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221時限目:SJ

【SJ】

 

SJ

SJ

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■アルバム『醒めない』の7曲目に収録されている曲です。

 

明るい曲が多く収録されているアルバムの中でも、暗いわけではないですが、どっしりとした重い曲です。

 


■何よりもまず気になるのが、この謎のタイトル”SJ”の意味ですよね。

 

ネットなどで情報を探してみたところ、ある時ラジオで草野さんが、この”SJ”という言葉について、「仮タイトルだったんですけど、意味は教えたくない、がっかりされると思うんで…」という風に語ったそうです。

 

その言葉通り、”SJ”という言葉の意味を、草野さんが語ったことは、どうやらなさそうです、笑。なので、探しても、ビタッとこれだという意味を見つけることはできませんでした。

 

ということで、想像してみるしかなさそうですが、とりあえず最後に置いておくとして、ヒントを探すべく、歌詞を読んでいきたいと思います。

 


■まず、出だしの歌詞(サビ)がこんな感じです。

 


夢のかけらは もう拾わない 君と見よう ザラついた未来
正しいと信じた 歩みが全て 罪なこと 汚れたことだとしても

 

”夢のかけらは もう拾わない”、その代わりに、”君と見よう ザラついた未来”という表現。ここでは、”夢のかけら”と”ザラついた未来”が対比されています。つまり、”夢のかけら”を諦めることと引き換えに、”ザラついた未来”を得るという流れになっています。

 


”夢のかけら”からは、明るくて前向きなイメージを受け取ります。”夢”という言葉は、本来前向きなものだと思うので、前向きに、何か目標を持って生きているという生活が思い浮かびます。

 

そういう、ある種の健全な生活を捨て去って、その代わりに、”ザラついた未来”へと進もうとしているということになると思います。

 


■ところで、草野さんが書く詞には、時々”ザラつく”とか”ザラザラ”とかっていう表現が出てきます。思いつく限り、紹介してみます…というより、あんまり無かったですかね!?

 

(プチクイズ!何の歌詞か分かるでしょうか?)

 


ハニー 君をジャマしたい
ごめんなさい 遅かれ早かれ
すべて解るはず 正直な ざらざらの世界へ

 


心をひとつにし ザラつく星に触れ
果ての果てを目ざせ

 


隠し事のすべてに声を与えたら
ざらついた優しさに気づくはずだよ

 

何か歌詞の中に、この類の言葉はいつも浮いていて、印象に残ってるんです。どういう意味で使ってるんでしょうか。

 


個人的には、2つの意味を受けとりました。

 

①まっさらな、素直な、という意味
これは、一つ目、三つ目の歌詞に、それぞれ当てはまりそうです。一つ目には”正直な”、三つ目には”隠し事~声を与えたら”という形容がくっついていて、そこからの表現になっているところから推測しました。

 

②予想できない、ちょっと道を外れたという意味
これは、二つ目の歌詞、そして、今回の【SJ】にも当てはまるのではないかと思います。つまり、今までの生活を捨てる→道を外れて予想もつかない生活へ、という流れになりますかね。 

 

(おまけとして、ひょっとしたら、③Gスポット、つまり女性器の比喩もあるか?Gスポットは、ザラザラと表現されることがあって…)

 


■他にも、

 


当たり前に近く さわれた法則も
迷わずに帰るための 小さな道標も
今宵の暖炉にくべて

 

というCメロのフレーズからも、同じような意味を受けとりました。”小さな道標も 今宵の暖炉にくべて”=退路を断ち、今までの生活を離れて、そこにはもう帰らない(帰れない)ことに対する、決意みたいなものを受け取ります。良い意味ではないかもしれないけれど、ここの歌詞は独特でかっこよくて好きです。

 


それから、

 


蔑みの表通りで 笑顔のコツを覚えたよ
フワフワに癒される リアルな妄想に囚われて

 

この辺りは、性的な意味を感じます。”フワフワに癒される リアルな妄想”というところで、”フワフワ”が、何となく女性の体を連想させますので、そういう性的でイヤーンな妄想に囚われている、と考えられます。

 


■ということで、歌詞の解釈をまとめてみると、おそらく主人公は男だと思われますが、男は今までの自分の生活を捨て去って、予想だに出来ない、今までとは違う未来へと向かおうとしている、ということだと思います。

 

そして、そういう未来には、”君”がセットになっており、他に、”罪なこと”や”汚れたこと”などという表現もくっついているので、必然的に、”君との逃避行(かけおち)”的な物語を想像しました。

 

この男には、今まで守ってきた生活があったのでしょう。人並みに夢を持ち、それを目標に生きている、ひょっとしたら結婚をしており、家庭を持っていたのかもしれません。だとすると、”君”との逃避行とは、不倫の果てに、家庭をも捨て去って離れていく結果だと考えられるかもしれません。

 


もしくは、最初から全部”男の妄想”だったとしたら…とも考えてみました。先程紹介した歌詞の中にも、”リアルな妄想に囚われて”という表現もありましたが、この歌の物語が、全部一人で完結していたら、と考えてみます。

 

そうなると、この歌詞に出てくる君は全て妄想であり、つまりはもう男の側には居ないと…ただ恋人関係を解消して別れただけなのか、あるいは、死別してしまったのか、など。それでも、いつまでも男は君の妄想に囚われていて、その妄想とともに生きる(あるいは死ぬ)決意をしたと、そういうことになりますかね。

 


まぁ、いずれにしても、あんまり良いイメージには解釈できそうにありませんね。何となく、前者の解釈の方が、個人的にはしっくりきました。

 


■さて。じゃあ、”SJ”という言葉の意味ですよ。

 

先述の通り、草野さんが語った経緯がどこにもないので、これは聴き手があれこれ想像するしかなさそうです。

 

僕が思ったのは、英単語を2つ並べて、”SJ”と略しているのではないか、ということでした。つまり、Sで始まる英単語と、Jで始まる英単語が続いている、2文節の英語ということになります。それで、ひょっとしたら、歌詞のどこかに英語に訳すとそういう部分があるのではないか、と思ったんです。しかし、見つけることはできませんでした…。

 

やはり、この歌に合うように、歌詞の言葉に囚われず、”SJ”を見つけるしかなさそうです。

 


ということで、僕も色々と考えてみました。

 

この歌の主題が何だったのかというと、個人的には、”男女の駆け落ち”、”不倫の末の逃避行”などを当てはめました。ということで、例えば”J”には、旅行、旅を意味する”Journey”という単語を当てはめてみました。

 

あとは、”S”ですが、どうしても”Sentimental”をくっつけて、”Sentimental Journey”(センチメンタルジャーニー)としたくなります、笑。ちなみに、意味は、傷心旅行、つまり、失恋によって負った心の傷みを癒す旅、という感じですかね。先程紹介した後者の解釈には、当てはまりそうですね。

 

他には、逃避行の果てに”死”が待っているのだとしたら、”Suicide Journey”で自殺(心中)に至る旅、エロの方に解釈を持っていこうとすると、”Sexual Journy”とか…。

 

ちなみに、”SJ”で、処女という意味もあるらしいですね。草野さんが、「がっかりされる…」と発言したのには、これも合いそうな気がしますがどうでしょうか。

 

…多分、全部違うんでしょうね、笑。まぁ、妄想するのが楽しいですから、あなたなりの”SJ”を当てはめて聴いてみてください。