スピッツ大学

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210時限目:scat

【scat】

 

scat

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■アルバム『小さな生き物』に収録されている、インストゥルメンタル曲です。

 

wikiの情報などをそのまままとめてみます。

 

まず、スピッツのインスト曲としては久々で、アルバム『ハヤブサ』に収録されている【宇宙虫】以来、実に13年ぶりだそうです。合わせて、草野さん作曲のインスト曲が収録されるのは初めてのことです。(これまでのインスト曲は、他メンバー作曲によるもの)

 

曲のリズムは、7拍子と8拍子がコロコロと入れ替わる、ちょっと変わった変拍子になっています。そこに、インスト曲とはいったものの、タイトルの”scat”という言葉の通り、途中から草野さんのスキャットが入ってきます。そのスキャットの一部分が、”アイーン”に聴こえると話題になりました…個人的に、苦笑。

 

スキャット / scat … 主にジャズで使われる歌唱法で、意味のない音(例えば「ダバダバ」「ドゥビドゥビ」「パヤパヤ」といったような)をメロディーにあわせて即興的(アドリブ)に歌うこと。

 


■さて、アルバムにおけるインスト曲の役割って、色々あると思うんです。例えばアルバムの最初や最後に持ってきてプロローグやエピローグ的な役割をしたり、次の曲につなげることによって一つの大作のように仕上げてくれたり、単にそのインスト曲自体がアルバムの中でひとつのアクセントになっていたりと…。

 

そこへ来て、この【scat】の役割はどういうものでしょうか。ロックで攻めたインスト曲になっていますが、この曲でガラッとアルバムの雰囲気を変える役割というものでもなくて、アルバムに自然に溶け込んでいる感じなんです。

 


アルバム『小さな生き物』の全体的な解釈自体が、ここスピッツ大学では、ずっと東日本大震災との関連で書き続けてきましたが、またそれと多少無理矢理にでも意味を関連付けるとすると、この【scat】は、言葉にならない生命の叫び、と言ったところでしょうか。

 

失われた命への鎮魂の想い、残された命の咆哮、そして、新しく生まれてくる命の産声など、そういう、言葉にならない声を、この”scat”に託しているのかもしれません。