スピッツ大学

ステイホームしながら通える大学です!

154時限目:ヘチマの花

【ヘチマの花】


ヘチマの花

ヘチマの花

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中170位でした。印象には残る曲ではありますが、無意識にランキングをつけると、こんなものでしょうか…。

 

『空の飛び方』の収録曲では、【ヘチマの花】はバラード枠ですね。ゆったりとした曲調が特徴です。

 

 

ちなみに、この曲には草野さんのボーカルに合わせて、女性ボーカルの声も聴こえてきます。wikiによると、女性ボーカルとして参加している方は、トランジスターグラマーの寺本りえ子という方だそうです(トランジスターグラマーというのは、寺本りえ子という方が、ソロで使っていた名前だそうです)。

 

この曲だけではなくて、アルバム『惑星のかけら』においても、【僕の天使マリ】【オーバードライブ】【リコシェ号】で、Backing Vocalとして参加していたようです。そしてこの時期、寺本さんは、コーラスとしてスピッツのライヴにも参加していたらしいです。

 


■ということで、早速、この歌の解釈に移ります。

 

まず、タイトルから変わってますよね、【ヘチマの花】ですか。こういう変わったタイトルを見ると、しかもやけに具体的なタイトルなので、何かを象徴しているものだと想像してみたくなります。

 


ずばり大胆に言います、僕はこの”ヘチマ”に、妊婦さんの姿を思い浮かべました、どうでしょうか。ヘチマのずんぐりとした形が、大きくお腹の膨らんだ妊婦さんの体型に見えなくもないですよね?

 

それに、タイトルが、ただ”ヘチマ”ではなくて、【ヘチマの花】ですからね。ヘチマに花が咲いてほしい、ということで、例えば、かわいい子どもが生まれてほしい、という願いが込められているのではないでしょうか。

 

そういう想像を踏まえて、歌詞を少し見ていきます。

 



二人の夢 ヘチマの花 見つめるだけで
悲しいことなど忘れそうになる

 

出だしがこういう感じになっていますが、ここを読むと、何かもうすでにヘチマの花は咲いている、つまり、子どもはもう生まれてきている、とも考えられるかもしれません。生まれてきた子どもを見て、”悲しいことなど忘れそうになる”と、癒されているのかもしれません。

 

まぁ、子どもは生まれて来てなくても、大きくなった妊婦さんのお腹を撫でながら、幸せな気持ちに浸っているのかもしれません。

 



さびしい涙目に移るのは やがてあたたかな愛の花

 

”愛の花”は、おそらく”ヘチマの花”と同義だと思いますが、ここも同じようなことを歌っていると思います。なぜ寂しがっているのかは分かりませんが、やがて花は咲いて、温かい気持ちになれるよ、とそういうことでしょうか。

 



二人の夢 ヘチマの花 かなえて欲しい
飛べない鳥だと 気付かされても

 

”飛べない鳥だと 気付かされても”という表現が、すごく独特ですね。生まれてきた子どもは、もちろん人間の子どもで、地に足つけて生きていくんだと。誰に習うわけでもなく、自分の足でしっかりと歩いて幸せになるんだぞ、という願いがこもっているのでしょうか。

 


■あと、この歌に”ミルク色”というフレーズが出てきていますが、このフレーズは【恋のうた】にも出てきています。多分、”ミルク色”というフレーズが出てくるのは、この2曲だと思いますが、他にもあるでしょうか。何か、印象的な、それでいて引っかかるフレーズです。

 

【恋のうた】では、”ミルク色の道”として、”精子”だとか、これはどこかで見た解釈ですが、”天の川”として、あの世へと昇っていく様子を浮かべました。

 


【ヘチマの花】ではどうでしょうか。”深くミルク色に煙る街を裸足で歩いている”という風に使われていますが、また独特な表現ですね。これは、赤ちゃんのことを言っているのか、それとも、続く歌詞は”いつの時も二人で”となっているので、二人のことを言っているのでしょうか。

 

いずれにしても、温かい優しい雰囲気がイメージできますね。そういう日々を、二人で(赤ちゃんと共に)生きていこう、という感じでしょうか。

 


■まぁ、前提を崩すならば、子どもを想像しなくても、別に二人の幸せを”ヘチマの花”としても成り立ちますけどね。色んな思い出を詰め込んで、少しずつ膨らんでいくヘチマが、やがて”幸せ”の花を咲かせますように願っている、という解釈で十分ですけどね。

 

ちなみに、”ヘチマの花”の花言葉は、「悠々自適」です。この歌にぴったりの言葉ですね!

153時限目:プール

【プール】


プール

プール

 

■アルバム『名前をつけてやる』に収録されている曲です。個人的ランキング195曲中24位でした。スピッツの初期の曲の中でも、本当に大好きな曲のひとつです、本当に素晴らしい曲です。

 

曲のイメージは、何と形容したらよいでしょう、決して明るいわけじゃないんですけど、不思議な感じですよね。白昼夢でも見ているような、幻として消えてしまいそうな、浮遊感のある曲、とでも言っておきましょうか。

 


現在進行中の、スピッツランキング企画(まだまだ絶賛投票受付中!)においても、途中結果で、何と第9位という結果を残しています。これには、本当に意外でしたね、意外と【プール】ファンの方はたくさん居られるようで、とても嬉しかったです。このまま、上位をキープできるか!?

 

それから、去年発売されました、武道館ライヴのDVDにも、【プール】のライヴ映像が収録されていました。これがまた、素晴らしかったですね。これが、ほんとに25年以上も前の曲ですか!って感じですけどね、古い曲を今やっても、本当に絵になります。

 


ということで、あまりこれという情報もないですし、早速どんな歌であるか、歌詞を少しなぞりながら考えてみたいと思います。

 


■まず、出だしが、こんな感じです。

 


君に会えた 夏蜘蛛になった
ねっころがって くるくるにからまってふざけた

 


歌詞に、”蜘蛛(クモ)”が出てきています。スピッツの曲に出てくる蜘蛛は、個人的には、性的な部分も含めて、とにかく怪しい雰囲気の象徴だと思っています。

 

例えば、【スパイダー】とかね、タイトルにもろに蜘蛛が入っていますが、曲の感じもいかにもって感じですけどね。他にも、【夏の魔物】とか、僕はこの歌を、”子どもを中絶する歌”と訳しましたが、そういう不穏な雰囲気の歌の中に出てきます…”ぬれたクモの巣が光ってた 泣いてるみたいに”という具合にです。

 

この【プール】という歌も、それらと同様に、何となく(具体的になんだ、とちゃんと説明はつかないですが)怪しい感じが漂っているような気がします。

 

個人的には、まず”夏蜘蛛”になって”からまってふざけた”わけですからね、これはSEXの描写かなぁと感じました。

 


他にも、性的な描写としては、

 


孤りを忘れた世界に 水しぶきはね上げて
バタ足 大きな姿が泳ぎ出す

 


孤りを忘れた世界に 白い花 降りやまず
でこぼこ野原を 静かに日は照らす

 

などが挙げられると思います。”バタ足”なんかは、いかにもSEX中の描写のような気がしますし、”でこぼこ野原”は、女性の体や女性器を比喩したものでしょうか。それに降ってくる”白い花”ということは、”精液”なども考えられますね。

 


■あとは、こういう歌詞も出てきます。

 


街の隅のドブ川にあった
壊れそうな笹舟に乗って流れた
霧のように かすかに消えながら

 


この辺りからは、少しずつ消え入ってしまいそうな、儚い雰囲気を感じます。最初の部分の解釈ともつながるんですが、(正確には、”僕”などの自称は出てこないですが、)僕が君に出会ったという描写がありますので、自然と恋愛関係をイメージするんですが、どうでしょうか。

 

しかし、全体的に漂う怪しい雰囲気や、消え入ってしまいそうな雰囲気から、一筋縄ではいかない恋愛をどうしてもイメージしてしまいます。

 


■個人的にはまず、”若い恋愛”や”若気の至り”というものをイメージしていました。

 

勝手にストーリーを妄想してしまいますが…季節はもちろん夏ですね、それで若い男女が出会うと。何となく、男女とも、俗世からちょっとかけ離れて生きている感じですかね、孤独とはちょっと違うかもしれないですけど。そういう男女が出会い、互いが互いを拠り所にするように、身体を重ねるわけですよ。

 

それは、若いだけの、未来なんて何にも約束されていない、今にも”壊れそうな笹舟”に過ぎないかもしれないけど、流れに任せるように(というより、それしか方法はなく)愛し合っている、と。

 


そんな風に、お互いの合意の上であれば、まだ救われる余地がありますが、もっと不穏な感じに突き詰めて考えていけば、ストーカー的なものも想像できます。そうすると、【スパイダー】の解釈に近づいていってしまいますが…。

 

”夏蜘蛛”という言葉は、あまりきれいな言葉ではなく、何ていうか、野蛮な感じがしますよね。巣を張って、じっと獲物を待つような、そんな雰囲気です。そういうところから、清楚な女性をストーカーして待ち伏せして、挙句の果てには、無理矢理犯すというような、そんな想像もできます。

 


まぁ、とにかくすごい曲ですよね、【プール】ってタイトルなのに、【プール】っていう言葉なんて一回も出てこずに、でも何となく、【プール】っぽいなって思えちゃうんですもんね。

152時限目:船乗り

【船乗り】


船乗り

船乗り

 

■シングル『遥か』のカップリング曲であり、スペシャルアルバム『色色衣』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中50位でした。何ていうか、重厚で渋い曲ですよね。名カップリング曲のひとつだと思っています。

 


■【船乗り】という曲の誕生の話を、書籍や「色色衣座談会」などをたどりつつまとめてみます。

 


まず、マイアミショック(バンドの意向とは別に、ベストアルバムが発売になったという出来事)以前、つまり『フェイクファー』『花鳥風月』が発売になった後、スピッツは音作りを試行錯誤していました。具体的には、『フェイクファー』は、書籍の中で「音が暗く、沈んでいるように感じた」「音の迫力もあまりない」などの感想を、メンバー全員がそれぞれ語っていますが、それを解消するためでした。

 

そういうわけで、音作りを試行錯誤していく中で、レコーディングやミックスをアメリカで行う、という試みが成されました。

 

【船乗り】という曲も、その試みで生まれた曲で、どうやらレコーディングは日本で、ミックスをアメリカで行った曲であるらしいです。通常、レコーディングは、まず楽器ごとに分けて録ります…ギター、ベース、ドラム、ボーカルなど。そして、それらを合わせて、一つの音源にすることを、ミックスダウンという風に言うわけです。要は、それらを別々の地で行ったということですね。

 

実際、その試みは功を奏して、メンバーも満足いく出来になったようです。素人耳で聴いても分かりますよね、『フェイクファー』と比べると、一気に音の迫力が増しているところはね。

 


まぁ、そういう試みの最中に、”マイアミショック”が起こりますが、そういう試行錯誤、アメリカでの経験が、後のスピッツの再生、アルバム『ハヤブサ』発売へと繋がっていくわけですね。

 


■そんな、”日本生まれ・アメリカ育ちの曲”、とでも言っておきましょうか、【船乗り】とは、じゃあどういう事を歌っているのか、考えてみます。

 

まぁ、大きなくくりとしては、”俺”と”君”の恋愛関係を歌っている歌だと思うんですけど、個人的に僕はもっと大胆に考えて、”結婚式”の風景を思い浮かべました。まさかの”ウェディングソング説”は、どうですかね?

 

よく、結婚することに対して、”二人の新たな門出”みたいなことが言われますよね。この門出のことを、”船出”と例えているのかな、という印象を受けました。”船乗り”という言葉は、まさに今漕ぎ出そうとしている、二人の船の舵を取る男性の決意を表わした言葉なのではないでしょうか。

 


歌詞をなぞってみると、例えば

 


大事な日忘れないで すぐに終わりがあってもね
並んで怖いほど 胸が高鳴り容赦なく

 

遠いところまで君を連れていく
風に尋いてくれ

 

という部分。”大事な日”とは、まさに、結婚の日(結婚記念日)のことでしょうか。”忘れないで”と言いつつも、”すぐに終わりがあってもね”と言ってしまうのが、草野らしさなんでしょうか。そういう結婚の幸せが、愛の誓いが、いつまでも続くとは限らないけど…ということなんでしょうかね、笑。

 

あとは、”遠いところまで君を連れていく”という言葉ですよね。二人で同じ船に乗って、新しい生活へと船出をするわけですけど、男の方が言ったんでしょうね、「俺についてこい!必ず幸せにするから!」とね。そういう男らしさを感じる言葉でありつつ、ここでもまた、”風に尋いてくれ”と歌っていますね。「いや…でも、未来は分からないけどね…」とでも付け加えているんでしょうか、笑。

 


■他、気になる歌詞を引っ張ってみると…

 

”ネイビーの雲赤い空 渡る鳥も一緒に歌う”…この辺は何でしょうね、カラフルで賑やかな感じで、祝われている感がしますね。

 

”始まりのときめき 本当に俺は生まれていた”…面白いですよね、こういう表現も。結婚を喜び、自分が生きていることを感じている、という感じですか。

 

”幼いフリをして あんな言葉もいいかもね”…これは、結婚の誓いの言葉でしょうか。まだまだ若くて未熟だけど、誓った言葉は嘘じゃない、ってことなんでしょうか。

 

などなど。その気になれば、また色々と読み取ることができますけどね。

 


■まぁ、別に”結婚”に限定しなくても、単純に”デート風景”とかを思い浮かべてみても良いんじゃないですかね。

 

実は僕も、最初のイメージは”デート”だったんですけどね。”胸が高鳴り容赦なく”って、内心はめちゃくちゃドキドキしているんだけど、”遠いところまで君を連れてゆく”と強がって、頑張ってエスコートしようとしている男性の姿を思い浮かべました。

 

そうすると、”船乗り”とは何でしょうか、デートの舵を取るように頑張る、と考えても良いですが、一番単純なのは、池でボートを借りてオールを漕ぐ、という風景でしょうか。色々と、想像はつきませんね!

特講:2016年のスピッツ総復習

リアルタイムで、現在、2016年12月31日でございます。この記事を、12月31日に見る方は、そこまで居ないかもしれませんが。


ということで、今日の記事は、”2016年のスピッツ総復習”と題して、今年(2016年)のスピッツの活動を振り返ってみようかと思います。



■まず、スピッツは、2016年1月1日にいきなり、映像作品「THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA”日本武道館」を発表しました。



作品のタイトル通り、スピッツが2014年に日本武道館で行ったライヴの模様を収録した作品です。


1月1日に発売された作品でしたが、僕がこの作品を手に入れたのは、確か3月頃だったと思いますが、色々なことがとりあえず一段落した時だったので、何ていうか、ご褒美的な感じで手に入れた記憶があります。まるで、新しいゲームソフトを買ってもらった少年のように、大事に持って帰ったのです。



もちろん僕は、このライヴを実際に見に行っていないので、この作品でライヴの模様を初めて見ました。本当に、素晴らしいの一言に尽きます。【フェイクファー】とか、自分の中でも特に好きな曲なんですけど、ライヴ映像で見たことがなかったので、本当に嬉しかったのです。


あとは、【プール】とか【夏の魔物】とか、あと、まさかの【晴れの日はプカプカプー】とかね、本当に印象に残る曲がたくさんありました。


(ちなみに、ここでの全曲研究セミナーの記事では、インディーズの曲などは紹介しないつもりでいるんですが、【晴れの日はプカプカプー】の記事は、この作品のおかげで書けそうですね、やったぜ!)


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■続いて、2016年4月27日に、41枚目のシングル『みなと』が発売になりました。ちなみに、カップリング曲は【ガラクタ】という曲です。


みなと

みなと


【みなと】を最初に聴いたのは、”NTT東日本のCM”にて、ちょっとだけ流れていた音源でした。僕は西日本に住んでいるのですが、このCMが解禁された当初は、まだあんまり西日本の方には情報が流れてきていませんでした。だから、正確には、最初はネットでCMの動画を見つけて聴いたのです。数秒の短い音源でしたが、それでも、「あぁ、これはいい曲だな!」って分かりましたよね。


そして、シングルが発売になり、フルで聴いても、やっぱり素晴らしかったですよね。近年のシングル曲では、個人的には一番良かったんじゃないかなって思います。



で、このシングルが発売になった頃、スピッツが珍しくミュージックステーションに出演しました。Mステに出演したのは、実に約3年ぶりのことだったのですが、僕も拝見しました。


そこでですね、色々と面白いことが起こるわけですよ。3つ話させてもらいますね。



①トークで、「好きな港の話」という、コアな話をタモリさんと繰り広げたあと、いよいよスピッツの演奏の番が回ってきます。


曲目は、もちろん『みなと』です。印象的なイントロで曲が始まり、そして、草野さんが歌い出します。緊張していたのか、ちょっと震えた声に聴こえました…。


しかし、あれ…何だかおかしい。そわそわして、歌うことを止めてしまう草野さん。何と、草野さんは、歌い出しを間違えてしまっていたのです!具体的に言うと、『みなと』のイントロは、8拍子を4回繰り返して、草野さんのボーカルが入るんですけど、Mステでは、8拍子を2回繰り返した後に歌い出してしまったのです。


やばい!と思って、顔を見合わせる草野さんとテツヤさん。照れ笑いをして、よくよく聴いてみると、「間違えちゃった」という言葉が少し聴こえます。貴重なワンシーンでした。



②歌い出しは間違えたもの、順調に演奏を進めるスピッツ…やがて間奏に差し掛かります。【みなと】には、間奏に印象的な口笛の演奏が入っているんですが、Mステでも、その口笛を聴くことができました。


間奏にさしかかり、画面がパンして、太った男性が画面に映ります。そうか、口笛の演奏はこの人がやるのか…おお、澄んだ口笛の音だなぁ…。



…って、誰やねん、この太っちょは!!?


もうそこからは、スピッツの演奏どころではありません。あの太っちょさんはどこに?どこにいるんだ!?…あー、映った!ってな感じで、もう太っちょさんにしか、目がいかなくなっちゃいました。本当に、インパクトのある太っちょさんでした。


(ちなみに、その太っちょさん…口笛を吹いていた男性の正体は、スカートというバンドのギターボーカルの澤部渡さんだということは、のちに調べて知りました。)



③あと、これはスピッツの演奏とは関係ないですが、Mステのこの回には、BABYMETALも出演していたんですが、BABYMETALのメンバーがしゃべっている時に、草野さんがそのメンバーの隣に座っていました。


その時の草野さんは、メンバーに自分の体が当たらないように配慮してか、体を斜めに(もう片隣のテツヤさんに体をあずけるように)座っていました。


アイドルに対する、草野さんの神対応ということで、これも話題になりましたね。ほほえましいというか、草野さんらしいというか。


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■そして、何と言っても、2016年7月27日に、15枚目のアルバム『醒めない』が発売になりました。


醒めない(初回限定盤)(DVD付)

醒めない(初回限定盤)(DVD付)


前作『小さな生き物』より、実におよそ3年ぶりということで、まぁ…スピッツルーティンではあるかな。やっぱり、シングルとか、DVDとかじゃなくて、アルバムって、特別な存在ですよね。


今回のアルバムは、本当に明るいアルバムという印象で、素直に聴けて楽しかったです。



別記事で書いたことをまた書きますが、自分にとってスピッツのアルバムは、何年か毎に自分の歩いていく道に、「ここまでとりあえずお疲れさん」的な、旗を立ててくれるものになりつつありますね。ゲームで言うと、”セーブポイント”を作ってくれる感じかな。とりあえず、どこかで息絶えても、ここまで戻ってくればいいや的な存在になっていると思っています。


次のアルバムまで、また3年(?)かな。また会う日まで。


youtu.be



■あとは、アルバムの発売を受けて、全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR 2016 "醒めない"」が行われました。


僕はそれには行ってませんので、そのあたりの話はできませんが…いつか、映像作品になることを楽しみに待つこととします。



■と、これぐらいですかね、主な活動は。


今年で、スピッツは結成29周年を迎えました…ということは、来年は30周年ですよ、本当にすごいですよね。何かを続けていくということが、こんなに力を生み出すんだということには、今でも勇気をもらい続けています。


30周年は、スピッツにとって、どんな年になるんでしょうか。何か、記念に作品とか発表したりしないかなぁ。



来年は酉年ですね。ヒバリから始まって、ハヤブサになって、今後はどんな鳥に成長していくのでしょうか。今年も、楽しみですね!


youtu.be

年末演奏会 スピッツカバー#5 : 雪風

冬らしい曲を、ということで、【雪風】を選びました。相変わらず、難しいね。

ブログは書くかもしれませんが、弾き語りは今年最後だと思います。良いお年をー!

 

youtu.be

 

151時限目:不死身のビーナス

【不死身のビーナス】


不死身のビーナス

不死身のビーナス

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されています。個人的ランキング、195曲中37位でした。『空の飛び方』の曲の中でも、かなり印象に残っています。とにかく、疾走感が気持ちいい曲です。イントロやアウトロのギターがかっこよすぎでしょう!

 


■書籍「スピッツ」などを読んだ限り、『空の飛び方』というアルバムは、スピッツにとって、かなり前向きな想いを込めて作った作品だということがよく分かります。

 

スピッツの中でも、自分たちの活動が安定してきた時期だったので、自分たちの気持ちの面でも勢いがある、アルバムの名前を借りるならば、”飛んでいる”時期だったのでしょう、【不死身のビーナス】にも、それが前面に表れていますよね。

 

アルバムのタイトルも、元々は「飛び方」だったそうですが、字面などを考えて『空の飛び方』になったそうです。インタビュアーさんの言葉を借りるならば、スピッツなりの”飛び方の11の方法”紹介アルバム、といったところでしょうか、笑。

 


■そういう、ノリに乗っている時期の【不死身のビーナス】という曲ですが、例のごとく、wiki(など)の情報を少しまとめておきます。

 


まず、作った当初この曲は、「無敵のビーナス」というタイトルだったそうです。”無敵”と”不死身”では、全然ニュアンスが違いますが、実際に口に出して歌ってみると、”不死身”の方がしっくりとは来るんですよね。

 

あと、この歌の最後の方に、「不死身のビーナス ネズミの街」という歌詞が出てくるんですけど、ここの”ネズミの…”というところを、その時のライヴの開催地の地名にすり替えて歌って、盛り上げています…東京の街とか、広島の街とか、って感じですね、ライヴに参加した人は嬉しいでしょうね。(確か、【けもの道】もそうでしたね。)

 

もうとにかく、当時の勢いをそのまま表しているような、気持ちのいいギターロックという感じでしょうか。ライヴの盛り上げ曲として、今でも人気の高い曲だと思います。

 


■ということで、その【不死身のビーナス】についての解釈を少し考えてみます。

 

全体的に読んだ感じで、まず僕がこの歌でイメージしたのは、”別れることを決意したカップルの、最後の場面”というものでした。

 


書籍「スピッツ」における、この時期(アルバム『空の飛び方』辺り)のインタビューの中で、【不死身のビーナス】や【たまご】などを引き合いに出して、「恋愛を特別なものとして崇拝するんじゃなく、端から見て滑稽なものとして…」というインタビュアーの言葉があって、草野さんは「つまらないけれども、美しすぎるかもしれないっていう」と表現していました。

 

何ていうか、僕もあんまり恋愛を語れるような人間ではないんですけど、恋愛ってみっともない部分ってあると思うんですよ。簡単に、「俺ら、ずっと一緒に居ような」とか「いつか結婚しような」とか言ってしまえたりしてね、大学生のくせに同棲したり、就職なんてしてないのに「結婚しような」とか約束したりね。…でも、それは決して嘘でも何でもないんですよね、本当の心の底からの気持ちだったんですよね、守れるか守れないかは別としてね。

 

この【不死身のビーナス】のカップルにも、そういうのがイメージとして浮かんできます。”子どもじみていて、将来性も無くて、でも、本気の恋愛”みたいな感じです。草野さん曰く、「つまらないけれども、美しすぎるかもしれないっていう」に当てはまるのではないでしょうか。

 


■そして、そういうカップルの別れの場面です。印象に残った歌詞をいくつか抜き出して、場面をイメージしてみます。

 



雨降り朝までもう絶対泣かないで
知らないどこかへ行っちゃうその前に

 

ここの部分は、いかにもって感じですけどね。別れてしまうけど、悲しまないでね、っていう意味に取ることができそうです。

 



さよなら飲みほそう 生ぬるい缶ビールを
あくびが終わる勢いでドアを蹴飛ばす

 

ここは、先ほど紹介したインタビュアーの言葉、「恋愛を特別なものとして崇拝するんじゃなく、端から見て滑稽なものとして…」が当てはまる気がしますね。何ていうか、酔いの勢いでというわけではありませんが、別れの場面において、感情をごまかしている感じ、「泣いてないし!これはあくびだし!」みたいな感じ、笑

 



最低の君を忘れない
おもちゃの指輪も外さない
不死身のビーナス いつでも傷だらけ

 

これがサビの歌詞ですが、中学生の頃に聴いた時には、よく分かりませんでしたね…”最低”なのに、何で”忘れない”んだろうって。でも、今は何となく分かる気がします。

 

”おもちゃの指輪”って言葉も、とても印象に残りました。まさしくこれが、二人の恋愛の象徴だったのでしょう。指輪が本当におもちゃだったとも考えられますし、もしくは、本物は本物だけど、結局叶わなくなったので、その効果がなくなった=おもちゃみたいな物になってしまった、とも考えることができます。

 


■そして、(草野さんは)そういう相手のことを、”不死身のビーナス”という言葉で表しています。

 

”不死身”とは、言葉通りに考えると、”不死”つまり”死なない”という意味ですが、曲を聴いた感じだと、”どんな困難や苦しみにもくじけない、強い心を盛っている”という意味合いでしょう。

 

”ビーナス(Venus)”は、”美と恋の女神”や”金星”という意味合いがありますが、そういう特別なことを歌っているのではなくて、どこにでもいるような女性を当てはめた方が、聴いている感じには合います。

 

別れてもくじけずに生きていく女性の姿、あるいは、へこたれないようにと願う男性(草野さん)の姿が思い浮かびますね。

 


■まぁ、別にこの歌を恋愛に捉えなくても良い気がしますが、恋愛に当てはめた方が自然ですね。

 

あとは、この歌に、また例のごとく、心中や自殺を絡める解釈も存在しているようです。

 

もしくは、カップルではなくて、この歌の場面がただの”一夜限り”の関係として解釈を進めてみるとどうでしょうか…ガラッと変わってきますよね。そうなると、”不死身のビーナス”は、街で人気のデリヘル嬢とか当てはめるとどうですかね?笑。そのつもりで読んでみても、面白いかもしれません。

150時限目:不思議

【不思議】


不思議

不思議

 

■アルバム『さざなみCD』に収録されています。個人的ランキング195曲中108位でした。

 

これぞ、スピッツ・草野さんの”恋歌”シリーズの王道といったところですね。

 

”シリーズ”と勝手にくくりましたが、例えば分かりやすいのだと、【恋は夕暮れ】、【恋のはじまり】、【恋する凡人】などでしょうか。恋することを何かに例えたり、恋をするとこんなになっちゃいますよ的なことを、草野さんなりに綴っている歌が、スピッツには数多く存在していますが、この曲もその一つだと思っています。

 


■今回、調べていて初めて知ったんですけど、この【不思議】は、”陽なたのアオシグレ”という短編アニメーション映画の主題歌だったんだそうですね。こんな作品があったことも、もちろん主題歌になっていたことも知らなかったですけどね。

 

予告編がありましたので、一応載せておきます。少しばかり、アニメの様子に合わせて、【不思議】が聴こえてきます。

 

https://youtu.be/o-bhtuM8a6s

 

一応、簡単なあらすじとしては、「主人公のヒナタくんが、シグレちゃんという女の子を好きになるんだけど、そのシグレちゃんが転校してしまう。そのシグレちゃんに、自分の想いを伝えるために、ヒナタくんが一念発起する」という物語だそうです。

 

絵が可愛らしくて、スタジオジブリのアニメなんかを思い起こさせますね。アニメと曲を合わせて見た感じだと、最初から、アニメの主題歌用に【不思議】を作ったような、そんな雰囲気なんですけど、実際のところどうなんでしょうか。

 

【不思議】の歌詞の中には、”雨上がり”、”濡れた道”などのフレーズが出てきますが、予告編でも、雨の描写、雨の中を走り抜けていくヒナタくんの姿が見えますし、”シグレ”は漢字で”時雨”と書きますからね。あと、どうやらシグレちゃんは、鳥の飼育係であるそうですが、歌詞には、”はぐれ鳥”というフレーズも出てきますので、そこも重なりますよね。

 

 

ところで、絵の感じに何か見覚えがあるなぁ、と思ったんですけど、他の動画なども見てみると、”パズドラ”のCMのアニメも担当しているんですね。どうりで、どこかで見たなって思ったんですよ。ちなみに、”studio Colorido(スタジオコロリド)”というアニメ制作スタジオの作品だそうです。

 


■総じて、”かわいらしい恋の歌”という感じですが、もっと”陽なたのアオシグレ”のストーリーになぞらえて詩を読んでいっても面白いと思いますが、見たことがありませんので、あまりこだわらずに、詩を読んでみました。もしかしたら、もっと他にもつながりがあるのかもしれませんが…。

 


まず、タイトルにもなっている、”不思議”という言葉の回収ですが、この言葉はサビに出てきます。

 


何なんだ 恋はフシギ 生きた証
シャレたとこはまるで無いけれど
君で飛べる 君を飛ばす
はぐれ鳥追いかけてく

 

”恋はフシギ(不思議)”と歌われていますね。”君で飛べる 君を飛ばす”などのフレーズも独特ですが、要は、君に恋をしたことで、空も飛べるような、そんな心地よい気持ちになっているということでしょうかね。

 

”はぐれ鳥”なんかも、独特な表現だと思いますが、先ほどのアニメには、ヒナタくんが鳥にまたがっている描写もありましたが、この歌の中での”鳥”とは、自分の想いそのものなのかもしれません。”はぐれ鳥”で、先ではどうなるか分からない、行き先の分からない自分の想い、というものを表現しているのかもしれません。

 


■他にも、部分的に詩を紹介しておくと、

 


目と目で通じ合える 食べたい物とか
今好きな色は 緑色 雨上がり

 


貝の中閉じこもる ことに命がけ
そんな日々が割れて まぶしかった 次の頁(ページ)

 


恋のフシギ さらにセットミーフリー
過ぎていったモロモロはもういいよ

 

この辺りも、面白い歌詞ですよね。どの歌詞からも、やはり、恋することへの喜び、ワクワク感、などを読みとることができます。”さらにセットミーフリー”なんて、英語なのに、無理矢理カタカナで書いてしまうひねくれ感とか、草野さんだなぁって思いますよね、笑。

149時限目:フェイクファー

【フェイクファー】


フェイクファー

フェイクファー

 

■アルバム『フェイクファー』に収録されています、タイトルを読んだ通り、アルバムのタイトル曲になっています。

 

個人的ランキング、195曲中3位です。堂々のベスト3にランクインの曲です!僕は、本当にこの曲が大好きなんです。

 


■この曲に出会ったのは、何ともうかれこれ20年近く前のことですよ。まず、僕は小学生の頃に、シングル曲【チェリー】を聴いて、スピッツに出会いました。

 

そして、そこから少しずつ、アルバム『インディゴ地平線』『フェイクファー』『花鳥風月』をレンタルショップで借りて聴いていきました。今はもう見かけることはなくなりましたが…カセットテープに録音して、何度も聴きました。兄から譲り受けた、もう壊れかけのウォークマンで、もう何処に行くにも(ちょっと盛ってますが)、カセットテープ3本と一緒でした。

 


そんなアルバムのタイトル曲である【フェイクファー】ですが、子どもの頃に聴いた段階では、ちょっと難しかっただろうなって思います。ちゃんと意味は理解できていなかったと思いますが(それは今もかも知れませんが)、色々感じることがありました。

 

何となく、最初聴いた時から、怖かったんです。メロディーは、すごくきれいだと思っていたんですが、何とも言えないザワザワ感が残っていたんです。それが何かくせになって、子どもながら取り憑かれたように、何度もこの曲だけ繰り返して聴いたりしていました。この曲が、アルバムの最後に入っていて、余韻に浸っていました。

 


■アルバム『フェイクファー』について、書籍(主に「旅の途中」)などを読んで、どういう作品だったのかを、少し話してみます。

 


このアルバム『フェイクファー』は、スピッツの作品では8作目のアルバムになるわけですが、このアルバムはスピッツにとって、”変化”のアルバムだったということがうかがい知れます。

 

このアルバムで、長年に渡って、スピッツの作品をプロデュースしてきた笹路正徳(具体的には、『Crispy!』~『インディゴ地平線』までをプロデュースされました)という方から、スピッツは離れることになるわけです。

 

そして、新たに棚谷祐一という方をプロデューサーに迎え入れました。この人はあれですね、アルバムの最初の曲に【エトランゼ】という曲があって、シングル『流れ星』にカップリング曲として、【エトランゼ(TANAYAMIX)】という曲が収録されていますが、この人の作品なんでしょう。

 

笹路さんが、”先生”的な人物であったのに対して、棚谷さんは、一緒に考えてくれる”兄貴”的な人物であったとありました。

 


信頼していた笹路さんを離れ、レコーディングは難航した様子が、書籍には綴られています。そんな中で作られた『フェイクファー』のことを、草野さんは書籍の中で、”いまだに聴きたくないアルバム”と評しながらも、”これもスピッツのある一面”であるとも語っています。

 

特に、サウンド面で納得いってないんだそうです。くぐもった感じ、暗い感じになってしまったとありました。僕は、これは意図的に行ったアレンジだろうと思っていましたが、どうやら違ったんですね。

 


■長くなりましたが、そんなアルバム『フェイクファー』の表題曲の紹介でございます。

 


まず、タイトルが”フェイクファー”ですからね、ここからもう不思議な魅力を感じます。英語では”fake fur”、"fake"は偽物、”fur”は毛皮、ということで、そのまま”偽物の毛皮”となりますが、一般的には、人口毛皮と訳されますね。

 

あくまで、”偽物”なんですよね、そこからも、何か草野さんらしさ・スピッツらしさを感じざるを得ません。いつか失ってしまうもの、欲しいものを得られずに遠くから眺めていること、などへの一種の美学がありますからね。

 


そういう感じで、歌詞を読んでいくと、”ザワザワ感”の理由が、色んなところに垣間見ることができます。いくつか抜き出してみると、

 


唇をすりぬける くすぐったい言葉の
たとえ全てがウソであったも それでいいと

 


分かち合う物は 何も無いけど
恋のよろこびに あふれてる

 


偽りの海に 身体委ねて
恋のよろこびに あふれてる

 

最初は、”柔らかな心を持った はじめて君と出会った”と、どこか幸せな恋愛でも始まるかのような歌い出しでしたが、読めば読むほど、何ていうか、悲しい歌ですよね、こんなにひねくらなくてもいいじゃんってね…苦笑。

 

”全てがウソ”、”分かち合うものは何も無い”、”偽りの海”…など、全ての言葉に、”フェイク”という言葉が隠れています。

 


■恋愛っぽい、偽物…と来れば、これも色々な物語を想像できると思います。

 


まず、真っ先に思ったのが、”体を売る女性との恋愛”という物語でした。

 

”唇をすりぬける くすぐったい言葉”というのが、まさにセールストークを思わせるなぁ、と思ったのが、この解釈の始まりでした。誰にでも言っている、本心からじゃない、褒め言葉や愛の言葉などが思い浮かんだんです。

 

あとは、”偽りの海に 身体委ねて”とかね。これは、愛の無いSEXでしょうか、いや、男の方は一方的に思っているかも知れませんが、女の方は仕事として割り切っているのでしょう。

 


他にも、”男女の許されない恋愛”という物語もありかも知れません。具体的にひとつ上げるとするならば、”不倫”とかね。

 

”偽りの海に 身体委ねて”とは、間違った形の恋愛に浸っているという感じでしょうか。それでも、”恋のよろこびに あふれてる”とね。

 


■という解釈を、極端に…というか、考えに考え抜くと、”男女の心中”、あるいは、”後追い自殺”などという物語に行き着きました。

 

この解釈は、最後の部分の

 


今から箱の外へ 二人は箱の外へ
未来と別の世界

 

というところを読んで、完成しました。”箱の外へ”というものを、”今生きている世界”の外と訳すとしたらどうでしょうか?また、”未来と別の世界”とは、もちろん間違った生き方として、許されない恋愛へと進んでいく二人、と考えることもできそうですが、これも、未来と別の世界=未来(生きること)を放棄する、と考えれば、これも”死”のイメージが浮かんできます。

 


ということで、どう考えても総じて、タイトルの”フェイクファー”とは、”偽物の温もり”とでも訳してみるとどうでしょうか。

148時限目:P

【P】


P

P

 

■アルバム『さざなみCD』に収録されています。タイトルは、アルファベット一文字でそのまま”ピー”と読みましょう。スピッツの曲の中で、アルファベット一文字の曲は、2曲ありますが、片割れがこれです…あともう一曲の方は、またお楽しみに。

 

個人的ランキング、195曲中173位でした。うーん…スピッツ屈指の名バラードには違いないと思いますが、『さざなみCD』の中では、印象は薄かったんですかね、無意識にですけどね…。

 


■ということで早速、この曲の紹介・解釈について語ってみようかと思うんですが、順を追って、いくつか歌詞を抜き出しながら見ていきたいと思います。

 


まず、出だしが、

 


全部それでいいよ 君はおてんとうさま
果てそうな時も 笑ってくれたよ

 

とありますが、この歌の主人公にとって”君はおてんとうさま”、つまり太陽のように、いつでも元気付けてくれるような、そんな存在なのだということが読み取れます。

 


周辺を読んでいくと、”電話しながら”というフレーズが出てきますが、会えない状況でも電話したりして、繋がっている関係を思い浮かべますが、どうでしょうか。

 


■あと、タイトルの"P(ピー)"という言葉が出てきている部分を抜き出してみると、2番のAメロに出てきます

 


ピー音で隠した 今じゃ当たり前の
古い言葉 道を転がる
寂しくてイラだち 真夜中に駆け出す 孤独を気取る余裕もなく

 

 

ここに”ピー(音)”という言葉が出てきていますが、この辺りを読んで、どんなことを思い浮かべるでしょうか。まさか、卑猥な言葉や言ってはいけない言葉を隠すピー音ではないでしょうしね、笑。

 

僕が真っ先に思い浮かべたのは、留守番電話でした…”ピーという発信音の後にメッセージを…”というやつですね。”電話しながら”という歌詞から想像してみました。

 

今はもう、留守番電話って使ってる方はあんまり居ないんですかね、職場でたまに見かけるような気がしますが…プライベートではまず使わないような気がします、もうこの時勢、メールやLINEなどの方が便利でしょうしね。

 


上述の歌詞の続きが、

 


君へと続く登り坂を すりへったカカトでふみしめて
こんなして 再び会えたから 笑おうとしたけれど何でだろ?
知らぬ間に戻される 恥ずかしき炎
知らぬ間に戻される 消せなかった炎

 

という感じなんですが、色々とつなげて考えてみますと、例えば、”君”に電話したら留守番電話になってて、急に寂しくなって、真夜中に直接会いに行くために家を飛び出した、とかそういう感じでしょうか、笑。

 


最後の”知らぬ間に戻される”は、平穏を取り繕おうとするんだけど、ようやく会えたことで気持ちが抑えられなくなってしまった、ということでしょうか。

 

あるいは、”炎”という言葉がありますが、ここから想像できるのは、気持ちの再燃というものもあると思います。別れた元恋人や、かつて好意を持っていた相手に久しぶりに出会って、気持ちがまた再燃してきた、ということも想像できるのではないでしょうか。

秋弾き語り スピッツカバー#4 : コスモス

秋ですなぁ…ということで、本当は【楓】をカバーしたかったが、キーが高すぎてうまく歌えなかったので、別の秋の曲を…ということで。でも、【コスモス】もいい曲だよね!

 

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