶれてしまうかもしれない」と、「根本的に、ランキングを見た満足感から、票を投じることをやめてしまうかもしれない」です。

 

なにとぞ、よろしくお願いいたします。

 


■三、について

 

これは読んで字の通りです。この記事、あるいは、ランキング途中結果の記事のコメント欄に、票を投じることはお控えください。企画自体の記事は、別の場所に用意しております。そこの記事のルールを読み、コメント欄に票を投じてください。(※投票期間は終了しました、ありがとうございました!)

記念日特講:スピッツ結成29周年、おめでとうございます

youtu.be

 

動画内でもしゃべっていますが、スピッツ結成29周年、おめでとうございます。いやぁ、ほんとにすごいですよね。29年ですよ!ずっと、ひとつのことをやり続けていく、ということに対して、僕はすごく勇気をもらった人間の一人です。これからも応援し続けます。

 

そして、私事ではありますが、このブログ、スピッツ大学も、ほぼ1周年を迎えました。これも、一重に、見てくださっている方々が居てのことです。あなたの存在が、とても励みになっています、本当にありがとうございます。今後とも、よろしくお願いいたします。

 

ということで、厳密には、スピッツ結成記念日は7月17日、そして、スピッツ大学創立記念日は7月25日、ということになるんですけど、これも動画内で話している通り、両方ともひっくるめて、7月17日に記念日にしたいと思います。つまり、

 

毎年7月17日は、スピッツ結成記念日&スピッツ大学創立記念日 とします!

 

決して、記念日のねつ造では…な、ないですよ。だって、なんかいいじゃーん、結成日と一緒だなんてね。

 

本当ならば、記念日特講ということで、何かもっと内容を決めてやった方が良かったと思いますが、何しようか、どうしようか、と悩んでいるうちに時間は過ぎて、あまり内容のないこんな動画になってしまいました。まぁ、来年の記念日とか、その他節目節目に、また何か企画を用意して、喋ったり歌ったりしようかと思っていますので、その時はまたよろしくお願いします。

 

ということで、僕が言うのも変な話ですけどね、これからも、スピッツスピッツ大学、共々よろしくお願いいたします。

127時限目:ネズミの進化

【ネズミの進化】


ネズミの進化

ネズミの進化

 

■アルバム『さざなみCD』に収録されている曲です。個人的ランキング195曲中53位でした。

 

『さざなみCD』は、【トビウオ】→【ネズミの進化】→【漣】→【砂漠の花】という、最後の4曲の流れが最高なんですよね。ノリノリにさせておいて、徐々に締まっていく感じが好きなんです。

 

音的には、ロックではあるんだけど、アコギの音も聴こえてきますし、何ていう楽器だろう、ジャンベとかコンガの類だと思いますが、民族打楽器のような音も聴こえてくるのも、特徴的ですね。

 


■しかし、僕がまず思うのは、草野さんって、よく生き物(の名前)を、歌詞やタイトルに使うよね、ってことです。偶然、前回紹介したのは【猫になりたい】でしたが、他にも言い出したらきりがないですよね。【オケラ】、【トンビ飛べなかった】、【魚】、【海ねこ】、【放浪カモメはどこまでも】など…鳥率が高いですけどね、笑。

 

それが爆発(?)したのが、アルバム『小さな生き物』だったのかなって思います。生き物賛歌、と言いますか、草野さんの中に、全ての生き物を讃える気持ちがあるんでしょうね。

 

それぞれの生き物に、色んな人間の姿を当てはめているのだと思いますが、この【ネズミの進化】に込められた想いは何なのでしょう…ほんと、何なのでしょうね、笑。

 


■これ、タイトルからイメージを膨らませて、そこから歌詞を読んで考えてみると、ん?って思うんです。

 

まず、タイトルが【ネズミの進化】じゃないですか。そこで、まず考えてみるんです…”ネズミ”ってどういう生き物だろうって。ネズミと一括りに言っても、色々ありますよね、ハムスターなどのペットとして飼うネズミはかわいらしく思えるかもしれないですが、ドブネズミなどの汚らしい場所にいるネズミは、忌み嫌われる存在だと思います。

 

それでも、共通して誰もが思い浮かべるのは、小さくてちょろちょろと動く、弱々しい姿だと思いますが、どうでしょうか。

 

ということで、【ネズミの進化】なので、僕としては、そういう小さな弱々しい姿から、大きくて強い生き物へと進化していくような、そういうイメージをタイトルから膨らませたのです。

 


■しかし、そこで歌詞を読んでみると、

 


言い訳するだけ悲しくて 涙しょっぱくても
いつか 目覚めたネズミになる

 


遅い気がしても 行けるだけ 行ってみようかな
いいよね? 小さなネズミになる

 

など。つまり、歌詞を読んだ限りでは、ネズミから進化するのではなくて、進化してネズミになる、という歌なのかなって思い直したんです。進化した先が、ネズミなのだと、そういうことになります。


いや、少し違うか。ネズミはネズミらしく、ネズミのまま進化する、と言った方が正しいか。ネズミであることへの誇りみたいなものを感じます。


じゃあ、そこに、どういう意図があるんでしょうか、と考えていくと、(少々大げさに言うと)この世の中を生きていくメッセージのようなものを、受け取ることができます。

 


■この歌には、個人的にすごくジーンとくる…とは、少し違うかもしれませんが、好きなフレーズが、たくさん出てくるんです。いくつか紹介します。

 



奴らにも届かない場所がある
すぐに狭い抜け穴 逃げ込めるような
小さなネズミになる

 

”奴ら”とは、要は自分たち(弱い者)とは対極にいる存在、つまり強者ということになりますね。弱い者には、弱いなりの生き方があるんだと。強い者には、決して見ること、経験することができない、そんな景色や生き方があるんだと、そういうメッセージを感じとります。

 



じっとしていたらたたかれて
素直に進めば潰される
よく見りゃいくつも道があり
実はその先も分かれてた

 

ここのフレーズ、なんかいいですよね。止まっていても、進んでも、結局はダメじゃん!どうすりゃいいんだ、って思っちゃいますけどね。”よく見りゃいくつも道があり 実はその先も分かれてた”ってね、色んな生き方があって、小さく弱いなりにも、たくましく生きていく方法はあるってことでしょうね。

 


■ということで、すごいですよね、草野さんは、ネズミに対してもちゃんと、尊厳を持っているってことなんでしょうか。

 

ネズミという存在を決して見下しているのではなく、何ていうか、”弱いなりの誇り”とでも言いましょうか、そういうものを、この歌からは感じとって、わけもなく勇気をもらいます。

126時限目:猫になりたい

【猫になりたい】


猫になりたい

猫になりたい

 

■シングル『青い車』のカップリング曲であり、後に、スペシャルアルバム『花鳥風月』に収録されました。個人的ランキング、195曲中5位でした。もう文句なし、スピッツ屈指の超名曲と言っても良いでしょう!古い曲ではありますが、スピッツファンには(それほどファンでない方にも?)、今でも特に人気の高い一曲だと思います。

 

この曲を僕が初めて聴いたのは、もうかれこれ20年くらい前ですよ、中学生の時です。アルバム『インディゴ地平線』『フェイクファー』『花鳥風月』をカセットテープに吹き込んで、飽きもせず何度も聴いたものです。だから、これらのアルバムの曲は、いつ聴いても懐かしい気持ちになります。

 

その収録曲の中でも、【猫になりたい】は、当時からもう自分にとって特別な曲でした。大人っぽくて、中学生の自分にはちょっと早かったのかもしれませんけどね。

 


■この曲は、トリビュートアルバム『一期一会』で、つじあやのさんがカバーしていますが、女性が歌うのもまた良いんですよ。

 

大学生の時、カラオケに行って、バイト先の女の先輩が突然、この【猫になりたい】を選曲して歌い始めたんです。「え!まじで!猫になりたい、知ってるんですか!?」と、テンションが上がったことがありました。そして、そのまま恋に落ちていたのです、笑。

 

まぁとにかく、【猫になりたい】に限らず、女性の方が歌うスピッツの曲って良いですよね。スピッツ曲の女性カバー、好きです。スピッツをカバーする女性の方、好きです。

 


■さて。色々とこの曲の情報を載せていきます。

 

まず、この曲は上述の通り、シングル『青い車』のカップリング曲になっているのですが、もともと【猫になりたい】をA面にする予定だったらしく、その名残りが残っているのか、シングル『青い車』のジャケットが、”猫”をモチーフに作られたものになっています。しかし…↓

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B00005FN4R

 

どうでしょう…猫???というより、ビンの上に、たわしを乗っけて、耳やひげをつけて、”猫っぽい”置物を作っている、という何ともシュールな絵面ですね、笑。

 

まぁ、それだけ準備周到だったわけですから、【猫になりたい】は、とにかくA面にしたかったほど、スピッツにとっては大事な曲だったのでしょう。A面でも面白かったでしょうけど、カップリング曲になったことで、名カップリング曲の一つとして、なおさら愛される結果になりましたね。

 


■あと、これは今回調べていて初めて知ったことですが、BS-iにて放送されていた、「恋する日曜日」という恋愛オムニバスドラマで、この【猫になりたい】という曲をモチーフにした一話が放送されたそうです。

 

タイトルは、ずばり「猫」だそうです。主演は、若かりし頃の前田亜季さんです…好きです。

 

 

ちなみに、「恋する日曜日」では、スピッツの【魚】をモチーフに作られた一話もあります。こちらの主演は黒川芽衣さんです…すごく好きです。

 


■ということで、ようやく曲自体の紹介をしましょう。

 

この歌に皆さんは、どんなイメージを持っていますか?名曲名曲と言われながらも、実はその辺りが、はっきりしないんですよね。というより、皆さんが、色んなイメージを膨らませていることだと思います。

 

そこで僕は今回、2つの解釈を書かせていただきます。

 


まず、一つ目の解釈。詞を素直に読んでみます。

 

”猫”というのは、どういう生き物か…気まぐれなクセに、甘えん坊の構ってちゃん、といったところでしょうか、笑。とすると、この歌の主人公(おそらく男)は、タイトルにもなっているように、”猫になりたい”と言っているわけなので、自分が猫になって、上手に(彼女に)甘えたい、構ってほしい、という願望を吐露しているわけですね。

 


猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

 

例えば、彼女とアパートの部屋に2人でいる(歌詞中の、”霊園のそばの このアパート”ですかね)。そして夜になって、男性の方は帰らなくちゃいけない、と。しかしながら、男性の方は、帰りたくない、もっと女性と一緒に居たい…願わくば、”猫”になって、いつまでも君の腕の中に包まっていたいと思っている、と、そういう感じでしょうか。

 

あるいは、もともと一緒に過ごすことは叶わなかった夜、離れて過ごす男女。そんな一人で過ごすのが寂しい夜に、君に会いたいなー、という願いを吐露している、というのも考えられるのかもしれません。(”ここに居たいよ”と、矛盾するかな?)

 


■二つ目の解釈。既出の解釈なのでしょうか。(こっちが有力か?)

 

ずばり言うと、これが”ストーカー”の歌である、という解釈なんです。ちょっとひねくれてますかね…。

 


まずは、この出だしのフレーズです。

 


灯りを消したまま話を続けたら
ガラスの向こう側で星がひとつ消えた

 

ここは、いかにもって感じがしますよね。この男は、歌詞に出てきている、”霊園の側のアパート”に住んでいる、と考えられますが、ここの歌詞の意味は、自分の部屋の灯りを消して、女性のいる部屋を観察している、と読み取れます。

 

”話を続けたら”とあるので、嫌がらせの電話でもしているのかも知れません。そして、”星がひとつ消えた”とは、彼女の部屋の電気が消えた、それを見届けるまで、彼女の部屋を観察していた、ということでしょうか。

 


他にも、少し挙げてみますと、

 

”砕けるその時は”…色々考えられますが、例えば、警察に捕まる時とかでしょうか。死ぬ時、と訳すのは、ちょっと考えにくいですかね。

 

”暖かい幻”…この流れだと、当然、彼女と一緒に居る、という妄想でしょうね。

 

”砂ぼこりにまみれて歩く 街は季節を嫌ってる”…この辺りからは何となく、男の暗い生活を思い浮かべました。季節とは、そのまま、男のことを表しているとかって考えてみました。何となく、時間に置いてけぼりにされた、悲しい人物像を感じます。

 


あとは、すでに載せましたがもう一度、サビの部分。

 


猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

 

ここは、解釈自体は、一つ目の解釈と結局は同じになると思います。実際に、彼女が猫を飼っているのかは分かりませんが、猫になって、彼女の側に居たい、という想いを表わしているのでしょう。

 

”消えないようにキズつけてあげる”…こっちの解釈だと、何とも意味深な表現になりますよね。

 


■長くなりましたが、最後に。

 

この曲を書いたのは、他でもない草野さんです。作詞をする以上、自分の姿を歌詞に投影することは、何ら不自然ではないのですが、特にこの詞では、特に一つ目の解釈で、草野さんの姿を思い浮かべました。(二つ目の解釈だと、ちょっと問題あるので、一つ目の解釈に当てはめました)

 

どんよりしたアパートで、ひとり詞を書いている。(当時付き合っていた)彼女に会いたい、と思いながらも、一人で歌詞を綴っている。音楽活動も忙しくなってきた頃なのかもしれません、少し忙しさを感じつつ、彼女も思い浮かべながら、”猫”よ、お前は自由気ままでいいよな、俺もお前みたいに気ままに過ごしてみたいよ、という想いを持ったのかもしれませんね。

 


あー、長いね!でも、【猫になりたい】がどんなに名曲か、それを伝えるには、どんなに綴っても足りませんね。ぜひ、自分の耳で(聴いたことのない人は)確かめてください。

125時限目:ニノウデの世界

【ニノウデの世界】


ニノウデの世界

ニノウデの世界


■アルバム『スピッツ』に収録されている曲です。後に、シングル『夏の魔物』のカップリング曲として、リカットされたそうです。

 

個人的ランキング、195曲中182位でした。うーん、インパクトには残っているんですけど、何でこんなに低かったのか…よく分かりませんね。

 

まさに、初期の謎曲ですね。一生懸命曲を聴いて、詩を読んで、考えてみるのですが、ほんとによく分かりません!まぁ…分からないなりにも、頑張って書いてみます。

 


■まず、書籍『スピッツ』にて、この【ニノウデの世界】という曲や、アルバム『スピッツ』のことについて語られていましたので、紹介してみます。

 

インタビュアーに、【ニノウデの世界】について触れられたときに、草野さんが答えた内容です。きっと、この曲単体の話ではなくて、アルバム全体、というとり、自身の制作活動そのものについての考え方の話なんだと思います。

 



草野:そういう漠然としたイメージを持った詞っていうのを持ってきて、それを各メンバーが聴いて各楽器でそのイメージを膨らましていくみたいな。

 

草野:(中略)言葉っていうのも全然関係ないようなとこからポッと入れたりとか、全然その曲のタイトルとつながらないような言葉とかをたくさん入れて、それで結局タイトルの言葉っていうのは出てこなかったにしてもそのタイトルをイメージさせるデッカいイメージみたいなのが構築されたらなっていう…。

 

この辺り、特に2つ目の語りなんかは、もう草野さんの詩の世界観の核心をついていますよね。最近(2016年現在)の曲は、割と具体的なイメージが膨らんでくる曲も多いような気がしますが、初期のスピッツの曲は、まさにこの語りにあるような曲が多い気がします。

 

言葉としてはバラバラで、突拍子もないところから、意味の分からない言葉がポンと投げられて、それでも全体を読んでみると、よく分からないけど、何となく一つの世界にまとまっている、あの不思議な感じ…”分かった気になっちゃう”と”全然わかっていない”という気持ちが、同時に存在している感じが、不思議で心地よくてそわそわするんですよね。

 

そういう意味で言うと、この【ニノウデの世界】という曲は、まさに初期のスピッツを象徴する、非常に大事な大事な一曲であると考えられます。

 


■ということで、この曲を色々と考えてみたいと思います。

 

まず、タイトルの【ニノウデの世界】ですよ、もうここから謎なんですよ、笑。”ニノウデ”とは、”二の腕”をカタカナ表記したものなのは間違いないんでしょうけど、そもそも何でカタカナ?っていう感じです。まぁ、確かに”二の腕の世界”じゃあ、何か雰囲気も出なくて、カッコ悪いですけどね。

 

スピッツの曲、草野さんが書く詩の中に、時々、漢字で書けるのに、わざわざカタカナで書いている言葉が出てきます。僕はその理由を、”本来の意味とは違う意味合いでこの言葉を使っているよ!”という印であると、事あるごとに言っています。

 

ということは、この”ニノウデ”も、本来の”二の腕”という言葉の意味合いで使われていない…のでしょうか?うーん…zzz

 


僕のイメージでは、そのまま”二の腕”と考えてみると、腕で抱き締められている感じ、または、腕枕されて寝転がっている感じ、この二つの光景が思い浮かんできました。そういう2人だけの空間や時間を、”ニノウデの世界”と表わしているのではないでしょうか。

 


■僕は、この歌からはまず、”性”のイメージを受け取りました。

 

”性”のイメージ…というより”生”の方が近いですが…例えば、赤ちゃんがこの世に”生”を受けて、生まれてくる場面、というのが思い浮かんできたのです。

 


一番の歌詞は、

 


冷たくて柔らかな
二人でカギかけた小さな世界

 


タンタタンタン それは僕を乗せて飛んでった
タンタタンタン それは僕を乗せて飛んでった

 

などからは、何となく神秘的なイメージを受け取ったんですが…具体的には、受精の瞬間が思い浮かんだんです。そういう、赤ちゃんが”出来上がる”までの精神的な世界の話をしているのではないか、と思いました。

 

”カギかけた世界”…受精卵のこと?もしくは、”そういう行為”をしていた、ということを表わしているか?

 

”飛んでいった”…この歌の中に、”飛んでいった”という歌詞が出てきますが、物理的に飛んでいった、というわけではなく、宗教的な話っぽくなりますが、自分という”魂”が呼ばれて、”あの世”的な場所から飛んできて、受精卵に宿っていくような、そんなイメージです。

 



窓から顔を出して
笑ってばかりいたら こうなった

 

タンタタンタン そして僕はすぐに落っこちた
タンタタンタン そして僕はすぐに落っこちた

 

この辺りは、お母さんの体から生まれ出てくるようなイメージですね。”窓”とは女性器でしょうか?笑っているのは、何故かよくわからないですが…。”落っこちた”とは、まさに生まれる瞬間でしょうか。

 


■というのが、僕の解釈なんですが、色々調べて見ると、この歌に”死”のイメージを見出した例もあるようです。それは、Cメロに

 


思い出してはここで ひとり
煙の声だけ吸い込みながら

 

という歌詞がありますが、ここが”練炭自殺”を表してるのだと。ともすると、最初の”カギかけた世界”が、そのまま”密閉された部屋”となり、その部屋の中で、炭を焚いたのでしょうか。

 


■とにかく、不思議な曲ですよね。”タンタタタン”も謎ですし、最期の”石の僕は空を切り取った”も、よく分かりません。

 

うーん、【ニノウデの世界】、全く以って不思議な曲です。これが、メジャーデビューアルバムの一曲目とはね、笑。あいさつ代わりにしては、コアすぎる世界観ですね!でも、それが不思議とクセになってくる…?

特講:あなたは、未だに”醒めない”何かを持ち続けているだろうか

■ついに、アルバム『醒めない』から、表題曲の【醒めない】が解禁になった!

 

まだ、short ver. だけど、短くても聴けてうれしかった。仕事場で気付いて、思わず仕事の手を止めて聴いちゃったもんなぁ、笑。…あ、当然、仕事はちゃんと取り組みましたからね!

 


■最初見た時には、よく見てなくて気が付かなかったけど、途中に出てくるメンバーの人形は、どうやらインディーズ時代のメンバーをモデルに作られたものらしいね。

 

そう言われると、リーダーも、ハンチング帽を被っているし、テッちゃんの髪型が、ラーメンズ片桐仁みたいな髪型になってるし、笑。崎ちゃんも、草野さんもそうだけど、確かにメンバーが昔の格好をしているように見える。

 

これの意味するところは(タイトルの意味にもつながるけど)、色んなところでもう言われているようだけど、2017年で結成30周年を迎えるスピッツメンバーは、未だに”ロックの衝動”から醒めていない、ということを表しているのだろうね。

 

初心を忘れていないこと、しかしそれと同時に、確かに成長してきた自分たちを見せていくこと。そういう思いが、アルバム【醒めない】に詰まっているんだろう、と考えてみると…ワクワクしてくるね!

 

曲の良さはもちろん、とにかくメンバーが楽しそうに演奏している姿が印象に残った。

 


■ということで。

 

あなたは、未だに”醒めない”何かを持ち続けているだろうか?持っている人も、そうでない人も、ガンガン聴こう!

 

アルバム『醒めない』は、7月27日発売!イヤーン、醒めないというより、待てない!

 

醒めない Short Ver.

youtu.be

 (※追記 ショートバージョンは、もう見れなくなってますね。)

特講:妄想ベストアルバムシリーズ

■今回の記事は、スピッツの曲だけで、色んなコンセプトの下で作ってみたベストアルバム(ベストマイリスト)を、ただ晒してみるという記事である。

 

では早速、妄想ベストアルバムシリーズ!

 


 

①月曜日など、気合いが入らない人のために
底抜けに気合いを入れたい時に聴くと、テンションが上がってくること間違いなしです。リアルに、ウォークマンに入れてます。

 

タイトル『気合いを入れてやる』

 

1.青春生き残りゲーム
2.放浪カモメはどこまでも
3.みそか
4.けもの道
5.エスカルゴ
6.TRABANT
7.ほのほ
8.ワタリ
9.バニーガール
10.恋する凡人
11.幻のドラゴン
12.不死身のビーナス
13.8823
14.メモリーズカスタム
15.夢追い虫

 


②気持ちを安らげたい時に
僕の場合は、天気が崩れると、途端に頭痛がする体質なので(気圧の変化で、どうも頭痛が引き起こされる模様)、そういう時は、こんな感じのを作って流して、横になっとります。

 

タイトル『頭痛が治らなくなった人のために』

 

1.宇宙虫
2.流れ星
3.水色の街
4.あわ
5.あじさい通り
6.魚
7.猫になりたい
8.田舎の生活
9.楓
10.みなと
11.ガーベラ
12.Y
13.ロビンソン
14.旅の途中
15.会いに行くよ

 


③飛びたい人のために
スピッツの曲には、”鳥”の名前がタイトルに入っている曲があるので、それをまとめてみた。結構、好きかも。

 

タイトル『鳥になってep』

 

1.鳥になって
2.放浪カモメはどこまでも
3.つぐみ
4.8823
5.トンビ飛べなかった
6.スワン
7.海ねこ
8.ヒバリのこころ

 


④一文字ベスト
スピッツの曲には、タイトルが”アルファベットや漢字一文字”の曲があるので、それをまとめてみた。

 

タイトル『いちもじCD』

 

1.今
2.渚
3.桃
4.P
5.魚
6.楓
7.涙
8.Y
9.漣

 


⑤R指定?
…もう、何も語ることはあるまい。少し、(個人的に)イヤーンな曲を集めてみた。

 

タイトル『イヤーン地平線』

 

1.たまご
2.甘ったれクリーチャー
3.海とピンク
4.名前をつけてやる
5.ローテク・ロマンティカ
6.波のり
7.僕はジェット
8.ナイフ
9.トンビ飛べなかった
10.グラスホッパー
11.おっぱい
12.うめぼし

 

 

あなたは、どんなベストアルバム(マイリスト)で、スピッツを楽しんでいますか?

124時限目:日曜日

【日曜日】


日曜日

日曜日

 

■アルバム『名前をつけてやる』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中113位でした。

 

”日曜日”なんていう、優しくて、どこか呑気な曲のタイトルではありますが、曲の雰囲気は、しっかりロックになっています。そういうギャップも、スピッツの魅力の一つだと思います。

 

えっ、このタイトルでこんなにロックなの!?って驚くことありますよね、【みそか】とか【エスカルゴ】とか【バニーガール】とかね、なんでそんなゆるいタイトルで、ロックになるんだって、つくづく草野さんの感性は変t…いや、天才的だと思います。

 


■それはそうと、この【日曜日】という曲…歌詞を読むと、一見すると”日曜日に楽しくピクニックにでも出かける歌”という感じに聴こえてきます。

 

しかし、僕としては、イヤーンなイメージなんですが、どうでしょうか。こんなにさわやかに、エッチな歌を歌われると、もう一周回って清々しい気分ですね。言葉のチョイスが面白いですよね、でもきっと、何かの隠語になっているものが多いと思うのですが、どうでしょうか。

 


いくつか…例をあげてみましょうか?


”戦車は唾液に溶けて”…うーん、戦車とは男性器の隠語でしょうかね。それが、唾液に溶けるんですからねぇ。

 

”幻の森”…曲の随所に出てくる表現ですが、もしかしたら、女性器の隠語なのかなとか思っていたり。上述の戦車と合わせて、”戦車は唾液に溶けて 骨の足で駆けおりて 幻の森へ行く”という部分が出てきますからねぇ。

 

”川をのぼり峠を経て”、”レモンの香る湖”…この辺も、何かの隠語になっているような気がします。”峠”は、女性の身体のラインかな、とか、”湖”は、またしても女性器とかって(でも、”湖に飛び込んだ君の背中”とあるので、何か別の隠語かもしれませんが)考えています。

 

”蜂になろうよ”、”淡い記憶の花”…男性を蜂(男性器)、女性を花(女性器)、と考えてみると、どうでしょうか。花に潜り込んで、蜂が蜜を探しているんでしょうねぇ。

 

などなど。

 


■あと、この曲のCメロ(”色白 ~ 魅かれたから”)の後、なぜか女性の甲高い笑い声が入っています。普通の笑い声っていうより、何かトリップして狂っている感じで怖いですよね。あと、上述の解釈と相まって、聴きようによっては、喘ぎ声にも聴こえます、こじつけでしょうか、笑。

 

まぁ、ひょっとすると、エッチな解釈につなげなくても、もっとメルヘンな曲なのかもしれません。頭の中のお花畑といいますか、白昼夢のような、そういう夢の中でみた風景なのかもしれませんね。

 

まぁ、僕はもう、エッチ派ですけどね、笑。