スピッツ大学

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集中講義:草野正宗 ~詩の世界への招待~ 第5回

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この坂道も そろそろピークで 
バカらしい嘘も消え去りそうです
やがて来る 大好きな季節を思い描いてたら

 

 

■【スピカ】という曲の、1番のAメロの始まりの歌詞です。

 

【スピカ】は、ここスピッツ大学で行った企画として、僕も含めて、ブログを読んでくださっているファンの方々で勝手に作った、好きなスピッツの曲ランキングで、見事第1位を獲得したのです!

 

これに関しては、素直にびっくりしましたね。確かに【スピカ】は、ファンの間でも人気の曲であることは分かっていたつもりですが、まさかの第1位とは…スピッツファンの本気度が伝わるランキングになったと、嬉しく思っています。

 


■さて、【スピカ】の歌詞なんですが。この歌から、お気に入りの歌詞を部分的に選ぶ時には非常に悩みました。

 

"幸せは途切れながらも 続くのです"とか"割れものは手に持って 運べばいいでしょう"などの歌詞も印象に残っているからです。

 

何て言うか、人生訓を語っているような、スケールの大きな歌詞が全体的に散らばっていて、個人的には悟りソング的な解釈をかつて書きました。

 

ただ、改めて読んでみると、恋人と二人で居て、星を見上げながらロマンチックな雰囲気に浸っているシーンなども想像できますね。どこかでは、プロポーズや愛の告白のシーンなのではないか、という考察も見つけて、確かに!と合点がいきました。

 

 

■【スピカ】の歌詞は全体的に好きなんですが、特に気に入っているのが、冒頭で紹介しています、出だしの歌詞です。

 

僕が【スピカ】に初めて出会ったのが、中学生の時で、かれこれもう25年くらい前になります。

 

中学三年になり、部活も引退し、高校受験のために自分の部屋に籠って、夜な夜な勉強するという日々が続いていました。当時の僕は、家で勉強するときは、大抵は音楽を流して、それを聴きながら勉強していました。中学生の時によく聴いていたのは、B'z、L'Arc~en~Ciel、JUDY AND MARY、そして、スピッツでした。

 

勉強は、別に苦手でも嫌でもなかったですが(むしろ出来る方でした!)、決して楽なものではありませんでしたし、受験勉強が早く終わってほしいと思っていました。だからこそ、BGMを流して気分を上げたり、気を紛らせたりしながら勉強に励んでいたんです。

 


◼️【スピカ】に出会ったのは、ちょうどそのような時期でした。そして、冒頭の歌詞にも出会うわけです。

 


この坂道も そろそろピークで 
バカらしい嘘も消え去りそうです
やがて来る 大好きな季節を思い描いてたら

 

この部分の歌詞を、当時は自分の状況に当てはめて聴いていました。

 

"坂道"とは、困難で苦しい状況や問題を象徴している言葉であり、それに立ち向かっていることを歌っている歌詞であると…そのときの自分には、まさしく受験勉強期が当てはまりました。

 

"バカらしい嘘"、これは何でしょうね。色々と想像できそうですが、例えば、もちろん勉強に対して頑張っていたのは本当のことですが、心の底では、早く終わってほしい、友達と遊びたいと思っていたので、そういう気持ちに負けないように、自分の本心とは逆のことを頑張っていたので、それを"嘘"と捉えられるかもしれません。

 

でも、それもまもなく"ピーク"を迎えると…それを"大好きな季節"かやって来ると表現しています。

 

ここの僕のイメージは、自転車で坂道を漕ぎ上がっているシーンです。きつい登り坂を自転車で漕いで上がる、これはまさに困難な状況の象徴ですよね。

 

ただ、その坂道もやがて頂上に到着し、その後に待っているのは、楽な下り坂…スピードに乗って風を切って、駆け下りていくことができるのは、頑張って乗り越えた日々があったからです。全ての困難から解放された、待ち望んでいた平穏で楽しい日々の訪れです。

 


■とまぁこんな風に、自分の受験期と【スピカ】の歌詞をダブらせて聴いていたので、特に冒頭の歌詞は思い入れが強いんです。

 

また、受験期が終わっても、もっと言うと大人になっても、これまで何度も困難な状況がありましたが、【スピカ】の歌詞には励まされてきました。自分が置かれている今の苦しい状況は、やがて終わるんだと、だから今は頑張らないとって。

 

今回は、歌詞の考察に思い入れがある、というよりは、個人的な思い出とより深い関わりがある歌詞の1つとして、紹介させていただきました。