スピッツ大学

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222時限目:ハチの針

【ハチの針】

 

ハチの針

ハチの針

  • provided courtesy of iTunes

 

■アルバム『醒めない』の8曲目に収録されている曲です。

 

アルバムの中だったら、個人的には【ハチの針】と【コメット】が一番好きです。【コメット】は、発売前から割と聴けたので(ドラマの主題歌だったので)知っていたんですけど、【ハチの針】はアルバムが初聴で、最初に一通り聴いて、すぐに好きになった曲でした。

 

尖っていて、エッジの効いたロックな曲ではあるんですが、タイトルや歌詞などからは、かわいらしいイメージを受け取ります。ラップ調のCメロも特徴的です。

 


■この曲のLIVE映像は、映像作品『SPITZ JAMBOREE TOUR 2016 “醒 め な い”』で見ることができるのですが、”ブートレグ映像”という変わった形態のLIVE映像が収録されています。

 

ブートレグ / bootleg”とは、本来は”海賊版”という意味ですが、いわゆる、著作権などを無視して、製造・流通された作品という、まぁ良くないものですよね。しかし、このLIVE映像に限っては、”それ風”に映像と音質を加工してあります。何ていうか、LIVEの様子が盗撮されたような粗悪な画質・音質の映像が、わざと収録されているのです。面白いんですが…うーん、普通のも見たかった!

 

ちなみに、映像作品『SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THIRTY30FIFTY50"』に付属のCDには、【ハチの針】のライヴ”音源”が収録されています。どうか、普通のライヴ映像も見せていただきたいです!僕が参加した、広島(1日目)の”3050LIVE”では、残念ながら【ハチの針】はしなかったんですよね。

 


■さて、この曲の解釈について、書いてみます。

 

この曲は…個人的には、最初に聴いた時から、思っていた解釈がありました。ずばり言うとこの歌は、”歓楽街に迷い込み、夜のお店に誘われて、初入店!”という解釈です!つまり、「もにゃもにゃ、大人になる!の巻」ですね笑。

 


まず、出だしのAメロから。

 


耳塞ぐ手を離して聞いた 魔女の予言
怖がるほどの地獄ではなく
分かれ道 松明もってより暗い方へ
子供の顔で鈴の音を待つ

 

どうでしょうか、”魔女”とか”地獄”とか”松明”とか、何となくRPGの冒険のようなものを思わせますが、何か現実のものを比喩していると考えるとすると…

 

”魔女”といえば、そのまま魔性の女ということで、夜の店で働く女性(あるいは勧誘係)、「何か怖いなぁ…”地獄”にでも連れてかれるんじゃないか?(多分、初めてなのでビビっている?)」とか思いながらも魔女にしたがって、ちょっと暗い路地、そして店内へ足を踏み込んでいく…という流れでしょうか。

 

”子供の顔で鈴の音を待つ”も、そういう店に来たのが初めてなのか、それとも緊張しているのか、そういうところだと思います。ドキドキしながら、自分が呼ばれるのを待ってるんでしょうね。

 


2番のAメロも、歌詞が変わってますが、おんなじようなことを思います。

 


賢そうな物腰で 話しかける亡霊
バカにもわかるように導かれる
でもすでに気づいちゃったんだ 甘い声の向こうで
ウラハラな汚れてる LOL

 

”話かける亡霊”は、歓楽街で誘ってくる兄ちゃん(姉ちゃん)で、それに誘われて導かれていくって、先程と同じ感じですね。

 

最後の”LOL”(laughing out loudの略)は、海外の人が笑い声を表す時に使う、ネット用語です。日本では、(笑)とかwwwとかを使いますが、それの英語圏バージョンですかね。”甘い声の向こう~汚れてるLOL”ということで、”甘い声”は女性の声で、”汚れてるLOL”は男性の声でしょうか。それか、”甘い声”でお金を搾取して、儲けて笑いが止まらない的な、そういう店側の人の笑い声かもしれません。

 


■そして、サビは、そういう店のサービス中というところでしょうか。

 


凄いよ 泳げるの?ハニー 滅びてなかったゲンゴロウ
バラバラがまとまる 反抗の風

 

二行目は不明ですが、一行目…それはもう、すっごいプレイだったんでしょうか?笑 ”ゲンゴロウ”って、あの丸っこい水生の昆虫ですよね(画像を見るのもちょっと苦手なんですが、あれにちょっと似ていて)。水の中を泳ぐ姿を、そのまま女性に当てはめてみると、何やらイヤーンな感じが…。 

 


あとは、”ハチの針”という言葉が出てくる部分として、

 


そんなのもうバレバレ キザに 狂った今を生きていこう
ハチの針だけ隠し持って イキがれ

 

こういう感じになっています。とすると、”ハチの針”は、男性器だったり、そうでなくても、男性が心に抱いている悶々とした気持ち・性欲などを比喩した言葉だと考えられるかもしれません。最後が、”イキ”がれってなってるところとかも、何だか、い・み・し・ん。

 


■という感じで、個人的には、スピッツお得意の大人な歌という解釈でしたね。

 

これと【ガラクタ】あたりが(あと【SJ】も解釈によっては)、アルバムの中では”イヤーンソング”担当という感じでしょうか、笑

 

でも、僕が変な解釈をしてるだけで、素直に聴いてみてください。何度も言うように、本当にかっこいい曲なんですよ!

 

雑誌MUSICAのインタビュー記事を少し紹介させていただくと、このように語っておられました。

 


インタビュアー「一番最後に録ったものって、ロックバンド然としたものが多いですよね。”ハチの針”は、ブリッドポップとかKula Shakerとか…」
草野さん「うん、これはKula Shakerですよ(笑)。こういう曲、今までもなくはないんですけど、確かに3曲ともロックな感じですね」

(ちなみに、ここでいう3曲は、アルバムの中で最後に録られた、【醒めない】と【ナサケモノ】と【ハチの針】を指しています。)

 

Kula Shakerクーラ・シェイカー)は、イギリスのロックバンドなんですが、個人的にはクーラ・シェイカーは聴いてなくて、同じボーカリスト(超イケメン!)のThe Jeevasザ・ジーヴァズ)の方をよく聴いていました。少ししか作品は持っていませんでしたが、【Once Upon a Time in America】という曲は、狂ったように好きでした。