スピッツ大学

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132時限目:初恋クレイジー

【初恋クレイジー


初恋クレイジー

初恋クレイジー

 

■アルバム『インディゴ地平線』に収録されている曲です。個人的ランキング195曲中76位でした。

 

僕が、アルバム『インディゴ地平線』を初めて聞いたのは小学生の頃で、もう20年近くも昔になります。その中で、個人的にこの【初恋クレイジー】は、当初から印象に残っていました。

 

アルバムは、1曲目が【花泥棒】というパンクロックな曲で、それに続いて2曲目に【初恋クレイジー】が収録されています。【花泥棒】がノリノリなパンクナンバーである分、きれいなピアノの旋律で始まる【初恋クレイジー】は、イントロからはっとします。

 

それで、調べていたら、これはピアノで作曲した曲らしいです、草野さん自身が、「今までになかった」と語っていますので、ピアノ作曲は珍しいことだったのでしょう。

 


■今回はネットにて、【初恋クレイジー】という曲についての情報を色々と探した結果を、少しまとめて載せてみたいと思います。

 


まず、wikiの情報をまとめてみます。

 

この曲は、メンバーが最初、「シングルにして、ドラマの主題歌に。」と希望したそうです。しかしながら、「どうしても新曲を。」との意向があって、新曲の【スカーレット】を書き下ろしたそうです。そういう経緯があったんですね、この曲にはメンバーの特に強い思い入れがあったでしょう。

 

ちなみに、ドラマのタイトルは『メロディー』です…ちょっと記憶にないですね、笑。

 


あと、ネットを調べていたら、アルバム『インディゴ地平線』や、その収録曲についてのインタビューをまとめたのを見つけましたので、そこから少し引用してまとめてみます。(もっと早くに見つけておけば良かった!)

 

そこには、【初恋クレイジー】の話、というより、”初恋”というものへの、草野さんの想いがつづられていました。

 


(初恋という言葉が、最近はあまり使われない、死語のようだ、というインタビュアーの言葉に対して…)
草:昔、村下孝蔵さんのアルバムであった気がしますけど。昔のアイドルってイノセントな存在で、よく初恋を歌ってたけど、今はアイドルでもすぐにヌードになっちゃうような時代だから、初恋なんていってもしらじらしくなっちゃうんでしょうけど。あえて空々しい言葉を逆手にとったという意図もあるんですね、今回は。

 

草:でも、いい子ぶるわけじゃなくて、”初恋”ってイメージは僕にとってはすごくいいイメージで、愛しい言葉なんで、いつか使いたかったんですね

 

ということで、まぁ言わずもがな、【初恋クレイジー】という曲は、”初恋”というものを、草野さんなりに歌った歌であるということですね。

 


■まず、タイトルが”初恋クレイジー”です。”クレイジー”は、もう説明不要であるとは思いますが、英語で”crazy”と書き、意味は、気が狂ったとか、熱狂している様子などを表わす言葉ですね。時として、良い意味でも使われたりもしますけどね。

 

ということで、”初恋クレイジー”という言葉の意味は、そのまま”初恋に狂っている人”などと訳すのが適当かと思いますが、まぁ、狂っている、という言葉があまりに強すぎるので、”初恋に浮かれている人”みたいな感じでしょうか。

 

曲は、男性目線で描かれていますね。男性、というより、男の子、と言った方が、かわいらしくて良いかもしれませんね。

 


■全体的なイメージは、もう上述のようなことだと思いますが、素敵な歌詞がこの歌にもたくさん出てきますので、解釈・感想も踏まえて、少し紹介していきます。

 



見慣れたはずの街並も ド派手に映す愚か者
君のせいで大きくなった未来

 

これが出だしの歌詞ですが、いやぁ、これぞ草野節ですね、笑。”初恋”を、こんな言葉で言い表すとはね。もうすっかり見慣れた、いつもの景色も、恋をすることで、やけにきれいに見えたりするものだと、そういうことを歌っているのですね。それを、”君のせい”と言ってしまうのも、またニクいですね!

 

似たような曲で、【恋のはじまり】という曲がありますが、そこでも同じようなことを歌ってましたね。普段は、絶対に気にも止めない、花とか星とか、そういうものも、きれいだなってセンチメンタルに思っちゃう感じなんでしょうね。

 



軽いベーゼで満たされて 遠吠えしてた常日頃
違う四季はあっという間に過ぎて

 

ここもイイ!”ベーゼ”というのは、フランス語で、キスという意味だそうですね。ここで”キス”と言わないのが、またひねくれ者ですね、笑。要は、初キスに浮かれて、街中を叫びながら走りたくなるような衝動なんでしょうね。

 

”違う四季はあっという間に過ぎて”という表現も、また独特ですね。おそらく”違う四季”というのは、”春”以外の季節を表しているのだと思います。春という言葉は、恋愛とセットで使われるような言葉ですが、その”春”以外の季節があっという間に過ぎていった、ということで、心の中は常に”春”状態であることを表しているのだと思います…クレイジーですね!笑

 


あと、サビはこんな感じです。

 


誰彼 すき間を抜けて おかしな秘密の場所へ
君と行くのさ 迷わずに
言葉にできない気持ち ひたすら伝える力
表の意味を超えてやる それだけで

 

全体的に可愛らしい歌詞ではあるんですが、ここの”超えてやる”という言葉だけが、何か男らしい印象を与えます。まぁ、男らしいって言うより、頑張って強がっちゃおう感が漂ってきますけどね、笑。

 


初恋、と言っても、その意味合いをどう感じているかで、全然印象が違うと思います。幼稚園の時に、好きな女の子と結婚の約束をしていて、それを思い出して初恋と呼ぶ人も居れば、僕なんかは、本当に初めて人のことを好きになった経験は、大学生の時だったと思ってます。

 

きっと、この曲を懐かしんでいる方は、もう初恋からは大分遠ざかってしまっている年代の方々だと思いますが、この曲を聴いて、今一度、自分の初恋を思い出してみてはいかがでしょうか?笑

131時限目:ハチミツ

【ハチミツ】


ハチミツ

ハチミツ

 

■アルバム『ハチミツ』に収録されている曲です。見ての通り、表題曲になっています。アルバム自体が可愛らしい曲が多い作品ですが、特にこの曲は可愛らしい曲だと思います。

 

個人的ランキング、195曲中176位でした…個人的になんですけど、アルバム単位でも、『空の飛び方』『インディゴ地平線』などと比べて、『ハチミツ』は個人的に評価は低めです…まぁ結局は、全部好きですけどね、順位を見てもそのような傾向にあるようです。

 

表題曲ということで、アルバム『ハチミツ』自体の情報なども書いていこうと思います。

 


■まず、この時期のスピッツは、”スピッツ・バブル”の真っただ中にいました、笑。『ロビンソン』の大ヒット、『空も飛べるはず』のセカンドヒット、続く『涙がキラリ☆』『チェリー』『渚』も大ヒットしましたね。

 

その中で、メンバーの生活や、音楽に対する姿勢が変わっていったことが、書籍「旅の途中」を読んで知ることができます。

 


ドラマーの崎山さんは、この時期スランプを経験したそうです。詳しい状況は分かりませんが、自分のドラムプレイに悩んでいたようです。でも、読んだ限りでは、スランプと言うより、さらにうまくなるために越えるべき壁にぶち当たったような感じでした。

 

それで思い切って、一軒家を借りて、一日中練習できる防音スペースを設営したらしいです。素人目から見ると、この時期でもうすでに超絶うまかったですよ!って感じですけどね、プロフェッショナルですね。常に安定しているドラムプレイは、こういう努力から培われたものだったのでしょう。

 


草野さんは、『ロビンソン』のヒットを皮切りに、自分の音楽に対して、自信を持つようになってきた様子がうかがえました。アルバム『ハチミツ』も、草野さんやメンバーにとって自信作であったそうです。

 

その一方で、増え続けるファンの迷惑行動に悩まされていたことも書いてありました。自宅のチャイムを連発され、部屋で留守番していた当時付き合っていた恋人が怯えただとか、冬に自宅に雪だるまを作られ、それのせいで車が出せなくなって困ったりしたそうです。困ったでしょうね。

 


■作品自体に関しての情報を書いてみます。こちらは、書籍「スピッツ」の方にたっぷり書いてありました。少しだけ抜粋してみます、語り手は、全て草野さんです。

 


今は聴き手の顔も何となく見えるし。そう考えると、『ハチミツ』っていうのは、空を飛ぶということから一歩こう歩み出た形かなあ。『空の飛び方』っていうのは、一人で空を飛んでてみんなに「みんなも飛べるはずなんですよ」って言ってるようなアルバムだったけど…

 

というのが、アルバム『ハチミツ』という作品に込められた想いだったようですね。

 


そして、インタビュアーの「”空も飛べるはず”辺りから曲がガラッと変わってきたのは新しい彼女のせいじゃないか」という質問に対して、

 


彼女の変わり目が曲の傾向の変化をもたらすのはやっぱり大いにありますよ。…すごい自信を与えてくれる感じの子だから、自信を持ってやれるような感じかなあ。

 

だそうです。というわけで、【ハチミツ】という曲は、ご自身の彼女を思い浮かべながら作ったのでしょうか。

 


■ということで、長くなりました、肝心の【ハチミツ】の紹介・解釈に話を移します。

 

草野さんのアルバムイメージの説明にも、”一歩歩み出た形”というのがありましたが、それは”スピッツ・バブル”という言葉もあるように、自分たちの音楽が世間に認められはじめて、そこから自分たちの音楽に自信を持てるようになった、ということでしょう。

 

そういうところから、何となく、雲を突き抜けたというか、霧を抜けたというか、何かを乗り越えた感じの明るさを、このアルバムや、この【ハチミツ】という曲から感じ取れます。

 


■あわせて、この【ハチミツ】という曲は、恋愛系の歌になっています。

 


一人空しくビスケットの しけってる日々を経て
出会った君が初めての 心さらけだせる

 

素敵な恋人 ハチミツ溶かしていく
こごえる仔犬を 暖めて

 

これが一番の歌詞ですが、これはまさしく、すさんでいた気持ちが、”君”と出会うことで救われた、明るくなった、ということを歌っていると思います。

 

しけってるビスケット=男の心、そして、ハチミツ=彼女、ということですかね。しけって味気なくなってしまったビスケットに、ハチミツがかかって混じりあっていくような、そんな甘い恋愛が思い浮かびます。

 

”こごえる仔犬”とは、スピッツのことでしょうか。だとしたら、恋人は、自分はおろか、スピッツ自体も救ったのかもしれません。

 


ということで、ビスケットは草野さん自身、ハチミツは先述した、当時の恋人のことであると、読み替えてもいいかもしれません。

 

それまで(『ハチミツ』以前)のスピッツだったら、恋愛における別れの場面だったり、自分の想いを伝えきれない草食系男子のストーリーだったり、そういうのを歌っている印象が強かったですが、この【ハチミツ】は、言うなればラブラブな状況ですからね。何なら、ビスケットにハチミツが溶け込んでいくというのは、ちょっとエッチな場面かもしれませんが…どうでしょう。

 

そういう意味でも、このアルバムや【ハチミツ】からは、非常に前向きな草野さんの、スピッツの姿が思い浮かんできます。

 


■ということで、あまり歌詞は紹介できませんでしたが、他にも可愛らしい表現が多いですので、良かったら自分で確かめてみてください。

 

ハチミツ MV(メンバーが若いね!&アルバムジャケットの女の人の素顔が発覚!)

youtu.be

 

 

■ちなみに、アルバム『ハチミツ』が発売されたのは1995年ですが、アルバム発売20周年を記念して、2015年にトリビュートアルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute』が発売になりました。

 

様々なアーティストが、アルバム『ハチミツ』の楽曲をカバーしている作品です。この作品に関しては、別記事にて語っていますので、興味がありましたら読んでみてください↓

http://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2015/12/22/235526

130時限目:裸のままで

【裸のままで】


裸のままで

裸のままで

 

■6枚目のシングル曲であり、アルバム『Crispy!』にも収録されている曲、というより、アルバム『Crispy!』からの先行シングルという位置づけらしいですね。個人的ランキング、195曲中73位でした。

 

6枚目のシングル曲ということですが、シングル曲をここまで続けて聴いてみれば、これまでとこの曲の雰囲気の違いには、容易に気が付くと思います。簡単に言うと、とても陽気でキャッチーだな、という印象を持つと思います、僕もそうでした。4枚目のシングル曲【惑星のかけら】とかと比べてみると…大分違いますね。

 

この曲を世に送り出すことに関しては、草野さんの、あるいは、スピッツメンバーの、今までとはちょっと違った想いが込められています(そうであると思います。)

 


■まず、シングル『ヒバリのこころ』とアルバム『スピッツ』でメジャーデビューしたスピッツでしたが、そもそもスピッツというバンドは、最初っからコアな方向を突き進むバンドで、おそらく、「売れよう!」という気持ちをメンバーが持っていなかったのだと思います。全く持っていなかったわけではないでしょうけど、そんなにこだわってはいなかったのだと思います。

 

それでも、デビューして活動をしていく中で、そろそろ何か成果を出さなければならない、という想いをメンバーが持つようになります。

 

そんな時期に、発表された作品が、シングル『裸のままで』やアルバム『Crispy!』でした。この時期の曲の特徴は、ホーンやストリングスなどを多用した明るい曲が多くなっています。歌詞もそれまでと比べると、明るくなっている…ような気がします…いや、でも相変わらず、そこはコアではあるかな。

 


■シングル『裸のままで』や、アルバム『Crispy!』は、非常に売れ線を意識した作品でありました。そして、草野さんの自信作でもありました。「ミリオンいく!」とさえ豪語していたそうです。並々ならぬ力を、これらに注ぎ込み、多大な期待を込めていたのでしょう。

 

しかしながら、これらがまた、これまでと同様にオリコンチャートに入ることはありませんでした。自信作として発表した作品だったはずが日の目を見ず、草野さんは相当なショックを受けてしまいます。

 

それでも、『Crispy!』収録曲で、後にシングルカットされる『君が思い出になる前に』がオリコンチャートに入り、そこからスピッツの名前が世に広がっていった、ということを考えると、この頃の活動は身を結んだ、ということにはなりますね。

 


■上述のようなことを、書籍『スピッツ』の中で、もっと草野さん風にしゃべっているところがありましたので、少し紹介しておきます。以下、語り手は、全て草野さんです。

 


…だから、もう『君を愛してる』って言葉は意味を持ってないって考えてもいいと思うんですよ。なんか『ポパイに載ってたからこの服を着てみよう』っていうような感じの。みんなが歌っているから一度ぐらいは歌ってみようっていう(笑)。

 


その服を着ることによってみんなと同じように見られちゃうっていう恐れがあったという。だけど、今はそういう服を着たって別に自分は自分だって思えるから。

 

色々、気持ちの変化があったんだということが分かる語りですね、笑。流行ものは嫌いだったけど、売れ線を狙うために使ってみようか、という感じでしょうか。

 


■それでは、この曲はどんなことを歌っているのか、考えてみます。

 

タイトル、【裸のままで】です。もうここから何か、エッチな歌なんじゃないか、という印象を受けますね、どうなんでしょうか。

 

僕の印象では、そういうエッチな側面はあるだろうとは思いますが、先に喋った事柄から、草野さんの決意表明的な側面もあるのではないか、とも思いました。

 


部分的に歌詞を読んでみます。

 


ひとりの夜くちびる噛んで 氷の部屋を飛び出したのさ
人は誰もが寂しがりやのサルだって 今わかったよ

 

これが出だしの歌詞です。読んでその通りのイメージが浮かびます。一人で過ごして物寂しい夜に、その寂しさに耐えきれずに、部屋を飛び出した、ということですね。歌詞を読んでみて分かることですが、この歌には”二人”というフレーズが出てきますので、部屋を飛び出して、誰かに会いに行く、ということだと想像できると思います。

 



そして時は ゆっくり流れ出す
二人ここにいる 裸のままで
どんなに遠く 離れていたって 君を見つめてる
ほら 早く! 早く! 気づいておくれよ

 

これがサビの歌詞です。ここに、タイトルにも使われています、”裸のままで”というフレーズが出てきますね。”二人ここにいる 裸のままで”ですからね、裸の男女が一緒にいる、とイメージするのが自然ですね。そこから、SEX中だったり、SEX後にイチャイチャしているところなどを想像しますね。

 


ただ、ここの男女は、どういう関係にあるのでしょうか。”どんなに遠く 離れていたって 君を見つめてる”というフレーズもありますが、ピロートークっぽくも聴こえますね、ベッドの上で口説いている感じです。

 

ただ、”ほら 早く! 早く! 気づいておくれよ”ですからね。あっちは、男の気持ちに気づいていなくて、気付いてほしい!と思っている、と考えるならば、相手は例えば、そういう商売をしている女…ということにもなるかもしれませんね。

 

悶々とした気持ちが収まらずに、”そういうサービス”をしてくれる店にやってきた、と。女の方は、仕事なので、相手をする男には恋愛感情などを持つことはありませんが、男の方はわがままに、自分だけを見てくれよ!と思っていると、そういう感じでしょうか、笑。

 


■まぁ、相手の解釈はさておき、エッチな解釈をするとするならば、上述のようになりますかね。

 

ただ、先に述べたように、この曲には、草野さんの決意表明的な側面もあるのではないか、とも思っています。この曲は、草野さんが売れ線を意識して作った曲だ、と説明しました。”君を愛してる”なんて、いつもは使わないような、ポピュラーなフレーズを使ったりして、要するにちょっと方向性を変えて、無理したわけですね。

 

そういう気持ちが、”裸のままで”という言葉に含まれている、と考えるとどうでしょうか。”裸”というものは、要するに”精神的に”という意味合いで、ゼロからまた始めてみよう、という気持ちを込めたのかもしれません。

 

まぁでもそうなると、”二人ここにいる”というフレーズに矛盾が生じてきますかね、相手がいると考えると、やっぱりエッチなのでしょうか、笑。



■あとは、おまけとして、これが心中の歌である、という解釈もあります。そう考えると、死因はクスリですかね。”そして時は ゆっくり流れ出す”とか、”地下道に響く神の声を 麻酔銃片手に追いかけた”などから、前者は、クスリを飲んで朦朧としているところ、後者は、度々出てきます、”草野さんの書く詩の神様は、死を象徴している”説にも由来していますね。

 

そう考えると、またちょっと歌詞も色々と別の読み方ができそうですか、長くなりそうなので、自由研究として置いておきます。”そういうつもりで”歌詞を読んでみる、というのも、また面白いですよ。

 

裸のままで MV

youtu.be

 

MVも、とてもカラフルで、ユーモアが効いたものになっていますね、色々カオスですけど、笑。スピッツなりの、これらも売れ線ねらいなのでしょうか。

129時限目:ハイファイ・ローファイ

【ハイファイ・ローファイ】

 


スペシャルアルバム『色色衣』に収録されている曲です。

 

元々は、EPという位置づけだった『99ep』という作品に、【ハイファイ・ローファイ】【魚】【青春生き残りゲーム】の3曲が収録されていました。しかし、アルバム『色色衣』に3曲が収録・発売されることで、『99ep』は製造中止になりました。

 

『色色衣』に収録されるに当たり、【ハイファイ・ローファイ】と【青春生き残りゲーム】はリミックスされ、NEW MIXという形で収録されました。『99ep』が手元にないので、どこが違うのかは確認できませんが、とにかくリミックスされたんだそうです。

 

【ハイファイ・ローファイ】を含めて、この3曲のファンは多いのではないでしょうか。僕の個人的ランキングも、195曲中41位でしたし、『99ep』に収録されている他の曲も、ランキングで上位でした。(ちなみに、【魚】は8位、【青春生き残りゲーム】は27位でした。個人的に、【魚】がずば抜けて好きです。)

 


■『色色衣』(と『99ep』)の話、ということで、アルバムに同封されていた”色色衣リリース記念特別座談会”より、【ハイファイ・ローファイ】の話を、少し抜粋してみます。

 


まず、『99ep』のレコーディングには、クージーこと、クジヒロコさんが初参加しています。

 


草:あとクージーと1ツアー回ったことで、(彼女の)プロデューサー的な側面というか、いろいろ相談できるってことがわかって、5人で作ったんだな。

 

座談会の中で、草野さんはこんな風に語っています。”5人で”という言葉が、とても嬉しいですよね。クレジットにも、しっかりと”arranged by スピッツ&クジヒロコ”と書かれています。99ep曲は、どの曲も本当にキーボードが良い味を出しているんですよね。

 


そして、この曲の、メンバーのレコーディングのイメージは、元々パンキッシュであったらしいです。しかしながら、クージーのオルガンが重なることで、パブロック色の強い曲へと変貌していった、とありました。パブロックって何でしょうね…と、wikiの情報を抜粋してみると、

 

”次第に技巧や構成に凝る傾向がバンドが台頭してきた時期に、そのようなロックの主流とは離れ、おおむね先述のバンドと同様に、シンプルな曲構成、比較的荒削りな演奏、労働者階級を意識した作詞を持ち味とし、パンクロックの誕生に大きな影響を与えた。 …キャパシティの小さなホール・クラブで少人数に対してライブを行うスタイルが親近感を呼んだため、対応するバンドを敢えて「パブ・ロック」という総称で呼んだ。 ”

 

ということだそうです。要は、パンクほど激しくないものの、シンプルで大衆的なロック、ということでしょうか。何か、【ハイファイ・ローファイ】がそういう曲だという説明、分かる気がしますよね。

 


あと、座談会にこんなことが書いてありました。

 


草:…間奏に行く前に、「ララララ…」っていうのを入れたんですね。(今回の)山口さんのリミックスではとっても小さくなっているんですけど…

 

らしいですが…聴こえませんよね?

 


■それでは、この歌の解釈について話してみます。

 

まず、タイトルの【ハイファイ・ローファイ】ですが、ハイファイ(Hi-Fi)、ローファイ(Lo-Fi)は、対義語の関係になっています。wikiより、それぞれの意味は、

 

ハイファイ(Hi-Fi)…「原音や原画に忠実な再現」という意味を表す言葉。
ローファイ(Lo-Fi)…極端に透過なものではない録音環境を志向する価値観。転じて、そういった要素を持った音楽自体を表す言葉。

 

まぁ、簡単に言ってしまうと、”音質”が良いのが Hi-Fi、悪いのが Lo-Fi、ということになるんでしょうか…多分。

 


■タイトルの言葉の意味は何となく分かりましたが、じゃあ、それらに草野さんやメンバーが込めた想いは何なのでしょうか。

 

個人的に、詩を読んでみての曲の全体的なイメージは、”叶わない恋愛を追いかける”という感じでしょうか。様子が分かるような歌詞を、少し抜粋してみますと、

 


Fly high! 甘い 囁きにもフラフラと
ハイファイ ローファイ 俺はそれを愛と呼ぶよ

 

Ride on! 毎度 カワイイだけで大好きさ
ハイファイ ローファイ 俺はそれを愛と呼ぶよ

 


ムダなことが こぼれそうでも
交尾のための生じゃなく
熱きソウル けとばして 今日も
追いかけて行く

 

などでしょうか。歌詞も韻を踏んでて、面白いんですけどね。何となく、恋愛をしている相手に、”もて遊ばれている感”がありますね。”甘い囁き”、”交尾のための生じゃなく”ですからね…ひょっとしたら、風俗嬢とか、男をはぐらかせてお金を取る系の仕事をしている女性とかかもしれませんね。

 

ということで、タイトルの意味は、ハイファイを恋愛の相手、ローファイを自分自身に例えて、対比させているのかもしれませんし、恋愛における気持ちの上がり下がりを、ハイ・ローに例えているのかもしれません。もしかしたら、ちょっとエッチな意味も込めているかもしれませんね、笑。

128時限目:ハートが帰らない

【ハートが帰らない】


ハートが帰らない

ハートが帰らない

 

■アルバム『ハヤブサ』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中150位でした。

 

アルバム『ハヤブサ』には、ロックな曲が多いですが、その中でも当曲は割と優しい曲ではあります。サビで壮大に盛り上がるのも、聴きどころだと思います。

 

アルバムでは、8曲目にインストゥルメンタルの【宇宙虫】、そして9曲目に【ハートが帰らない】と続きますが、【宇宙虫】→【ハートが帰らない】は、トラックでは分かれていますが、曲としては”ひとつながり”になっています。【宇宙虫】がフェードアウトしていくタイミングで、【ハートが帰らない】がそのまま始まる、というイメージです。

 


■この曲で珍しいのは、女性のコーラスが入っているところです…いや、どうだろうね、女性コーラスが入っているのは珍しくないかな…【群青】の上村花菜さんとか、最近出たアルバム『醒めない』の【子グマ!子グマ!】に、Czecho No Republicのタカハシマイさんという女性が参加してたり…結構あるんですかね、女性コーラス。

 

まぁ、スピッツの女性コーラスと言えば、やっぱり何と言っても、クージーですけどね。

 


ただ、【ハートが帰らない】の女性コーラスは、全編通して歌っている印象なので、目立って聴こえます。この曲のコーラスは、五島良子さんという方で、個人で作曲家・ボーカルなどで活動している方だそうです。

 

wikiの情報をそのまま載せると、”最初、草野と五島は別々に歌をレコーディングしたが、五島が「わかりにくい」と言ったため二人同時にレコーディングし直した。”だそうです。

 


■では、曲の解釈などを語ってみます。と言っても、細かい解釈は色々とできそうですが、全体的に結構分かりやすい感じだと個人的には思うのですが、どうでしょうか。

 


この曲には、”俺”と”君”が出てきますが、俺の方が君に片思いをしていると思われます。例えば、出だしがこんな感じです。

 


君の微笑み 取り戻せたらもう何もいらないと
都合良すぎる 筋書き浮かべながら また眠るよ
いきがるだけで 中途半端な俺をチクチクした
両手広げて アドリブで歌い出しそうな 春だった

 

単純な片思いの形かもしれませんし、出だしが”君の微笑み 取り戻せたらもう何もいらないと”で始まるので、もしかしたら、恋人関係を解消して、それでもまだ思いを断ち切れず、未練がましく相手のことを想っている状況なのかもしれません。

 

いずれにせよ、相手のことを想っている状況を、相手に心を奪われている、ということで、タイトルにもなっていますし、歌詞にもたくさん出てきますが、”ハートが帰らない”という言葉で表現しているのだと思います。

 


■ただ、何か具体的な行動には移せていないようです。”都合良すぎる 筋書き浮かべながら また眠るよ”という風に、眠っちゃうのかよ!って感じですけどねね、笑。

 


優しい人よ
霧が晴れたら二人でジュースでも

 

ここの誘い方…まぁ、実際には、誘うという行動には移せていないのでしょうけど…何ともかわいらしいですよね。お茶行こうぜ、とか、飲みに行こうよ、とかじゃないわけですからね…あ、年齢的にアルコールがだめなのかもしれないけど…ジュース飲もうよ!ですからね、ジュースかよ!ってね、笑。

レコ発記念演奏会 スピッツカバー#3 : コメット

いつも通り、腕前の方はご愛嬌を、ということで。

 

アルバム『醒めない』発売記念&

スピッツ結成29周年記念&

スピッツ大学1周年記念&

スピッツ大学50万PV突破記念

せっかくだから

新しいアルバムから一曲(色んな意味で)やっちゃおうカバー

 

youtu.be

 

…弦も替えないといけないけど、それより根本的に、ギターも買い換えたいなぁ…。このギター、実はもうかれこれ15年前に、(今は亡き)父親に買ってもらったものなのです。ギターの腕は一向にうまくならないまま、”ミーコのギター”並みに手垢まみれのギターになっちゃいました、笑。フレットもすり減っちゃって、バレーコードなど(特に6弦)がビリビリ鳴るし。少しでもごまかすために、常時、半音下げチューニングにして(BUMPを練習することもあるので)、1フレットにカポタストをつけてますが、これもギターにはあんまりよくないことなんですよね。動画では見えないですけど、色々ぶつけてきたので、ボディに穴が開いてますからね。

特講:アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”

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図、左:MUSICA 右:アルバム『醒めない』

 

■ついに出たねー、スピッツの15thアルバム『醒めない』が!ついでにセットで、MUSICAも買ってしまった。アルバムを通しで何度も聴きながら(リアルタイムで現在は、ラジオでSOLを聴いている)、この記事を書いているところ。

 

収録曲の個々の詳しい解釈や紹介は、きっとまだずいぶん後になると思うけど、アルバムの全体的な感想などを、熱が”醒(冷)めない”うちに書いておこうと思います。アルバム『醒めない』のライナーノーツ”風”だね、笑。

 (アルバム『醒めない』に収録されている曲は、”スピッツ全曲研究セミナー”にて紹介するつもりだけど、そこのルール上、それ以前のスピッツの曲を紹介し終わってからになるので、まだ当分あとになりそうです!)

 

※これより先、少しばかり、アルバム『醒めない』とMUSICAのネタバレを含むので、それでも良いと思う方は、読み進めてくださいね!

 

 

 


■通して聴いてみて、真っ先感じたことは、「とにかく明るいアルバム」だなということだった。スクールオブロックでも”最近の中でも元気なアルバム”と、MUSICAでも”明るい”という言葉で紹介されていた。

 

アルバムのタイトル、そしてそのアルバムの表題曲『醒めない』が表わしていることは、これも色んなところで言われているし、実際に聴いてみても感じることだけど、ロックに出会った頃の初期衝動から、未だに醒めていない、ということなんだと思う。

 

MUSICAでも、”楽しい”だとか、”自分がやりたいことができている”と、メンバーがしきりにそう言っているのが印象的で、本当にこのアルバムに関しては(いつもそうであるとは思うけど)楽しみながら作ったんだろうな、というのが、聴いていても感じることができた。楽しみながら作られた作品は、聴いてもやっぱりそれが伝わってくるんだよね。

 


■音的な印象としては、元気、明るい、そんな形容が似合うと思うけど、精神的な部分では、どういうものを感じ取ることができるだろうか。

 

通しで聴いてみて、このアルバムの中には、別れ・旅立ちの場面と、出会い・再会の場面があることに気が付く。ちょっと書いてみようか。

 


君ともう一度 会うために作った歌さ
今日も歌う 錆びた港で 【みなと】

 

幸せになってな ただ幸せになってな
あの日の涙が ネタになるくらいに 【子グマ!子グマ!】

 

見えなくなるまで 手を振り続けて
また会うための生き物に 【コメット】

 

戻らない 僕はもう戻らない
時巡って違うモンスターに なれるなら 【ヒビスクス】

 

また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね 【こんにちは】

 

正確には、【こんにちは】以外は、別れや旅立ちの場面を思い浮かべる。で、最後の曲である【こんにちは】で、出会いにつながっていくっていう感じかな。

 


というところで、またMUSICAの話になっちゃいますけど、その辺をこういう風に表現していた。結構、このアルバムの核心をついていると思う。

 


草:…そういう一貫したストーリーがあるアルバムを作ったら面白いんじゃないかってなんとなく思って。…結果的にそこまでにはなってないんですけど、再生の物語みたいなものを匂わせるコンセプトで作っていっていいかもって思ったところはありましたね。(中略)今回は全体的に『死と再生』みたいなコンセプトを貫けているかな。

 

草野さんの詩のテーマで、ずっと言われてきたのが、「死とセックス」というものである。死、とは、人生の終わりを意味しており、セックス(性)とは、つまり性=生として、人生の根元や始まりを意味しており、つまり「死とセックス」で、人生の始まりから終わりを表しているのだという…もう、このブログでも何度しゃべったっけなぁ、笑。

 

そして、今回のアルバムのテーマは、「死と再生」ですか。やっぱり、東日本大震災という未曽有の出来事の影響が大きいんだと思う。前作『小さな生き物』から特にそうだけど、スピッツの曲から”再生”というイメージを感じるようになってきた。

 

「死とセックス」だと、生まれてから死ぬまで…極端に言うと、死んだら終わりなんだという考え方だ。ただ、ずっと世界は世界のまま続いていくわけで、大切な人や物を失くしても、残された人の人生は続いていくわけでね。ということで、終わりは終わりじゃない、ということを、あの出来事から、これは草野さんだけではなく、誰もが感じたことだったと思う。

 


…とまぁ、大げさに言っちゃったけど、要は、前作『小さな生き物』が、旅に出る準備期間だとするならば、今作『醒めない』は、旅立ち、その道中、そして再会、という一連のストーリー、これらを総じて「再生」と表現しているのだと思う。

 

何て言うか、いつか誰かと別れなければならない時が来て、それは死別だったり、恋愛関係の終わりだったり、あるいはお互いに夢を追いかけるために、など様々な別れの形はある。全部が全部そうではないけれど、「また会おうな」って別れて、いつか再会できるときを想いながら、お互いの時間を一生懸命に過ごしていく。成長した自分…いや、決してそうでなくても、一生懸命に生きてきた自分を、お互い見せ合うために、そんな日が来ることを想いながら。

 

個人的に、このアルバムから感じ取った想いは、こういう感じかなぁ。また、長く聴いていくと、変わっていくと思うけど。 

 

 

■あと、上述のような話を象徴しているのが、”もにゃもにゃ”ですね、笑。曲名にもなっているけど、ジャケットに写っている、ネバーエンディングストーリーに出てくる聖獣ファルコン(分からない人は調べて見よう!)に似た生き物の名前が、もにゃもにゃであるらしい。

 

ジャケットには、子もにゃもにゃも写っていて、その子もにゃもにゃが、こんなにでかくなるまでずっと一緒にいた、ということで、もにゃもにゃはつまり、スピッツがこれまで音楽活動に費やしてきた時間であり、ずっと一筋に続けてきたロックに対する気持ちである…みたいなことも、MUSICAに書かれてたので、良かったら読んでみてください。

 

何より、来年でスピッツは30周年を迎えるわけだし、このアルバムも、メンバー全員が40代最後の作品であるらしい(これには、ただただびっくり!)。

 

そういう意味でも、新たな気持ちと、これまでと変わらない気持ちを持って進んでいこう、スピッツとしての「再生」の決意も込めた作品なんだと思う。

 

 

■ということで、原点回帰でもあり、新しい扉でもあるアルバム『醒めない』。どんどん聴きこんで、その身に、耳に、心になじませましょう。

 

今のところのお気に入りの曲は、アルバム曲に絞ると、【コメット】【ハチの針】【こんにちは】あたりかな。

 

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スピッツ大学ランキング企画 途中結果について

■どうも、itukamitanijiです。今日は、タイトル通りなのですが、少し(になればいいですが)話をさせていただきます。

 

そんな話は聞かん!という方が居られましたら、3つの結論だけを聞いて、下のURLより、ランキング途中結果に飛んでください。

 


一、途中結果を、目標の1000人を4分の1ずつに分けて、250人,500人,750人,そして最終目標の1000人まで、区切って紹介していきます。

 

二、これからランキングに票を投じたい、と思っている人で、まだ投じていない方が居られましたら、票を投じた後、途中結果を見ていただきたい、と思っています。よろしくお願いします。

 

三、この記事に票を投じるのはやめてください、ちゃんとランキング企画用の記事のコメント欄に、ルールを守って投じてください。

 

第一回 ランキング途中経過
→ http://itukamitaniji.hatenablog.com/entry/2016/07/25/233059

 


■一、について

 

兼ねてより、ランキングの途中結果を公表することについて、色々と考えあぐねいておりました。理由は単純、「途中結果を公表することで、最終結果を発表する意義を失うのではないか」というものです。正直いうと、ある程度の票が集まれば、ある程度のランキングは固まってしまうのではないか、と思っています。特に、上位に関しては、そうなると思っています。

 

しかし、あまりお待たせするのは、申し訳ないかもな、とも思うようになりました。最初の方に、票を投じてくれた方は、7~8ヶ月前も前になるからです。

 

ということで、まぁ、いっか、何度も途中結果は公表すればいいか、という考え方にシフトチェンジしました。正確には、250人にはまだ至っていませんが、今回は最初ということで、お試しも兼ねて、もうやっちゃいます。

 

なお、今回は途中結果、ということで、記事にさくっとランキングを載せるだけに留めておきます。いつか、動画なんかも作って、しゃべったりしたいと思います。

 


■二、について

 

途中結果ということで、まだまだ票は募集中です。ここは、まだ企画終わりではありません。目標の1000人まで、予定通り、続けるつもりです。

 

そこで、これは僕のお願いなのですが、もしも、まだこれからランキングに票を投じたい、と思っている方がおられましたら、ぜひとも票を投じた後に途中結果を見ることをおすすめします。

 

理由は、2つの懸念からです。「先にランキングを見ると、それにより、投じようと考えている曲がぶれてしまうかもしれない」と、「根本的に、ランキングを見た満足感から、票を投じることをやめてしまうかもしれない」です。

 

なにとぞ、よろしくお願いいたします。

 


■三、について

 

これは読んで字の通りです。この記事、あるいは、ランキング途中結果の記事のコメント欄に、票を投じることはお控えください。企画自体の記事は、別の場所に用意しております。そこの記事のルールを読み、コメント欄に票を投じてください。(※投票期間は終了しました、ありがとうございました!)

記念日特講:スピッツ結成29周年、おめでとうございます

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動画内でもしゃべっていますが、スピッツ結成29周年、おめでとうございます。いやぁ、ほんとにすごいですよね。29年ですよ!ずっと、ひとつのことをやり続けていく、ということに対して、僕はすごく勇気をもらった人間の一人です。これからも応援し続けます。

 

そして、私事ではありますが、このブログ、スピッツ大学も、ほぼ1周年を迎えました。これも、一重に、見てくださっている方々が居てのことです。あなたの存在が、とても励みになっています、本当にありがとうございます。今後とも、よろしくお願いいたします。

 

ということで、厳密には、スピッツ結成記念日は7月17日、そして、スピッツ大学創立記念日は7月25日、ということになるんですけど、これも動画内で話している通り、両方ともひっくるめて、7月17日に記念日にしたいと思います。つまり、

 

毎年7月17日は、スピッツ結成記念日&スピッツ大学創立記念日 とします!

 

決して、記念日のねつ造では…な、ないですよ。だって、なんかいいじゃーん、結成日と一緒だなんてね。

 

本当ならば、記念日特講ということで、何かもっと内容を決めてやった方が良かったと思いますが、何しようか、どうしようか、と悩んでいるうちに時間は過ぎて、あまり内容のないこんな動画になってしまいました。まぁ、来年の記念日とか、その他節目節目に、また何か企画を用意して、喋ったり歌ったりしようかと思っていますので、その時はまたよろしくお願いします。

 

ということで、僕が言うのも変な話ですけどね、これからも、スピッツスピッツ大学、共々よろしくお願いいたします。

127時限目:ネズミの進化

【ネズミの進化】


ネズミの進化

ネズミの進化

 

■アルバム『さざなみCD』に収録されている曲です。個人的ランキング195曲中53位でした。

 

『さざなみCD』は、【トビウオ】→【ネズミの進化】→【漣】→【砂漠の花】という、最後の4曲の流れが最高なんですよね。ノリノリにさせておいて、徐々に締まっていく感じが好きなんです。

 

音的には、ロックではあるんだけど、アコギの音も聴こえてきますし、何ていう楽器だろう、ジャンベとかコンガの類だと思いますが、民族打楽器のような音も聴こえてくるのも、特徴的ですね。

 


■しかし、僕がまず思うのは、草野さんって、よく生き物(の名前)を、歌詞やタイトルに使うよね、ってことです。偶然、前回紹介したのは【猫になりたい】でしたが、他にも言い出したらきりがないですよね。【オケラ】、【トンビ飛べなかった】、【魚】、【海ねこ】、【放浪カモメはどこまでも】など…鳥率が高いですけどね、笑。

 

それが爆発(?)したのが、アルバム『小さな生き物』だったのかなって思います。生き物賛歌、と言いますか、草野さんの中に、全ての生き物を讃える気持ちがあるんでしょうね。

 

それぞれの生き物に、色んな人間の姿を当てはめているのだと思いますが、この【ネズミの進化】に込められた想いは何なのでしょう…ほんと、何なのでしょうね、笑。

 


■これ、タイトルからイメージを膨らませて、そこから歌詞を読んで考えてみると、ん?って思うんです。

 

まず、タイトルが【ネズミの進化】じゃないですか。そこで、まず考えてみるんです…”ネズミ”ってどういう生き物だろうって。ネズミと一括りに言っても、色々ありますよね、ハムスターなどのペットとして飼うネズミはかわいらしく思えるかもしれないですが、ドブネズミなどの汚らしい場所にいるネズミは、忌み嫌われる存在だと思います。

 

それでも、共通して誰もが思い浮かべるのは、小さくてちょろちょろと動く、弱々しい姿だと思いますが、どうでしょうか。

 

ということで、【ネズミの進化】なので、僕としては、そういう小さな弱々しい姿から、大きくて強い生き物へと進化していくような、そういうイメージをタイトルから膨らませたのです。

 


■しかし、そこで歌詞を読んでみると、

 


言い訳するだけ悲しくて 涙しょっぱくても
いつか 目覚めたネズミになる

 


遅い気がしても 行けるだけ 行ってみようかな
いいよね? 小さなネズミになる

 

など。つまり、歌詞を読んだ限りでは、ネズミから進化するのではなくて、進化してネズミになる、という歌なのかなって思い直したんです。進化した先が、ネズミなのだと、そういうことになります。


いや、少し違うか。ネズミはネズミらしく、ネズミのまま進化する、と言った方が正しいか。ネズミであることへの誇りみたいなものを感じます。


じゃあ、そこに、どういう意図があるんでしょうか、と考えていくと、(少々大げさに言うと)この世の中を生きていくメッセージのようなものを、受け取ることができます。

 


■この歌には、個人的にすごくジーンとくる…とは、少し違うかもしれませんが、好きなフレーズが、たくさん出てくるんです。いくつか紹介します。

 



奴らにも届かない場所がある
すぐに狭い抜け穴 逃げ込めるような
小さなネズミになる

 

”奴ら”とは、要は自分たち(弱い者)とは対極にいる存在、つまり強者ということになりますね。弱い者には、弱いなりの生き方があるんだと。強い者には、決して見ること、経験することができない、そんな景色や生き方があるんだと、そういうメッセージを感じとります。

 



じっとしていたらたたかれて
素直に進めば潰される
よく見りゃいくつも道があり
実はその先も分かれてた

 

ここのフレーズ、なんかいいですよね。止まっていても、進んでも、結局はダメじゃん!どうすりゃいいんだ、って思っちゃいますけどね。”よく見りゃいくつも道があり 実はその先も分かれてた”ってね、色んな生き方があって、小さく弱いなりにも、たくましく生きていく方法はあるってことでしょうね。

 


■ということで、すごいですよね、草野さんは、ネズミに対してもちゃんと、尊厳を持っているってことなんでしょうか。

 

ネズミという存在を決して見下しているのではなく、何ていうか、”弱いなりの誇り”とでも言いましょうか、そういうものを、この歌からは感じとって、わけもなく勇気をもらいます。