スピッツ大学

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204時限目:ローテク・ロマンティカ

【ローテク・ロマンティカ】


 

■アルバム『三日月ロック』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中184位でした。

 

wikiの情報によると、アルバムの中で一番最後に作られた曲だそうです。「アルバム全体を引き締める意味を込めて作られた曲である」とも書いてありました。

 


何ていうか、ダンスミュージックっていうんですかね。イントロから続くギターの”デデデデンデンデンデンデデデデン”というリフのリズムが気持ち良くて、自然と体が上下してしまいます。ライヴだと、絶対に縦ノリですよね。

 

全体的にちょっと音は乾いていて、シャカシャカしている感じがします。いわゆる第三期の、スピッツロックって感じの曲なんですけど、当時はやはりこの曲も新しいなって感じたものです。

 


■まず、特徴的なタイトル”ローテク・ロマンティカ”についてですが…本当にこんな言葉があるんですかね。

 

部分的には、”ローテク”は、”Low-Technology”の略で、”ハイテク”の対義語だそうです。意味は…まぁ要するに、新しいものが常に生まれ続けていて、その開発や産業が常に注目されている”ハイテク”(産業)に対して、その逆、地味な分野なため、そこまで世間に注目されていないような産業のことを”ローテク”(産業)などと呼ぶんだそうです。

 

一方で、”ロマンティカ”(ロマンチカという表記もあり)とは、スペイン語でロマンティックという意味らしいんですが、調べてみたところ、”ロマンティカ”は女性を対象に使う言葉だそうですね…ほう。ちなみに、男性に対して使うときは、”ロマンティコ”(ロマンチコという表記もあり)を使うそうです。要するに、”君はロマンティックだね”というフレーズで、”君”が女性ならば”ロマンティカ”を、男性ならば”ロマンティコ”を使うということです。

 

ひとつひとつの意味は(何となく)分かったんですが、”ローテク・ロマンティカ”こんな風につなげてひとつになっているのは、草野さんの造語ですね。意味はなんでしょうか…とりあえず置いておきます。

 


■で、歌詞を全体的に読んでみるんですが、これは…ムフフですね。

 

まず、先ほどの”ローテク”と”ロマンティカ”というフレーズが出てくる、サビの歌詞を読んでみます。

 


ローテクなロマンティカ 誰かに呼び止められても
真ん中エンジンだけは ふかし続けてる

 

目に止まるのは、”真ん中エンジン”という言葉です。この歌には”俺”という言葉が出てくるので、主語は男性であると思われます。つまり、”真ん中エンジン”をふかしているのは、男性だと考えることができます。とすると、やっぱりこれには”男性器”や”男性の性欲”などを当てはめてしまいます。実際のSEXや自慰中の描写であると考えることもできますし、または、悶々とその性欲を燃やして機を伺っている描写なのかもしれません。

 


というところで、一旦そういう方向に解釈を向けてしまえば、随所にその片鱗を認めることができます。

 


ねぐらで昼過ぎて 外は薄曇り
足で触り合っている ふんづけてもいいよ

 


本当は犬なのに サムライのつもり
地平を彩るのは ラブホのきらめき

 

前者は、昼までイチャイチャしていたという描写でしょうか。何をしていたのかについては、真ん中エンジンをふかしていることから、察しがつきそうです。足で一体何を触り合っているんですかね…。

 

後者は、犬という言葉で”スピッツ”を思い浮かべましたが、この歌につなげることはできませんでした。むしろ、”本当は犬なのに サムライのつもり”というひとつながりで考えて、ここは、”サムライ”のようドシッと硬派に構えているつもりで居ても、実際は盛りのついた”犬”でしかない=エッチなことばっかり考えている、ということを表し、やはり”真ん中エンジン”に繋がります。

 

さらに後者は、”地平を彩るのは ラブホのきらめき”とさえ歌ってしまっていますからね。誇張表現ではあるとは思いますが、この世の中は”性”に支配されている、それによって成り立っている、という表現だと思いました。

 


■ということで、再度”ローテク・ロマンティカ”という言葉についてですが…

 

”ローテク”は、先ほどの”真ん中エンジン”にかかってきそうですね。”ローテク”の説明文の中に出てくる開発や産業という言葉が、”エンジン”に関係するかなと。まぁ実際は、この”エンジン”はそういう意味では使ってないんですけどね、ムフフ。

 

”ロマンティカ”に関しては、本来は女性を表す言葉なのですが、どういうことなんですかね、”ローテク”とのつながりを鑑みると、むしろ男性を示していると解釈した方が都合がよいんですけどね。この辺はよく分かりません、男性や女性とかっていう縛りを考える必要もないのかもしれません、ただ単に、ロマンチックと訳して十分なのかも…?