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154時限目:ヘチマの花

【ヘチマの花】


ヘチマの花

ヘチマの花

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中170位でした。印象には残る曲ではありますが、無意識にランキングをつけると、こんなものでしょうか…。

 

『空の飛び方』の収録曲では、【ヘチマの花】はバラード枠ですね。ゆったりとした曲調が特徴です。

 

 

ちなみに、この曲には草野さんのボーカルに合わせて、女性ボーカルの声も聴こえてきます。wikiによると、女性ボーカルとして参加している方は、トランジスターグラマーの寺本りえ子という方だそうです(トランジスターグラマーというのは、寺本りえ子という方が、ソロで使っていた名前だそうです)。

 

この曲だけではなくて、アルバム『惑星のかけら』においても、【僕の天使マリ】【オーバードライブ】【リコシェ号】で、Backing Vocalとして参加していたようです。そしてこの時期、寺本さんは、コーラスとしてスピッツのライヴにも参加していたらしいです。

 


■ということで、早速、この歌の解釈に移ります。

 

まず、タイトルから変わってますよね、【ヘチマの花】ですか。こういう変わったタイトルを見ると、しかもやけに具体的なタイトルなので、何かを象徴しているものだと想像してみたくなります。

 


ずばり大胆に言います、僕はこの”ヘチマ”に、妊婦さんの姿を思い浮かべました、どうでしょうか。ヘチマのずんぐりとした形が、大きくお腹の膨らんだ妊婦さんの体型に見えなくもないですよね?

 

それに、タイトルが、ただ”ヘチマ”ではなくて、【ヘチマの花】ですからね。ヘチマに花が咲いてほしい、ということで、例えば、かわいい子どもが生まれてほしい、という願いが込められているのではないでしょうか。

 

そういう想像を踏まえて、歌詞を少し見ていきます。

 



二人の夢 ヘチマの花 見つめるだけで
悲しいことなど忘れそうになる

 

出だしがこういう感じになっていますが、ここを読むと、何かもうすでにヘチマの花は咲いている、つまり、子どもはもう生まれてきている、とも考えられるかもしれません。生まれてきた子どもを見て、”悲しいことなど忘れそうになる”と、癒されているのかもしれません。

 

まぁ、子どもは生まれて来てなくても、大きくなった妊婦さんのお腹を撫でながら、幸せな気持ちに浸っているのかもしれません。

 



さびしい涙目に移るのは やがてあたたかな愛の花

 

”愛の花”は、おそらく”ヘチマの花”と同義だと思いますが、ここも同じようなことを歌っていると思います。なぜ寂しがっているのかは分かりませんが、やがて花は咲いて、温かい気持ちになれるよ、とそういうことでしょうか。

 



二人の夢 ヘチマの花 かなえて欲しい
飛べない鳥だと 気付かされても

 

”飛べない鳥だと 気付かされても”という表現が、すごく独特ですね。生まれてきた子どもは、もちろん人間の子どもで、地に足つけて生きていくんだと。誰に習うわけでもなく、自分の足でしっかりと歩いて幸せになるんだぞ、という願いがこもっているのでしょうか。

 


■あと、この歌に”ミルク色”というフレーズが出てきていますが、このフレーズは【恋のうた】にも出てきています。多分、”ミルク色”というフレーズが出てくるのは、この2曲だと思いますが、他にもあるでしょうか。何か、印象的な、それでいて引っかかるフレーズです。

 

【恋のうた】では、”ミルク色の道”として、”精子”だとか、これはどこかで見た解釈ですが、”天の川”として、あの世へと昇っていく様子を浮かべました。

 


【ヘチマの花】ではどうでしょうか。”深くミルク色に煙る街を裸足で歩いている”という風に使われていますが、また独特な表現ですね。これは、赤ちゃんのことを言っているのか、それとも、続く歌詞は”いつの時も二人で”となっているので、二人のことを言っているのでしょうか。

 

いずれにしても、温かい優しい雰囲気がイメージできますね。そういう日々を、二人で(赤ちゃんと共に)生きていこう、という感じでしょうか。

 


■まぁ、前提を崩すならば、子どもを想像しなくても、別に二人の幸せを”ヘチマの花”としても成り立ちますけどね。色んな思い出を詰め込んで、少しずつ膨らんでいくヘチマが、やがて”幸せ”の花を咲かせますように願っている、という解釈で十分ですけどね。

 

ちなみに、”ヘチマの花”の花言葉は、「悠々自適」です。この歌にぴったりの言葉ですね!